この素晴らしい世界にリリカルな魔導師を!   作:ゴマフアザラシ

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夜天の訪問と爆裂娘の災難

デストロイヤー討伐の打ち上げ翌日、

 

『マスター、はやてさんからメールが届いています』

 

デバイスからの通知で通信画面を開き、メールの内容を確認すると……。

 

「休暇も取れたし、みんなも心配してるから、私一回そっちに行くよ〜。渡航許可申請があるから、もうちょい待っててな〜」

 

……何!? アイツここに来る気か!? すかさず、メールを返信する。

 

「別に心配されるようなことはないから、たまには自宅で読書でもして、ゆっくりしてたらいいだろ?」

 

そうして、メールを打つと数秒足らずで、

 

「ちょうど今、申請通ったし、もうお土産も準備したから気にせんといて。日時は○月×日△時や。待ち合わせはこないだ会った所にしよ」

 

……早っ! というかもう来る気満々じゃねえか!? みんなのにも話しておかないと。そうしているとまたメールが……、

 

「我らの目が届かない間、主を頼む」

 

「はやてに何かあったら、ブチ抜くからな!」

 

「ご迷惑かもしれないけど、はやてちゃんをお願いね」

 

「私が近くにいない間の守護は任せる」

 

「はやてちゃんをよろしくです」

 

それぞれ、シグナム姐さん、ヴィータ、シャマル先生、ザフィーラ、リインからで、ほぼ同時にメールが届いた。とりあえず返信。

 

「そんなに心配だったら、誰かついてくれば良かったのに。こっちで一緒に行動している人もいるけど、そもそも男のところに女の子一人で寄越すってどうなんだよ?」

 

これで少しは危機感を持ってくれればいいのだが、と思いながらメールを打ったが、またしても五人全員からほぼ同時に返事がきた。

 

「お前(悠)(悠君)(悠さん)にそんな度胸はない(ねーだろ)(ないわね)(ないです)」

 

……馬鹿にされているのか、信用されているのか分からないが、深く考えないでおこう。もう諦めた方がよさそうだ。

 

 

 

 

「……というわけで、二、三日はやてがここに来ることになったんだけど、いいかな?」

 

翌日、はやてが来ることをみんなに話すと、

 

「マジか!? マジでここに来るのか!」

 

「私は別に構わないわよ。デストロイヤー討伐したばかりだから、しばらくクエストにも行きたくないし」

 

「ハヤテというと妖精を連れていた方ですね。色々話を聞いてみたいのです」

 

「せっかく遠方から来てくれるのだ。無碍にはできまい」

 

みんな歓迎ムードだ。しかもカズマは小躍りして相当喜んでいる。幸い、今住んでいる屋敷は五人分の部屋を割り振っても、まだ部屋数に余裕があるので、誰か来ても泊まるくらいは問題はないし、せめて休暇中はゆっくりしてもらうとするか。

 

そして当日……、ギルド前。

 

「悠君、さっすが時間通りや」

 

「……遅れると何言われるか分からないからな。ていうかその格好は?」

 

はやては私服ではあったが、どういうわけかこの世界の雰囲気に合わせた服装をしていおり、こちらの町娘といった風貌だった。どうやったんだ?

 

「これな、シグナム達にここの事教えたら、こんなのがええよって準備してくれたんや」

 

……そういえば、古代ベルカは文献読む限り魔法技術以外はここと雰囲気が似通ってるんだっけ。流石はその時代から生きてる年のこ……、ゲフンゲフン。……経験豊富な方々だ。あまり目立たないようにしてくれるのは感謝だ。

 

「みなさん、お久しぶりです。いつも悠君がお世話になってます」

 

「いつもお世話になっているのはこっちですよ。はやてさん、この間の服も良かったですが、今の服装もよく似合ってますね」

 

カズマが、今まで見た事のないような紳士的な態度ではやてに接していた。

 

「ちょっと、カズマったら私達と態度が違いすぎない?」

 

「鼻の下が伸びていますね、まったく困ったものです」

 

「私が鎧を新調した時は、あんな態度ではなかったな……」

 

アクア、めぐみん、ダクネスは少しご機嫌斜めになっているようだ。まあ仕方ないといえば仕方ないが。そのあと、はやての荷物を軽くするために屋敷に移動し、部屋に案内してリビングでくつろいでいると、

 

「つまらない物ですけど、良かったらどうぞ〜」

 

はやてから差し出されたのは、お土産だったのだが、中を見ると……、

 

