この素晴らしい世界にリリカルな魔導師を! 作:ゴマフアザラシ
なのは劇場版ReflectionのCMとプリヤ劇場版告知で思いついたバカ話です。
本編とは何の関係もありません。
なのはとイリヤが会っているくだりはプリヤ2wei 2巻の番外編になります。
もし知らない方がいたらごめんなさい。
今日は久々に一人で街の外へ出て、魔法の訓練を行っている。一応、屋敷でも毎日やってはいるが流石に街中で射撃を行なうわけにもいかないので、本格的な訓練では街から出なければならないというわけだ。
「とりあえず『氷結』付与の魔力弾も生成できるようにはなったけど、もうちょい使い方を突詰めないと、戦闘じゃ隙ができそうだな」
『焦る事はありませんよ。新しい魔法を身につけたときは、それを使いこなすまでにはどうしても時間は必要です。今までのマスターの戦い方と合せて有効な使用方法を考えていきましょう』
確かにデバイスの言う通りである。唯でさえ『氷結』の使い手は少ないのだから、それに関しては仕方ない。そういえばリインも練習してるって話だけど、後で連絡でも取ってみようかな。
それとも、こちらの世界でも氷系の魔法が得意な人でもいれば、色々運用方法を聞いてみたいところだ。
そんな事を考えていると、遠くから魔法の射撃のような音が聞えた。
「これってどう考えても戦闘だよな?」
『はい、あちらにモンスターと思われる反応と、その相手をしている魔力反応があります』
急いでデバイスが感知した場所へ向かうと、白狼6匹と小学生位の少女が戦っていた。その少女、魔法を使うようではあったが出力が足りていないらしく苦戦していたようだった。空を飛べるようなので白狼の攻撃が届かない所から魔法を撃ってはいたが、止めを刺せないでいたらしい。
けど、少女の使う魔法はミッドチルダでもこちらのものでもない、見たことの無い魔法だった。
「『スティンガーブレイド』ッ!」
白狼に向かって魔力刃を飛ばしヤツ等を撃退。後方からの攻撃に驚いた少女は、こちらを振り向き近づいてきた。
「あ、あの、ありがとうございました。気が付いたらここにいて、狼に襲われて……」
長い銀髪に紅魔族ほどでは無いにしろ綺麗な紅い瞳、年齢はおそらくめぐみんより年下といったところだろう。この娘、気が付いたらここにいたって言ったから、もしかしたら俺の同類だろうか?
しかし、気になるのはその格好だ。全身ピンクを基調とした服を着ているものの、どう考えても冬に着る服じゃない。フェイトのソニックフォーム並みの薄さである。これで寒さを感じていないって事は、バリアジャケットと同じで温度変化にも対応してるんだろうけど。
「もしかして、迷子ですか? ここに来る前はどこにいましたか?」
「えっと、日本の冬木市って所ですけど……」
……驚きである。日本からどうやってここに来たんだろう? まあ俺も次元震の影響で跳ばされて来たから、ありえない話ではないが……。
「イリヤさーん! ご自分ばかり話してないで私も仲間に入れてくださーい!」
……今度は杖まで話しかけてきたよ。この杖、子供向けアニメの魔法少女が持ってるようなデザインだ。喋る杖は俺も持ってるから人のことは言えないが、この杖……なんで取っ手の部分がグニャグニャ曲がるんだろう? 実は軟体動物だったりするのかな……。それにコイツからは第一級指定ロストロギアクラスの禍々しさを感じるが気のせいだろうか……。
とりあえず、俺達は自己紹介を済ませて彼女達――イリヤスフィール・フォン・アインツベルンさんとステッキのマジカルルビーから事情を聞いていた。どうやらさっき聞いたとおりで、学校からの帰り道で気が付いたらここにいたのだそうだ。でも日本なら次元転送で返せるし大した問題じゃないと思ったのだが……、
「ところで悠さんは魔法陣からして、
ルビーがわけの分からない事を聞いてきた。
「全身白い服で……こう、”ディバインバスター!!”って言って大出力の砲撃を撃つ方なんですが」
……どう考えてもなのはである。アイツにこんな知り合いがいるなんて聞いた事ない。
「まさかなのはの知り合いとは思わなかったけど、こんな年下の友達がいるのは知らなかった」
俺から返された言葉にイリヤさんとルビーは驚いたような雰囲気で、
「なのはちゃん、私より年下だったはず……」
「ですよね〜。私達があの方に会ってから、そこまで経っていませんしこれはちょっとまずいかもしれませんね。普通に悠さんに送って貰っても帰れないかも知れません」
