この素晴らしい世界にリリカルな魔導師を!   作:ゴマフアザラシ

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こめっこ救出作戦

ゆいゆいさんとひょいざぶろーさんが、こめっこの所在を必死に探し回っている一方で、

 

「……そ、そういえば、バニルが……」

 

「あの野郎がどうしたってんだ!? 今はそれどころじゃないだろうが!」

 

カズマが何かを思い出し、冷や汗をかきながら、

 

「めぐみんに……、”全てが終わったと思った時が、危機と知れ。特に貴様の近しい人間はな”って言ってた……」

 

あの野郎……! 見通してた癖して、ちゃんと詳細語らない辺りでアイツの性悪さが分かるってもんだが、今はそれは良い。早く探さないと……!

 

「アクア、少しで良いから魔力を分けてくれ! 動ければいいから!」

 

「分かったから、そんなに怖い顔しないで! カズマさん、ドレインお願い!」

 

どうにか動けるようにはなり、エリアサーチで周囲を探索しながらこめっこを探し回っていた。

 

(マスター、私のサポートは……?)

 

(お前は自分の損傷確認とメンテナンスを最優先しろ。短時間とはいえ、リミットブレイク使ったんだからな。その間はストレージを使う)

 

(それはマスターも同じです。どうか無理はせずに……)

 

本来なら、休養が必要な状態だってのは、デバイスに言われずとも分かっている。けど、そんなのを言っている場合じゃない。嫌な予感がする……。

 

 

 

 

紅魔の里周辺の森の中にて、幼女を連れ去ろうとしている4人の少女達が、少し困り気味になっていた。

 

「我が名はこめっこ! 家の留守を預かる者にして紅魔族随一の魔性の妹……!」

 

「「「「えーっと……!?」」」」

 

こめっこの紅魔族式名乗りに戸惑う4人。有り体に言えば、こめっこを誘拐しようとしてはいるが、あまりにも動じないその態度から、どう扱って良いか分からなくなってしまったらしい。

この世界で魔法使いの適性が高い種族である紅魔族。その調査と、人造魔導師素体の適合に関するサンプルとして連れて行こうとしている。

だがしかし、紅魔族は元々、改造人間の被験体に立候補した者達の末裔であり、こんなまどろっこしい真似をせずとも、それが怪しげな手術であれ、普通に募集をかければ嬉々として付いて来る種族である事を、彼女達は知るよしもない。

犯罪者でなければ、歴史に名を残す天才であるジェイル・スカリエッティですら、そんな斜め上の思考を持つ種族が存在するなどとは夢にも思っていないだろう。

こめっこが狙われたのは、紅魔族の中で戦闘能力を持たないためである。

 

「……ど、どうする? 眠らせて大人しくさせとくか?」

 

「姉としては、そこまでするのはどうかと思うが……。もしかしたら長い付き合いになるかもしれんし」

 

水色の髪の少女と銀髪で眼帯を付けた少女がヒソヒソ話をしていたが、

 

「とりあえず、あたしが説得してみる!」

 

水色髪の少女はこめっこの方を向いて、

 

「我が名はセイン! ナンバーズにして、ディープダイバーを操る者……!」

 

ポーズを取りながら、こめっこのマネをして名乗りを上げていた。

 

「おー!」

 

ぱちぱちと拍手をしながら、感心しているこめっこではあったが、

 

「お嬢ちゃん、お姉さん達と一緒に来てくれないかしら?」

 

メガネの少女の問いかけに、

 

「兄ちゃんがね。知らない人に付いていっちゃダメって言ってた。ご飯食べれなくなっちゃうよって」

 

即答でお断りの返事をしていた。

 

「兄ちゃんっていうのは、お嬢ちゃんのお兄さん?」

 

「えっとね。姉ちゃんがひっかけてきた兄ちゃんで、もしかしたら、わたしのお婿さんになるかもしれないって、お母さんが言ってた。ご飯作るのが上手で、変な魔法使う兄ちゃん」

 

((((変な魔法って……、あの魔導師か……))))

 

4人とも目を見合わせ、怪訝な表情で、

 

「あの男、こんな子に手を出してるのかしら?」

 

「そういえば、最近ルーお嬢様も髪を弄りながら遠くを見つめて、ため息してる時があるけど、あれって……」

 