本局武装隊 売店名物デバイス饅頭……!? 普通の饅頭にデバイスの模様が象られているだけのものだが、レイジングハートやレヴァンティン、グラーフアイゼンなどの模様の饅頭があり、何故か俺のデバイスの模様まであった。

 

「……なあはやて、なんでファルシオンの饅頭まであるんだ?」

 

「なんか、現所属だけやなくて、元所属のデバイスも入ってるらしいんや。広報部が企画したらしいけど、結構売れ筋になっとるよ」

 

……広報部は何をやっているんだろう? たしか自衛隊でも自衛隊饅頭ってのがあったような……、似たようなものなのか? なになに……、”第97管理外世界『地球』、海鳴市にある名店の味を再現してみました。エースオブエース故郷の味をご賞味あれ。”……一応広報にはなってるんだな。

 

「この饅頭の模様は杖ですか。剣やハンマーもありますが、これも魔法使いの武器なのですか?」

 

「それはアームドデバイスってもので、武器としての性能を重視してるんだ。もちろん魔法も使える。ただ近接戦が得意な魔法体系ではあるけど……」

 

めぐみんは饅頭の模様になっているデバイスに興味津々のようで、色々質問をしてきた。ひとつひとつ答えているうちに夜になり、夕食をとって各自部屋で休むことになった。

 

ベランダから外を眺めていると、はやてが庭を見回っていたので自分もそこに向かうと、

 

「すごいお屋敷やな〜。こんなんどうやって借りたん?」

 

「ここ借りる時に色々あってさ、家賃はタダなんだ。それより冬なんだから早く屋敷に戻れって。風邪でも引かれたら、こわーい人達にお叱りを受けちまう」

 

「もう少しくらいええやろ。悠君、この世界どう?」

 

おそらく、仕事半分、興味半分といった所か。二人きりなので、思うところを口にした。

 

「最初は、俺らと違う魔法や技術体系がある世界ってくらいの認識だった。生態系もかなり変わってるけど、星の数ほどある世界でこんなのがあっても不思議じゃないってくらい。まあ、アンデッドなんてのがいるのはどうかと思う。……けど」

 

「……けど?」

 

「こないだ、でかい機動要塞の迎撃をやったんだけど、なんていうのかな、その機動要塞自体がこの世界じゃありえない物の様な感じだった。まるで、普通の世界にロストロギアを無理やり突っ込んだような歪さがあった。一応レポートにはまとめてるから、詳しくはそれを見てくれ」

 

「わかった。目を通しておくからデータよこして」

 

そうして、レポートのデータを渡したあと、二人とも屋敷に戻って眠りについた。

 

 

 

翌朝、目が覚めた俺は庭で毎朝の日課になっている訓練を行っていた。訓練といっても剣の素振りや基礎体力や魔法の基本的なトレーニング程度ではあるが。そのあと、汗を洗い流すための朝風呂……これは密かな楽しみでもある。朝一番で広い風呂を独り占め…、なかなかの贅沢だ。そうして風呂から上がった後で朝食の用意を……、と思ったのだが、台所から包丁の音といい匂いが……。

 

「はやて、……何やってんだ? お前」

 

「えっとな、早く起きてしもうて、折角やから朝ごはんの用意を……」

 

お客さんが何やってるんだかと少し呆れていると……、

 

「ユウ、ハヤテおはようございます。今日の朝ごはんはハヤテが作っているのですか?」

 

「めぐみん、もっと言ってやれ。遊びに来てるのに、なんで働いてるんだって」

 

めぐみんが起きてきたらしく、目をこすりながらパジャマ姿で俺達のところに来た。とりあえず俺もはやてを手伝うことになったのだが……、

 

「ユウもですが、ハヤテも料理上手ですね。二人とも台所に立つ姿が堂に入っていますよ」

 

「俺らは今でこそそうでもないが、小さい頃は一人でいることが多かったからな。必要に駆られればこの位は出来るようになるさ。はやては俺より料理上手だから朝食は期待していいぞ」

 

そうして朝食をテーブルに並べた終った頃、他のメンバーも起きてきて席に着いた。

 

「……女の子の手料理!? 生きてて良かった……」

 

用意された朝食にメンバー全員、特にカズマは泣いて喜んでいた。……というか、めぐみんが用意する時もあるんだけど、そこはスルーなのか?