詳しく話を聞くと、二人が会ったなのはとフェイトは9歳の時の彼女達だというと事だった。まさかフェイトとも会っていたとは驚きだ……。
「つまり、こういう事です。空間だけでなく時間にも捩れが発生して、副次効果として別の時間軸の別世界に繋がってしまったようです」
「そっか、なら俺がここでイリヤさんを送り届けた所で浦島太郎みたいになるのがオチか。そっから逆算してうまい事、転送できないか? 現時点のデータなら色々提供できるし」
「それなら可能ですが、少し計算に時間が掛かります。それまで何処か安全な場所に……」
ルビーと俺が頭を捻って彼女達を元の場所に帰す方法を考えていたのだが、
「二人とも何言ってるか分からないよ! もっと分かりやすく話して!」
一人話しについていけないイリヤさんが大声を張り上げていた。
「ああー。とりあえず、魔法に関わってると割とあることだから、難しい事はルビーに任せてあんまり気にしない方がいい。じゃないと頭がパンクするから」
「さっすが悠さん、慣れていらっしゃいます。そちらの杖も私と同じくらいの長さですし、どこか親近感がありますねー。イリヤさん、先輩からのありがたーい助言ですよ! こちらは魔法少女ではありませんが」
「私、ルビーに会って超えちゃいけない一線を超えちゃったのかな……」
俺とルビーの言葉にがっくりと肩を落とすイリヤさんではあったが、いつまでもここにいるといけないので、とりあえず屋敷に連れて行く事にした。
「ふえー、おっきいお屋敷……ルヴィアさんの家みたい」
「実は悠さんお金持ちですかー? さっき公務員って言ってましたが相当稼いでるのでは……」
「ここは家賃タダで借りてるだけだって。他の人もいるけど気にせず上がってくれ。なんか暖かい飲み物でも用意するから」
屋敷に入る前にイリヤさんは普通の格好になっていた。確かにどこかの小学生といった感じだ。イリヤさんと一緒に屋敷に入ると俺達を見てみんな固まってしまった。
「ユウ、あなた……その娘どうしたのよ……何があったの? 自分の家にそんな子供を連れ込むなんて……」
アクアの言葉からすると、どうやら……みんなして凄く失礼な勘違いをしているらしい。ここは怒ってもしょうがないので、事実だけを淡々と説明し納得してもらった。
「しかし迷子とはな。帰る方法はあるらしいから大丈夫だとは思うが、それまではゆっくりしているといい」
「イリヤの杖も変わっていますね。喋る杖を見るのは初めてではないですが、どことなく人間臭いというか……」
「でも結構かわいいデザインかも……」
ダクネス、めぐみん、ゆんゆんがイリヤさんと話していると、
「めぐみんさん、ゆんゆんさん、お二人は素晴らしい魔法少女になれる素質を感じます! 年齢はイリヤさんに比べて少し上ですが十分許容範囲内、イリヤさんがいなければお二人のどちらかをマスターにしても良いくらいです!!」
ルビーは熱弁を奮っていたが、その二人は元々魔法使いなのでもう魔法少女だと思うんだが……。
「悠さん、首を傾げていますが、魔法使いと魔法少女は別物です! どこぞのツインテールの年増ではいけないのですよ年増では! 理想としてはローティーンですよ!」
「そ、その理屈でいったらなのは達だってもう魔法少女じゃないんじゃ……」
「いえいえ、なのはさん達の
うん、ルビーの理屈は分からん。言葉の通りならバリアジャケット状態のなのはとフェイトはハイティーンのツインテールなんだが……。それとも別の人間のことを言ってるんだろうか?
「と・こ・ろ・で悠さんの周りはなのはさんの様な女性が多かったんですよね? なんか……こう嬉しいTo LOVEるでもあったんじゃないですか〜?」
なんだろう? ルビーは杖というか何処かの女子高生と話している気分になる。この質問だって顔を近づけるような感じで、”ゴゴゴゴゴッ”といった擬音が聞えてくるような威圧感がある。下手な事言うと面倒になりそうなので、すまないがユーノを犠牲にしよう。
「自分が人間なのを言うのを忘れててフェレットに化けたままで、温泉で女湯に入らされたヤツなら一人知ってるが……」
「何だよ、その羨ましいヤツは! その魔法俺にも教えろ!!」
すぐさま反応したのはカズマであった。というか変身魔法で故意にそんな事したら十分犯罪なんだからな。俺の返答に不満だったのかルビーは、
「口が硬いですね〜。悠さんはそうそう本音を話さない人と見ました。そんな方にはこれで話して貰いましょう!」
そう言って、注射器を取り出した。ていうかどっから出した!?
