この素晴らしい世界にリリカルな魔導師を! 作:ゴマフアザラシ
ミッドチルダに上がった巨大戦艦――『聖王のゆりかご』、そしてそこから地上へと降下していくガジェットと、各地に展開している戦闘機人。それらを止めるために機動六課、地上部隊、次元航行部隊が協力して事態に当たっていた。
その中で俺を含む機動六課隊長陣は三つに分かれて、各々の役割を果たしていた。ゆりかご内部に突入したスターズ隊長、副隊長。スカリエッティ確保に向かったライトニング隊長。そして地上での緊急事態に備えてと降下するガジェットによる地上の被害を減らすために残った俺やライトニング副隊長。そんな中――
「久しいな……少年。見違えたが……」
「三年ぶりですか。ゼスト・グランガイツさん、アルカンレティアでは色々とお世話になりました」
目の前にはあの世界で出会い、一戦交えた槍使いの騎士。
ゼスト・グランガイツ――元首都防衛隊所属のストライカー級の騎士であり、地上部隊トップであるレジアス中将の親友。そして八年前に戦闘機人事件を追って亡くなっているはずの人間だ。彼の探索の際、管理局の退職者と行方不明者から割り出そうとしていたのが、そもそもの間違いだった。まさか
俺達の会話に付いて行けないというか……、みすてぃにはちゃんと話していたはずだが、あちらのアギトという名の赤い融合騎は戸惑いの表情を隠しきれていなかった。
「今度は名乗っておきます。本局機動六課、浅間悠三尉です。中央本部をどうされるつもりですか?」
俺の名前を聞いて反応したのが一人。
「ああっー! ナンバーズの連中が言ってたロリコン野郎か!?」
シリアスなんぞ何処へやら、人を指差し凄まじく失礼な発言を大声で叫んでいる赤チビであった。それに反論するように、
「違います! うちのロードはロリコンさんじゃありません! めぐみんさんは昔ちょっと小さかっただけで、年はそこまで離れていませんから! そうですよね? 好みに関しては人それぞれです!」
みすてぃが怒りながら意見を申していたが、俺は二人に向かって、
「みすてぃ、それとそっちの赤毛チビ。後で二人まとめて個人的にシメる! それとそれ言ったナンバーズってのもだ」
ヤバいくらいの殺気を出しながら威嚇していた。そして、それを見守っていたもう一人の槍使いの騎士は、
「アギトがすまんな。本部へは……古い友人に……レジアスに会いに行くだけだ……」
「復讐……ですか?」
あえて一番ありえない可能性を口にしてしまった。対峙している騎士からは、実力者であるからか威圧感は感じるが、その纏っている雰囲気は静かな物だ。三年前に刃を交えた時から、それはまるで変っていない。復讐者なんて表現は彼には一番似つかわしくない。そう感じ取ってしまっていた。
「言葉で語れるものではない。道を開けて貰おう」
そんな単純な物ではないのは、こっちだって何となく分かっている。それでも、
「あの時もですが……、話して頂かなければ、この道を譲るわけには行きません!」
それが開戦の合図。お互い譲れぬもののために、再び激突する事となってしまった。
「グダグダ語るなんてなあ! 騎士のやるこっちゃねーんだよ!」
「そんな事ばっかり言ってるから、戦わなきゃいけなくなるんです!!」
二人が従える融合騎も使い手と融合を行う。双方、髪の毛や瞳の色、バリアジャケットの色彩に変化が起きて……、
「うるせえ、青色チビ! 剣精アギト、大義と友人ゼストがために、この手の炎で推して参る!」
「水天の
槍を構える騎士と杖から魔力の刃を展開する魔導士。お互いを鋭い視線で見据え、
「行きます!」
三年前の決着を付けるべく、互いの信念の元に駆け抜けていた。
ミッドチルダ首都の上空を猛スピードで激突する二つの魔力。奇しくも双方が茜色の魔力光を持つ魔導師と騎士の鍔迫り合いは、お互いの攻撃を完全に相殺し合い決定打を撃ち込むことが出来ずにいた。炎熱で対抗しようにも、あちらの方がその技能は上。このままでは足止めだけで終わってしまう。
(前はストレージを使っていたか……。ならば、今回が本来の戦い方……。いや、それだけではないか)
(あっちでレベルカンストまで行って、みすてぃまでいて漸く互角。いや……気を抜けば一気に持って行かれる。どれだけの使い手だよ、この人は……!?)