 

朝食後、今日はどうしようかと話し合っていると、

 

「そうだ! えっとな、ここに来た記念に冒険者カードちゅうのを作ってみたいんや」

 

「やめろ、はやて。そんなことすればギルドが大騒ぎになるから。頼むからやめてくれ」

 

はやてが冒険者カードなんて作れば、大変なことになるのは目に見えているので、止めようとしたのだが、

 

「ケチ臭いな。別にいいだろ」

 

「私が冒険者カード作ったときも大騒ぎだったし、多少の高いくらいのステータスなら大丈夫よ」

 

「ハヤテのステータスですか……。私も気になりますし、作ってみましょう!」

 

「うむ。ユウの同僚がどの程度のものか興味があるな」

 

カズマ、アクア、めぐみん、ダクネス全員に押し切られ、結局ギルドに行くことになった。……どうなっても知らないからな。

冒険者ギルドに到着したあと、俺ははやてに付き添ってカウンターまで行き、受付のお姉さんに……、

 

「……すいません。この人のステータス見ても大声上げないでください。お願いします……」

 

「……はあ、私も色々な方を見ていますから、大丈夫ですよ。あなたやアクアさんも最初から高いステータスでしたので……」

 

そうして、冒険者カードの作成に取り掛かったのだが……、

 

「はあ!? ヤガミハヤテさん、このステータスは何ですか!? 筋力、生命力、器用度、敏捷性は平均より少し上くらいですけど、知力が平均より大幅に上回ってるのと魔力が私が見てきた中でも最高値、……もしかしたら歴代最高じゃないですか!?」

 

……流石、夜天の主は格が違った。大声を出さないように釘を差していたのは無駄だったようだ。同然、ギルド内は大騒ぎになり……、

 

「おい、あの姉ちゃん。今日冒険者になったばかりなら、うちのパーティーに……」

 

「いや、ここは俺らの所に……」

 

何やらはやて争奪戦でも始まりそうな雰囲気のギルドではあったが、

 

「私、この人のところでお世話になってますので、勧誘は遠慮します」

 

そう言って、はやては俺をグイーっと前方に押し出し、自分は背中に隠れていた。それを見たギルド内の冒険者たちは、

 

「……あいつ、デュラハンとやり合ってたヤツだよな!?」

 

「デストロイヤーの結界を馬鹿デカイ魔法の斬撃で破ってた……」

 

「俺は見たぞ! デストロイヤーの内部を猛スピードで突っ込んでいくのを!」

 

「あの店の店員さんを屋敷ごと吹っ飛ばそうとしたらしいぜ……」

 

俺の顔を見た冒険者たちは分が悪いと思ったのか、はやてを自分のパーティーに入れるのは諦めたようだった。

 

(悠君、有名人やな〜。何があったん?)

 

(不本意ながら、色々やってたらこうなっちまった。目立つのは勘弁したいのに……。だから冒険者カードなんて作るなって言ったろ!)

 

(まさか、こんなことになるなんてなー。ちょう軽率やったかな)

 

念話で会話していると、カズマ達が近づいてきて……、

 

「ステータスどうだったの? ギルド内の注目集めてたけど……」

 

アクアの言葉を受けて、はやての冒険者カードをみんなに見せたのだが、

 

「紅魔族随一の我の魔力を、遥かに超えているだとおおおおおお!!?」

 

はやてのステータスを見て驚愕の声を上げたのはめぐみんだった。俺からすれば当然といえば当然の結果だ。コイツ、爆裂魔法クラスの広域魔法をポンポン撃てるんだよ……、めぐみん。

 

「けど私、ガチンコはそんなに強ないよ。後方で強力な魔法撃つタイプやし」

 

「……それって、まんまめぐみんと同じポジションだよな? もしかしてめぐみんより凄い魔法が使えるんですか、はやてさん?」

 

カズマがそう言ってはやてに色々聞いていたら、自分の爆裂魔法より凄い魔法なんてフレーズが気に入らなかったのか、めぐみんが対抗心を燃やしてしまい……、

 

「ならば、我が爆裂魔法を見せてあげましょう! 付いて来て下さい!!」

 

俺、カズマ、はやて、めぐみんは一日一爆裂兼はやてへの爆裂魔法のお披露目。アクアとダクネスは寒いので屋敷に戻る事となった。そうして、街から離れた複数の大岩が転がっている、最近、爆裂魔法を撃つ時に来ている所へ移動すると……、

 

「『エクスプロージョン』ッ!!!」

 

めぐみんの爆裂魔法によって、着弾点周囲の大岩のひとつは爆散しクレーターがまた一つこの場所に増えていた。めぐみんは、その場に倒れたので、すぐにおんぶをしたのだが……、

 

「さあ、次はハヤテの番です。魔法を見せてください!」

 

