なのでちょっと短め。
2019/02/20
誤字脱字修正反映致しました。
ご指摘頂きました水上 風月様、有難う御座います、大変助かりました。
にじゅうななにちめ
「のお提督よ、ちょっと聞きたいことがあるのじゃが……」
「あ? なんだ利根」
「お主はその……何というか、このクソ寒い山の天辺でどうしてそんな下穿き一丁の寒々しい格好をしておるのじゃ」
「下穿き? ああ、このタイガーパンツな」
「タイガーて……確かに虎柄になっておるが」
「まぁこれにはちょっとした訳があってだな」
「久々に更新したと思うたらまたぞろいつものパターンか、それで? 今回はどんな珍妙な訳があると言うのじゃ」
「今日は何月何日だ?」
「む? 二月四日じゃが」
「昨日は?」
「二月三日じゃの……ってまさか」
「二月三日と言えばセッツブーン! セッツブーンと言えば豆まき! 豆まきと言えば鬼だろ!」
「いや既に節分は過ぎとるじゃろうが! 寧ろセッツブーンってなんじゃ! お主が言うと妙にイラッとくるイントネーションじゃの」
「いやそれはだな、ほら、例の幼稚園で豆まきイベントでもすりゃガキ共が喜ぶかと思って、ちょいと前から用意してたんだけどよ」
「いやいや、確かにそういう催しは幼児に対して良い情操教育になるとは思うがな、お主のようなムキムキマッチョが虎柄のブーメランパンツ一丁で鬼の面を被って公の場に出るのは聊か公序良俗に反すると言うか、ぶっちゃけそんなの見たら子供達のトラウマになると我輩は思うぞ?」
「それだけどよ、ほら、子供は風の子って例えがあるじゃねーか」
「……なんじゃ、いきなり話が妙な方向に向きおったな、まぁ確かに昔からそういう例えもあるにはあったが……」
「んでもよ、最近のガキって妙にモコモコとした厚着してたりよ、家に引きこもってゲームとかやったりよ」
「それも時代の流れじゃからの、仕方なかろ」
「そういう世情に流されるダメな大人が軟弱な子供を量産してるって何で気付かない!」
「……のう提督よ」
「あ? なんだよ」
「言ってる事は大層立派な大人の意見なのじゃがの、その言葉を具現化したのが虎柄ブーメランパンツのみ装備した海軍提督ってどうなのじゃ」
「いや、実は事前プランで虎柄全身タイツというブツも用意してみたんだがな、何と言うかコレジャナイ感がマッハでよ……」
「局部のみカバーするか、全身パッケージングするかの極端な二択しか用意せんというのがお主らしいの」
「で、取り敢えず準備ができたんでさぁ行くかって段になってだな、致命的な問題に気付いてしまった」
「……何に気付いたのじゃ、言うてみい」
「今日は何月何日だ?」
「いやだから今日は二月四日で節分は昨日じゃと言うたではないか」
「で、今日は何曜日だ?」
「む、今日は月曜日……あ!」
「そう、今年の二月三日、つまりセッツブーンは日曜で幼稚園は休みだったと当日になって気付いてしまった」
「待て、待て待て、当日になってって……お主と幼稚園側ではちゃんと豆まきについての話はしておらんかったのか?」
「いや、先方からは何のオファーもなかったが突発的なサプライズイベントとしてセッツブーンをだな……」
「待つのじゃ! そんな虎柄パンツに鬼仮面のムキムキマッチョが予告も無しに幼稚園に現れたら通報待ったなしじゃぞ! 一度冷静になって己の姿を姿見で確認してみるのじゃ!」
「まぁそんな訳で俺とお前用のセッツブーン特別装備が無駄になってしまった訳だが」
「……待つのじゃ」
「あ? なんだよ?」
「お主と我輩用じゃと?」
「おう、俺とお前用のセッツブーン装備」
「お主の装備とはその虎柄パンツと鬼の面だけのようじゃが……」
「お前用のはほら、コレだ」
「うーわ、何でブーメランパンツから我輩用の衣装がズルッと出てくるのじゃ! しかも妙に人肌に温まっておってキモいわっ! ……て言うか提督よ」
「何だ利根」
「我輩用と聞いて大体の想像はついておったが、何でこのクソ寒い冬空の下で我輩は虎柄のビキニを着用せねばならんのじゃ」
「良く見ろ、ビギニだけじゃなくて虎柄のブーツもセットになってんだろうが」
「幾ら履物がブーツになっても、他の着衣の布面積が少な過ぎて全然意味を成しておらんぞ……何で我輩がこんな物を着んといかんのじゃ」
