この素晴らしい世界にリリカルな魔導師を! 作:ゴマフアザラシ
完結はしていますが、後日談という事で何話か書く予定です。
お礼行脚 その一 ~アクセル~
時空管理局、本局捜査部執務室――事件捜査と言えば現場に赴いての証拠品集めや聞き込みが主のように思われがちだが、その集めた情報の取捨選択も重要な仕事となる。
捜査かく乱を狙い、わざと間違った物的証拠を現場に残す輩や、身代わりで犯人を仕立てる者なども中には存在するため、慎重に事を進めていかなければならない場合も多々あるのだ。
「……んー。こっちは洗い直した方が良いかな……。この供述……、ちょっと矛盾があるな……」
「えっ⁉ どこですか?」
驚いたように差し出した資料に食い入っている同僚で後輩の女性。年齢は自分よりも幾分か上ではあるが、自身の入局年齢を考えれば、年上の後輩というのも珍しくない。
「自供と他の人間との供述とちょい食い違ってるだろ? うろ覚えって可能性も否定はできないが、そこら辺はもう一回取り調べも必要かな。それと矛盾点……、これは実際に現場に赴いて物証を探すしかないか……」
その様に資料を見せながら説明を行なうと、感心したような様子で、
「復帰されたばかりですけど……、相変わらずですね。頼りになります!」
俺に対し、満面の笑顔を向けていた。
捜査部という古巣には帰って来たものの、こちらは相変わらず忙しい。分かってはいたのだが、
「これがアニメやドラマの名探偵なら時間内に解決できるんだろうけど、世の中そううまく行きませんから、地道に頑張りましょう」
そう言うと、彼女はクスクス笑いながら自分のデスクへと戻って行った。少しはリラックスしないと仕事の効率だって落ちる場合があるのだから、こんな冗談くらいは許されるだろう。
その後、今後の方針や役割を軽くミーティングして本日の業務は終了となったのだが、
「あの……、これからみんなで食事をするんですが、一緒にどうですか?」
どうやら食事のお誘いらしい。部署の何人かが参加するらしいが……、
「すいません。今日は人と会う約束があるので、これで失礼しますね」
……と返事をしたところでドアをノックする音が聞こえ、そこに現れた人物は、
「ハラオウン執務官。お待たせしちゃいましたか? こちらも業務終了しましたので、行きましょう」
それに頷くフェイトと共に執務室から立ち去ったのだった。
カツカツとした足音を立て、二人で廊下を歩きながら、
「かすみの件でも世話になりっぱなしだったな。本当にありがとう、フェイト。後でリンディさんにもちゃんとお礼言いに行かなきゃ」
「気にしないでいいよ。私としては、ちょっと手伝っただけだから」
フェイト曰く”ちょっと”なんて言ってはいるが、かすみの身体的な検査から、今後の措置、その為に必要な法務的な手続きまで自分の仕事をしながら時間を割いてくれていたのだ。俺自身もかすみを本局に連れ帰って来てから一ヶ月間、引き継ぎだの報告だのをしながら、そちらにも関わっていたが正直フェイトが手伝ってくれなきゃダウンしていたも知れない。
「あの娘もそうだけど、悠のリンカーコアについての調査も、医務局で話題に上がってたらしいよ。同一データが無かったら分からないくらい自然に溶け込んでたって」
「正直自分でも信じられない。あんな訳わからん存在の影響を受けていたとか……」
「ここまで技術が発展してたって、この世界の謎なんて沢山あるからね。報告に関しては破棄されちゃったけど」
俺達が話していたのは、こっそり回収していたアクアの髪の毛の解析結果と俺のリンカーコアの類似点についてだった。髪の毛については『解析不能』となった物の、自分のリンカーコアでも似たデータが取れたのだそうだ。現状、見かけ上は日常生活にも支障がないため問題は無しとなっている。あくまでミッドチルダ基準である。冒険者カードの幸運値でははっきりと支障が出てはいるが。
「そういえば明日からの休日は、やっぱりあっちに戻るの?」
「そうだな。こっち戻ってから俺とかすみはバタバタだったから、あっちでお世話になった人達に、お礼と挨拶もしに行かなきゃ。これからしばらく休日はそれで埋まりそうだ」