あちらの融合相性は俺達に比べたら劣るというのに、それを実力とコンビネーションで補っている……か。今でこれなら、生前はどれほどの……。そういえばバニルが俺の冒険者カード見て……。
――数値が高い事は高いが、所々は人間であった頃のポンコツ店主に劣っている部分もあるな。これは仕方あるまい。限界まで鍛えた先で見えるのは、生来の持って生まれた才能の差である。当時の店主はカンストには遠かったが、それよりも低い部分があるとは……。おおっと、幸運値に関してはレベルを上げても、それほど上昇しなかったようであるな。フハハハハハ!!
戦闘中だというのに、仮面野郎の高笑いを思い出して少しばかりイラっと来ていた。それについて、今は忘れる。後でまた高額アイテム売り付けに行きながら嫌がらせでもすればいい。
数度の鍔迫り合いの後、お互い距離を取りつつも隙を見せずに相手の一挙一動を観察している。騎士ゼストを止めるには中途半端な攻撃は意味をなさない。よって、
(フォルテと連結、カートリッジロード。抜剣――)
「「『
集束斬撃に氷結を付与。これは単独での魔法行使ではなく、俺とみすてぃ双方が氷結変換で威力を倍加させている。普段は防御に大部分の能力を裂いているみすてぃが修得している攻撃方法でもある。
もしかしたら炎熱でも同じ事が出来るかとも思ったが、この子、炎系の適性が凄まじく低い。信じられない位低い。どの位低いかというと、炎系の魔法を冒険者カードで修得しようとすると、普通の4~5倍のスキルポイントが必要な程だ。
まあ、
炎を纏った槍と氷を纏った槍。騎士と魔導師、炎熱と氷結。正反対の二人の激突は全くの互角。だというのに……、
「何だよ、ありゃあ……。振るったそばからこっちのデバイスごと凍らせてきやがる!? どうにかあたしの炎で対抗出来るけど……。って、どうした旦那?」
ゼストと融合しているアギトは自信の融合者の口元が緩んでいるのに気が付いた。
「何、昔を思い出しただけだ。変わらんな、少年」
目の前の魔導師は、三年前と変わらぬ真っ直ぐな瞳でこちらを見据えている。それはまるでかつての自分達を――
とはいえ、ここで立ち止まっているわけには行かない。自分には成すべきことがある。ならば、彼を己の全力を以って斬り伏せる他はない。
「アギト、済まんな。もうお前の炎をほとんど使ってやれんが……、力を貸してくれ」
「任せろって。あの野郎をぶった斬ってやる!」
再び、槍に炎を纏わせて突撃するゼストに対して、
「みすてぃ……、リミットブレイクを使う。悪いが……」
「分かっています。ロードの体が無事な様に全力で支えますから。私だって、めぐみんさんもかすみちゃんも泣かせたくはありません。お仕事以外ではおふざけが多いロードですが、やる時はどんな無茶をしてもやる人です。そんな人の盾になる為に生まれたのが私ですよ」
一言多いが、これほど頼もしい相棒を持てた事は、誇りに思う。
リミットブレイク、『コールブランド』。これは出力制限を無視した集束斬撃を使うための形態であり、自身のコントロールの利く限りであれば、どれほどの魔力量であろうと集めて束ねて刃を成す。
その代償は体力と魔力の著しい消耗と体へのダメージ。それをみすてぃが内部からの俺への治癒やバリアジャケットの強化などで軽減してくれている。その協力に応える様に、
「抜剣……、『星光揮刃』ッ!!!」
魔力変換も無い、ただ単純に魔力を固めて形作られている刃。だがそれは、騎士や自身が消費し大気中に拡散した魔力、自分とみすてぃに残っている魔力、それらを全ての桁違いの魔力を全て集めた極地でもある。
あの時……、魔王城前でアクアの魔力を受取り、かすみを腕輪の呪縛から解放した集束斬撃の完成形。それをあれから三年、そしてみすてぃがいて漸く発動させるに至っている。
昔はアクアの魔力を受取るだけで発動できたんだから、神様ってのはやっぱり何だかんだで凄いのだと感じる今日この頃でもある。
対する騎士は、畏怖と驚愕が混じり合った表情をしていながらも、わずかに笑っていた。
自分と真っ向から斬り結ぶ。それは基本的に中遠距離を主体とするミッド式の魔導師としては、ありえない選択でもある……にも関わらず、目の前の少年の挑戦を無視しては、自身の中の騎士の誇りを汚してしまうと、そう感じ取っていた。
