提督と利根さん、とか。   作:zero-45

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 提督と利根さん方式の会話のみ特別編

 別に投稿しても良かったんですが、まぁ進行が会話のみなだし短いのでここにという事で、どうか何卒、何卒。



 (※)今回は例の提督も利根さんも出ません、ご注意下さい。


2018/07/17
 誤字脱字修正反映致しました。
 ご指摘頂きました坂下郁様、有難う御座います、大変助かりました。


~読み切り短編~
提督と長門さんとニャンコ


「おい提督よ、ちょっといいか」

 

「どうした長門、こんな時間にアパートまできて」

 

「確認したいのだが、提督のアパートはペットOKだったよな?」

 

「……ああ、それがどうした?」

 

「実はネコを拾ってしまった」

 

「お……おう、そうか」

 

「実はネコを拾ってしまった」

 

「何故二回も同じ事を言うんだ長門」

 

「拾ってしまったんだ、ニャンコを」

 

「……無理だぞ、俺仕事忙しいし、動物なんて飼った事ないし」

 

「いやしかし提督よ、ニャンコがな、ほら、こんなに愛らしい」

 

「いやニャンコって何だよお前、確かにお前がそういうカワイイ系が好きなのは知ってたが、俺は面倒みれないからな」

 

「……どうしてもか?」

 

「どうしてもだ」

 

「ニャンコなのにか?」

 

「ニャンコなのにだ」

 

「くっ……まさか提督がこんなにも鬼畜な男だったとは、この長門は人を見る目がなかったという事か」

 

「なんでニャンコ一匹の事でそんな事言われにゃならんのだ! そんなにニャンコが好きならお前が世話をすればいいだろ!」

 

「……む、それもそうか」

 

「そうだよ、ほら俺動物飼った事なんてないから」

 

「そうか、分かった」

 

「そうか、分かってくれたか」

 

「それじゃニャンコの世話は私がしよう、では荷物を取ってくる」

 

「……え、荷物って何の荷物?」

 

 

 

【提督のアパートにニャンコと長門が着任しました】

 

 

 

「おい長門、俺のベッドにネコを寝かせるのはやめてくれ、抜け毛でえらい事になっちまってるじゃないか」

 

「うん? ではこのニャンコはどこで寝ればいいんだ?」

 

「いやどこでって聞かれてもな、ダンボールでも用意してそこで寝かせればいいんじゃないのか?」

 

「提督がベッドなのにニャンコはダンボールだとか、血も涙も無い事を言うな」

 

「なんでそうなるんだおい」

 

「着任当初の執務室にはダンボールしかなかったじゃないか、そういう経験のある提督はある意味ダンボールエキスパートなんだからにゃんこじゃなく提督がダンボールで寝ればいいじゃないか」

 

「一体どういう理屈で俺の寝床を決めようとしてるんだお前は、と言うかダンボールエキスパートなんて不名誉な称号を捏造して俺に余計な肩書きを増やすんじゃない」

 

「なら私のベッドをここに運び込んでそこでニャンコと一緒に寝る事にする」

 

「おい6畳1Kの部屋にベッドを二つも入れたら生活空間がほぼなくなるだろうが」

 

「くっ、なら全ての問題を解決する作戦をここに決行する、構わないな?」

 

「ああベッドの数も増えず、尚且つ俺の安眠ゾーンが保たれるならば許可しよう」

 

「という事だ、妖精さんカマン!」

 

「いつの間に妖精さんを召還してたんだお前」

 

「こんな事もあろうかと思ってな、うん流石だ、仕事が早い」

 

「……おい長門」

 

「なんだ提督よ」

 

「お前これ……ダブルベッド……」

 

「うむ、これなら提督の安眠ゾーンも確保したまま、かつ私とニャンコが並んでも安心で、更にはベッドの数も増えてない」

 

「力技にも程があるだろ、寧ろお前これだと寝る時って……」

 

「あぁ、これでニャンコをモフりつつ夢の中へという素晴らしい寝床になったな」

 

「……お前ってヤツは、何かをしたら毎回大事な部分が一本足りないなんて事をやらかすよな」

 

 

 

【提督のベッド(母港)枠が2つ拡張されました】

 

 

 

「なぁ提督よ、「ニャンコまっしぐら」というフレーズを知っているか?」

 

「あーどこかで聞いたような、いや一部名称がおかしいような……、いやまぁ確かペットフードのキャッチコピーでそういうのがあったな確か」

 

「そう、そのフードを使えば私にもニャンコがまっしぐらしてくれると思ったんだだけどな」

 

「え、なにその大量のネコ缶、しかも全部お高いやつじゃないか」

 

「うむ、ニャンコはちょっとグルメらしくて、オキニを見つけるまで結構苦労したんだ」

 

「お前何してるんだ……え、もしかしてそこに鎮座しているダンボールの中身って……」

 

「ニャンコまっしぐらの過程で生まれた余剰糧食だ」

 

「長門、それは余剰糧食とは言わない、決して、というかそのネコともそこそこ付き合いが長いんだから、ちゃんと名前くらい付けてやれよ」

 

「うん? ニャンコにか?」

 

「ああ、ニャンコにだ」

 

「……ニャンコはニャンコなんだが、それがどうかしたのか?」

 

「もしやそのネコの名前はニャンコだと言うのか……」

 

「ニャンコだと何か問題があるのか?」

 

「いやおまっ……それ長門にビッグセブンとかナガモンって名付けるのと同じと言うか、固有名詞としてはどうなんだと言うか……」

 

「提督はたまにおかしな事を言うな、まぁそれはいい、ところでチャーハンでも食べるか?」

 