俺の背中のめぐみんが、はやてに魔法を撃つように促したので、流石に対抗させるのはマズイと思い、

 

「めぐみん、広域殲滅ではやてに勝つのは無謀過ぎるから、もう終わりにしよう? お前の爆裂魔法が十分な威力なのは分かってるから!」

 

「それを聞いたら、ますます引けません。早く見せてください!!」

 

「俺も少し見てみたいな。やってもらえませんか?」

 

めぐみんだけじゃなくカズマも興味を示したらしく、はやての方を向き、話しかけていた。

 

(……おい、まさか本当にやる気じゃないよな? ここは適当にまるめこんで……)

 

(リミッターも付いとるし、そこまで威力も出ないはずやから、同じ位の出力でやってみる)

 

念話でそう答えると、バリアジャケット、(シュベルトクロイツ)、夜天の書を出し……。

 

「来よ、白銀の風、天よりそそぐ矢羽となれ。『フレースヴェルグ』!」

 

複数の砲弾がはやてより撃ち出され着弾点で炸裂し、残っていた大岩は全て破壊され、複数のクレーターができ上がり、もはやこの土地はクレーターがあるだけの何もない場所と化していた。

……どこが、同じくらいの威力なんだ? そういえば、はやてってリインがいないと出力制御が苦手だったよな? しかもこの威力でリミッター付きである。リミッターなしならどれだけになるのやら。そして、めぐみんは一発で倒れたのに対して、はやてはまだまだ余裕がある。勝敗は誰が見ても明らかだった……。

 

はやての魔法をみたカズマとめぐみんは、口をパクパクさせながら目を見開いている。だからやめとけって言ったのに。

 

屋敷への帰路、めぐみんは一言も話さずに、カズマははやてに色々話し掛けながら、屋敷に着いたのだが……、

 

「バクレツマホウハサイキョウマホウ……」

 

屋敷のソファーに座らせためぐみんは、まるでお経でも唱えるかのように同じ言葉を繰り返していた。多分、目の前の現実を直視したくないんだろうな……。

 

(はやて、お前は遊びに来たのか、それともめぐみんイジメにきたのかどっちなんだよ? いくらなんでもやり過ぎだ! どうするんだよ、コレ!)

 

(……確かにちょうやりすぎたかな。悠君、ここは私にまかせて! こんな時はちゃんと話した方がええから)

 

念話ではやてと話した後、はやてはめぐみんの座っているソファーまで行き、

 

「なあ、めぐみん。これから一緒にお風呂いかへん? 女の子同士で色々話しよ」

 

そうしてめぐみんを風呂場まで引っ張っていき、それに便乗してアクアとダクネスも一緒に風呂に入りに行ったのだが、何かが引っかかる……。

 

はやて+風呂+女性陣=……? ……ハッ!?

 

……いや待て、いくらアイツだって殆ど初対面の人間にアレはやらないはず、そこまで見境いがないヤツじゃないはずだ。と自分に言い聞かせていたのだが、

 

「きゃああああああああ!!」

 

風呂場の方からめぐみんの悲鳴が聞えてきた。どうやら不安は的中したらしい……。

 

「おい、風呂場の方からだよな!? 何があったんだ!?」

 

「カズマ、落ち着け! 何が起こったかは大体想像付くから」

 

慌てるカズマを(なだ)めていると、風呂場のほうから髪も碌に拭かずに、体もあまり拭かないままだったのか濡れた服を着ためぐみんが、慌てて俺の背中に隠れて、

 

「ユウ!? ハヤテはどういう人なのですか!? ”私のこれはみんなの健全なバストアップに貢献してる。”と言って私の胸を……」

 

「すまん、めぐみん。釘を刺しておけばよかった。俺も気付いたのはお前らが風呂に行った後だった……。もしかしてアクアとダクネスにも……?」

 

めぐみんはコクリと頷き、カズマは何が起こっているか分かっていなかったようだったが、説明すると色々面倒なのでそのままにしてると、手をワキワキさせながら、はやてが現れた。

 

「めぐみん、逃げたらあかんよ。さっき言った通り、私のこれは……」

 

「いい加減にしろ、セクハラロギア! 嫌がってるヤツにはやらないんじゃなかったのか!!」

 

流石に、これはマズイと思いはやてへ強い口調で注意したのだが……、

 

「私のこれはスキンシップや! セクハラちゃう!!」

 

開き直るんじゃねーよ! なのはやフェイトのを初めて見たときは、俺だって固まったんだからな! 今はスルーできるようになったけど。

 

「……私、女神なのに女の子に穢された……」

 

