この素晴らしい世界にリリカルな魔導師を!   作:ゴマフアザラシ

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あと1,2話はシリアスが続くかなあ……。
はやくギャグが書きたい……。


その剣、折れてなお……

紅魔の里周辺の森の中、

 

「あれは……火の手でしょうか? 嫌な予感がします。お二方とも、急ぎましょう」

 

「ええ……! 早く行きましょう。あまり遅いと置いて行きますからね」

 

その言葉に頷く男。その三人は紅魔の里に向かって、森の中を駆け抜けていった。

 

 

 

 

所変わって、地下格納庫内部。対『魔術師殺し』用の兵器と、『世界を滅ぼしかねない兵器』の確保を請け負ったカズマ達であったが、そこにあったのは、古いゲーム機に日記。そこで驚愕の事実を知る事になる。

カズマより先にこの世界に送られた転生者。その人間は作ったゲーム機を『世界を滅ぼしかねない兵器』と呼んで誤魔化していたらしい。その他には、紅魔族は魔法適性を最大にまで高めた改造人間だといった内容や、対『魔術師殺し』用兵器の特徴が書かれていたが、

 

「物干し竿くらいの長さのライフルって言ったら……」

 

顔面蒼白のカズマがアクアを見つめ、

 

「も、もも、もしかしなくても……壊しちゃったヤツ……よね?」

 

視線の先の女神様は、脂汗をかきながら、今にも泣き出しそうになっていた。集束砲の魔力を取り込み、自身が引き金を引いた狙撃銃を思い出したらしい。

 

「この駄女神! 何やってんだ! てめえはああああああ!!」

 

「だってだって、仕方ないじゃないの! 引き金があったら引きたくなっちゃうでしょ!? しかも『FULL』なんてなっちゃたんだもの!! どうしろって言うの!!」

 

地下格納庫に響き渡る二人の叫び声。駄女神と薄幸魔導師、この二人のよる不運のコンボは、図らずとも状況を最悪の方向に持って行ってしまうらしい。

 

「大体、カズマがユウにあの魔法使わせたせいでしょ!? 私だけの責任じゃないわ!」

 

「何言ってやがる! あの時は、俺の発想で戦闘を避けたんだからな!」

 

アクアの叫びは半分正解ではあるが、紅魔の里は日常的に魔法を使用しているため魔力散布量が多く、集束砲を撃てるだけの魔力が集まってしまったのも不運と言える。

 

「こうなったら、もう逃げるしかない! 里の人達には事情を話して、どこか安全な場所まで避難を……」

 

「そ、そうね! 早くしましょう!!」

 

そうして、二人が地下格納庫から外に出て、パーティーメンバーの元へと向かったが、そこには、

 

「……む、来たか。首尾はどうだ?」

 

シルビアと魔導師の戦闘を見守っていたダクネスではあったが、

 

「その……『世界を滅ぼしかねない兵器』ってのは確保したけど……、『魔術師殺し』の方は……」

 

「私じゃないの! 私のせいじゃないんだからああああああ!!」

 

とうとう大声で泣き出してしまった女神様であったが、ダクネスが、

 

「まあ待て。落ち着いて事情を話せ。シルビアならユウが全力で止めている。アレは凄いぞ……! 全開と言っていたが、デストロイヤーの時以上かもしれん」

 

「「……えっ!?」」

 

 

 

 

 

さりげにダクネスの方を向くと、いつの間にかカズマとアクアの姿があった。地下格納庫の方は……アクアが大声で泣いてるあたり、あまり良い報告は聞けないと思った方が良いだろう。元々、使い方が分からない兵器なんてのは、リスクが高すぎるし、そんなのはいい。それよりも……、

 

「硬ってえな……おい。しかもその巨体で、スムーズに動くとか反則も良いとこだろ」

 

「あなたが来るまでに、この兵器にも慣れたしね。けど、反則なんて言ってる割には、余裕があるわよ?」

 

「……ふっ。その程度の反則なら、慣れたもんなんだよ! なんせ俺の身内は、反則が服着て歩ている様な連中ばっかでね!」

 

「だからあのお嬢ちゃんが、あなたの指導を思い出しただけで、泣きそうになってたの……。もう少し優しくなさいな」

 

余計なお世話だ! あれでもまだ優しくやってるつもりだからな!

