提督と利根さん、とか。   作:zero-45
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 稀に投下するかも知れないコンビ。

 利根さんの方はまた近日(多分)


提督くんと押しかけ秘書艦ぬいぬい
邂逅(強制)


 

 

 

「ぬいぬいです。ご指導ご鞭撻、よろしくです」

 

「あ、はい今日から研修でここの警備府にお世話になる事になりました、宜しくお願いします不知火さん」

 

「なんでしょうか。…………ぬいぬいに落ち度でも?」

 

「え!? 何いきなり!? てかぬいぬいってナニ?」

 

「今日から司令の秘書艦として共に往く者として、呼び名という物は重要かつ関係性を表す呼称だとぬいぬいは具申致します」

 

「ちょっと待って、僕任官前の研修に来てるだけで秘書艦なんかつかないから、寧ろ不知火さん初期艦属性じゃないでしょ?」

 

「ぬいぬいです。今日は取り敢えず司令の案内を仰せつかっていますが、研修が終了すれば司令は司令(仮性)から司令(真性)へとジョブチェンジを果たす筈ですので、今のうちにツバをもとい好印象を持って貰い、任官の際はぜひ秘書官としてこのぬいぬいをご指名頂こうかと」

 

「その司令の後に付くカッコの中身はどっちも男として許容できない表現なんだけど!? 寧ろ任官後のあれこれについてぶっちゃけ過ぎなんじゃないかな不知火さん!?」

 

「ぬいぬいです、それではこれより警備府施設をご案内致します。先ずここが最重要施設の一つである波止場。恐らくここが司令がこの研修中最も利用する機会が多い場所となる筈です」

 

「波止場ぁ? いや確かに海軍なら海に関係する場所は重要だと思うけど、警備府の重要施設筆頭が波止場って何で?」

 

「研修に就くという事は毎日毎日上司からの理不尽なシゴきは当然として、経験豊富なお局的艦娘からの叱咤激務を浴びせられるのは予定調和だと思います」

 

「待って、何で研修が理不尽なシゴきに限定されるの? むしろ経験豊富な艦娘さんからは叱咤激務ってそれどんな救いようのない無茶振りされる予定なの!?」

 

「そんな失意のズンドコの司令が心を癒す為に訪れるのは、誰も居ない寂れた波止場。夕日を眺めさめざめと見る海に向かって涙する司令に、このぬいぬいが優しく懇切丁寧に慰めるというシチュを経て、晴れて司令はぬいぬい推し属性へと至る未来が予想される感じと申しますか」

 

「失意のズンドコになっちゃう研修って嫌な表現ヤメテ! 寧ろぬいぬい推しってどんな属性なの!?」

 

「それでは次に案内するのは、当警備府の最重要施設である食堂です」

 

「いや話題転換と言うか唐突な案内場所の変更に僕ついてけないんだけど。っていうか最重要施設は波止場ってさっき言ってなかったっけ? 寧ろ重要って事なら普通執務棟とか工廠なんかじゃないの?」

 

「執務棟や工廠なんてただの飾りです、偉い人にはそれが分からんのです」

 

「分からんのは不知火さんの感性だと僕は思うなぁ……」

 

「我が警備府食堂では従事している人員が少ない為、敢えて定食的な物は廃し、予め用意している主食・主菜・副菜・汁物から其々一品づつ選ぶシステムを採用しています」

 

「あー……バイキング的な? 成る程、んじゃここのプレートに食べ物を盛っていく形でいいのかな」

 

「因みにぬいぬいのオススメは主食が本練り(羊羹)、主菜がモナカ、副菜がアイスで汁物は汁粉という頭脳労働スペシャルになりますね」

 

「どれも主食・主菜・副菜・汁物に該当しないよ? そんなに糖分摂取したら働くべき頭脳が強制睡眠に陥るから」

 

「……ぬいぬいに何か落ち度でも?」

 

「何か落ち度と言うか陥れられてる感がハンパないんだけど…… 取り敢えずここにある食べ物をお皿に盛ればいいよね……」

 

「……ぬいっ!」

 