そんな雑談をしながら本局の商業地へと赴き、
「じゃあここで。かすみで困った事があったら、保護者経験豊富なフェイト先輩を頼ると思うから、その時はよろしく」
「うん、じゃあね。そのうちエリオやキャロとも会わせたいな」
別れの挨拶をしながら、みんなへのお土産を購入するべく洋菓子屋さんへ入店した。
アクセルの屋敷の庭にある転送陣――これは現在、俺しか起動できない様に制限を掛けている。アクアからあまり異世界渡航の技術を広めないで欲しいといったお願いをされたためだが、この世界はまだまだ人間の脅威が多いため、転生者を送り込めないと困るらしい。
その転送陣からすぐに屋敷の玄関へと向かい、ドアを開けて、
「たっだいまー! お土産買ってきたぞー」
玄関で帰宅したと大声を出すと、すぐにドタバタとした足音がこちらへ近づいて来て、
「お兄ちゃん、おかえりー!」
つい先日、
「良い子にしてたか? プリン買って来たからみんなで食べよう」
うん、と元気良く頷いたかすみと一緒にリビングへと向かうと、そこには懐かしい光景が広がっていた。
「……初めて会った時と同じ格好してるな。アクアさん」
「あっ……。おかえりー。ねえねえ、カズマ、早く続きを寄越しなさいな。そろそろ読み終わりそうなんですけど!」
引っ越しの際に俺が持ってきた漫画本を寝転がりながら、真剣に読んでおりました。ついでにカズマも同じ格好で漫画を読んでいる。
「持つべきものは世界を渡れる仲間だな。ここに来る時に、新刊なんて読めないって諦めていたけど、こうして読めてるんだから本当に感謝するぜ!」
「おーい、カズマさんや。子供の前でそれはない。もうちょっと行儀良くだな……」
かすみの躾には良くないだろうと注意をしていると、
「このところ、一日中こうしている。マンガと言ったか? 絵と文字が書いているのは分かるが、私ではさっぱり分らん」
「紅魔の里で見た古代文字と同じ物ですが、私も同様です。あれの表紙を見てからというもの、二人共あの調子ですね」
「絵から何となく、内容は想像できますけど、私も文字が分からなくて……」
ダクネス、めぐみん、ゆんゆんが漫画本を読んでいる二人に羨ましい様な、半ば呆れているような眼差しを向けていた。ここはせっかく買ってきたお土産でもと思い。
「……寝転がってる二人のプリンは無しにして、おかわりは早い者勝ちに――」
「「それはダメだ(よ)‼」」
こんな時は意気投合するから面白い。
その後、みんなでテーブルを囲ってお土産のプリンに舌鼓を打っていると、
「お前の職場ってのは、こんなのも売ってるのか? 公務員っていうから、役所みたいなところを想像してたけど……」
「まあ、
などと、説明をして、
「ホンキョクとはどの様な場所ですか?」
「んーとね。すっごく大きくて、プカプカ浮いてて、お外が暗い所」
めぐみんからの質問にかすみが答えていたが、それで大体あってる。次元の海に建設された巨大な円筒形の建物、それが時空管理局本局だ。俺らの様な職員だけでなく、その家族も暮らす場合もあるため、住宅地や商業地も内部には存在している。
「良く分かりませんけど……、どこかの世界にあるんじゃないですか?」
ゆんゆんからしても想像はし難いだろうな。これに関しては仕方ない。
「地上本部ってのもあるにはあるけど、俺の所属は色んな世界に行く方だから、世界と世界の間みたいな所に本局はあるんだ」
「宇宙ステーションみたいなのを想像したが?」
「カズマのイメージが一番近いかな? 宇宙空間とはちょい違うけど」
俺とカズマ、アクアはこれで理解できるだろうけど、他はさっぱりと言った表情をしていた。
「それでだ。明日はアクセルを色々と回ってみようと思ってる。先日の件でみんなにはお世話になったし、かすみも連れて」
「うむ。私達もようやく落ち着いてきたところだ。丁度いい頃合いだろう。それで? 冒険者ギルドはともかく、他はどこに?」
「ダクネスの実家とウィズの店もだな。親父さんも王都で手を回してくれたんだろ? ダクネス一人じゃあそこまで騎士団も早く動けなかっただろうし」
ダクネスはバレていたか……といった感じの表情でこちらを見ていた。