 

俺が到着する前に、ゆんゆんが試してたのは、『魔法を利用しての物理攻撃』。つまりは爆裂魔法が通じなかった場合に、考えていた手段である。どうせやるなら、山の方に誘導して岩石で押しつぶすといった方が良かったと思うが。それをシルビアが警戒してる以上、やらせようとはしないだろう。

フルドライブの魔力刃でさえ、斬り裂くことが叶わない『魔術師殺し』。空に上がって砲撃を撃とうにも、即座に本体を防御されてしまう。ここに来るまでに慣れさせてしまったのがマズかったようだ。

 

「あのお嬢ちゃんが、今のアタシにも効く攻撃を試してたのよ? あれはあなたの入れ知恵かしら? まあ、ここまで動けるようになった今なら、あんな手には引っかからないけど」

 

……嬉しいもんだ。たった一言だけで、俺の思考を読んで実行してくれたんだからな。ここで負けたら、指導者の面目丸つぶれだし、気合も入る……!

 

「それで……? お嬢ちゃんの手はもう通用しないけど、まだアタシとやり合うつもり? この『魔術師殺し』を魔法だけでどうにかできるかしら?」

 

俺が試そうとした手段も警戒され、接近してのクロスレンジでの打撃もゆんゆんがやってしまっているため、それも簡単にはいかない。ダクネスをチェーンバインドで括り付けて、モーニングスター替わりで物理攻撃は流石にないにしても、いっそデュランダルでもあれば、『魔術師殺し』ごと凍結できたかもしれないが……。

 

そうなった場合、『氷漬けにされた魔王軍幹部』なんて言われて、紅魔の里の新たな観光地になりそうだ。しかも割と簡単に封印は解けるから、やっぱり駄目だろうな。

リミットブレイクは……、もう少し魔力をばら撒いてからじゃないと……。

 

シルビアは完全にこっちの出方を伺っている状態。あっちからすれば、攻撃を防いで俺が疲弊した状態で仕留めるのが最善手だと思っているはず。

 

「早く来なさいな。それじゃあ、さっきのお嬢ちゃんの方が歯ごたえがあったわよ?」

 

「シルビアさん、『魔術師殺し』をもう少し下げて……、具体的には太腿の辺りで連結してくれないか?」

 

「できない事は無いけど、そんなのやったら、物凄く嫌な予感がするわ」

 

シルビアの予感は正しい。これで本当にやってくれたら、象さんに狙いを澄ませて全力で蹴りでも入れてやれるんだが……。

 

「おしゃべりもこれで終わりにしましょうか。この『魔術師殺し』、貫ける?」

 

挑発的なシルビアの口調と視線。それに応える様に、

 

「貫くっ……!」

 

デバイスの先端を相手に向け、A.C.Sを起動させる。

 

「あ、あれって……デストロイヤーの内部を突破した時の……!?」

 

「なんか……あの時と違うんですけど……!?」

 

カズマとアクアはデストロイヤ―の内部に侵入した際、一度A.C.Sを目にしてはいるが、あの時は魔力刃を鋭くし、攻性フィールドに炎熱を加えて突撃しただけ。

今回は防御を貫くために、最大限の出力を持ってチャージを行っている。その為……、

 

「……光の羽?」

 

「綺麗……!」

 

後方のめぐみんとゆんゆんが、A.C.S状態で四枚羽を展開しているデバイスに見入っている一方で、

 

「「「「か、格好良い……!」」」」

 

族長を始め、その場の紅魔族の琴線に触れてしまっていた。

 