もの凄く嫌な予感がしたのですかさず、避けたのだがルビーの追撃が入る。それも避けようとしたのだが……、
「フッフッフッ! 甘いですよ! 24の秘密機能、占いモード発動!!」
まるで未来予測をしているような動きでルビーの注射器を刺されてしまった。倒れこんで意識が朦朧としている所にゆんゆんが近づいてきて、
「ユウさん大丈夫ですか……!? しっかりしてください!」
「ゆんゆん……か?」
ゆんゆんが心配そうな顔で俺を起こそうとしていたのが、俺は朦朧としたままで、
「……ゆんゆんは……年の割りに胸が大きいなあ……」
「なっ!?」
その言葉に驚いたゆんゆんではあったが更に続けてしまう。
「体術の稽古をつけている時の揺れ具合は、視線を外そうとしても、視界に入ってしまう……あれは一種の凶器だ……、はやてがいたら絶対に食指が動く……」
その言葉にゆんゆんは顔を真っ赤にして俺を突き飛ばした。
「ルビー……まさか自白剤を……海でのお兄ちゃんみたいに……」
「いやー、まさかなのはさん達じゃなく潜在意識下でこちらの方々に対して思っている事を言ってしまうとは……」
イリヤさんが慌てながらルビーと何か話しているが、突き飛ばされた俺はめぐみんの近くにいた。
「めぐみんは……別に胸が小さいくらい……気にしなくていいと思う。おんぶの時に背中に時折感じる慎ましやかな感触は……それはそれで得がたいものとなっている……」
「な、なな、何を言っているのですか!? こ、これ以上おかしなことを言ったら爆裂を……」
ゆんゆんに続き、顔を真っ赤にしためぐみんではあったが、震えながらどうしたらいいか分からない感じになっている。
「……ダクネスは……もうララちゃんって名乗っていいと思う……。腹筋が割れてるのだってエロく感じて……」
「ララちゃんって呼ぶなああああ!! それと私の腹筋は割れてはいない!! デタラメだ!!!」
ダクネスも大声を上げて、今にも殴りかかりそうな雰囲気である。
「ま、まさか女神たるこの私にも邪な感情を抱いていたの!?」
「……アクアは……おっさんくさい」
「なんでよおおおおおおお!!!」
アクアも信じられないものを見る目で後ずさってはいたが、俺の言葉を聞いて涙目になって叫び声を上げていた。
「こ、これはいけませんね~。悠さんが正気に戻ったらOHANASHI系魔法使いの本領発揮かもしれません……」
「な、何言ってるの? ルビー?」
「このままだと、何処に隠れていても見つかって、リリカルな震脚の壁抜きでデストロイされかねません! 多分3年後くらいのクロさんと関係ありそうな腹黒いメガネの人と同じ目にあいます!!」
「なんでそんな人に自白剤打つのーーー!? ルビーの馬鹿あああああ!!!」
「仕方ありません。こうなったらここ数時間の記憶も消せるデラックスな鎮静剤で皆さんを大人しくさせましょう!! ちょうど転送の計算も終了しました。皆さんが静かになっているうちに退散します」
そうしてルビーは全員に鎮静剤を注射した。イリヤさんとルビー以外は仏像のような雰囲気で静かに佇んでいる。
「さあ、今のうちに逃げますよ! 座標は私が調整しますから、いつもどおり跳んでください!」
「
―30分後―
あれ……? 外で魔法の訓練をしていたはずが、いつの間にか屋敷に帰って来ていたらしい。しかも昼寝してたってことは、知らないうちに疲れが溜まってたのかな。
しかも昼寝してたのは俺だけじゃなく、メンバー全員がその場で寝ていた。もうすぐ夕飯の仕度もしなきゃならないのでみんなを起こした。
「今日の夕飯何がいい?」
「私、カエル南蛮がいいわ。ユウの作る甘酢あんとタルタルソース絶品だし、シュワシュワが進むのよ〜」
アクアのリクエストに全員納得したらしく俺は夕飯の食材を購入するために街に繰り出し、何事も無い日常を過ごしていた。