「恋煩い……というものだろうか? いや、まさかな……。よくあの男の話をしている時はあるが……」

 

なぜか、まだ7歳の幼女達と魔導師の関係を疑うような議論を交わしていた。

 

「あの人ってもしかして……、ロリコンさん?」

 

「いや……この子やお嬢様ならロリコンと言うより、ペド……」

 

もう好き放題言われている魔導師であった。ちなみに彼はロリコンでも何でもない。身内の中では一番普通の人間(本人談)である。

 

「けどさ……、それならチンク姉が姿を見せるのはマズいんじゃねーの? ロリコンさんなら真っ先に狙われそうだし」

 

「さり気に姉が気にしている事を、言わないで欲しい……」

 

現在稼働中のナンバーズの中では一番の幼児体型である、銀髪の少女が少し落ち込みながら、自分よりはスタイルの良い妹達を恨めし気に眺めていた。

 

「むしろチンクちゃんを囮にして、動きを止めてから、ディエチちゃんに狙撃してもらった方が良いかもね。ロリコンさんなら行き倒れを装ってれば、優しくするでしょうし」

 

「むしろ実年齢的に、あたし達もヤベーんじゃねーの?」

 

この場のナンバーズ達、約一名を除いて十代後半くらいの外見であるが、実年齢は一桁からローティーンとなっている。もしこの場に、アクシズ教団最高司祭がいたならば、外見とのギャップに大喜びしていたであろう。

 

「まあ……ほら、チンクちゃんだって、ゼストさんに勝ってますし、どうにかなるとは思うけど……」

 

「あれは、うまく不意を突けたのが大きい。お互いにベストコンディションならどうなっていたか……」

 

ロリコン疑惑を持たれている魔導師の攻略について、思案している4人。

 

「それにさ……。始末しようにも、味方ごと全方位攻撃する様な冷血漢なら、取り巻きがどうなろうと関係なさそうだし……。ほんとに局員か? あのロリコンさん」

 

「あれには私も驚いたわ。少なくともゼストさんの時の様な手は、通用しないでしょうね」

 

あの攻撃は、万が一カズマやアクアに攻撃が向かっても、ダクネスが嬉々として守るだろうという事で放っていたのだが、少女達には異様な光景に映ったらしい。

ロリコンで冷血漢な危険人物。それだけ聞くと大多数の人間が盛大に勘違いしそうな発言である。その後も、作戦を練っていた4人であった。ちなみにこめっこは木の枝で地面に何かを書いている。里に同い年の子供がいないため、一人遊びは得意なようだ。

 

 

 

 

 

 

「へくしっ……!」

 

「どうしたのだ? 今は緊急時なので多くは言わんが、後でゆっくり休め。風邪でも引かれたら大変だ」

 

ダクネスが俺を気使う発言をしているが、体調管理はしっかりしているので、ここ数年、風邪なんて引いた事はない。

 

「凄まじく失礼で不当な評価を付けられたような気がする……!」

 

「それよりも何か見つけたか? 里の人達も全員で探してるけど……」

 

「範囲が広すぎる。似たような魔法を使える人が何人かいれば……」

 

カズマもこめっこを心配して、一緒になって探し回っている。こんな時には自分の千里眼が役に立つとは、本人の言だ。

 

「ユウ、体は大丈夫?」

 

「思ってたよりは動ける。アクアの魔力は貰うだけで、治療の効果もあるのか?」

 

「そんな事はない筈だけど……、どうしてかしら?」

 

アクアが不思議そうな顔をしながら俺の方を向いているが、今はそんなのを考えている暇はない。空から探してみるか……それとも展望台から……、などとこめっこ探索の方法を思案していたのだが、

 

「……アクア、あれって幽霊かなんかか? クソッ……! こんな時に何なんだ?」

 

目の前に現れたのは、半透明な黒い大型犬。どうみても生物には見えない。モンスターなら時間をかけるわけにはいかない。そう思い、戦闘態勢に入ろうとしたのだが、

 

「あれ……幽霊じゃないわ……!? 幽霊じゃないけど……、魔力でできてる何か……ね?」

 

この際そんなのはどうでもいい。一気に消し飛ばす……!

