この素晴らしい世界にリリカルな魔導師を!   作:ゴマフアザラシ

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竜召喚士と3年後の……

……どうしよう。どんな顔して会えば良いんだ!? ここは笑顔で”いらっしゃい♪ ゆっくりしていってね”とか、それとも厳しめな顔で”……久しぶりだな、好きにするといい”ってこれじゃあ余計怖がらせちまう……。

 

「……ああああああっ!!」

 

俺が居間で頭を抱えながら奇声を上げていると、

 

「さっきからどうしたのよ!? ウロウロしてると思ったら、今度は大声出して……」

 

アクアが俺の様子を見ておかしいと思ったらしく、心配そうな顔をして話しかけてきた。

 

「ユウらしく無いですね。何があったかは知りませんが、相談なら乗りますよ?」

 

「そうだ、私も見合いの際には世話になったからな。まずは話してみると良い、一人で悩んでいては解決できない事もある」

 

「こいつらに聞かれて困るんなら酒場に行くか?」

 

続いて、めぐみん、ダクネス、カズマからも相談に乗るといった旨の言葉があった。確かに悩んでいるだけでは始まらないので話してみるとしよう。

 

「……実はここにフェイトん家の子が遊びに来る事になってな」

 

「何だ……フェイトさんの弟か妹さんか?」

 

カズマがどんな子が来るのか気になったらしく、書きかけの設計図をから目を離し、こちらを向いて口を開いた。そして俺から、

 

「……娘かな?」

 

「「「「……えっ!?」」」」

 

「ああ……いや違うんだ。保護者がフェイトってだけだから」

 

流石に俺と同い年で大きな子供がいるように話してしまったのはマズかったらしく、誤解を与えてしまったようだ。

 

「まあいいや、その子が来るのと、お前がそんな風になるのと何の関係があるんだ?」

 

「その子……キャロっていう女の子なんだけど、初対面のときに怖がらせちゃってさ。どうやって接したらいいのか……」

 

俺以外の全員が目を見合わせた後、ダクネスから、

 

「怖がらせたとは何をやったのだ? お前がこと戦闘では情け容赦の無い男なのは知っているが、何の理由も無く子供を怖がらせたりはしないだろう?」

 

戦闘じゃ情け容赦無いって……そうかもしれないけどさ。そんなん言われるくらいの事はやった覚えはねーぞ! ……と、ここは言い合いをするより事情を説明しよう。

 

「あれはフェイトと一緒にキャロを引き取りに行った時でさ。ウチの組織って警察と軍隊も兼ねてるから、キャロも戦力って事で最初に保護した連中も考えてたみたいだったんだけど……」

 

「戦力って……どんな子なのよ? あなたよりずっと小さい子なんでしょ?」

 

「キャロって竜召喚士でさ、能力自体は相当高いんだよ。ただ制御うまくないけど……」

 

アクアからの質問に俺が返した後に全員が目を見開き、めぐみんが少し興奮気味に、

 

「竜というのはあの竜ですか!? ああ、そこは置いておきましょう。続きを聞かせてください」

 

 

 

 

その日、竜召喚士の子が保護されているという施設へと赴いた俺とフェイトではあったが、施設内で見たのはどこか怯えている様子で座らせられている桃色の髪の7〜8歳くらいの女の子とその子を怪訝な表情で見ている局員達だった。

 

「確かに凄まじい能力を持ってはいるのですが……、制御が碌にできないんですよ」

 

座っている女の子――キャロの能力について、呆れたような様子で説明する担当者であった。続けて、

 

「竜召喚だってこの子を守ろうとする竜が勝手に暴れ回るだけで、とてもじゃないけどまともな部隊でなんて働けませんよ」

 

ああもう腹立つ。召喚自体はレアスキルだし戦力として数えるのは仕方ないかもしれないけど、もっとあの子に対してやらなきゃならないことがあるだろうが!! 能力でしか人を見れねーのかよ……!

 

「せいぜい単独で殲滅戦に放り込むくらいしか……」

 

「……いい加減にしてください。こんな小さい子によってたかって好き放題言ってどういうつもりですか?」

 

担当者の言葉を聞いているうちに我慢ができなくなってしまい、つい口を開いてしまった。

 

(悠、ここは抑えて! 黙ってこの子を連れて行こう)

 

(悪いけどな、俺はお前ほど我慢強く無いんだよ! 確かに問題はあるのかも知れねーが、あんなのは無いだろ!)

