この素晴らしい世界にリリカルな魔導師を!   作:ゴマフアザラシ

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晩餐会と義賊の思惑

晩餐会――事実上のアイリスとのお別れ会ではあるが、そこには多くの貴族が列席しており、その中には貴族として振る舞うダクネスの姿があった。多くの若い男性貴族に言い寄られては、顔を引きつらせているダクネスを見ると、笑いが込み上げてくるのだが……、

 

「少しイラッとするな……」

 

「そう言うなって。あの顔見てるだけでも結構面白いけど?」

 

カズマは、ダクネスが金髪の若い男に言い寄られているのが気に食わないらしい。このままだと何かしでかしそうな気はするが、どうせなら俺も便乗してみようかな? などと思い、ダクネスの方へ向かうと、

 

(この場で、あだ名呼びしたらぶっ殺してやる!)

 

ダクネスが俺に向ける威圧的な視線で、何を言いたいのか瞬時に理解してしまった。これはいけないと思い、今日は料理でも楽しむ事にしようとそちらへ向かった。しかし、

 

「これ凄く美味しいわよ! この天然物の野良メロンに生ハム乗っけたやつ! まだピチピチしてるわよ」

 

アクアの言うメロンは天然物の野良メロンらしいが、養殖物の野良メロンも存在するのだろうか? そもそも養殖物の時点で『野良』ではない気がする。それなら養殖物の養殖メロンか?

 

「ほれもおいひいれふよ。 酢飯に乗せた高級プリンにわさび醤油をかけた料理です!」

 

めぐみんさんや、それは多分、プリンに醤油をかけるとウニの味になるってやつだ。醤油自体が高級品なので、やっぱり珍しい料理なのだろうか?

 

「この野良マンゴーに醤油をかけたものはトロっとします! 酢飯と一緒だともっとおいしくなりますよ!」

 

……これはトロになる食べ合わせだっけ? ゆんゆんは意外に脂肪分がある方が好みなのだろうか? もしかして、二人の胸囲の差って……。いや、めぐみんも結構食べる方だし……。

 

ここに集まっている一般庶民は俺らのみ。普段食べなれない料理にがっつきたくなるのは分かるが、どうも場違いになってしまっている様な気がする。

ざっと周囲に視線を向けると、見覚えのある顔が……、

 

「ご無沙汰しております、バルター様。王都にいらしていたのですね」

 

「ああ……、あなたは……。イグニス様の使いとして、こちらに出向いておりまして。ララティーナ様にもお声がけしたいのですが、あのご様子では……」

 

このバルターさん、前領主が逮捕された後、現在領地経営しているダクネスの親父さんの補佐として、各地を飛び回っているらしい。父親が不正で逮捕されているというのに、領地経営に関われるのは本人の能力の高さや人徳も大きいのだろう。それを見逃さなかったダクネスの親父さんも、相当懐の深い人物ではあろうが。

 

「そのうち、周りも……、うーん。あの様子だと、しばらくあのままですかね?」

 

ダクネスに群がる貴族たちは、その場から離れる様子はない。機会があったら声を掛けておきますよ。といった様子だったので、その場を後にすると、

 

「……この二人はどうしたんだ?」

 

「ええっとね。どっちがお酒に強いかの勝負って言ってたけど……」

 

お決まりになっているめぐみんとゆんゆんの勝負が繰り広げられていたらしい。アクアに詳細を聞くと、一番弱いカクテルを飲んだらしいが、何分二人共、酒を飲むのは初めてらしく、そこまで飲まないうちに眠ってしまったのだそうだ。

 

「……部屋に運んどくか。鍵は……どこだろう?」

 

まさか二人の体をまさぐるわけにもいかないし……。こんな時はあの人を頼ろう。

 

「すいませーん。ハイデルさん、実はかくかくしかじかで」

 

城に滞在している間、お世話になった執事のハイデルさんである。長年の経験に裏打ちされた、その気遣いと落ち着き払った態度は、ただ者でないと思わせる何かがある。

 

「左様でございますか。合鍵をお持ちしますので、少々お待ちください」

 

すげー。かくかくしかじかで通じたよ。まあ、冗談だけど。

 

しばらくして合鍵を受け取り、まずはめぐみんから部屋に運ぼうとして背負ったのだが、

 

「ユウ、一応言っておきますけど、送り狼にはならないでね?」

 

「……そう思うなら手伝うか、ついて来てくれ。女の子の部屋開けるとか、結構勇気がいるんだけど」

 

「私はここのお料理とお酒で忙しいの! じゃあお願いね」

 