次の日、カズマ達は先に冒険者ギルドへ行っているという事だったので、俺、かすみ、ダクネスの三人でダスティネス家を訪れていた。
相変わらずの大きなお屋敷で圧倒されるが、当主への面会についてはダクネスがもう話を通していてくれたらしい。客間へと通されて待つこと10分程、ダクネスの親父さんが入室されたので、立ち上がり、頭を下げながら。
「この度は、ご助力誠に感謝申し上げます。
「ああ。頭を上げなさい。ララティーナに、ここで見過ごせば盾の一族を名乗れなくなる……、とまで言われてしまってね。一筆書いただけなので、そこまで気にすることは無い」
その一筆でどれだけ助けになった事か。
「おじさん。ありがとう」
かすみも可愛らしく頭を下げて、親父さんに対してお礼を言っていると、
「その服は……昔ララティーナが着ていた物だね? いや懐かしい。しかも良く似合っている」
親父さんが嬉しそうにかすみを抱き上げて、にっこりとしていた。
「服の件もありがとうございました。やっぱりララティーナさんも、こんな可憐な少女だったんですか?」
「そうだな……。この娘も可愛いがララティーナも可愛らしかった。良かったらサイズの合う服がまだあるかもしれないから、持って行きなさい」
親父さんもダクネスの服を着たかすみを見て、昔を思い出したらしい。すると、
「今、自然にララティーナと呼んだか⁉ お前は何度言えば……!」
「親御さんから貰った名前が恥ずかしいなんて、ララティーナさんは親不孝だなあ……。もうアクセルの冒険者は、みんな知ってるんだから開き直ればいいのに」
「アクセルで広まっているのは、お前が付けた”ララちゃん”というあだ名だ! 名前で呼ばれるより、辛いものがあるのだ‼」
「呼びやすいし、親しみやすいし、良いこと尽くめだろ?」
親父さんの目の前だというのに、ちょっとした言い合いを続けていたが、このままでは泥沼になるのが分かってしまったのだろう。ダクネスから、
「カスミ、私の部屋に来ると良い。服を選んで行こう」
そうして、かすみの手を引っ張って自分の部屋へと行ってしまった。客間には親父さんと二人っきりになってしまったが、
「……あんな小さな女の子が、我々には想像もつかない程の過去を抱えてしまっていたのは正直驚いた。しかし彼女の顔を見て胸を撫で下ろしたよ……」
「今回はカズマ達だけじゃなく、皆さんのご助力がなかったら、どうしようも無かったかもしれませんでした……。本当に――」
「先ほども言ったが、頭を上げなさい。今回、君はあの娘の未来を守ったのだから、それは胸を張って良い事だ。我々は、少しだけ手伝ったに過ぎないのだから」
そんなの言われては、どうして良いか分からなくなってしまう。それを察したのか。
「彼女の事で困ったら、ワシが相談に乗ろう。何、これでも男手一つで娘を育てて来たのでね。愚痴でも吐きたくなったら、ここを訪ねると良い」
「はい……! その時はよろしくお願いします」
その返事に満足したらしい親父さんと共に部屋を出ると、丁度服を選び終わって客間に向かっている二人が見えたので、
「二人共、次に行こうか」
そうして、次の目的地へと向かったのだった。
ここはウィズ魔道具店。例の事件の折、アクセルの冒険者を魔王城前まで転移させるのにウィズが尽力してくれたらしい。なんでも自分で魔王城前までのテレポートスクロールを大量に作成したとか。なのでここはちゃんとお礼を言っておかなくては……という事で訪ねたのだが……、
「へいらっしゃい! 魔王の娘に初めてを奪われつつ、どうする事も出来なかった小僧よ。相談なのだが、茶髪の小僧が購入していった分の売り上げを店主が使い果たしてしまったのだ。新作のスクロールを――」
「『ゴッドコークスクリュー』ッ‼」
ヤツの心臓目掛け、ハートブレイクショットで動きを封じるべく、全力のコークスクリューブローを繰り出す。バニルには心臓が無いって? そんなのは気合いだ、気合。
「ふ、ふふふ……。ここで会ったが百年目。てめえのせいで! ゆんゆんの俺を見る目が乙女っぽくなってたり、たまにおっかなくなってたり、めぐみんとも変な争いしてたりで、こっちは大変なんだよ! どうしてくれるんだ、この野郎‼」