 

念話で話しかけてきたフェイトの制止を無視し、更に言葉を続ける。

 

「しかも、言うに事欠いて殲滅戦に放り込むしかないなんてよく言えますね? あなた方も立場上、運用方法を考えなきゃいけないのは分かりますが……、あんまり人を嘗めた口きくなよ……!」

 

自分でも驚くくらい頭に来ていたらしく、口調も荒くなっていった。周囲にいた担当者達も後ずさってしまい、冷や汗を掻きながら顔を青くしていた。それは椅子に座っていたキャロも同じであったようで、怯えた眼で俺を見ているのがわかった。

その後、何とかフェイトが取り成しキャロを引き取ったものの、彼女は俺と接する時はフェイトの後ろに隠れながら怖がっているような感じになってしまった。

 

 

 

 

 

「なあ、ユウ……気持ちは分かるけど、それはお前が悪い。何だよ、そのめぐみん並みの喧嘩っ早さは」

 

「……うう、分かってはいるんだ。現にあの後、フェイトからお説教喰らったし……」

 

カズマの言うとおり、あれは感情的になってしまった俺が悪い。あの時の事を思い出して、少し落ち込んでいると、

 

「……何てことだ。幼子をたった一人で戦場に送り込むだと……!? 何て外道だ、許せない!!」

 

ダクネスは聖騎士である職業柄かキャロの境遇を聞いて声を荒げていたが、

 

「……ぜ、是非私をその殲滅戦とやらに参加させてくれ!! もちろん単独で構わない! 周囲全て敵だらけの状況で蹂躙され……」

 

……もうヤダ、このドMクルセイダー。

 

「フッ、殲滅戦ですか。ならば我が爆裂魔法の出番ではないですか! 私は呼ばれればどこでも馳せ参じましょう!!」

 

めぐみんも殲滅戦なんて単語を聞いてノリノリで名乗りを上げていた。いや、今の話題は殲滅戦じゃないからな?

 

「流石のお前でも子供に怯えられるのは、堪えたってことか」

 

「カズマあああああ! どうしよう!? どうやって接すれば良いんだ! 下手な事してまた怖がられたりしたら、もうどうしようもないだろおおおおお!!! 今回はフェイトがセッティングしてくれたけど、失敗したらと思うと……」

 

カズマの肩をガシっと掴みグワングワン揺らしながら、叫び声を上げてしまった。

 

「分かったから落ち着けって! お前がそんな風になってるなんて相当だし、協力してやるから!」

 

 

 

 

みんなが協力してくれる事になったので、相談していると、

 

「やっぱり、楽しい事をするのが一番だと思うの! 幸いユウは宴会芸スキル習得できるし、お出迎えの時に花鳥風月で先手を打ったら良いわ!!」

 

「そ、そうか、確かに宴会芸は良いかもしれないな! じゃあさっそく……」

 

アクアに促されるまま、『花鳥風月』を習得しようとしていた俺ではあったが、

 

「おいやめろ! いきなり宴会芸とかただの痛い人だからな! アクアもおかしな事言うな!!」

 

カズマが冒険者カードを手に取った俺を必死に止めていた。

 

「何よ! じゃあカズマは何か良い案あるの?」

 

「……ここは、親しみやすい呼ばれ方をするべきだ! まずは”お兄ちゃん”って呼んでもらってだな……」

 

「それってカズマの願望でしょ!? このロリコンヒキニート!」

 

アクアとカズマが言い合いを始めてしまったが、確かに親しみやすく呼ばれるのは良いかもしれない。めぐみんの方を向いて、

 

「……めぐみん、練習のために俺を”お兄ちゃん”って呼んでく……テェェ!! 何で杖で殴るんだよ!」

 

「まったく、なんて壊れっぷりですか? おかしな事をせず、いつも通りで良いんですよ。今度変な事言い出したら、爆裂の的にして頭を冷やしてもらいますからね?」

 

「少し冷静になれ。付け焼刃で何かやったところで、ややこしくなるだけだ。私達がちゃんとフォローしてやるから安心しろ」

 

……なんだろう。いつも何かと苦労させられているめぐみんとダクネスが頼もしく見える。二人ともマズイことをしてしまった時のフォローは頼む!!!