アクアは二人の勝負の一部始終を見ていたらしいが、特に止める事も無く飲み食いしていたらしい。こんな時はダクネス辺りが止めに入る筈だけど、あっちはあっちで忙しかったのだろう。念のためダクネスの方へ行き、

 

「ダスティネス卿。すいませんが、二人を部屋まで送って来ます。もしかしたら、俺もそのまま自分の部屋に戻るかもしれません」

 

「あら、でしたら私もご一緒します。お一人では大変でしょう?」

 

お前、どこの誰だよ? ってなツッコミはともかく、ダクネスはこの場から抜け出す口実が欲しかったらしい。要は手分けして運べば良いとの意味合いだろう。

残された男性貴族たちは名残惜しそうな雰囲気ではあったが、ゆんゆんはダクネスに任せて、俺はめぐみんを背負い、二人の部屋に向かっている途中、

 

「いや、助かった。どうもパーティーは不慣れだ。特にあんな連中に言い寄られるとなると、我慢するしかない」

 

「貴族ってのも色々あるんだな。まあ、俺もお偉いさんに会う場合は疲れるし……。半分仕事みたいなもんだよな、お前の場合」

 

「カズマがララティーナと呼んだ時は、吹きだしてしまった……。お前は……、視線だけで分かったようだが」

 

「その筋力で絞殺されるかもって思ったよ。あの視線は」

 

そんなこんなで、ちょっとした世間話をしているうちに二人の部屋の前に着いた。部屋自体は隣同士であるらしく、それぞれ合鍵でドアを開けてベットに向かったのだが……、

 

「……かな……さい」

 

ベットに横たえて、眠ったままにも関わらず、めぐみんが俺のタキシードを掴んで放してくれない。上着をグイグイ引っ張ても一向に握った手を緩めてくれないので、少しだけベッドの方に近づいて、

 

「おーい、離せ。離さないと、昨日の続きしちゃうぞ?」

 

それで目を開けためぐみんは、どうやら夢現といった状態なのだろう。虚ろな瞳で俺を見つめていたが、次に、

 

「……構い……ませんよ? もっと……近く……に……」

 

そうして、両腕で俺を抱き寄せて、顔が彼女の胸に当たるように抱き締められてしまった。

 

「ちょっと待て! 寝ぼけるな! この状態は結構ヤバい! 離さないと俺が窒息……」

 

……あまり苦しくないな? アルカンレティアでゆんゆんにやられた時は、死ぬかと思ったが……。ふ、深くは考えないでおこう。

 

「どこに……も、……行かな……いで……」

 

ともあれ、これは非常にマズい。ってか結構力強いよ、この娘。このまま起きなかったら、朝までここにいる破目になるのは……まあいい。その後の展開を予想すると、どんな目に遭うやら……。

 

そこから抜け出すために頭を少しずつ動かしていたのだが……、

 

「……んっ! ……あっ……んんっ!?」

 

めぐみんさんが艶めかしい声を漏らしてしまっていた。妙に色っぽく感じてしまいますので、その声は止めて欲しいです。

その後も、どうにか引き離そうとしてはいたが、隣の部屋の存在をすっかり忘れていた。

 

「おっ……お前は……っ!? な、何を……!?」

 

現在、寝ぼけているめぐみんに抱きしめられているため、部屋の入口は見えないが、声からするにダクネスが今の俺達の状況を見て困惑してしまっているらしい。誤解もそうだが、ここは協力してもらわなくては!

 

「ダクネス、助けて! めぐみんが寝惚けて離してくれない!」

 

「えっ!? あっ……。ああ! 分かった。少し待て」

 

どうにかこうにか、めぐみんの腕を引き離すことに成功したが、ダクネスから疑惑の眼差しが……。

 

「……勘違いするなよ? これはあくまでめぐみんが寝ぼけてただけだからな!」

 

「う、うむ……。そうだな……。どうにかするつもりなら、私を同行させたりはするまい」

 

ダクネスも、その辺はちゃんと分かっているらしい。というか、少し大きな声だしたってのに構わず寝てるよ。めぐみんのヤツ。

 

「とりあえず部屋は施錠して、合鍵は返してくるか」

 

そうして、晩餐会に戻り、ハイデルさんに合鍵を手渡した後、

 

「ちょっと、外の空気吸ってくる」

 

まだ料理に舌鼓を打っていたアクアに一言、行き先を告げてから夜の街への散歩を開始した。

 

 

 

 

 

「どこにも行かないで……か……」

 

昔、よく父さん達に同じ事言ってたっけ……。そのたびに困った顔されたな……。思ってた以上に心配をかけてたんだろうか……。今度めぐみんの好きなおかずでも作るとするか。

