この素晴らしい世界にリリカルな魔導師を!   作:ゴマフアザラシ

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リリカルなのはとのクロスオーバーですがオリ主の話になります。



プロローグ

「ここにいたの、悠」

 

 目的地到着までの間、次元航行艦の中を散歩していた俺は聞き覚えのある声で振り返えると、そこには長い金髪が特徴の少女で9歳の時からの昔なじみ、フェイト・T・ハラオウンが俺を見ながら柔らかな笑顔を向けていた。

 

「もうすぐ予定時刻だよ。そろそろ準備しないと……」

 

「分かってる。すぐ行く」

 

 そう答えると、俺は彼女と共に艦橋へ向かった。

 俺は浅間 悠。時空管理局本局所属の魔導師で捜査官をしている。今回、執務官であるフェイトの要請で彼女と共に捜査を進めていた。彼女が言うには、俺がいてくれた方が仕事は捗るらしいのだが、魔導師としては卓越した能力を持つフェイトが、俺を指名したって事は、かなり難儀な案件である可能性が高い。

 俺自身も魔導師として、それなりの力量だとの自負はあるが、フェイト一人だと任務遂行に問題が出る可能性もあったのだそうだ。

 

 ロストロギア――過去に滅んだ次元世界の超高度文明から流出する、特に発達した技術や魔法の総称である。

中には世界一つを簡単に滅ぼせるものも存在するため、管理局では最優先で対処にあたることになり、管理外世界で見つかったロストロギアの回収が今回の任務だ。

 

「しっかし何で俺にお呼びが掛かったんだか……。話を聞いた限りだと、フェイト一人でもどうにかできそうな感じだったが……?」

 

そんなことを呟いていると、あちらが真剣な表情で俺を見据えて。

 

「念には念を入れて……かな? ロストロギアにはまだ解明されていない物も多くあるから、万全を期しておきたかったんだよ」

 

「確かに……な。どうしたって、訳分からん物の方が多いからな。あれは」

 

 望みを叶える宝石だとか、数多の魔法を蓄えた魔導書なんてのが、子供の頃に遭遇したロストロギアだったが、あれを思い返すとフェイトの懸念は最もだと言える。

 

「今回は、捜査部の誇る悠に参加して貰ったから、安心してるんだよ?」

 

「俺はお前らみたいに優秀じゃねーよ」

 

「またそんな事言って……。この間、模擬戦した時だって、私も結構大変だったんだから。もう手加減とかできなくなっちゃった」

 

「つまり、それまでは手心を加えられていた……って事か……」

 

 少しばかり暗い気持ちになりながら彼女と向かい合っていたが、現在の俺の魔導師ランクは、9歳の頃のこいつらに漸く追いついたといったところだ。

 俺はランクAAA、フェイトはS+。ランクにして1.5の差となっている。魔導師ランクで勝敗が決するわけではないが、先日の模擬戦は俺としては、持ちうる手段を全て使ってどうにかなったといったところなので、まだまだ実力差はあるとの見解だ。

とはいえ魔導師としての素質は彼女らに比べて乏しい自分がここまで来れたのは、ひとえに皆の協力があってのものだと自覚している。

 

まあ頼られたのなら全力を尽くすだけだが……。

そんなのを考えながら雑談をしていると。

 

『あと15分程で目的地に到着します。各員準備を』

 

艦内アナウンスが響き渡り、フェイトも、もちろん俺も表情が緊張を持ったものへと変わっていった。

 

「フェイトはこれが終ったら休暇なんだろ。さっさと終わらせようか。エリオとどっか行くとか約束してんだろ? ここでミスったらその約束が反故になりかねねーぞ?」

 

「そうだね。頼りにしてるよ……。悠」

 

そう言って、俺たちは現地へ降り立ちロストロギアの探索を行っていた。

 

 

 

 

 

 

結果からいうと、俺たちは拍子抜けするくらい簡単に目的物の場所まで辿り着いた。俺自身、何故かは分からないが……、凄まじく運が悪い。みんなと歩いている時に、俺一人だけ怒り狂った犬に追いかけられ、バナナの皮で滑り、田んぼに落ちて泥まみれなんてコントみたいな経験をした事だってある。

 

まぁ……、想定外の事態がないのは良いことだ。こんな時があったって(ばち)は当たらないだろう。

 

そう思いながら、回収を試みようとしたところ……。

 

「この揺れ……!? 次元震!? なんで?」

 

これはマズイな……。こんな所で次元災害を起こすわけにはいかない。原因は不明だが、それの解析は後回しにして、打てる手を打たなければ。

 

その考えで、瞬時に魔法陣を起動させる。茜色の魔力光の円形の魔法陣が空中に出現し、魔法の準備に取り掛かっていた。

これをこのままにしておけば、複数の次元世界にどれだけの影響がでるか……。下手すれば世界の一つや二つ滅んでもおかしくはない。よって、最悪の事態も想定しておかなければならない。

 

「フェイト、お前は艦に戻って部隊を再編して対処を。俺はこいつの封印を試してみる」

 

「わかった。無理しないでね……」

 

「ほんとにヤバかったら、すぐに逃げるから心配するなって。俺はそういったのは得意なんだ。知ってるだろ?」

 

心配そうな表情を浮かべながらも、艦に戻って行ったフェイトを見送った。彼女も、ここで手をこまねいているよりも、部隊で対処に当たった方が被害を抑えるのにも最善の手段だと分かっているのだ。

そして封印の準備に取り掛かる。俺はこの場に一人残されたわけではない。右手に持つワンド程の長さの杖に向かって、静かに語り掛けていた。

 

「さて……やろうか。準備はいいな?」

 

『はい。行けます、マスター』

 

「封印!」

 

9歳から共に苦難を乗り越えてきた相棒であるデバイスの返事と共に封印の魔法を発動し、そのまま俺の意識は闇に消えた。




主人公スペック
浅間 悠(16)

時空管理局本局所属の捜査官

魔導師ランク 空戦AAA
使用術式   ミッドチルダ式
魔力光    茜色
魔導師としてのタイプは良く言えばオールラウンダーの万能型、悪く言えば器用貧乏。
魔力変換資質はありませんが、炎熱変換は修得済。
たまに教導隊で非常勤のアシスタントもしてます。
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