双方、構えて一直線駆け、相手に向かって振り被り、
「はあああああ!!」
「うおおおおお!!」
互いの渾身の一撃が激突する――
騎士ゼストは中央本部へ向かって飛び立っていた。先程の激突で自分の槍の穂先はひび割れ、もうほとんど戦闘に耐えられないだろうと予想していた。
「アギト……感謝する。刃が激突する瞬間、お前の炎熱と衝撃加速が無ければ、デバイスごと斬られていたかもしれん」
「あの野郎、本当に魔導師か!? あんな無茶苦茶な……」
「あの太刀筋は紛れもなく、真正の古きベルカの騎士の物。ああ……師が騎士と、そう言っていたか……。そして、炎熱の使い方も……。その師とやらはお前の言っていた理想のロードに丁度適合するな……」
アギトにはゼストの考えが手に取るように分かってしまっていた。彼の時間は殆ど残されていない。ならば、自分を託す相手を――
「見失ってないな? すぐに追いかけるぞ。幸い、姐さんも中央本部に向かってるらしいから、俺達も……くっう……!?」
「ロード!? 大丈夫ですか!? すぐに治療を……」
「飛びながらの応急処置で良い。急ぐぞ」
あの瞬間――俺とゼストさんの刃が激突する矢先、あちらの融合騎の機転だろうが衝撃波の加速力でもって、斬撃の速度を上昇させていた。そのせいで、相対的にこちらの動作が一瞬遅れてしまい、結果としては相打ち。あちらも無傷では無いだろうが、そんな物は無視して目的地へと向かっている。
「まさか……あんな方法で上を行かれるなんて……」
「アギトとか言ったか……。ゼストさんとの相性は良くないはずなのに、それをどうにかする経験を持ってるみたいだな。こればっかりは仕方ないか。あれは、それこそ古代ベルカ時代の純正の融合騎っぽいから……。経験値じゃあ、みすてぃはまだ敵わないだろ」
そして中央本部にて、俺達が目の当たりにした光景は――
中央本部のレジアス中将の元へと向かう途中、シグナム姐さん、リインと合流。そして俺達の行く手を阻もうとするアギトを説得し、目的の場所へと向かうと……。
そこには血塗れで絶命しているレジアス中将と戦闘機人。そして気絶している中将の副官、一人立ち尽くしていたゼストさんの姿があった。
傷口からすると、中将は戦闘機人に……、そしてその戦闘機人はゼストさんに倒された……と考えるのが自然だが……。
「ご同行願います」
「断る。ルーテシアを救いに戻り、スカリエッティを止めねばならん」
「スカリエッティと戦闘機人達はすでに逮捕。ルーテシア・アルピーノも私の部下達が保護するべく動いています」
姐さんから現状を知らせると、どこか安心した様なゼストさんであったが……、
「そうか……、ならば、俺の成すべきことは、もう……あと一つだけか……」
俺達へ向けて、槍を構えて戦闘態勢を取っていたのだった。アギトは悲痛な叫びで彼を止めようとしていたが、ゼストさんはおそらく、八年前に部下を死なせた、そして親友の暴走を止められなかった責任を自分で背負って逝くつもりなのかもしれない。
「夢を描いて未来を見詰めた筈が……、いつの間にか、随分と道を違えてしまった。本当に守りたいものを守る……。ただそれだけの事の……何と難しい事か……」
それは俺だけではなく、姐さんも感じ取ってしまった様で、レヴァンティンを構えて迎撃に移っていた。一撃目でゼストさんの槍を破壊し、それでも尚、拳で向かってくる彼に対し、
「……紫電一閃」
主に呼応するようにカートリッジを消費し、刀身に炎を纏う魔剣。その一撃は確実にゼストさんにとって致命傷となる……筈だった。
「みすてぃ、ナイス。俺の考えてることが分かるとか、持つべきものは優秀な融合騎だな」
「ロードならこうするでしょう? いつも人の都合なんてお構いなしです」
咄嗟に俺とユニゾンしたみすてぃだったが二人の間に割って入り、姐さんの斬撃をデバイスで、ゼストさんの拳を左手で受け止めた。
「……止めるな。少年、何のつもりだ?」
「姐さんはどう思ってるかは知りませんが、自殺志願者をほっとくつもりはありませんから。あなたがそんなのをするのは、まだ早いですよ」
最後はせめて騎士として生き、騎士として死ぬ。ゼストさんの気持ちを汲み取った姐さんは刃を交えて望みを叶えようとしたのだろうが、それを止められたゼストさんは落胆したように俺へと向かって、