 

ストレージデバイスを構え、目の前の大型犬に砲撃を撃ち込もうとした矢先、

 

(ちょっと待ってくれないか? その猟犬は僕の魔法だから、戦うのはよして欲しいな)

 

……念話!? 誰だ……。聞いたことない声だが……。

 

突如、頭の中に響く男の声。念話を使うって事は、あちらの人間だろうが、味方とは限らない。

 

(どちら様ですか? 知らない人間の言う事を真に受けるほど、素直じゃないんですよ)

 

(この状況じゃあ、そうも思うのも無理ないかもしれないが、僕も手伝おう。これでも探索は得意分野だからね。しかし、君はクロノの言っていた通りの人物だ)

 

だから、誰なんだよ!? ……ってクロノを知ってる!? 

 

(ここは指示に従え。分かったな、()()

 

(今度は姐さん!? 何がどうなってるんですか? つっても時間が無いので、分かりました。従いますよ……!)

 

わざわざ、階級で呼ぶって事は、少なくともあちら絡みの事態って事だ。こうなったら、もう信じるしかない。

 

「みんな、あの犬に付いて行く。事情は後で説明するから……!」

 

そうして、全員で謎の犬の後を追って、森の中を探索していると、

 

「……その子を返してもらう」

 

フード付きのコートで顔を隠している小柄で性別不明な人物ではあったが、脇に抱えられているのは、間違いなくこめっこだった。

 

「くっ……! 人質とは卑怯な……!」

 

こめっこは人質として気絶させられているらしい。奴らの狙いが俺なら、こめっこを有効利用しつつ、攻撃を仕掛けようとするはずだ。

 

(……やっぱり、ロリコンさんのようね。この子を人質にした途端、攻撃しなくなったわ……)

 

(ああ……。悪く思わないで欲しいが……。というか、あの男は色んな意味で始末しておいた方が良い気がする)

 

……何だろう? 目の前の敵から、俺を憐れむような……、それでいて、世界の敵と言った様なそんな雰囲気を発している気がする……。

 

「貴様ら! 人質なら、私がなる! だからその子を離せ! その上で手足を縛るなり、猿ぐつわで喋れなくするなり、好きにするがいい!」

 

まーたダクネスが変な事言い出したよ。普通は人質交換なんて応じるわけは無いのだが。

 

「悪いが、お前は人質としては不適格だ。出直してこい」

 

そりゃそうだろうなあ……。ダクネスの性癖を抜きにしても、子供の方が人質に最適だ。

 

(あの女を人質にした瞬間撃たれそうだしなあ……)

 

(そうね……。さっき容赦なく全方位攻撃しましたし……)

 

どっかから、視線を感じる気がする。それも俺を蔑むような視線が……。

 

人質になっているこめっこを確保しつつ、奴らを確保する。その手立てを思案していた。奴らの狙いは間違いなく俺だ。目の前の人物の他に、姿が見えない数人が隠れていると見ていい。ここは……。

 

「カズマ、敵感知に反応は?」

 

「この近くには、あと二人。けど、どこにいるかまでは……」

 

カズマも敵の位置を完全に把握できずにいたが、

 

「この場は俺に任せろ! 考えがある……!」

 

やけに自信満々なカズマではあったが、利き手である右手を敵の前へと突き出し、

 

「『スティール』ッ!」

 

スティールを発動させていた。つまりは人質として捕えられているこめっこを、スティールで奪い取る気らしい。確かにカズマの幸運なら、それも可能かもしれない。この状況で一筋の光が見えたかと思われたが、カズマの手にあったのは、

 

「……バックプリント?」

 

ぱんつであった。しかもどう考えても子供用であり、クマさんの絵柄がプリントされているぱんつであった。

 

「そ、それは……私の……!?」

 

目の前の敵はどうやら女性だったらしい。カズマの手に握られているぱんつを見て、プルプルと震えていた。

 

「カ、カズマ……、あなた……、この状況でそんなの!?」

 

「こ、ここで……ぱんつを強奪するとは……! 何という素晴らしさだ!!」

 

「ち、違うんだ……! 俺はこめっこを奪おうとしただけなんだ! こうなったらこめっこを奪い取るまで……! 『スティール』ッッ!!」

 

その後、カズマは5回連続でスティールを行ったものの、手に入ったのはぱんつ2枚に、ブラジャー3枚。ぱんつはともかく、ブラジャーは一つだけやけにカップが大きいものが混じっていた。というか……敵は全員女性らしい。

 

(ロリコンさんの連れは、下着強奪魔だったのか!? あたしの下着……、上も下も……!?)