「え、なに不知火さん、そこに立たれるとごはん取れないんだけど……」

 

「ぬいっ! ぬいっ!」

 

「えちょっ!? なんでそんなカバティばりに行く手を阻むの!?」

 

「料理を皿盛る際は、こう……上半身を90°折り曲げるようにして、視線は常に床へ。それが我が警備府に於ける食堂での掟になります」

 

「ナニその理不尽な掟!? え……そもそも掟ってナニ!?」

 

「そのまま進んでしまうと、厨房奥に潜む給糧艦達の邪悪な胸部装甲に精神が汚染される恐れがあり大変危険なのです」

 

「なにその邪悪な胸部装甲って!? あ、ごめんなさいごめんなさい、そんなつもりはないんです間宮さん、いや今のは不知火さんが言った事で僕がそう思ってる訳じゃないんです!」

 

「取り敢えずカツ丼とブタ汁をテイクアウトしましたので、波止場に戻りましょう」

 

「随分テイクアウトに適さない食べ物をチョイスしたね不知火さん……てかなんでテイクアウトしてまで波止場に拘るのかな」

 

「ぬいぬいです、普段はカレーなんかの無難な物を選んで一人寂しく便所飯しているのですが、ここは……さり気なくオシャレでデキるウーマン的な部分をアピールしようかと」

 

「カツ丼にブタ汁は多分オシャレじゃないしそんな秘密をぶっちゃけちゃうと全然さり気なくなってないから。寧ろ一人便所飯って悲しい日常も霞んじゃうトイレでカレーって組み合わせに僕ドン引きだよ……」

 

「ちなみに波止場に食べ物を持ち込む際は、獲物を狙う敵機による急降下爆撃に十分警戒して下さい」

 

「え、敵機って……わーっ! カツがトンビに持ってかれたぁっ!」

 

「だから事前に急降下爆撃に気をつけて下さいとあれほど……」

 

「アレ敵機じゃなくてトンビだから! って怖っ! ごはんの盆にわちゃわちゃ群がってるぅ!」

 

「沈め………沈め!」

 

「ちょおっ!? トンビ相手に10cm連装高角砲斉射しないでっ!」

 

「フフ………不知火を怒らせたわね……!」

 

「やめっ! 酸素魚雷投げるの禁止っ!」

 

「……作戦が終了しました」

 

「……僕のごはんが壊滅的な被害を受けてると言うか、あれだけ激しい攻撃を受けたトンビは無傷な上に、波止場の損傷も皆無って……」

 

「警備府の最重要施設ですので、頑丈さは折り紙つきです」

 

「変なとこに海軍の本気を見た気分だよ。それで不知火さん、今度はどこを案内してくれるの?」

 

「そうですね、次はこの警備府の最重要施設であるぬいぬいの私室にご案内しようかと」

 

「何で不知火さんの私室!? てかそこも最重要指定されてるの!?」

 

「このぬいぬいが一日の大半を過ごす空間がぞんざいな扱いな筈ないではないですか、そこはもう妖精さんに頼んで気合を入れた造りになっています」

 

「……一日の大半? え? いや不知火さん普段どんなスケジュールで軍務を回してるの?」

 

「ぬいぬいです。先ず〇九(マルキュウ):〇〇(マルマル)に起床、そして便所飯の後は自室に戻り待機、一二(ヒトフタ):〇〇(マルマル)に便所飯」

 

「午前中は便所飯と自室待機のみってどういう事!?」

 

「そこから引き続き一七(ヒトナナ):〇〇(マルマル)の便所飯まで自室待機になりまして……」

 

「便所と自室以外に時間の過ごし方はないの!? 寧ろごはん食堂で食べようよ!」

 

「じっとしてるのは性に合いませんね」

 

「いやそんな限定された空間で能動的に活動されても……てか、不知火さんってもしや引きこもり?」

 

「そそそそんな訳ぬいじゃありませんか、そそそうですねマイルームへご案内は最終マスに設定するとして、次のコマはお風呂にご案内という事にしたいと思います」

 