 

 

 

 

そして当日、キャロを連れたフェイトが屋敷を訪れた。

 

「じゃあ、私はもう行くね。明後日には迎えに来るから頑張って」

 

「も、もう帰るのか!? できれば今日くらいは……」

 

「エリオの所にも行かなきゃならなくて。そんな捨てられた子犬みたいな目をしちゃダメだよ! キャロだって不安がるから」

 

そして、フェイトは帰路に着きキャロだけが屋敷に残されたのだが……、

 

「チビッこいけど本当に竜ね!」

 

「竜です! 竜ですよ!! 本当にこの子、竜を連れていますよ!!!」

 

「ああ、竜召喚士とは聞いていたが、この年で竜を従えているとは……!」

 

「フリードはわたしが卵から育てた子でずっと一緒だったんです」

 

アクア、めぐみん、ダクネスがキャロと一緒に来た小さい白竜のフリードリヒ、通称フリードに夢中になっていた。そのおかげで、早くもキャロとは打ち解けたらしく、笑いながら色々話を弾ませていた。

これは結構良い雰囲気かも知れない。この期にうまくキャロと話を……、

 

「ええっと……キャロ?」

 

俺が声を掛けるとキャロはアクアの後ろに隠れてしまい、不安そうな表情で俺をジッと見ていた。

 

「怖がる事は無い。確かに敵対した者にはやりすぎなくらい容赦の無い男だが、普段は気の良い人間だ。……ああ、あの容赦の無さを普段から私に向けてくれれば……」

 

「でも、あちらのカズマには近づいてはいけませんよ。女性と見るやパンツを脱がす人ですから。かくいう私も一度被害に……」

 

何とか俺とキャロの仲を取り持とうとしていたダクネスとめぐみんではあったが、

 

「……おい、最初はともかく最後のは子供の前で言う事じゃねえだろ! ダクネス」

 

「何で俺を貶めてるんだよ! そんな小さい子に『スティール』なんてするわけ無いだろうが!!」

 

俺とカズマが大声を出して抗議したため、キャロはビクッとして顔を隠してしまった。

 

「ねえ、あなた、ユウのどこが怖いの? ちょっと教えてくれないかしら? 悪い所があったらこの私が矯正してあげるわ!!!」

 

アクアが自分の背中に隠れているキャロに対して、核心を突く質問をしていた。とういか、おっかない事言ってますねアクアさん。殴られたときは結構痛かったですよ。

 

「……そ、その、悠さんと始めて会った時に、ちゃんとお話もしないで隠れちゃって、どうやって話しかけたらいいかわからなくて……」

 

……ええと、つまり別に俺の事を嫌ってるわけではないと?

 

「なんだ、要はお互いどうやって接すれば良いか分からなかったって事か」

 

カズマがどこか安心したような顔で、俺とキャロを相互に見ていた。

 

「キャロ、あの時はゴメン。感情的になっちまって……」

 

「わたしも会いに来てくれる度に隠れてて、ごめんなさい」

 

俺とキャロ以外の全員が、安心したような雰囲気になり、ダクネスが、

 

「とりあえず、一件落着だな。さあ、もうすぐ夕食の時間だ。皆で食卓を囲んで楽しむとしよう」

 

そして、夕食をみんなで取っていたのだが、

 

「キャロ、今日は私と寝ましょう。フリードも一緒で構いませんよ」

 

「……大丈夫なんだろうな? 俺の部屋で寝せようと思ってたんだけど」

 

俺がそう言うとめぐみんはなにやら自信満々な様子でもって、

 

「心配は無用です! 私にはキャロと同い年の妹がいますから、この位の年の子の扱いは慣れています!!」

 

ほう、めぐみんに妹がいたとは初耳だ。しかもキャロと同い年って結構年の離れた姉妹なんだな。

 

「妹ねえ。どんな子なんだ?」

 

「こめっこは紅魔族随一の魔性の妹ですよ。よく近所のお兄さんから食べ物を貢いで貰っていたものです。ただ、ちょむすけも食べようとしてしまったことがあって、その度に止めていましたが……」

 

「……な、なかなかワイルドな妹さんだな」

 

この世界でも猫を食べる文化はないと思ってたんだが、めぐみんの妹が変わっているだけなんだろうか?