「め、めぐみん……! あれは何だい? あんなの見た事も聞いた事も無いが……!?」

 

「知りませんよ!? 私だって見るのは初めてです! あ、あんなのがあったなんてズルいです!」

 

作家志望の少女は爆裂娘の肩を揺らしながら、必死に問い詰めていた。ちなみにめぐみんはデストロイヤー内部には行っていないため、A.C.Sは初見である。

 

「ねえねえ、さっきの会話って、噛み合ってる様で噛み合ってないわよね?」

 

「お前はいちいち文句を言わないと気が済まないのか? この状況の一端を作っといて……」

 

アクアとカズマが少しばかり呆れていたのは、

 

Q:あなたは『魔術師殺し』が貫けると思いますか?(シルビア)

A:貫きます。(ユウ)

 

押して駄目なら引いてみるではなく、押して駄目ならもっと押す。などといった内容である。アクアが違和感を感じるのも不思議はない。

 

 

……なんか、とても不名誉な事を言われている気がするが、こちらにだって考えがあるんだから、黙ってて欲しい。

 

「バーストキャリバーA.C.S。ドライブ!!!」

 

その様は突撃槍を突き立て、高速で巨大な蛇に迫る騎士。その蛇の金属の装甲の前では、その突撃も無意味になる、そう考えていた人間も少なからずいたが、

 

「……うっそ!? シルビアを止めるどころか、猛スピードで後退させてるって……!?」

 

「なんつー推進力……」

 

「わ、私に全力で攻撃した時より、凄まじくないか……!?」

 

カズマ達が、その場に茫然と立ち尽くしている一方で、

 

「くっうううう……!」

 

シルビアにとっても想定外の出力であったらしく、表情に焦りが見えていた。

 

……まだ、このまま里の外壁まで押し返して……!

 

シルビアが外壁を背にしたところで、

 

「ロードカートリッジ!」

 

更に4発のカートリッジを加えて、威力を増加させる。そのまま外壁をぶち抜き、

 

「ちょ……」

 

相手は何かを言おうとしていたが、構わず、

 

「バースト!!」

 

大出力の炎熱を加えた巨大な斬撃飛ばしを零距離で放つ。その衝撃波で里周辺の森は軒並み薙ぎ倒され、土煙が立ち上り、森自体が見る影もなくなっていた。

 

「はあ……はあ……、ふう」

 

自身にとって、フルドライブでのここまで長時間の戦闘も久々だったため、疲労感が襲っていた。

 

……まさか、なのはの真似事をする破目になるとは……。

 

シルビアが蹂躙した紅魔の里は、ほぼ壊滅状態ではあったが、それでも残っている物だって多くある。できればこれ以上、被害は出したくは無かったので、シルビアを里の外に押し出して全力の攻撃を仕掛けたのである。

 

「おおーい! やったのか?」

 

「ユウさん、私のせいじゃないからね!? 怒らないで。お願いだから!!」

 

「お前は本当に何なのだ? 戦士系でもないというのに、あんな……」

 

心配そうな顔をしながら、カズマ達が俺を追いかけて来ていた。アクアだけがさっき大泣きしていたからか、少し目が赤くなっている。

 

「んーと。とりあえず、まだ戦闘中だから、こっち来ない方が……。っていうかアクア、何泣いてんだ?」

 

「だって……だって……!?」

 

カズマからの説明では、対『魔術師殺し』用の兵器は一度目にシルビアと交戦した後に、集束砲を取り込んでアクアが引き金を引いたライフル。それを知って、カズマが凄まじくアクアを責めたらしい。

 

「あのライフルがそうだって事は、魔力っていうか、魔法を圧縮して撃ち出すってので良いのか?」

 

「……ああ。日記にもそう書いてたけど……」

 

カズマの言う通りなら、つまりは、あの魔術師殺しには条件付きとはいえ、魔法が効くって事か。それが分かっただけでも十分な成果だ。なら、俺やめぐみんの魔法でも通じる可能性があるか。