「それは日本古来の文化を学びつつ情操教育を施し、かつ園児達が楽しめるゲリライベントを開催する為の特別装備だからだ」
「……サクっと言ってしまえば、それは予告も無しに幼稚園へ裸族二人が襲撃に向かうゲリライベントと理解すれば良いのかの、ん?」
「そしてそれを着た瞬間から語尾は「のじゃ」ではなく「だっちゃ」にしなければならない縛りが発生する」
「アウトー! それ色んな意味でアウトじゃぞ! 寧ろ今時の子供にそのネタは通じんからなっ!」
「まぁ確かに布面積は少ないかも知れんが、お前なら大丈夫なんじゃね?」
「……何でじゃ」
「前面も後部もストーンとした幼児体形だし、起伏が少ない分だけ風が当たる面積が少ないから物理的に感じる寒さは減少するんじゃないかと思う訳だ」
「ぶっ飛ばされたいのかお主は! 起伏が少のうても寒いものは寒いのじゃ! 寧ろ脂肪分が少ない分当たる風が余計骨身に染みるのじゃぞ!」
「お……おう、成る程な、それってアレだ……大鳳のハリケーンバウ(絶壁)と大和型のバルバスバウ(山脈)的な違いと一緒という事か」
「全方位の平たい方面へ喧嘩を売るのはやめるのじゃ! 寧ろそういうのは極一部では熱狂的な需要があるから何も問題はなかろ!」
「……お前さ、それ、言ってて悲しくなんねぇか?」
「くっ、うるさいわっ!」
「まぁそういう訳で主目的のセッツブーンには使えなくなっちまったが、そのビキニはお前の新しい装備として採用すっから、抜錨する時はそれ着て出撃な」
「待て、待つのじゃ……こんなハレンチな衣装を着て抜錨じゃと? お主は一体何を言っておるのじゃ」
「ハレンチて、なぁお前さ、一度冷静になっていつもの格好を姿見で確認してみた方がいいぞ?」
「これは軍が指定した正式な装備じゃから仕方なかろ!」
「でもお前、そのビキニはちゃんと上下セットになってるから大事な部分は隠してるだろ? な? ほらいつものノーパンより公序良俗的にアリだと思わねーか?」
「たーかーらぁ! いつもいつも我輩はちゃんとパンツは履いておると何度言えば理解するのじゃ! それにそんなヘソ出し衣装でどうやって敵からの攻撃を防ぐと言うのじゃ」
「あ? 何言ってんだお前、それはただの虎柄ビキニじゃなくて虎柄ビキニアーマーだぞ?」
「……なんじゃそれは」
「え、お前知らんの? ビキニアーマーってのは由緒正しい防具でよ、いつも着てるその布の服の何倍も防御力があんだぞ?」
「それはゲーム世界の架空設定じゃろうが! どうやったらこの布が無い部分の防御を賄うと言うのじゃ!」
「そこはほら、ドラゴニックオーラ的な? 寧ろ太ももだけは絶対に露出するぞという強い意志を感じるいつもの制服よりはよっぽど潔いと俺は思うんだけどな」
「なんじゃその強い意志て、病的な拘りみたいに言うでないわ」
「ついでに言うとちゃんとイ級アーマーでビキニタイプの有用性は検証してあっから、安心しろ」
「……なんじゃと?」
「だからよ、ゲンさんとこの連中ってほら、前に俺が作ったイ級のフルプレート装備してんだろ?」
「ああ、あの狂った漁船の連中か」
「第八亀丸な」
「いやそんな漁船の名前はどうでも良いわ、それで? あの漁師騎士団がどうしたというのじゃ」
「いやフルプレートだと陸での取り回しが悪いつったからよ、ビキニタイプのヤツ作って渡してみたんだけどな、どうも防御力はフルプレート並みにあるのが確認とれた」
「待つのじゃ、ビキニアーマーを渡したて……あの漁師共は今ビキニアーマーを着込んでブリ漁をしておるのか?」
「いや、主に漁協のおばちゃん連中」
「は!? おばちゃんていつも煎餅や飴ちゃんをくれるあのおばちゃん達か!?」
「おう、ゴムの前掛けより取り回しが楽だって評判はいいんだぜ?」
「て言うか騎士がブリを採ってきて、それをビキニアーマーを着たアマゾネスが選別するとかあの漁協はどこを目指しておるのじゃ……」
「まぁそういう訳でお前の装備それだから」
「だからどういう訳で我輩の装備がその虎柄ビキニになるのじゃ!」
「て言うか、素早さの半分が防御力になるから身軽にするのは防御面に於いては正しいって聞いたし」
「それはドラ○エの話じゃろうが、誰じゃそんなおかしな事をお主に吹き込んだのは」
「え、いやこの衣装作る時に生地を先輩のとこに発注した時によ、世間話的に小耳に挟んだんだけどよ」
「サブロォォォォォォォオオオオオオオオオ!!!」