 

 

風呂に入った後、キャロに一言おやすみを言おうと思いめぐみんの部屋の前に来た時、

 

「……いいですよキャロ。もっと堂々として、大きな声でやってみてください」

 

何か二人でやっているらしい。一応ノックをして、めぐみんがドアを開けたとき目に入ったのは、

 

「我が名はキャロ・ル・ルシエ! 竜召喚士にして、白竜を従えし者……!」

 

キャロが初めて会った時のめぐみんの様に、ローブを翻し高々と名乗りを上げていた。

 

「何をやらせてるんだ、お・ま・え・はああああ! キャロ、こんなの覚えなくて良いからな! やったら変な目で見られるから!!」

 

思わず、めぐみんの頬を引っ張りながらキャロに対して大声を上げてしまった。

 

「こんなのとは何ですか! 紅魔族の正式な名乗りですよ! 竜召喚士なのですから、この位の名乗りがあっても良いではないですか!!!」

 

「キャロがめぐみんみたく呼ばれたら、どうするつもりだ!! ただでさえ大人しいのに誰とも話せなくなっちまうだろ!!!」

 

「なにおう!? 喧嘩なら買いますよ!! 紅魔族は売られた喧嘩は買う種族です。私のどこが頭のおかしい娘なのか聞こうじゃないか!!」

 

めぐみんと喧嘩をしつつ、お互い疲れたところでお開きになり俺は部屋に戻り、この日は終了した。俺達の喧嘩を見ていたキャロは終始ニコニコして楽しそうであったが。

 

 

次の日、

 

「また居間をウロウロして……。大丈夫よ。いくらカズマでもあんな小さい子に手を出したりしないから!!」

 

アクアの言うとおり、居間を熊のようにウロウロしていた俺であった。なぜかというと……。

 

――カズマさん、今日、わたしとお買い物をしてください。

キャロがカズマを誘って街へと繰り出していた。多分お土産でも選ぶんだろうが、だったら俺でも良いじゃないか。

 

「少し落ち着いてください、アクアの言うとおりですよ。仲違いが解消されたと思ったら今度は心配性ですか……」

 

めぐみんが半ば呆れ気味に俺を見ながらそんな事を言っていたのだが、

 

「そーだー、こないだウィズに訓練付き合ってもらったからお礼言いに行かなきゃー。ってわけでちょっと出る」

 

「す、凄い棒読みだったぞ。心配しているのは分かるが、一人で大丈夫なのか!?」

 

ダクネスも屋敷から出ようとする俺を見て、少々引き気味な様子であった。

とりあえず、街へ繰り出しカズマとキャロを見つけて見つからないように尾行をしていたのだが、

 

「何してんだお前? おっ……カズマと一緒にいるチビって確か……」

 

「ダスト、今は手を離せないから相手はできねーぞ。早くアッチ行ってくれ」

 

「そう言うなって。昨日あのチビと一緒にいた金髪の美人はお前の関係者か? なあ俺にも紹介してくれよ!!」

 

何気に目ざといダストである。紹介するのは構わないけど、後が大変だぞ。

 

「うちのリーンはなかなか胸が育たなくてよ。あの姉ちゃんみたいになるにはどうすれば良いんだか」

 

「上級魔法でも覚えれば良いんじゃないか? うちのめぐみんが言うには腕の良い魔法使いは胸が大きいらしいからな。俺からしても信憑性の高い話だぞ、これは」

 

「マ、マジか!? ってことはあの金髪の姉ちゃんも強いのか?」

 

雑談しながら、ダストと一緒にカズマ達を尾行していたのだが、少し目を離した隙に見失ってしまった。大通りに出て二人を探していたのだが、

 

「ユウとダストなんてまた珍しい組み合わせだな。こんな所でどうしたんだ?」

 

逆にカズマ達に見つかってしまった。ついバツの悪そうな顔をしてしまったが、カズマは大して気にとめずに、

 

「まあいいや、ユウこれから酒場に行こうぜ。キャロが渡したい物があるってさ」

 

そうして酒場に到着した俺はキャロと向かい合って座っていた。カズマがキャロに促すようなしぐさをすると、

 

「あ、あのこれを……」

 

キャロが差し出してきたのは、小さな紙袋だった。中身を見ると……。

 

「このペンダントって……なんで?」

 

「フェイトさんがいつもわたしと会った時に言っていたんです。悠さんはフェイトさんが時間を作れるように自分の仕事が終った後、よく手伝ってくれてたって」

 

……フェイトめ、余計な事を。キャロは続けて、

 

「なのにわたし、ちゃんとお話もせずにフェイトさんの後ろに隠れてばかりだったから……。今までありがとうと、これからも仲良くしてください」

 

満面の笑顔のキャロからのプレゼントを受取って思わず……、

 

「……カズマ、俺……キャロを手放したくない」

 

なんて口走ってしまった。

 