そう考えて、紅魔族が退避している魔神の丘に行こうとしたのだが、

 

「みんな、下がれ!」

 

いまだ立ち上る土煙の中から、金属の蛇――『魔術師殺し』が俺達を押しつぶそうと迫ってきていた。何とか魔力刃で防御したものの、『魔術師殺し』と激突した魔力刃は消し飛んでしまっていた。

 

「まったく……とんでもないボウヤね。咄嗟に地中に潜らなかったら、どうなってたか……」

 

「それはこっちのセリフだ! 対魔法防御完備、地中潜航完備とか、どれだけ高性能なんだよ!?」

 

何故かそれを聞いてアクアがビクッとしていたが、なぜだろう? なんか自分が全ての原因とでもいった雰囲気がある。

 

「そっちも無傷ってわけじゃないな。少しばかり『魔術師殺し』が傷ついてるぞ」

 

「ええ……。だから、あなたは生かしておけないわ。真っ先に始末してあげる……!」

 

どうやら、俺は危険人物認定されたらしい。こっちとしても、このまま終わるつもりもない。

 

「カズマ、めぐみんと合流してくれ。こいつの止めは任せる」

 

「お前は……?」

 

「俺は、『魔術師殺し』をどうにかするから、行けって」

 

”『魔術師殺し』をどうにかする”、その一言が余程、可笑しく感じたのだろう。シルビアが俺に視線を向け、

 

「あの攻撃でも、これだけしか傷つかなかった、この兵器をどうにかするって……正気かしら?」

 

「ああ……。()()()使()()()()()()()()()()()()。まったく、何でこんな使いづらくしたのか、自分で不思議に思う」

 

全く会話が嚙み合っていない俺達の様子を見たダクネスが、

 

「……手立てはあるのだな? ならばあとは任せるが……」

 

「最終的には、お前をバインドで括り付けて、モーニングスター替わりにしようと思ってた」

 

「そ、それは本当か? わ、私ならば望むところだ!!」

 

うん、冗談だけど。けどこれって、人道面に目を瞑ると、ダクネスの嗜好を満たせる上に、レベルも上げれる手なんだよな。

 

「俺は行くからな。ヤバかったら、紅魔族の誰かに、ここまで来てもらって逃げれるようにしておくからな!」

 

カズマ達がその場を離れて、しばらくして、

 

「本当に健気ねえ……。一人だけ残るって……。あのお嬢ちゃんと同じ目よ、あなた。そんなのは嫌いじゃないから、できればもっとお話ししたかったけど……」

 

「勝った気でいるんなら、気が早いな。……なあ、シルビア。この里には、聖剣が刺さった岩ってのがあるんだよ……」

 

「それが何だってのよ?」

 

「俺の住んでたとこにも、似たような剣の伝説があるけど……、その剣って一度折れて鍛え直されたって逸話があるんだ」

 

「そう、でもあなたの剣は魔力でできてるもの。鍛え直せはしないでしょ。じゃあさようなら……!」

 

シルビアが、俺に向かって蛇の尾を猛スピードで振り下ろしてくる。その刹那。

 

「……リミットブレイク。モード・『コールブランド』……!」

 

 

 

 

 

氷結の杖と同時期に開発された、カートリッジ搭載型インテリジェントデバイスの試作機。当時の技術ではまだ完全な物とは言えず、不滅の刃(デュランダル)の名を与えられた氷結の杖と違い、ただの(ファルシオン)の名を与えられたデバイス。

 

「コイツの由来?」

 

「提督の故郷の昔話の剣は、ロングソードで表現されている場合が多いけど、そのデバイス名と同じ剣の一種って説があるらしい」

 

よくゲームなんかで出てくる同名の伝説の剣は、確かに両手持ちのロングソードだ。

9歳の自分とそう背丈の変わらない、デュランダルを託された少年が、その名の由来を教えてくれた。

 

