この素晴らしい世界にリリカルな魔導師を! 作:ゴマフアザラシ
一度U-Dに躯体を破壊され、復帰のためにその身を休めていたマテリアルD――ロードディアーチェの復活。そして、臣下であるマテリアルS――シュテル、マテリアルL――レヴィと共にシステムU-Dの元へと向かうべく、闇の欠片を蹴散らしている頃……。
「良いか! あんたのフルドライブは、砲身と剣と槍を複合させてんだ! それを一つのデバイスで一度に使えば良いだけだ。簡単だろうが!」
「剣と槍は違う武器で、砲身とか飛び道具だろ! いきなりやれったって出来るかああああ⁉」
「いつもは片腕ずつでやってんだろうが! それを一緒にやれば良いだけだ!」
アースラ演習室ではスパルタ訓練に定評のあるリーゼアリア、リーゼロッテの使い魔姉妹の怒号と、いきなりその理不尽な指導を受ける破目になった少年の、半ば泣き声にもなっている叫び声が響いていた。
「ユウ君、私の魔法と打ち合ってみよう! これで打ち負けるのは、出力が足りてないって事だから、次はもっと強くね?」
ゆんゆんはライト・オブ・セイバーを展開し、ファルシオンのフルドライブ――『キャリバー』の魔力刃と全力で激突させる。この場では訓練という事で、双方ある程度出力を抑えられるようにはしてはいるが、
「きゅう……」
ユウはゆんゆんに完全敗北し、吹っ飛ばされて目を回しながら気絶している。
「まーた気絶した。アクアさん! もう一丁頼むよ!」
「任せなさい! さあ、この私の聖なる力で目覚めるのよ! 『ヒール』ッ!」
意識を失った回数を数えるのも面倒になるくらい、気絶と回復を繰り返して目を覚ますと……、
「さーて。何処が悪かったでしょう?」
リーゼアリアが……、リーゼロッテに比べたら品行方正の筈のリーゼアリアが、にこやかーな表情の威圧感満載でもって、にじり寄って来たので……、
「カ、カートリッジのロード不足?」
「残念ハズレ! お前がばかすかカートリッジ使ったら暴発するだろ? 魔力をもっと鋭く硬く集中させな。魔力量で劣るお前は、それで格上に対抗するしかないんだよ!」
「だから、いきなりやれつっても……」
「なのはちゃんのやりすぎなトレーニングにも、付いてったんだろ? 基礎的な部分は出来てるはずだから、あとはちょっとしたコツだけの筈さ。そこはそっちに任せるとするか」
リーゼアリアがゆんゆんの方を向き、説明を促すと、
「あのね。魔力を固める時は、ただ押し固めるんじゃなくて魔力が刃の形の中で流動するのをイメージすると良いんだよ。無理矢理固めようとしても、すぐに壊れちゃうから」
「流動って……、グルグル回ってる感じ?」
「最初は大きくて良いから、そこから少しずつ小さくして……ね?」
目を瞑り、そのイメージで魔力刃を構成していくと、
「うん……、良いよ。それを戦闘中でも意識せずに出来る様にしようね? じゃあもう一回!」
ゆんゆんがまたしても自分の魔法と打ち合わせようとしていたのだが、
「まあ待て。いきなり実戦形式では、うまくは行かんだろうから、ここは私に思いっ切り打ち込むと良い。遠慮はいらん!」
ダクネスが自分に向かって、思いっ切り斬り掛かれと提案していた。その意味を知っているカズマ達は、溜息交じりで呆れている。
「さあ来い! 少しでも気の抜けた攻撃をしたら、ただでは置かん!」
「はいっ! 行きます!」
ありったけの魔力を込めて、先ほどゆんゆんから教わった事を念頭に置きつつ全力で斬撃を放ったが……、
「ええいっ⁉ もっとこう……、えげつなく抉るように、それでいて一撃喰らうと体中の骨がバラバラに砕ける様に打ち込め!」
「どんな攻撃ですか⁉ それって即死級のダメージですよ⁉」
「即死などそんなもったいな……、いや私の防御力を甘く見ないで貰おう。お前程度の攻撃など効きはせんっ!」
ダクネスは物足りないとばかりに、ユウにもっと容赦なく打てと大声で訴えていた。その少年の様子を……、