 

姿を隠している水色髪の少女の下着はカズマの手に握られていた。

 

(こ、声は出しちゃ駄目よ! 居場所がバレるわ! 私のも盗られた……!? ディエチちゃん……は、狙撃位置にいるから盗られないみたいね)

 

同じく姿を隠しているメガネの少女も、まさか下着を盗られるとは想像していなかったらしい。

 

さっきから感じてる視線が、凄まじく動揺してるような気がする。理由は推して知るべし……か?

カズマは幸運値が高すぎて、所謂、”過ぎたるは及ばざるが如し”の様な状態になっているのだろうか? その辺り、ひょいざぶろーさんに通じるものを感じる。あの人も、魔力が高すぎておかしな魔道具造るし。

 

だが、これは悪い事ばかりじゃない! 相手が動揺しているうちに……。

 

そう考えて、目の前の小柄な少女に向かって駆けて行き、こめっこを奪い取ろうとした矢先、

 

「ヴィンデルシャフトッ!!」

 

聞き覚えのある声と共に、俺と同じ茜色の魔力が、少女のそばを通り過ぎたのが見えたのも一瞬。その魔力の主がこめっこを確保してくれていた。

 

「シスター・シャッハまで!?」

 

聖王教会所属の修道騎士であり、移動系の魔法を得意とするシスターである。ちなみにシグナム姐さんとは『剣友』と呼べる間柄であり、俺は彼女を紹介されたのち、模擬戦をやってボコられている。

シスター・シャッハは俺に一瞬目を向けていた。おそらく今が好機と言っているのだろう。驚くのは後でいい……と。

確かにその通りなので、下着を盗られた上に、こめっこまで奪い取られた目の前の少女に向かって、全速力で攻撃を仕掛けようと魔力を集中させる。

 

……なぜそうしたのかは、自分でも分からない。いつもであれば、ストレージデバイスの先端に魔力刃を発生させて攻撃する際は、炎熱を付与するのだが、今回に限って氷結を付与してしまっていた。習得してから日数も経っておらず、練度で言えば炎熱が遥かに上であるにも関わらずだ。

 

「紫電……」

 

デバイスが纏っている氷結に変換した魔力は、その周囲の水分を凍結させて氷の結晶を作り出していた。その上デバイスを持っている右腕部分のバリアジャケットまで、凍り付いたようになってしまい、振り下ろしている最中に粉々に砕け散ってしまった。

 

「一閃!!」

 

紫電一閃――『変換した魔力を高密度に武器に付与し、打撃として打ちこむ。』変換資質を持つベルカ式の術者にとっては基礎にして、奥義と言える技法である。俺自身、ベルカ式でもなく変換資質も持っていないが、この一撃はそれに勝るとも劣らないものとなっていたのである。

 

「……なっ!?」

 

敵である小柄な少女は、その威力が自分で抑えきれるものでは無いのを直感したのだろう。何とか回避しようと、体を捻っている。デバイスを振り下ろし周囲に土煙が立ち上り、視界を遮ったその直後、

 

……いない!? 逃げたか……?

 

どういう理屈かは分からないが、一瞬でどこかに移動したらしい。まだ周囲に敵が存在するかを警戒していたが、

 

『マスター、五時の方向です!』

 

ファルシオンの警告で即座に、アウトレンジからの狙撃に対し、バリアを展開し事なきを得る。この狙撃……、とうか砲撃といって良いものだが、自分が思っていたよりも楽に防げた様な気がした。続いて、その攻撃が飛んできた方向へと、こちらの砲撃を叩きこむ。普段であればアウトレンジであるにも関わらず、攻撃が届いたらしい。それ以上、こちらへ遠距離攻撃が放たれることは無かった。

 

「……お前……よくさっきの狙撃が防げたな!?」

 

「子供の頃、それを喰らって死にかけてる。それ以来、アウトレンジからの狙撃に関しては、常に警戒してるんだ」

 

あの時の経験が役に立ってるんだから、本当に良かった。こめっこも無事だったし、どうにかなったか。そう思って、こめっこを見ると、

 

「あ、兄ちゃん、おはよう。さっきの姉ちゃん達は?」

 

「……こめっこちゃん。さっきの人達は誰かな?」

 

