この素晴らしい世界にリリカルな魔導師を! 作:ゴマフアザラシ
U-Dとの決戦に向かおうとした矢先、闇の欠片の大軍がアースラの前面へと展開していた。
先程めぐみんが自分が全てを始末すると高らかに宣言し、アースラの甲板の上へと自身を運んでもらい、爆裂魔法の準備へと取り掛かっていたのだった。
「では……我が最強魔法で道を切り開くとしますか……」
いつもの意気揚々とした様子では無く、静かにそれでいて力強く、杖の先端を前方へと向ける。
『
深呼吸し、そのまま……、
「永遠を破却する者、永劫を駆逐する者。我が前に集いて、崩壊の序曲を奏でよ。紅の灼光をより出でし破壊者、その威光を以って闇を砕かん!」
めぐみんの詠唱――その場の勢いで唱えてはいるものの、本来詠唱とは魔法の制御を司る物。彼女は5歳にしてウォルバクから爆裂魔法を見ただけで学び取り、更には詠唱を改良して威力の上昇を成功させている。
本人曰く、この詠唱が今のところ一番の威力が出るのだとか……。余談だが、あまり詠唱をしていないミッド式ではあるが、星の光を集める集束砲も詠唱は結構物騒だったりする。
杖の先に爆裂魔法の魔力が球の形で展開されていく。放たれる前だというのに、その場の魔導師達は予想される威力に喉をゴクッと鳴らしながら、冷や汗をかいていた。
そしてめぐみんが闇の欠片の大軍の中央部目掛けて、
「『エクスプロージョン』ッッ‼」
爆裂魔法による閃光、熱風、轟音、それらが消え去った後には闇の欠片は一体たりとも残ってはいなかった。
「……我が爆裂魔法の前に何人も逆らう事、能わず……」
最後の決めセリフを言い切ったところで、魔力と体力を使い切り……、フラっと倒れようとしていたところをダクネスに寄り掛かる形で防がれていた。
「……凄い! あんな威力の魔法なんて……」
「もしかして私達のブレイカーより、威力あるんとちゃう?」
などなど、畏怖と驚嘆が混じり合ったような賛辞がなのは達から紡がれる中……、
「……あのお姉さんって、
「おい、さっき猫の使い魔からもデリカシー持てと言われたばかりでしょう! この件が済んだら、今度は私とじっくり話し合いましょうか!」
子供相手に喧嘩を吹っかけて、彼をドン引きさせていた。
「では、第1チームから先行する」
クロノ率いる第1チームがU-Dの元へと向かい、足止めと確保のために飛び立っていった。程なくして第2チームも現地へ向かう事となるのだが、ダクネスにおんぶされためぐみんがかすみを呼び寄せ……、
「カスミ、これを持って行って下さい。爆裂魔法を使うのであれば、これ以上の杖はありませんからね」
「えっ……? けど、これってめぐみんお姉ちゃんの大切な……?」
かすみに差し出されたのは、めぐみんの杖である
「良いですか? まだ小さなあなたが爆裂魔法を使うとなれば、体にも相応の負担が掛かるかもしれません。この杖はその軽減にも役立ちます。人の心配ばかりする、あなたのお兄さんが設計した杖です。カスミであれば彼も嫌とは言いませんよ」
「……うん! ありがとう、お姉ちゃん!」
「それと、これよりも大切な事があります。それは――」
その杖を託す意味を理解したかすみが力強く頷き、第2チームの面々と合流しU-Dの元へと飛び立った。
自分は色んな人に守られている。それはU-Dも同じだと……、それだけを伝えるために。
なのはやかすみ達の第2チームが現場へと到着すると、そこには色彩が変化したU-Dの姿があった。
周辺魔力を凄まじい勢いで吸い上げ、未知の魔力素が検出され、肌には紅い紋様も見えている。そこまでの力を持ちながら、U-Dは泣いている様に見えた。
その強大な力から制御機能をほとんど持たず、誰か――『
奇声を上げて静まり返ったが、今度は新たに現れたマテリアル達を含む複数人を見据えていた。
その中にあってかすみのみ一歩前に出て、U-Dを真っ直ぐに――
「君は……、また私の前に現れたのか……」
「U-D……で良いんだよね? あなたを迎えに来たよ。迷子のあなたをずっと探していた人達の所に……行こう?」
U-Dを倒すでも、破壊するでもなく、ただ迎えに来た。そう静かに、しかし強い意志を持ってそう宣言していた。