「めぐみん……、俺……涙出てきた……。すまん……、俺の余計な一言のせいで……。未来に戻ったら優しくしてやるから……」
「カズマ……、こうして少年は羽ばたいて行くのです! 私達が目を逸らしてはいけません……」
カズマとめぐみんは頬に一筋の涙を流しながら彼の特訓というの名の、かなーり無茶な促成栽培を見守るしかなかった。そして、決戦において彼のパートナーになるかすみは……、
「カズマお兄ちゃん……、めぐみんお姉ちゃん、何でわたしは見ちゃいけないの? 目だけじゃなくて耳も塞がれて、よく聞こえないけど……」
かすみにはあまりにも凄惨な……、ショックな光景かも知れないので、カズマとめぐみんは気を使って、何が起きているかを分からない様にしたらしい。何せ、打ち合っては気絶させられ、治療で無理矢理復帰させられるのを繰り返しているのだ。死んで苦しみから解放する事すら許されない、そんな状態であった。
「紅魔の里の養殖って……、かなり人道的な育成方法だったんだな……」
「はい……。我が里伝統のレベル上げに間違いはなかったようです……。ユウどうか無事で……」
「わたしもゆんゆんお姉ちゃんと一緒でお兄ちゃんに教えて貰ってるから、一緒にやりたい……」
目隠し中のかすみも言ってみれば未来のユウの教え子なので、自分も参加したいとパタパタしているが、
「それは駄目だ! かすみまで参加したらトラウマどころか、この場で本当にあの世行きかもしれないからな? ここは我慢だ!」
せめて自分とめぐみんだけは、しごきを受けている少年を出来るだけ守ってやろうと心に誓っていた。そして、ユウは再度ダクネスに一撃入れたのだが、
「違う! 一撃で楽にするのではなく、生かしたまま地獄の苦しみを味あわせるように、渾身の一撃を叩き込めっ‼」
「言ってる事が矛盾してますよ⁉ 倒しても苦しませるってどうやるんですか⁉」
凄まじく無茶苦茶な要求に狼狽えてしまう。
「じゃあ今度は、魔法を激突させるだけじゃなくて、私の攻撃を
「お、
「大丈夫! コツはさっき教えた通り、避ける他は魔法の刃以外の部分を受け止めたり、一気に懐に飛び込むようにすればいいから!」
「い、いや……、理屈では分かりますけど……いきなりは……」
目の前の紅い眼の少女にどれだけ気絶させられたか分からないが、これまでの経緯から数歩、後ろに下がると……、
「あの娘はフェイトちゃん程のスピードじゃねーだろうが! いいか、なのはちゃんの防御力、フェイトちゃんのスピード、騎士連中の近接戦、それを常に意識しながらやれ! それと比べて、どう動けば良いか考えながらやるんだよ!」
仁王立ちのリーゼロッテにぶつかってしまい、逃げ出す事すら許されなくなってしまっていた。
「うわあああああ⁉」
もうやぶれかぶれで突撃すると、
「それは一番やっちゃ駄目! 常に相手から視線を外さないで、冷静に見極める事」
攻撃は当然の様にヒョイっと躱されて、カウンターで意識を刈り取られてしまう。
「…………」
倒れた少年は無言。ピクリとも動かないので全員が心配して近寄るが、
「うん、生きてるね。手間かけさせて悪いけど、また頼む」
「任せなさい! 今回は私の活躍が多いわ。治療と体力回復、まさに女神にふさわしい行いね!」
アクアが嬉々として少年の治療を行い、意識を取り戻したのは良いが、リーゼアリアが顔を至近距離までユウに近づけて、
「勘で戦うなんざ、お前にゃ一生無理だ! 戦ってる最中でも頭は冷やせ! それが出来なきゃ遠からず死ぬぞ?」
「か、川の向こうで……、お父さんとお母さんがこっち来るなって、必死になってたような……?」
その一言にまたしても涙するカズマだったが、
「そんなのは夢よ、夢。もし死んじゃったら、私に会うはずよ。そうじゃなきゃ、おかしいもの!」
つまり、昇天したら年若い魂を導く水の女神様(現代)に会うという事らしい。それを知ってるのは未来から来たカズマ達だけであるが、その位は自由に言わせてやれよ。といった表情でアクアをジト目で見詰めていた。