「警備府の案内を攻略海域に見立てた上に、ボスマスを不知火さんのルームに設定する辺り色んな意味で不穏な未来しか思い浮かばないのは気のせいなんだろうか……え、風呂?」

 

「はい、当警備府の最重要施設であるお風呂にご案内致します」

 

「いや風呂って、入渠施設じゃないの? て言うか不知火さん最重要って日本語ちゃんと理解してる?」

 

「え、ああ確かそういう利用もされるのでしたね。ぬいぬいは主にリフレッシュと美容の為に利用していますが」

 

「それって普通に入浴としてしか入渠施設を利用した事がないって事だよね? 寧ろ僕がそういう場所に足を踏み入れるのは不味いと思うんだけど、男だし」

 

「大丈夫です、この時間帯なら利用者が居ないのを確認済みですので、貸切状態なのは保障致します」

 

「どんだけぽっち活動に余念がないの、って貸切にしたって僕が利用する訳じゃないんだから」

 

「……お背中流しますよ? このぬいぬいが」

 

「なんでそうなるの」

 

「いえ、ここで色々と既成事実を作っておけば司令が真性になった後、ぬいぬいの色々は安泰するかなと思いまして」

 

「色々ぶっちゃけ過ぎでしょ不知火さん! ナニ既成事実って! そんなやばそうな事実は遠慮するからね!」

 

「ぬいぬいです。これでも薄い教本で培った知識がありますので、テクニックには自信があります」

 

「そんな物凄く胡散臭いテクニックをひけらかされても。寧ろ薄い教本って単語に不安要素しか感じない」

 

「オータムクラウド編纂、水雷センタン四級辺りまでは習得済みですがなにか?」

 

「余計不安要素が拡大しました……」

 

「むう、お風呂がダメなら次はトイレかマイルームしかご案内できる場所がないのですが」

 

「不知火さんの行動範囲って物凄く限定された場所しかないのはなんで? て言うか良く考えたら僕警備府の司令長官さんにも挨拶してないんだけど」

 

「いえ、その辺りは省略しても良いと思うのですが」

 

「いやいやそこは一番省略しちゃダメなところでしょ!?」

 

「司令長官なんてただの飾りです、偉い人にはそれが分からんのです」

 

「いやその偉い人が司令長官さんなんだけどね? だから飾りにしちゃダメなんじゃないかって僕は思います」

 

「いっそその何某(なにがし)を亡き者にして、司令が偉い人になればぬいぬいの未来設計までの時短が可能なのではと思い至りました」

 

「そんな欲望に塗れた危険思想に思い至らないで欲しいなぁ、ていうか何度も言うように僕は教育課程の途中で研修に来ただけだから、秘書艦なんて就かないんだけど」

 

「あ、その辺りは何某(なにがし)に話は通してありますので、司令が了承すればぬいぬいは嫁艦もとい秘書艦としてお側に就く事は確定的可能な事になっておりますが」

 

「司令長官さんを何某(なにがし)扱いするのはやめて差し上げて? 寧ろ不知火さんが秘書艦に就くって話が通っちゃってるってどういう事?」

 

「ダメ元で何某(なにがし)に具申致しましたところ、二つ返事で了承されましたがぬいぬいに何か落ち度でも?」

 

「どいつもこいつも落ち度まみれじゃないか! 一体どういう事なの!?」

 

「秘書艦になった場合、夜のお勤めさえちゃんとこなせば煩わしい人間関係に悩まされず三食昼寝付きというドリームなライフが保障されてますし、便所でぽっち飯を脱したばかりか、執務室でカツ丼が食べれるというカレーの呪いすら退けるという特典まで付随するのです」

 

「ぽっちを満喫したいのに脱ぽっち飯を所望って色々おかしな事言ってない? 寧ろ夜のお勤めってどういう事なのさ」

 

「水雷センタン、出撃します!(意訳)」

 

「そこの意訳は余計!」

 

「色々尽くす所存ですのでどうか末永く、よしなに」

 

「話聞いて? 取り敢えず何某(なにがし)さんのところに案内して?」

 

 

 



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