「私は迷ってなどいない。君になら分かる筈だ。君のその魔力は人の手が加えられた……、私と似て非なる者」
「うん、そうだよ。わたしもね……、兵器だったんだって。知らない間に色んなのを破壊して、封じられて……、その後に、ずっと時間が経ってから、お兄ちゃん達と会ったんだ……」
自分の過去を包み隠さずにU-Dに告げるかすみだった。その事実は、この時代のなのは達は元より、ゆりかごの聖王にさせられたヴィヴィオや破壊衝動を伴うエクリプス感染者のトーマですら詳しくは知らなかったらしく、目を見開いて何も言えずに佇んでいた。
「なら、封じられた時の君に中にあったのは、”憤り”でも”絶望”でもなく……”安堵”だったはすだ。これ以上誰も傷付けずに済む。その気持ちを知っているなら、私から離れた方が良い。君も壊してしまう……」
「ううん……、離れないし、壊れない! それに……、そんな泣きそうな顔で言っても駄目だよ! あなただって本当は誰かと一緒にいたいんでしょ? そうじゃなきゃ、そんな寂しそうな目はしないから」
「私には誰もいらない……。一人でいれば、何も壊さずにいられる。だから――」
少しだけ垣間見えてしまったU-Dの本音だった。一人でいるのは、何人も傷つけないため。それを聞き逃さずに、
「わたし……目覚めたばかりの頃、自分はいちゃいけないって、そう思ってたんだ……。けど、沢山の……本当に沢山の人達に助けて貰ったんだよ」
その事情を知るカズマとアクアは当時を思い返していた。出会った頃のアルカンレティアでのかすみは、現魔王の攻撃を避けようともせずに、自身をこの世から消し去ろうともしていたとも……。
「お兄ちゃんも、わたしの手を取ってくれた。命懸けでわたしを止めてくれた。普段はお姉ちゃん達に叱られてばかりの、かなり……、とても……、ちょっとだけ情けないお兄ちゃんだけど……」
「私にはそんな人はいない……。これからもずっと一人で良い」
「いるよ。少し怖いけど、可愛い王様が。わたしもまだ一人じゃ自分の魔力もちゃんと扱えない半人前だけど、それだって悪いわけじゃないんだから。一人で出来ないなら誰かに支えて貰えばいい……でしょ?」
封印解除状態のかすみの魔力制御に関しては心理的な部分が大きいのだが、それを知らぬは本人ばかりである。
精神的に未熟というのは年齢的に仕方がない。しかし、それだって別に気にする事じゃないと訴えかけていた。
「手を差し出せないなら、わたしが近くに行って引き寄せてあげる! 我が名はかすみ! 紅魔族のオリジナルにして、二つの魔法体系を操る者……! そして、あなたを闇から引きずり上げる者……! やっぱりちょっと恥ずかしい……」
それはもう元気よく、高らかに紅魔族式名乗りを上げていたかすみであったが、最後の方は少しだけ照れながら頑張っていた。
「やらせたのはめぐみんだよな……? 余計な事を教えやがって……!」
カズマはかなり真面目に決戦について来ていたので、めぐみんがしでかしたことにドン引きしながら、怒ってはいたが……、
「カッコいい……」
「今度ボクもやってみよう! 決めポーズも考えなきゃ」
「「「「へっ……⁉」」」」
かすみのパートナーのユウと、元から寝ぼけた状態で似た様なセリフを言っていたレヴィは、その姿に魅入っていた。特にユウまだ子供なので、中二的なのをすんなり受け入れられるのかもしれない。
それ以外のメンバーは、ツッコむのも面倒になっていたようだ。
「うわあああああああ‼」
そんなやり取りとは関係なしに、悲痛な叫び声を上げながらU-Dが怒涛の勢いで、魄翼を武器へと変化させながら、襲い掛かってきていた。
エース級魔導師数名、マテリアル三基、ギアーズ、未来からの協力者、それらを相手に一歩も譲らないU-Dであった。
「お兄ちゃん……下がって!」
そんなこの場には似つかわしくない少年が一人。その子に対してジャベリンに変化させた魄翼で彼を貫こうとしていた……が。
「はあ……はあ……。ざまあ見ろ……」
「……? なぜ……、私への対抗プログラムを持っているとはいえ、この場で一番脆弱なはずの君に……魄翼を防げるはずが……?」