バニルを見るや否や、殺気立って全力の攻撃を仕掛けてしまったが、その様子を、
「カスミ、あれは見てはいけない。お前の兄の痛い部分は知らなくていいんだ」
ダクネスがかすみの眼を塞いで見せない様にしていたらしい。
「貴様が今まで無意識に人の好意から目を背けていたのを止めたところに、この状況である。我輩が何もしないわけはなかろう」
「ああん? せっかくこっちはこのまま跡を濁さずで行こうとしたってのに、余計な事しやがって!」
「貴様が適当にあしらえと言っていたので、そうしただけである。結果、貴様がネタ種族の小娘共にDOGEZAする破目になろうが、知った事ではないわ。フハハハハハ‼」
このままではいけないと、ダクネスも止めに入り、店のテーブルでお茶を飲みつつ。
「ウィズもありがとうな。アクセルの冒険者を転送してくれたんだろ?」
「構いませんよ。ユウさんにもいつも助けていただいていましたから。それに……」
ウィズも何か思うところがあったのだろうか? 少しばかり、昔を思い出した様な……、そんな表情で。
「私は……、リッチーになった後、どちらも選べませんでした。この力で魔王軍と戦うのも、人類と敵対するのもです。かつての勇者の記録を見てしまったからですが……。そんな私でも何か出来る事があればと思っただけですよ」
「十分です。ありがとう」
ウィズに頭を下げていると、今度は、
「お姉さん、昔、わたしを封印だけで済ませてくれてありがとう」
かすみがウォルバクさんにお礼を言っていた。
「……そこは責められてもおかしくはない所だと思うけど? あなたを良いだけ痛めつけたのだから」
「うん……。けど、封印されたおかげでお兄ちゃん達と会えたから……」
両者、複雑な気持ちなのだろう。かつては仕方ないとはいえ敵対し、凄惨な戦いを繰り広げたのだ。
「まあ良いわ。これからはここに遊びに来なさい。そして、私の信者になってくれると嬉しいわ。良い加護も授けるわよ?」
ウォルバクさん、流石は大人な女神様らしく貫禄のある発言をしていた。最後に自分の布教活動をしていたのはどうかと思うが。
「それではな! 集り女神の呪縛から解き放たれたにも係わらず、我輩を敵視している凶悪魔道士よ。これからも我輩を楽しませるがいい」
「てめえの場合は、普段の行動のせいだろうが‼ いいか! そのうち絶対てめえを恐怖のどん底に突き落としてやる!」
「ああ。楽しみにしているぞ? 我輩は討伐されるその瞬間までこれを貫き通すであろう。むしろその華々しく散りながら、悪感情を喰らうのが本懐である。フハハハハハ!」
こいつとは本当に馬が合わない。バニルといつまでも喧嘩をしていてはいけないと、ダクネスの腕力で無理矢理外へと連れ出され、次なる目的地の冒険者ギルドへ向かった。
ギルドの入口のドアを開けると……、
「やっと来たー! もう……遅いわよ。みんな主役を待ちわびてたんだから‼」
「……その割には、酔っぱらってんな。アクア、昼間っからそんなに飲んで大丈夫か?」
「大丈夫! らいじょうぶよ! 水の女神様だもの。せっかくのカスミのお披露目だから、宴会芸も気合を入れるわよ!」
若干呂律が回っていないアクアさんであった。ふらつくようなら頑張って連れ帰ろう。
「おっ……! 来たなチビッ子。元気そうで何よりだ‼」
「かわいい……! ねえ、こっちおいで。飴あげるから」
「お嬢ちゃん。おじ……いや、俺もお兄さんと呼んでくれないか?」
「魔法凄かったね? 将来はやっぱり冒険者になるの?」
などなど、かすみを見た瞬間、ギルド内の冒険者達が質問攻めの引っ張り合いを始まってしまった。いきなりこれでは、まずいかと思われたが、
「ちょっと待てって。ここは俺を通してからにしてくれ。いきなり子供に大人数で詰め寄るのは良くないだろ?」
カズマがみんなを制止し、うまいこと仕切ってくれていたようだった。
これなら安心かと思い、カウンターに座りながら様子を窺っていると、とある人物が見えたので、ちょっとだけ脅かしてやろうと、しゅわしゅわを注文し気配を消して近づき……、
――ピトッ
死角になっている方の頬っぺたにしゅわしゅわ入りのグラスをくっつけると、