「少年、まだ早いといったな? 俺にはもう時間も残されてはいない。他に何ができるというのだ!」
「……あなたがここで逝けば、ルーちゃんが悲しみます」
その一言に苦虫を噛み潰した様な表情をする騎士だった。おそらく、自身の寿命が残されていない事は話していたのだろうが、先ほど、あの子を救いに戻ると言った事から、気にしていないはずはない。
「次に顔を合わせた時に死に顔だったとか……、トラウマどころの話じゃないんですよ。時間が無いって言っても一日二日じゃないんだったら、せめて……、それまでは……」
「拒否すると言ったら?」
「その時は、死なない程度に動けなくするだけですね。言っときますが、帰りを待ってる人がいるのに、それを知らない振りする様な人には容赦しません。まあ……、俺もルーちゃんとそう年の変わらない子を育ててますから。それと……一応それ以外にも泣かせたくないのもいますし」
そんなのをゼストさんに対して言い放つと、
(きっちり告白するまでに、力尽くで追いかけ回す事、数回。ついには、なのはやテスタロッサも参加して漸くだったか……。酒で酔わせて既成事実を作った方が早かったかもしれん……)
(かすみちゃんに対しては、大好きーと臆面なく言えるのに、めぐみんさんに対しては赤面して言葉が詰まる様な方だったのが、よく言えます……。しかも告白も、好きとか付き合って下さい、じゃなくて、最初から結婚して下さい、でしたから……。うちのロードもかなり斜め上な人です……)
姐さんとみすてぃが何故か遠い目をして俺の方を向き、懐かしみながらも疲れた様な表情を見せていた。
「それに……まだやって欲しい事があります」
土に還るまでのわずかな間で出来る事。ゼストにとってはもう成すべきことなど無いと、そう思っていた。しかし、目の前の魔導師からは、
「見届けてください。俺達は……あなたの後輩達は、この事件を悲しみと後悔だけで終わらせないと。少しでも前に進んでいるってのを……」
何をしなくても、ただそれだけをしてくれと。そう懇願する魔導師に対して。
「最後の最後で重責を科すとは……君も、相当無茶な人間だな……」
「良いんですよ。俺は魔導師ですので、必要なら騎士の誇りなんてものは簡単に踏み躙りますし、子供のために頑張るのは大人の役目です。違いますか? 一回死んでるとかも聞きません。俺もいっぺん死んで蘇生されてる人間ですから」
「ああ……、そうだな……。だが……俺の時間が終った後は、アギトとルーテシアの事を頼めるか……? 巡り合うべき相手に巡り合えずにいた不幸な子達だ……。それと……少年、手を貸してくれ」
ゼストさんに従い、彼の目の前に右手を差し出す。ほとんど力がない状態だったのに、パンっと掌を叩かれて、
「バトンタッチだ。俺にも無茶をさせようというのだから、受け取ってくれるな?」
「ええ、確かに……」
それは途方もなく重い物だ。彼らの目指したものを俺に託すと……。
そして、俺達の役割はまだ終わっていない。上昇が止ったとはいえ、聖王のゆりかごからはまだガジェットが降下している。それをどうにかしないと、市街地にも甚大な被害が出てしまう。よって姐さんと共に空に上がろうとしたのだが……。
「あたしは……あんたなんて嫌いだ! 理屈ばっかり捏ねやがって!」
「そうか……」
「けど……、旦那を止めてくれて……ありがとう……」
俺が嫌いというのも、礼も……どっちも本音なのだろうが少しばかり涙目になっているアギトが、今度は姐さんの方を向き、
「なあ……、あんたがあいつの師匠か?」
「いや、弟子と思った事は無い。背中を任せて共に戦える友人といったところか」
「そっか……。あたしも一緒に行く。良いか?」
それに快諾して、アギトとユニゾンを行った姐さんが空に向かう前に俺を一瞥し、
(大きくなるものだ。どの子も……)
微笑を浮かべながら、俺達と共に空へと飛び立って行った。
その後、ゆりかごに突入したなのは達も脱出し、次元航行部隊によるゆりかご破壊によって、後にJ・S事件と呼ばれる今回の騒動は終焉を迎えた。ルーちゃんやアギト、事件後に協力的な姿勢を見せていた戦闘機人達は更生施設で教育プログラムを受けている。