彼とデバイスは破壊されずに、ギリギリで持ちこたえていた。フルドライブにプログラムカートリッジがあっても、あり得ないと言わんばかりのセリフを投げかけられたのだが。
「ぜえ……はあ……。……防ぐ? 俺にそんな攻撃が防げるわけねーだろ!」
ユウ曰く攻撃を防いでいるわけではないらしい。息を切らしながらU-Dを睨みつけて、
「全力で攻めてんだよ! それで何とか対抗しているだけだ!」
息も絶え絶えと言わんばかりの状態であったが、啖呵を切っていたのだった。
「……つ、つまり、熱い魂の全力でぶつかっていると……⁉」
その辺はアミタの熱血な性格にドストライクだったらしく、拳を握りそのセリフを称賛している様だった。
第1チームのギアーズ妹の方は熱血でお馬鹿な姉を見習い、K(気合と)K(根性で)G(頑張ってみましたッ)だったらしい。
「ユウ、かすみと一緒に一旦下がれ! 気合だけでどうにかなる相手じゃねーだろ!」
長時間戦ったわけではないのに、疲労困ぱいとなっている少年にカズマがその指示を出していた。未来での経験もあるのだろうが、自分とアクアはこのチームの治療と回復のためにここに来ている。各自の状態を見極めつつ、継続して戦えるようにするのが、今できる最善手だった。
「アミタさんも調子が良くないみたいですけど……」
「あの娘は中が機械だから……、私の治療は効かないの。出来るならとっくにやってるわ」
卓越した治癒術師でも彼女の治療は無理と、そう宣言されてしまった。当の彼女はヴァリアント・ザッパーを駆使して善戦してはいるが、今までのエネルギーの消耗も回復出来ていないために本調子ではないようだった。
「これじゃあ、飽和攻撃で誤作動を止めるどころじゃないでしょ? 私でもないのに、あのありえない魔力量……。これだからベルカの遺産は……」
「……いっそ、お前がガチで殴り合え! 女神様だろうが! 魔力量なら負けないだろ⁉」
「出来るわけないわよ⁉ 地上に降りて来て能力が下がってるの! 魔力以外だと私よりずっと上よ、あの
口喧嘩を始めてしまったカズマとアクアを尻目に、形勢はこれだけの人数がいても互角といったところだった。カズマが何やら思い立ったように、
「なあ……。アクアって何の神様だっけ? 宴会芸? 芸術? 借金?」
「何回同じことを言わせるのよ⁉ 私は水を司る女神様!」
どことなく、わざとそのキーワードを言わせたようなカズマだったが、それを聞くと、
「……だったら、ここはお前が一番力を出せる場所だな。確かお前って、水中でも息が出来るんだよな?」
「……カ、カズマさん⁉ 何する気? ねえ、嫌な予感しかしないんですけど⁉」
「俺はここのみんなに説明するから、逝って来い! 水を司る女神様……!」
おんぶしていたアクアを無理やり引き剥がし、彼女を自由落下させた。その下は大海原が広がっている。
「いやああああああああ⁉」
断末魔の様な悲鳴と涙を飛び散らせながら、ボチャンと海の底へと沈むような音が聞こえてはいたが、カズマ以外は戦闘中という事もあり、アクアを気に掛けている余裕はなかった。カズマがその場の全員に聞こえるほどの大声で叫び。
「これから空前絶後の大津波が来るからな! みんなで何とか耐えてくれ!」
戦闘の最中にも関わらず、大津波が来る。何でそんな事が分かるのかと、疑問を持ったのも束の間。戦闘空域真下の海がうねりを上げていた。それは徐々に、しかし確実に巨大な津波へと変化し遥か上空にまで届くほどの高さとなって、全てを飲み込もうとしていた。
水の女神アクア――土木工事でレンガの接着部や家事での洗濯物の水分を操り、乾燥を早めたりしているが、周囲が全て水の環境で、それを全力で操ればどうなるか……。答えは見てのとおりである。
ちなみに結界を張っていた面々から聞いた話では、アクアの魔力の籠った大津波で、それが解除される寸前だったらしい。ここで結界が破壊されていれば、津波は市街地にまで到達して甚大な被害をもたらしていたであろう。
「にゃ⁉ わたしじゃ逃げきれない⁉」
「なのは、捕まって! ソニック!」