「ゆんゆん……、いつもの仕返しですか……? 容赦なさすぎです……」
「ち、違うから⁉ 短時間で仕上げるにはこうするしかないだけで……。ちゃ、ちゃんと手加減はしてるって!」
めぐみんからしたら、いつもの稽古の意趣返しで良いだけ気絶させている様に見えてしまったらしい。未来で指導を受けて、彼の理想的な戦い方を知っているゆんゆんが適任なのだが、如何せん時間が限られているので仕方がない。
「アクアの治療が効いているとはいえ、タフだな……」
「うむ。特にゆんゆんは手加減が絶妙だ。その辺も学び取っていたか……」
「何にも見えないー。まだこのままなの?」
カズマやダクネスも、呆れ気味になり、かすみはまだ目を覆われているので、一人仲間外れになっている状態だ。
2時間後、もう見慣れた光景となってしまった特訓であるが、漸く合格点が出たらしく、
「よし、どうにかなったか。手間のかかる……」
「よ、ようやく終わった……」
その場の全員がホッとした様な表情を見せていたが、リーゼロッテが申し訳なさそうに、
「本当なら、クロスケみたく時間を掛けてじっくり鍛えてやりたいとこだけど、あたし達にもあんまり残り
「大丈夫だって。周りには凄腕の人達も多いし、ちょっとずつでも前に進んでいくから……さ」
「まっ、体術の
「……とっくの昔に尻尾が二つに割れて、猫又になってるような年なんだから無理しないで。その内イギリスにも――」
「……否定はしねーが、女の子相手にはもうちょいデリカシー持て! 後で苦労すんぞ! うりゃ!」
そのままリーゼロッテに弄られながら抱き締められて、止めろーと言いながらバタバタしていたユウであった。丁度、胸の部分に顔を押し当てられ、それをカズマが羨ましそうに眺めていた。本当なら、もう少しじゃれさせても良い所だろうが、リーゼアリアが二人を引き離し、
「ロッテ、まだやる事はあるから! それが終わってからにしなよ」
「……? 魔法の方なんて、新しく修得とかは無理があるんじゃ……」
「今度はプログラムカートリッジをロードしながらやるよ。そっちはフェイトちゃんと同じ『ホルニッセ』で良いだろ」
それに固まってしまった少年だった。気絶を繰り返してどうにか終わったと思っていた特訓は、まだまだ終わりではないらしい。リーゼアリアがにこやかな表情で、
「じゃあ、特訓第2ラウンド、行ってみようか!」
演習室内に、再度少年の悲鳴と泣き声が響き渡ったのは想像に難くない……。
その特訓第2ラウンドが苛烈を極めていた頃、シュテルが他の二基を束縛し、単身U-Dの元へと向かっていた。
途中、バインドから抜け出したレヴィとも合流して命懸けでU-Dの力の充填を防ぐために干渉制御ワクチンを撃ち込んだが、そこで二人は力尽きてしまう。そして、残り魔力をディアーチェに渡し、その躯体維持すら困難となり姿を消してしまう。
そこへ、なのは達も駆けつけ、その中にはかすみとカズマ、そして彼におんぶされたアクアの姿もあったのだが……、
「あの子達の体って、魔力で出来てるのよね?」
「何をする気だ! 貴様……」
唐突なアクアの質問に、それがどうしたとばかりに捲し立てるディアーチェだったが、
「カズマ、私から好きなだけ魔力を持って行っていいから、あの子達に渡せる?」
「あ、ああ……。構わないけどな……」
運よくシステム構造そのものは破壊されなかったらしく、そのままでも時間さえ経てば元に戻るそうだ。しかし普通に考えて、人間一人の魔力ではマテリアル二基の復活には遠く及ばない。そう、
「阿呆か、貴様ら! そんな事をしている時間があったら、一刻も早くU-Dの元へ――」
そんなのを無視して、アクアの魔力をドレインタッチで彼女らのシステム構造へと渡す事、数分……。
「ふっふっふっ! このまま消えてボク抜きなんてさせやしない! 良くわかんないけど、ふっかーつ‼」
そこには躯体復帰してテンションマックスになりながら、バルニフィカスを振り回すレヴィと、