「うん? また突然どうした、今まで料理なんて一度も作った事もないのに……まぁ折角だから頂くけどな」

 

「ところで提督よ、高級なニャンコまっしぐらはな、そこらのワゴンで山になってる缶詰よりも高級な素材が使われているんだ、知ってたか?」

 

「ほうなのか? ほれははつみみらな」

 

「美味いか? チャーハン」

 

「うまひぞ」

 

「でな、ニャンコには塩分や濃い味付けの調味料は厳禁でな、ニャンコまっしぐらはモノが高級素材の割りには味が淡白なんだ」

 

「ほうなのか……んぐっ」

 

「慌てて食うからそうなるんだ、落ち着け、ほらお茶を淹れてやろう」

 

「んっぐっぐっ……っぱぁ、すまん」

 

「ああいいんだ、ゆっくり食べてくれ、それで話の続きなんだが……高級なニャンコまっしぐらは淡白な味わい故に、実は料理の材料にも最適なんだ、なんせそこらのワゴンで山になってる缶詰よりも高級な素材が使われているからな」

 

「……おい長門、一つ聞いてもいいか?」

 

「例えばチャーハンとか、クリーム系のパスタソースに入れれば中々おつな物が……」

 

「お前、この話の流れで俺が何も気付かないなんて思ってないよな?」

 

「……いやだから、そこらのワゴンで山になってる缶詰よりも高級な素材が使われているから大丈夫なんだ」

 

「健康的に大丈夫でも俺の心情的には大丈夫じゃないんだが、寧ろお前も食ってるんだろうな? ニャンコまっしぐら」

 

「……」

 

「おいそこで何故目を逸らす、こっち見て話せ」

 

「大丈夫だ、お代わりは沢山用意してるからな」

 

「お前の大丈夫は何に対しての大丈夫なんだよ……」

 

 

 

【提督のアパートにニャンコまっしぐら特選コーナーから給糧艦長門が召還されました】

 

 

 

「……おい長門」

 

「どうした提督」

 

「いやどうしたもこうしたも、お前本当にニャンコしか目に入ってないんだな」

 

「うん? どういう事だ?」

 

「いやほら……何と言うか、アパートに帰ってもニャンコと寛いでるし、ごはんもニャンコと一緒だし」

 

「提督が私にニャンコの世話をしろと言ったんじゃないか」

 

「いやいつもお前は極端過ぎなんじゃないか? 俺が言った言葉まんまのドストレートな行動しかしないし」

 

「む、軍務とはそういうものじゃないか、命令を受けたならそれは完遂する、だが余計な事をすれば提督の意図しない事になるばかりか、それが原因で迷惑を掛ける事になるかも知れない」

 

「まぁ確かにそうなんだけどな、それにしてもお前は杓子定規が過ぎるんだ」

 

「……提督の命令は絶対だ、少なくとも私はそうあるべきだと思っている」

 

「お前は真っ直ぐ過ぎるんだよ、そんなお前を見てるとたまに眩しくてどう接したらいいか俺は分からなくなr……」

 

「ちょっと待て! 今ニャンコがゴメン寝の体制に入ったぞ!? ほらスマホ! スマホを取ってくれ!」

 

「ホント空気読まないなお前」

 

「……良し、中々いい絵が撮れた……これは胸が熱いな、で? 何の話だったか」

 

「ああもういい、いいからほら」

 

「……そうか?」

 

「て言うかだな、お前はここに居候してる身なんだから、たまには家事と言うか料理の一つでも作ろうとは思わないのか」

 

「……提督はそんなにニャンコまっしぐらチャーハンが気に入ったのか?」

 

「んな訳あるかっ!」

 

「……ならどういう料理を作ればいいんだ? 自慢じゃないが、私はそれ程料理のレパートリーが多い訳ではないからな」

 

「そう言えばお前って独身男性の手料理的な物しか作れなかったよな……」

 

「そうだな、その辺りは考慮して貰いたい」

 

「なんでそこで偉そうにするんだよ、はぁ……それじゃ俺がオカズを作るから、お前は味噌汁当番だ、いいな?」

 

「味噌汁をか」

 

「ああ、味噌汁を作ってくれ」

 

「もしかしてそれは毎日なのか?」

 

「そうだ毎日だ」

 

「……そうか、分かった、準備をしてくるから少し待っていて欲しい」

 

「うん? 準備っておいどこに行くんだ?」

 

 

 

【ケ・ッ・コ・ン・カ・ッ・コ・ガ・チ ~長門との間に強い絆を結びました~】

 

 

 

「おい……なんでこんな事になっているんだ」

 

「提督が毎日私の味噌汁を飲みたいと言ったからだ」

 

「待て、お前変なとこで空気読むよな……大体だな、お前に味噌汁を作れと言ったのは俺とカッコカリをしろという意味を含んだ……寧ろ命令でも、何でもなんでもないんだが……」

 

「命令ではないのか?」

 

「ああ、命令じゃない」

 

「なら聞くが、私が毎日提督に味噌汁を作りたいと言えばどうなんだ?」

 

「……毎日か?」

 

「毎日だ」

 

「……味噌汁をか?」

 

「そうだ味噌汁をだ」

 

「……その作戦に何か必要な装備はあるか? あるなら支給しよう」

 

「そうだな、その作戦にはこの指輪が必須だ、頼めるだろうか?」

 

「ああ分かった……許可しよう、これからも宜しく頼む、長門」

 

「大丈夫……私はあなたとニャンコと共にある」

 

「結局ニャンコも一緒になるのかよ……」

 

「そうだな……ふふっ、本当に……胸が熱いな」

 

 

 

-了-

 

 

 


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