フェイトに手を引かれながら、津波の範囲外へ猛スピードで離脱するなのはや、
「我が主、制御を一時的に委ねて下さい!」
「うん、分かった。頼んだよ、リインフォース!」
決戦でユニゾンしていた夜天の主従は、本来は主が意識を失った時などの緊急手段である筈のユニゾンの主導権の譲渡。それを一時的に経験豊富なリインフォースに委ねて、難を逃れていた。
「アクセラレーターッ!」
「ジェットステップ!」
「八神司令から逃げる様に……、全力で離脱!」
アミタやヴィヴィオ、トーマも全速でどうにか離脱を成功。
「お兄ちゃん! 手を離さないでね!」
「全速力で離れないと……」
「お前ら、俺も連れて行けええええ⁉」
かすみも高速移動を駆使して、その場を離れようとしていたがカズマもしがみ付いて、何とか避難を完了させた。
「王様、シュテるん。ボクに捕まって! スプライト、ゴゥー‼」
「あの規模の津波……⁉ あの方は一体? 女神と名乗っていましたが……」
「ええいっ⁉ あやつ、バカなのか⁉ 我らごと亡き者にするつもりか、たわけめ!」
マテリアル達も命からがら逃げ出していた。
そして、津波の範囲内にはU-Dしかいなくなり、それに対抗させているうちに長距離バインドでどうにか動きを止める事に成功した。
それも彼女の莫大な魔力量では時間稼ぎにしかならないだろうが、バインドを解き魄翼を武器へと変化させている瞬間。
「行くよ、クリス! セイクリッドディフェンダー、お願いね!」
ヴィヴィオがU-Dへと向かって駆ける。先程クリスに”お願い”とは言った物の、それは自身が被弾した場合の緊急手段としてである。
U-Dのセイバーが横なぎで迫る中、ヴィヴィオはそれから目を逸らさずに紙一重でそれを掻い潜っていた。実戦、そしてなのはと共に戦っているという高揚感からか、極限まで研ぎ澄まされた集中力で後の『神眼のカウンターヒッター』の素質を一時的に開花させていた。
「『セイクリッド・ブレイザー』ッ!」
ヴィヴィオの使用する近接戦用の砲撃魔法。それを叩き込んでも決定打には程遠い。間髪入れずにアミタが無数の弾丸でU-Dを囲み、それを同時に着弾させる。
「『
その着弾点から駆け巡る衝撃波も凄まじいが、これで終わる様なら可愛いものだ。それはこの場の全員が分かっているのだから。一瞬、トーマがなのは達に視線を向けて、何かを訴えようとしていた。
これは自分の攻撃に続いてくれと、無言ではあるがそう言っているのが手に取るように分かってしまったのだ。
彼を信じて、なのは達は自分にできる最大威力の魔法に各自が取り掛かっていた。
『エクリプス・ゼロ承認』
銀十字の書から発せられる無機質なアナウンス。それと同時に舞い散る紙片と共にトーマもU-Dの元へと駆けて、二重の円環を象った銀十字の書の中央のトーマから大出力の砲撃が放たれていた。
「こいつで全部……ゼロにする‼」
『ディバイド・ゼロ・エクリプス』――結合分断を広範囲で発生させ、U-Dの桁外れの魔力量の大部分を分断したが、それを完全に無にすることは叶わなかった。
しかし、これで終わりではない。残りの7人が示し合わせたようにそれぞれの最大威力で魔法を繰り出そうとしていた。
「全力全開‼」
「雷光一閃‼」
「響け角笛‼」
管理局チームの三人からそれぞれ強大な魔力がチャージされ、
「豪熱滅砕‼ 例えこの身が燃え尽きようとも……」
「轟雷爆烈‼」
「集え! 星と雷、我が闇の元へ‼」
マテリアル三基もこの場で最大の一撃を放つべく、気合と共に魔力を高めている。残り一人は……、
「い、行きます……」
かすみのみ少しだけ震えていた。めぐみんの杖を構えて爆裂魔法を放とうとしてはいるが、他に比べて明らかに様子がおかしい。かすみにとっては魔王城前でカズマ達を含め、全てを焼き尽くそうとした恐怖の記憶でもある魔法だ。
詳細な理由は知らずとも、何かを察したらしい少年が……、
「俺じゃ役に立てないかもしれないけど、ここは”お兄ちゃん”の代わりになるから、思いっ切り撃って!」
彼女の背中に立ち、そこから一緒に杖を持ちながら支える様に優しく語り掛けていた。それはこの自分ではないが、この場ではその役目を果たす……と。