「何言ってんだ!? お前の娘でもないだろ!」

 

「おっ、親バカになりやがった。気をつけろよチビ、こんなのが近くにいたら将来彼氏を作るのも大変だぜ? そんなのができたらコイツには隠しとけよ」

 

少し驚いたような様子のカズマと、面白いものを見る目のダストがニヤニヤしながら、からかってきた。

 

「誰が親だ! せめてお兄さんだろ!!」

 

俺も反論するものの、そのネタを二人とも止めようとはしなかった。ダストは続けて、

 

「そういやあチビ、ドラゴン飼ってるけどうまく制御できないんだってな」

 

「そ、その……」

 

それを聞いたキャロは少し怯えたような表情をしていたが、

 

「ああ、悪い。別にその事じゃねーんだ。いいか、自分がドラゴン怖がってたらアイツラだって戸惑っちまうんだぜ? もっと自分に自信を持てよ。今すぐとは言わねえ、それまではコイツや金髪の姉ちゃんがきっちり守ってくれるだろうしな。コイツを思う存分頼ってやれよ。丁度親バカになったしな」

 

そうしてダストは、優しげにキャロの頭を撫でていた。

 

「……ダスト、お前……キャロのこと狙ってたのか? キャロはあげないからな!」

 

「んなわけねーだろ!! どう考えても俺の守備範囲外だ! おいチビ、コイツで困った事があったら俺が抑えてやるからな。初心者殺しに追いかけ回された借りもあるしよ」

 

俺とダストの言い合いを見ていたカズマとキャロは、

 

「あいつらって結構同レベルな部分があるのか……」

 

「でも楽しそうですよね。わたしにも同じくらいの年の友達ができるといいなあ」

 

カズマは呆れながら、キャロは楽しそうに俺達を見ていた。

 

 

 

 

――3年後、機動六課の休日。

 

「いいかエリオ、もし街でガラの悪いのに絡まれたら躊躇わずにやっていいからな。魔法を使わずにのせば、コッチの正当防衛になるから、後は法務が得意なフェイトがどうにかしてくれる。キャロを守ってやってくれ……!」

 

「……は、はぁ、わかりました……」

 

エリオとキャロ二人っきりで街へ繰り出す事になったので、注意事項を言っていると……、

 

「二人に何言ってるの!? 変な事教えちゃダメだからね!」

 

「や、やっぱり俺も付いていった方が……キャロなんだその手紙?」

 

「ダストさんから、悠さんがわたしの事で周りを困らせたら、フェイトさんに見せると良いって……」

 

その手紙を見たなのはとフェイトは念話で……、

 

(どういう事かな? はやてちゃんに揉まれてたわたし達の胸を凝視してたとか……)

 

(あの世界で見せられた淫夢で出たのが、私って何があったの?)

 

アイツラめ、俺を嵌めようとしたんだろうが、この程度で動揺してはいけない。

 

「二人とも、そんなの嘘に決まってるだろ。大体カズマやダストは……」

 

チリーン。

 

なんか懐かしいベルの音が聞えてきましたよ。ベルの鳴った方を向くと、

 

「シャーリー、それなんですか?」

 

「えっと、嘘発見ができる道具らしくて、取調べで使えるかと思って取り寄せたんですけど……」

 

それを聞いたなのはとフェイトは……、

 

「そうだ! ティアナのクロスファイアのバリエーションで相談したい事があったんだ。これから訓練場に付き合って!」

 

「私もエリオのストラーダの戦闘方法で相談したかったんだ。一緒に行くよ」

 

二人が俺の腕をガッチリ掴んで訓練場へと引っ張ろうとしている。二人ともにこやかだけど、眼が笑っていない。握られている腕は、ミチミチと音を立てている気がする。両手に花? そんな状況じゃねーですよ!

 

(部隊長、へるぷみー)

 

(まあ、ある意味自業自得やから、頑張って! 悠君ももうSランクやしどうにかなるやろ)

 

はやてにSOSを送ったが、見事に拒否されてしまった。そうしている内に、俺の前に風で飛ばされた紙がヒラヒラと落ちてきた。それを見ると……、

 

『これで初心者殺しん時の借りは返した。byダスト』

 

と書かれていた。思わず、

 

「カズマあああああ! ダストおおおおお!! 覚えてやがれえええええ!!!」

 

そう叫びながら、訓練場へ連行されてしまった。

 




OHANASHIは忘れた頃にやってくる。

ダストよ、お前は本当にシェイカーなのか?
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