「きゃああああああ!」
驚きながら仰け反ってしまい、それは良いリアクションをしてくれました。
「いようクリス。いつかの約束のしゅわしゅわだ。俺の奢りだから飲んでくれ」
「びっくりしたじゃない! 渡すなら普通に渡してよ!」
「盗賊のお株を奪って、死角からってのも良いかと思ってな。隙だらけだったけど、お前はかすみをいじりに行かなくていいのか?」
「……そうだね。あたしはもう少ししてからかな」
クリスの性格からして、すぐあちらに混ざるかと思われたがそうではないらしい。なので、
「……クリス……で良いのか? 今回は世話になった。本当にありがとう」
座ったままクリスに対し、深々と頭を下げると。
「あたしは最後の最後で少しだけ手を貸しただけだからね? 感謝するならここに居る全員だよ!」
「よく言うよ。カズマから聞いたけど、あいつにも手を貸したんだろ?」
「それはあたしじゃないし、どこかの幸運の女神様じゃないかな」
「そういう事にしておきます。その女神様にも後で感謝の祈りでも捧げに行くか。まあ、もし良かったら、その女神様の代わりにでも、もう一杯飲んでくれ」
クリスのおかわりの分と自分のしゅわしゅわを注文して雑談をしていると、ある冒険者からかすみへのお願いが聞こえて来ていた。
「ねえねえ、ちょっとだけ魔法見せてもらっていい? 初級魔法で良いから」
なんですと⁉
「えっ……⁉ でもお兄ちゃんから、しばらく魔法は使わない様にって……」
かすみが困った感じで俺の言いつけを守ろうとしていたが、
「良いだろ。初級魔法なら大したことは無いし、ウインドブレス辺りで」
カズマもせっかくだからやってみろといった感じであった。確か説明はしていたはずだ。なのに……。
「だったら、この花吹雪でやって見なさいな。きっと綺麗に飛ぶわよ!」
アクアまでせっついている。もしかして酔っぱらって、正常な判断が出来なくなってるのか⁉
めぐみんとゆんゆんは……と二人をギルド内を見まわして探すと……。
「「……すぅ」」
酔い潰れて眠っていた。もしかしたら、またどちらが酒に強いかの勝負を繰り広げたのかも知れない。
「一回だけだからさ。ここにいるみんなにお礼も兼ねて……な?」
「……うん。じゃあちょっとだけ」
かすみが魔法を使用しようとしてしまっていたので、即座に、
「止めろおおおおおお‼」
大声を出してやめさせようとしたが、もう遅かった。
「『ウインドブレス』」
――初級魔法『ウインドブレス』。掌に小さなつむじ風を起こすだけの魔法である。だが、あくまでそれは普通の魔法使いの場合だ。はっきり言うが、かすみは普通の魔法使いではない。ある程度、この世界で自衛も出来る様にと魔力を完全に封印してはいない。それでも並大抵の魔法使いは軽く凌駕しているのだ。そんな人間なら例え初級魔法でも……、
「ひ、人が吹っ飛んだ⁉」
こうなってしまう。
かすみのウインドブレスで、花吹雪だけではなく、周りの人間までまるで木っ端のようにギルド内で吹っ飛ばされ、ある者は気絶、ある者は余計に酔いが回り嘔吐。など……、見るも無残な惨状へと成り果ててしまった。
「みんな……大丈夫か⁉」
倒れている冒険者に駆け寄ったが、命に別状はないらしい。そこは良かったが……、
「おい……! きっちり説明したよな? かすみにはちゃんと魔力の使い方教えるまで魔法を使わせるなって!」
「しょ、初級魔法なら大丈夫かと思ったけど……違ったのか?」
「そ、そういえば、忘れてたわ……。ご、ごめんね?」
カズマとアクアに注意はしたが、吹っ飛んだのは人だけではなく、テーブルに用意されていた料理もだったので、酒場が阿鼻叫喚の構図となっており、これを放って置くわけにも行かなくなった。なのでその日は酒場の片づけを手伝い終了となってしまった。
後日、かすみは血は繋がってないが、紛れもなく俺の
次は多分アルカンレティアですね。三回目の温泉回になってしまうか……。
もしかしたらフェイトさん辺りが、関わってくるかもしれない。
後日談は特に事件も起きない緩い感じの話になると思います。
それと、投稿スピードはもしかしたら落ちるかもしれません。