「……なんだ!? あの手馴れたエロ親父の様ないやらしい手つきは!? 常習犯か!?」

 

アクア、ダクネスもやられたらしく、少し落ち込んでいるのが見て取れた。みんな……、歩くロストロギアの乳揉み魔がごめんなさい。

どうにかはやてを止めて、みんなを落ち着かせていた時……、

 

「悠君、悠君。さっきお風呂入ってる時にめぐみんから聞いたけど、胸の大きい娘は腕の立つ魔法使いが多いって言うとったらしいな〜。私達の事そういう目で見てたん?」

 

……ファッ!? なぜかはやての矛先が俺へと向いていた。

 

「……そ、そそ、それはめぐみんが言ってたことですよ。ハヤテサン」

 

「でも、同意したちゅうことは、そう思ってるフシがあるって事やろ? まあ男の子やからしょうがないけど。……それと、サキュバスのお姉さんにエッチな夢見せられて屋敷ごと消し飛ばそうとしたとか……」

 

全部バレてやがる!? ヤバイ……、これはヤバイ! どうやって切り抜ければいい!!? 

動揺している俺を見てはやては、なおも言葉を続ける。

 

「そこまで動揺するちゅう事は、夢で私達の誰かが出たんやろ? ”お姉ちゃん”にこっそり教えて? ヴィータやったら、ちょう引くかもしれへんけど」

 

「誰が”お姉ちゃん”だ!? お前がそのフレーズ使う時は、碌でもないことにしかならねーんだよ!」

 

「ええやん。昔、一緒の時期にグレアムおじさんにお世話になった者同士やし。誕生日で考えれば、私の方が”お姉ちゃん”や」

 

もう何を言っても無駄だ。……よし、逃げよう。高速移動魔法で一気に振り切ろう。部屋の窓に少しずつ近づいて……、

 

一歩、二歩と少しずつ窓へと向かっていた俺ではあったが、いつの間にか両足を桜色の魔力のバインドで固定されていた、それはもうガッチリと。はやてを見ると手には夜天の書。このバインドって昔、なのはから蒐集した『レストリクトロック』だろ!? こんなのすぐに解けるかー!?

 

「ハ、ハヤテサン、いくらなんでもバインドはやり過ぎじゃないですか!!!? オレニダッテ、オモイダシタクナイコトクライアルンデスヨ」

 

「昔フェイトちゃんが取り込まれた夢の魔法覚えてる? あれをうまく調整して、その夢をもう一回見てみよか? 悠君は寝起き悪いから普通に喋ってくれそうやな〜」

 

……つまり、自白するか、自白させられるか選べと!? ”はい”か”yes”の二択じゃねーかあああああ!!!?

 

 

 

―15分後―

 

「素晴らしいDOGEZAよ! DOGEZAはかくあるべきってくらい素晴らしいDOGEZAよ!!」

 

「……夢の内容を暴露させられて、DOGEZA。なんという酷い仕打ち……!」

 

「か、可哀想になってきましたね。そういえば、カズマがいつの間にかいなくなっていますが……」

 

「カズマなら急用を思い出したって、どこかに行ったわよ」

 

アクア、ダクネス、めぐみんが同情するように、俺の様子を見て話している横で、

 

「はやてさん、どうかこの件はフェイトさんには御内密に……」

 

アクアに絶賛された土下座をしながら、俺ははやてへ釈明を続けていた。

 

「……夢の内容はともかく、自分の家だからって油断しすぎや。教導官(なのはちゃん)やったらお説教かもしれへんよ?」

 

「……返す言葉もございません」

 

全て事情を説明し、パーティーメンバーの女性陣も俺を庇ってくれたので、この事は黙っていてくれるそうだ。

 

 

 

 

そして、はやての休暇も終わり……、

 

「じゃあ、私は帰るよ。みんななんだかんだで心配してるから、そのうち来ると思う」

 

「ハヤテ、次に会う時までに、我が爆裂魔法に更なる磨きをかけておきます。その時にもう一度勝負です!!!」

 

俺はもう言葉もないくらい疲れきっていたが、めぐみんは立ち直ったらしく、はやてに挑戦する気でいるらしい。そうして、みんなではやてを見送った。なぜかカズマは見送りの間、俺の後ろに隠れていた。あんなにはやてにご執心だったのに何でだ?

 




はやてのステータスに関しては、自分がガチンコで勝てるのは竜抜きのキャロくらいという所から来ています。ただし、知力と魔力は高いです。

あと、古代ベルカに関してはViVidでの城やら王族の格好やらでの勝手な想像です。
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