「んー? 分かんない。四人してなんか話してるうちに眠くなっちゃった」

 

……すっげえ大物だ、この子。気絶させられたんじゃなくて、ただ寝てただけとか。

 

どうやら、特にケガもないらしい。そうして、シスター・シャッハの方を向くと、そこにはシグナム姐さんと白いスーツに長い緑の髪の男性。さっきの声の主らしいが、その人の所へ行こうとしたところ、

 

「……えっ!?」

 

突如襲ったのは、凄まじい脱力感と疲労感。目の前の視界すら霞んでしまい、歩く事すら困難になってしまっていた。

 

「ユウ!」

 

「ちょっと……! どうしたのよ!?」

 

「しっかりしろ!!」

 

カズマ達が何かを叫んでいるが、ほとんど聞こえていない。そのまま倒れこんで目を覚ましたのは、三日後の事だった。

起きてすぐ、俺が見たものは……、

 

「オハヨウゴザイマス。オレ、カズマデス。シタギヲトッテ、スイマセンデシタ」

 

ロボットの様な話し方をしていたカズマであった。その時点でなんとなく想像できたが、敵の物とはいえ、スティールで下着を盗ってしまった件で、シグナム姐さんとシスター・シャッハにきつーいお説教をされたらしい。あのコンビの恐ろしさを再認識した俺であった。




今回、主人公が微強化されているのは、あの人の魔力を貰ってるからです。
ディエチ狙撃の件に関しては、図らずとも『外伝 駄女神様のお導き』の意趣返しになってます。
ぶっ倒れたのは、リミットブレイク使った上で、戦闘しちゃったのが効いてますね。




ちょこっとだけViVid

時系列的には、訓練合宿となります。

ホテルアルピーノ天然温泉にて、とある騒動が発生していた。
差し入れに訪れていたセインが、温泉に浸かっていた女性陣にちょっとしたドッキリを仕掛けて、その場の大人達からお説教を受けていたのだが……、

「自慢じゃねーが、あたしはお前ら程、精神的に大人じゃねーし。昔、悠さんのお仲間にぱんつ盗られた事だってあるんだからな!」

「「「「……なっ!?」」」」

その場の全員が凍り付いていた。女性陣が風呂から上がってすぐ、

「どういう事ですか!? セインのぱんつ盗ったって!」

ティアナの発言に飲んでいた栄養ドリンクを噴き出す俺であった。

「ちょっと待て! あれやったのはカズマだ! 俺じゃねえ!!」

その時の事実を淡々と説明してくと、

「六回連続で下着だけを奪い取る人って……」

「あ、ありえない……」

実際ありえない確率だ。ホントにランダムかと思う程の幸運だよ。

「しかもセイン……。お前は俺をロリコンだとか思ってたらしいな。そういやあ、その辺り、ちゃんと話し合ってなかったなあ……!」

「だってさ。ルーお嬢様もあの子もまだ7歳だったんだよ! それであんな話聞いたら、そう思うって! それに……」

まだ、なんかあるんだろうか?

「ディードにマニアックな縛り方教えたの悠さんだろ? 変な趣味疑われても仕方ないって!」

その一言に、視線が俺へと集まる。

「……あれは、アイツらが”シャンテがヤンチャした時に、反省するよう、恥ずかしくなるようなの教えてくれ”って言うから……」

((((だからって、何でそんなのを知ってるんだろう?))))

その場の全員が、同じ疑問を持っていたようだったので、

「昔の友人の貴族のお嬢様がな……。色々協力してくれて、何か知らんが覚えちまった」

(こ、この人はどうして、どうでもいい方向に磨きをかけるのよ? これで今は、なのはさん達と互角なんだから、信じられないわ)

(宴会芸も凄いし……。こないだ”俺の仕込みは108まであるぞ”とか言ってたけど、ほんとかな?)

ティアナとスバルはどこか痛い人を見る視線を向けていた。

「……なあ、後になってロールアウトした連中、あまり感情表現が豊かじゃないのって、ぱんつ盗られても平気な様にって噂があったけど、あれ……マジだったのか?」

「……ど、どうだろう? もしかしたら……だけど……」

ノーヴェとセインの言う通りなら、オットーやディードがあの性格だったのは、カズマのせいって事なのか……。
人間、何が原因でどうなるか分からないと思ってしまった俺であった。
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