「だったらそっちが良かった……かな? うーん……、だけど、俺だと名前負けしそう」

 

「ははっ! けど、それはこれから先の君次第だな。ただの剣で終わるか、昔話の通りの全てを斬り裂く剣になるかは。おそらく提督も……」

 

それ以上は口にはしなかったが、何となく分かった気がした。はやての援助を行いながら、俺の面倒も見ていた提督は相当な葛藤があったと思う。この剣の名を持つデバイスに込められたのは、全ての不幸、災厄を斬り裂く……そんな願いだと。

 

 

 

 

 

「……何よそれ!? この『魔術師殺し』を……!?」

 

シルビアの驚愕も当然である。先程の猛攻でも、損傷は軽微。だというのに、新たに構築されたその魔力刃は、いとも容易く『魔術師殺し』を斬り裂いていた。

杖は両端から茜色ではなく、半実体化した際の緋色の刃を伸ばし、両剣と称される形態へと変化していた。自身が戦闘中に消費し、大気中に散布したものと、元々大気中に存在した魔力を集束、高密度に圧縮して、刃を構築している。

形は違えど、後の世で一閃必墜の少女が使う切り札と、同質の集束系魔法である。

 

「悪いが、お前の『魔術師殺し』は、ここで破壊させてもらう」

 

以前『魔術師殺し』の暴走の際、ライフルで魔法を圧縮し、それを撃ち出す事で、鎮圧している。

だったら、大出力の魔力を極限まで圧縮した刃なら、攻撃が通るはず。その推論に間違いは無かったらしい。

 

 

 

 

「本当にやりやがった……!?」

 

魔神の丘に到着したカズマは、千里眼で二人の様子を見て、冷や汗をかいていた。

 

「何をやったというのですか!? 分かるように説明してください!!」

 

「あいつ……、『魔術師殺し』をぶった斬りやがった……!」

 

「「「「……なっ!?」」」」

 

その場のパーティーメンバーや紅魔族も驚きを隠せなかった。魔法使いの天敵であり、対応可能な武器が無い状況で、()()使()()である少年が、それを破壊しているのだから。

 

「ちょ……何よあの魔力!? ここからでも分かる位の凄い量じゃない!? 下手したら特典並みの……」

 

特典――神器には持続時間、使用条件等で及ぶべくもないが、使用する魔力量によっては、一時ならばそれに限りなく近い力を出せる可能性がある。特典を与えてきた女神は、魔法が使えるだけのただの人間が、そこに至ってしまっているという事実に驚愕していた。

 

 

 

 

……まだだ! ここで『魔術師殺し』を半壊させておけば、後は確実に爆裂で勝負が決まる。だから……まだ持ってくれ……!

 

心の中で祈りながら剣を振るいつつ、カートリッジをロードし、刃の一つに炎熱を付与する。

 

「はああああああ!!!」

 

炎を纏った魔力刃で渾身の横なぎを仕掛けて、『魔術師殺し』を一刀両断にする。その切断面からは、機械部品が見え隠れしてる。

 

「……化け物」

 

シルビアが恐怖を宿した瞳で何かを呟きながら、後退しようとしていたが、

 

「逃がすかああああ!!」

 

再びカートリッジを消費し、炎熱を加えた刃の反対側の刃に氷結を付与し、『魔術師殺し』へと突き刺す。外装は魔法への耐性が強いが、内部から凍結させられては一堪りもないらしい。連結した『魔術師殺し』ごと、シルビアをその場へと縫い付ける事に成功していた。

すると、そこへ、

 

「迎えに来たよ、整体師さん。あなたが爆裂魔法に巻き込まれると、話が聞けなくなるからね。早く行こう」

 

そこに現れたのは、あるえと数人の紅魔族。どうやらテレポートで俺を迎えに来たらしい。カズマは”止めは任せる”って言っていたのをちゃんと覚えていたようだ。そのまま転移で魔神の丘に向かうと、