ゼストさんに関しては予想よりは持ったものの、事件の数か月後に帰らぬ人となった。その間に、ルーテシアやアギト、そしてルーテシアの母親のメガーヌさんが目覚めて、少しだけでも触れ合えたのは無駄ではなかったと思いたい。死に体の人間を無理矢理酷使してしまったのは、少しばかり自己嫌悪に陥ってしまうが……。
そして、機動六課の試験運用期間が終了し、そのメンバーは散り散りになり各々の目指す場所へと戻って行った。そんな中、俺は……。
「ただいまー」
約一年ぶりとなる、あの世界の自宅へと帰路に着いた。たった一年の筈なのに、妙に懐かしく感じる。そこには成長期だからか、背丈が伸びて大人っぽくなったかすみと、出会った頃と違い、流れるような綺麗な黒髪を腰まで伸ばし、幼さも無くなった表情でこちらを見て
「おかえりなさい。全員揃いましたから、今日はご馳走にしましょうね」
そうして、機動六課稼働前の騒がしいながらも変わらぬ日常へと戻って行ったのだった。
アギトに関しては、シグナム+リインと戦った時に”炎を使えなくても旦那を守る方法はいくらでもある。”と言っていたので、融合時の戦闘経験値はかなり高いと予想しています。(融合相性が悪くてもそれなりにカバーできると思います)
数値的な物じゃなくて、NARUTOのオオノキの様な経験値ですね。古代ベルカ時代から生きてるからってロリババアとか言っちゃいけません。
シグナムが煮え切らない二人に対して、酒で酔わせて……と言っていましたが、130話でかすみさんが来なかったら、普通に責任取るルートまで一直線だった模様。
おまけ
①帰宅後の食事中にて。
「みすてぃ……、この男はちゃんと仕事をしていましたか?」
めぐみんさん、よもや俺が六課内でニートしてたとでも思っているのだろうか? 俺はこう見えても仕事はきっちりする人間だ。そんなのは心配無用だというのに、みすてぃは……、
「ええとですね。
「ちょっと待て!? それじゃあ遊びの合間で仕事してる様に聞こえるだろうが! 俺はちゃんと仕事の合間で遊んでた! それは間違いない!」
まあ、はやてにはその場で不吉な事を言ったってのと、お前は当て嵌まらないと言った理由でハリセンでツッコまれ、六課の敷地内の芝生には人間サイズの精巧なアーマードうさぎが立ち、なのはとフェイトには一撃喰らったりしたのだが。
「もっとこう……迫りくるガジェットを千切っては投げ、千切っては投げ的な活躍とかは!?」
「あなたはその位出来て当然です! やっぱり私も付いて行った方が良かったでしょうか……。みすてぃ、もっと教えてください」
「あとはですね――」
その日、約一年ぶりとなる、めぐみんさんのお説教を喰らったのは言うまでもない。
②もしもこのすば世界で誰のルートにも入っていなかったら?
ヴィヴィオが格闘を始めて、アインハルトという女の子と友達になったらしい。今度の休暇はホテルアルピーノがある無人世界で訓練合宿をするとか、そんな話になっていた。しかし、
「俺は行かない。みんなで楽しんで来てくれ」
「えー!? パパ来ないの? どうして……」
ヴィヴィオ的には俺にも参加して欲しかったらしいが、そうはいかない。行くと色々と面倒なのだ。
「まあ、こっちでやりたい事も――」
適当に言い訳していたら、ピトッといった感じで背中に寄り添って何者かがくっ付いていた。凄まじく嫌な予感がしながらも、ゆっくりと後ろを見ると……、
「迎えに来たから! さあ、わたしと一緒に訓練合宿に行きましょう!!」
「ちょっと待て!? 俺は参加しない! ってか、どうしてこの場にいる!?」
「だって……、早く会いたかったんだもの……」
何故だか知らないが、いつの間にかルーテシアが俺の背後にいて、合宿に引っ張ろうとしていた。
「ルーちゃん? あのな、いくらなんでも歳離れすぎ。かすみより年下とかありえないから」
「あっ……! 懐かしい呼ばれ方。ゼストと、わたしを(お嫁さんとして)頼むって約束してたでしょ?」
「(お嫁さんとして)って何だ!? ゼストさんからのは、それなりに面倒見てくれって事だろ!?」
「ちょっと解釈の違いがあるけど、ノープロブレム! 7歳の時から、ずっと忘れられなくて、しかも相手がいないし。わたしの初恋、絶対に実らせて見せるんだから!」
初めて会った時に、ぶっ飛んだ性格だと感じたのは間違いではなかったらしい。
なのは達はともかく、アギトにはやっぱりロリコンと言われてしまっていたのだった。