「王、ご心配をおかけしました。そちらの方は凄まじい魔力量を誇りますね。おかげで躯体復帰も叶いました」
ぺこりとアクア達に頭を下げつつ、どことなく嬉しそうなシュテルの姿があった。
ここは万歳で喜んでも良い所ではあるが、つい先ほど今生の別れの如きやりとりで二人から魔力を受取り、背中に展開している六枚羽がマテリアル達3人の魔力光と同じに染まった王様は、嬉しいやら恥ずかしいやらで小刻みに震えるしかなかった。よく見ると、顔が少しばかり紅潮している。それを見て……、
「え、えっと……、うん! 二人とも無事で良かった!」
「そ、そうだね……。げ、元気な姿で安心した……」
「せ、せやな! は、早く元に戻って、お話できるんは嬉しい事や!」
なのは達が必死にフォローしていたが、ディアーチェはまだ恥ずかしさから俯いて震えたままであった。そこへ、
「どう? この私の偉大さに敬意を表してアクシズ教徒になりなさい! そうすれば、色んな加護を与えるわよ!」
アクアだけは空気読まずに彼女らに宗教勧誘を実施していた。当然そんなのは聞き入れられるはずも無く、羞恥心から叫び声を上げた王様を宥めるのに一苦労だったらしい。
「さて、決戦だ。……ところで、悠も一緒と聞いていたが、彼は……?」
クロノがかすみへとその所在を確認しようとしたところ、
「お兄ちゃんなら、特訓疲れでまだ寝てます……。治療と魔力と体力の回復はカズマお兄ちゃん達がやってくれましたけど……」
特訓は無事とは言えないまでも終了し、回復に関してはアクアの治療と、それ以外ではカズマのドレインタッチでダクネスからは体力を、アクアからは魔力をユウに渡して万全の状態へと持って行った。しかしながら、精神的な疲労の回復にはまだ掛かるらしくギリギリまで休ませていたのだ。その少年はというと……、
「ズルいですよ! さっきまで痛めつけていたクセに、何て羨ましい……ではなく、それでは起きた時にユウも怖がりますので、私に代わってください!」
「めぐみん静かにして! ユウ君だってうるさくて眠れないでしょ⁉ 頑張ったんだから、この位のご褒美があったって良いじゃない!」
「すう……すう……」
アースラ演習室内で紅魔族の二人が言い合いをしているが、そんなのは関係ないとばかりに寝息を立てている少年の姿があった。それだけなら良いのだが、
「大体、めぐみんはアルカンレティアでして貰ったでしょ! だったら次は私がやったって良いじゃない!」
「膝枕をした事はありません! ここは年上らしく、甘えさせようと考えていたというのに……!」
「……すー。……ぐう……ううん……」
ゆんゆんの太腿を枕にして、完全に熟睡し簡単には起きそうにはなくなっていた。膝枕をしている本人は満足そうに少年の頭を撫でながら、安らかな寝顔を見守っている。
「……なあ、あの三人って、未来でそうなってるのか?」
「そ、その……、言い難い事ではあるのだが……、ヤツもはっきりしないのだ……」
リーゼロッテが興味津々とばかりにダクネスへと質問を投げかけていた。今度はリーゼアリアが、
「もしかしたら、その内、父様が挨拶に伺うかもしれないね……。あたしらも一緒に……」
そんなのを呟いていたが、決戦の時刻が近づいているのだ。いつまでもこのままではいけない。……そうなのだが、
「こいつも昼寝すると、ちょっとやそっとじゃ起きないからな……。無理矢理叩き起こすか……」
「やはりそうなのか? 出会った頃、それでアクアが湖浄化でとんでもない目に遭っていたが……」
リーゼ達とダクネスでユウの体を揺らしながら、起こそうと試みていた。しかし、
「むにゅ? あと五分……。U-Dの所に行くのは二十分後……」
寝ぼけ
「こ、こいつは、この重大な時にこれだ……。大物過ぎるだろ!」
「こうなったら、猫形態で顔ひっかくか? そうすりゃいくらなんでも起きるはずだ!」