 

「おかえりなさい。後は任されました……! 行きますよ、カズマ!」

 

感情が昂っているのだろう。深紅の瞳を輝かせためぐみんが、俺の方を向き、安心した表情をしていた。

ここから、俺とシルビアが戦っていた場所は視認するのが困難な距離ではあるが、爆裂で確実にシルビアに止めを刺すために、めぐみんとカズマは、

 

「カズマ、照準は任せます。私は爆裂を撃つだけで精いっぱいですから」

 

「分かってるよ! ちゃんと狙いは絞ってやるから」

 

めぐみんの背後にカズマがぴったりとくっ付いて、二人で杖を持っている。ケーキ入と……などと言ったら手元が狂いそうなので、絶対に言ってはいけない。

めぐみんの爆裂をカズマの千里眼と狙撃で狙いを定めて、シルビアに叩き込む。あそこまでダメージを与えた状態で、爆裂魔法の直撃――自身の居場所が爆心地となれば、一堪りもない。めぐみんは詠唱を終えると、

 

「『エクスプロージョン』ッッ!!」

 

眩い閃光と共にシルビアへと向かって放たれる爆裂魔法。轟音が響き渡る中、めぐみんが冒険者カードを確認すると、シルビアの名があったので、どうやら倒したらしい。

 

「……ふぅ。どうにかなったか……」

 

「お前な……あれだけやったんなら、最後までやれば良かっただろ?」

 

カズマが座り込んでいる俺へ声を掛けて来たので、

 

「残念ながら、さっきのはまだ未完成なんだ。持続時間だのなんだのと、色々クリアしなきゃならない部分が多くてな。名前だってまだ付いてない。もう少ししたら、集束が解除されてもおかしくなかったし」

 

ここで使う破目になるとは思わなかったが……。名前か……、『スターライトブレイカーなんとか』にはなりそうだけど。

 

「ちょっと……!? 大丈夫?」

 

「大丈夫……と言いたいけど、はっきり言ってかなり無茶した」

 

座り込んで一歩も動けなくなっている俺を見て、アクアが顔を覗き込んでいる。

 

「すぐに治療を受けると良い。これで一件落着だ」

 

ダクネスも安心した表情をしていたのも束の間。

 

「こめっこを……、こめっこを見ませんでしたか!?」

 

ゆいゆいさんがあちこちを見まわしながら、必死にこめっこを探していた。このタイミングでの行方不明。全員が嫌な予感を隠せずにいたのだった。




主人公のリミットブレイク名は、なんとかカリバーの別名です。
やってるのは、魔力刃を構築してはいますが、要は『抜剣』と同じ事をやってます。
手足に集中させるか、刃を構築するかの違いはありますが。
ミカ姉が主人公のを見た時は、ミウラのとんでもない圧縮率を軽々と超える、ありえないレベルの圧縮と思ったとか……。という設定です。

ちなみにまだ『抜剣』の名はありません。そこら辺でエピソードが書ければいいな。

というか……なんとかカリバーのオリジナルはアイリスが所持してるんですよね。
うん。この一文で色々台無しだあああああ!!



いきなり出てきたように見えるかもしれませんので、一応伏線になってる所をまとめます。
①シグナム仕込みの剣技
②なのはさんから教わった集束技術
③フルドライブでもないのに半実体化する程の魔力圧縮技術(28話) 魔力の圧縮に関しては他にもチラホラ出てますが……。
④ミウラの壮行会に呼ばれている(41話)一応、指導者の一人として呼ばれてます。よって、ミウラを呼び捨てにしてます。(作中では宴会芸しかしてませんがw)
①~③を統合させてるような感じですね。

両剣形態に関しては58話の最初の方の稽古、棒の両端に重り付けて、真ん中持って振り回してるってやつです。(Xオルタではありません)

しかし、伏線ちりばめるのも良いけど、長くなるのもそれはそれで困りものだと思う今日この頃です。
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