「うん! 頑張る!」
力強く頷き、爆裂魔法の詠唱を完成させたかすみに合わせる様に、
「『スターライトブレイカー』ッ‼」
「『プラズマザンバー』ッ‼」
「『ラグナロク』ッ‼」
かつて『闇の書の闇』へと放ったトリプルブレイカー。それだけでも並の相手ならば、これで勝負が決するが、それに加え、
「『真・ルシフェリオンブレイカー』ッ‼」
「パワー極限! 『雷刃封殺爆滅剣』ッ‼」
「堕ちよっ‼ 『ジャガーノート』ッ‼」
マテリアル三基の全力攻撃まで解き放っていた。続けて……、
「『エクスプロージョン』ッッ‼」
かすみ本来の魔力に
その眩いばかりの閃光と駆け巡る衝撃波が収まり……、
「……地球頑張ったな。あの威力を七人って……」
「カジュマしゃん……、私、あのまま海にいたら、巻き添え喰ってたわよ……。うわああああああああん!」
いつの間にかカズマに回収されていたアクアが大泣きしているのと同時に、
「ああ……、ああ……、うわあああああああ‼」
U-Dも断末魔の様な悲鳴を上げて、その動きを停止させていた。
「
「もう泣くな! 貴様の絶望など……我が闇で打ち砕いてくれるわぁーーー‼」
自身の杖であるエルシニアクロイツを掲げ、魔法陣を展開したディアーチェの最後の一撃。そこからU-Dとディアーチェの姿がしばし消え、次に彼女らが姿を現した時には、
「U-D気を失ってるの? すぐにシャマル先生を……」
「うん! シャマル大変や! 王様は無事やけど、U-Dが……!」
その場の全員からU-Dを心配する声が聞こえていたものの、騒がしくしたのが悪いとばかりにディアーチェが一喝をしていた。
飽和攻撃によって
「うぬら、やかましいわー! ユーリは今眠っておるだけよ。いちいち騒ぐな。我の成すことに不備や不手際があろう筈はなかろうが!」
そのセリフの中で、初めて聞く名前が耳に入ったので気になってしまったらしい。なのはがおずおずと。
「ユーリって……?」
「こやつの名よ。そう呼べ」
もうそれが当然とばかりに答えを返す王様だった。
「ディアーチェが付けてあげたの?」
「はやてちゃんが、リインフォースさんに名前をあげたのと一緒だね」
「阿呆が、違うわ。ユーリは元々こやつの名前で――」
何やら感慨深そうに解説しようとしている王様の言葉を聞いて、
「じゃあ、わたしと同じだ。わたしの名前もお兄ちゃんが調べて教えてもらったんだよ」
「そうなの? 日本人っぽい名前だけど……? そっちには日本人が多いんじゃ……」
「まあ……、多い事は多いな。誰かさんのせいで」
「そんなのは良いでしょ! 一件落着なんだから、艦に帰ったら私の宴会芸で盛り上がるわよ!」
かすみ達、特にかすみは自分の名前の由来を思い出したらしく、嬉しそうに微笑んでいた。
ユーリもディアーチェも元気そうには見えるが、かなり消耗していたようだった。それはその場の全員も同じでアースラへの帰艦した後、みんな泥の様に眠ってしまったのだった。
アクア様の津波に関してはかなり適当な想像です。
水の無い場所で洪水出せるなら、海なら大災害レベルの津波出せるんじゃないか?
こんな感じです。
今回、一番頑張ったのはかすみでもリリカル3人娘でもマテリアル達でもなく、姿は見えませんが、縁の下の力持ちをしたユーノ達結界魔導師だと思います。大津波+七人の全力攻撃の被害が出ない様にしましたから……。
個人的にユーノ君は見えない所の重要度No1の男だと思っています。
戦闘シーンあっさりしすぎかもしれませんが、七人同時攻撃は某動画サイトのコンボムービーを参考にしています。というかそれがやりたかった。
(フェイトさんに関しては個人的な趣味でプラズマザンバーにしてます)
ゲーム中ではシステム上、1対1ですが、本来ユーリは作戦に参加した全員と一度に戦ってもスペック上は勝てるらしいので、これでも大丈夫かなってのでこうしました。
(トーマの魔力分断は、かなりご都合主義な感じではありますが……)
次回は未来組とのお別れと本編主人公の回想終りで、このすば世界に戻るかな?