そして、双子の使い魔が猫へと姿を変え、彼の顔目掛けその鋭い爪を突き立てようとした。だがそれを察知していたとばかりに、
「どこ触ってんだ⁉ 離せ!」
「ちょ……起きてるんじゃないの⁉ 抱っことか止めなって!」
「ねこちゃん……、ぬくぬく……。うにゅう……」
眠ったまま猫形態の使い魔二匹を抱きしめて離さずに、完全に動きを封じてしまっていた。どうしたものかと困惑していると、彼がいつまでも姿を現さないで心配になったらしく、カズマ達も一旦戻って来ていた。
「こいつ……、まだ眠ってんのか⁉ アクア、どうせ治療するからアレやれ!」
「仕方ないわ……。起こした後で、五割増しで治療してあげるから……許してね!」
アクアが拳を握り、正拳突きの構えから下半身の足先を力強く踏み込み、その螺旋の力を拳まで伝達させる。
「『
アクアの拳が眩く輝き、少年の左頬へとメキャっといった鈍い音を立てながら、喰い込んでいった。
「い、いたい……。俺って寝てた……の?」
鼻血を出して、頬は腫れているが即座にアクアが治療して元の状態へと回復した。しかし、カズマは何やら首を傾げて、
「”新”……って何だ?」
「”神”よ! あの
断っておくが、アクセル周辺のカエルには打撃は通用しない。アクアの努力は無駄にしかならないだろう。
「それじゃあ行くよ! 悠君はかすみちゃんと一緒でええよね?」
「うん。なるべく足手まといにならない様に頑張るから……」
子供含む、魔導師や騎士達がU-Dの元へと急行しようとしていたが、
「出来れば第2チームにも治癒術師がいた方が良いので、アクアさんも同行願えますか?」
現場指揮を担当するクロノからであったが、今回の作戦については、第1チームはクロノ、守護騎士、アインハルト、キリエ。第2チームはそれ以外となっている。
第1チームは『風の癒し手』――シャマルがいるが、第2チームでのその役割をアクアにして欲しいとの事だった。
「ちょ、ちょっと待って。私は空飛べないけど……」
「だったらそこはカズマさんに、運んで貰って……」
それはトーマからの提案だったが、未来組――特にヴィヴィオやトーマのカズマを見る視線が、羨望というかまるでこの人がいれば、どうにかなるとばかりの期待に満ちた雰囲気を纏っている。
これはおそらく、未来の能力を持っている闇の欠片のユウ。下手すれば現魔王よりも強いかも知れない存在を、彼らの目の前で封殺した事で未来の評価が妥当だと判断したのだろう。
それを感じ取ってしまい、行かない……とは言えなくなっているカズマへと、
「あーら、最強の冒険者様ともあろう方が、まさか参加しないなんて……。そんな事はありえませんわよね?」
アクアが少しばかり挑発混じりに焚きつけてた。
「アクアこそ、女神を名乗っておきながら世界の危機に何もしないはずないよな?」
仕返しとばかりにアクアに言い返すが二人共、足が震えている。結局、アクアを背負っていれば禄に戦えない事で納得してもらい、後方支援専門という形で同行する破目になってしまったのだった。
そして、全員がU-Dの元へと向おうとした矢先、
「大変です! 闇の欠片が多数出現。このままでは作戦行動に支障を来してしまいます!」
その連絡で全員が闇の欠片を消滅させながら、急行しようとの案で一致しようとしていたが、
「ふっ……。みんなは体力と魔力を温存してい下さい! 広域殲滅であれば私の得意分野です。我が爆裂魔法を得とご覧あれ!」
杖を構え、その瞳を輝かせためぐみんが名乗り出て、決戦への狼煙を上げようとしていた。
次回はめぐみんから始まると思われます。
神・ゴッドアラウザル
筆者的には、ただのおふざけで造っているだけの技です。サキュバス回(今となっては懐かしい19話)で使っていた、睡眠中の対象を強制的に覚醒させるための拳。アクア的には覇王断空拳を参考に強化したとか……。
本編主人公が昼寝になると寝起きが悪いのは9話で書かれています。今回は精神的な疲労が祟ってる部分が大きいですが……。