 

しんみりした気分で、適当に街中を歩いていると、見覚えのある顔が近づいてきた。

 

「君は……。久しぶりだね! 王都に来ていたのか!」

 

魔剣の人ことミツルギキョウヤさんである。高レベルの冒険者なので、ここを拠点に活動しているのだろう。アイリスやお付きの二人が見知っている様な話しぶりだったので、面識はあると思われる。イケメンとか言ってたし。

 

「ちょっとあってな。まあ、明日にはアクセルに戻るけど」

 

「もしかして……最近、王都に出回っているスクロールの件で、ここに来ているのかい? もしやとは思っていたけど、やっぱり君だったか」

 

「……詳しく聞こうか?」

 

ミツルギの話では、俺がバニルに卸したスクロールの製作者をクレアさんが探していたらしい。出所はアクセルとまでは分かったものの、誰が造っているかまでは、分からなかったそうだ。偶然その話を聞きつけたミツルギが、もしかしたら……、という事で俺について教えたらしい。

 

……良く俺を思いついたもんだ。俺のレベルはそこまで高くないはずなのに……。

 

「不思議そうな顔をしているけど、君は高レベルのアークウィザードにも劣らないからね」

 

こっちは結構面倒事になってたんだけどな。……まあ、お兄ちゃんって呼ばれたから、よしとするか。

 

そうして、ミツルギと立ち話をする事、数分。

 

「そういえば王都に来たばかりだから知らないかもしれないけど、最近……、義賊が出没するらしい」

 

「義賊?」

 

どっかで聞いた様な単語ではあるが、アクセルのは俺とクリスが犯人なんだよなあ……。この事実は墓まで持って行かなきゃならないけど……。

 

「評判の悪い貴族の屋敷に忍び入り、後ろ暗い金を盗んでエリス教会の孤児院に寄付してるそうだよ」

 

……本当に、どっかで聞いた話だ。まさかなあ……。

 

「そいつの特徴は?」

 

「それが……いつの間にか屋内に入り込み、姿を見た者がいないらしい。義賊って呼ばれている通り、凄腕の盗賊じゃないかって話だ」

 

……姿を見せる事なく盗みを成功させ、その上盗んだ金は孤児院に寄付ね。

 

「そいつは……、もしかしたら、そいつらかもしれないが単独犯か?」

 

「何せ、姿を見せないからね。それすらも分からないみたいだ」

 

単独犯なら、アイツの可能性もあるが。しかし前領主は、カズマからの弁償金ですぐさま空き家になっている豪邸を手配したんだよな。その理由ってのは、アクセル周辺から離れたくというよりは、あの悪魔関連だろうが。

 

「まあ……俺らが関わることは無いとは思うけど注意するよ。情報感謝する」

 

ミツルギとも別れ、散歩の続きをしていたのだが、そろそろ冷えて来たし城に戻ろうかな……と思ったところで、裏路地に人の気配を感じた。酔っぱらいか……それともチンピラの類か、どっちにしろ関わらない方がよさそうだとは思ったものの、裏路地から動こうとはしないようだった。

 

……もし、酔い潰れてる人なら放ってはおけないか。

 

そう考えて、人の気配がした場所へ向かうと……、

 

「……何やってんだ? ってかお前まで王都にいたのか……」

 

「あは……、あははは……!? 奇遇だね! どうしてここにいるの?」

 

久々に顔を見たクリスであった。なーんか都合の悪い時に会ったかのような態度をとっている。

 

「ちょっとした野暮用。ダクネス達もいるけど……、城に行ってみるか?」

 

「えっ!? ええっっ!? 遠慮しとくよ。カズマ君達もって事はアクアさんも?」

 

何でそこでアクアが出てくるんだろう? アクアに何かされたんだろうか?

 

「アクアなら今頃、食べ放題飲み放題で、ご満悦じゃないかな?」

 

「ふーん。そっか、ってどこ見てるの?」

 

失礼とは思いつつ、クリスの薄い胸部を見てある事を思い出してしまった。

 

「すまない。城で見つかった、エリス様の新事実を思い出してな」

 

クリスが首を傾げながら、何の事だといった感じの雰囲気を出していたので、

 

「前に、アクアがエリス様の胸はパッド入りって言ってたのは正しいらしい。実際そういった肖像画が見つかった」

 

「う、嘘だよ!? あたしは結構前から入れて……、じゃなくて、何でそんなのを読んでるのさ?!」

 

「それはついでで、城に保管されてた古書を色々と呼んでるんだ。ここの事を調べるのも仕事のうちだから」

 

しっかし、なんでパッド入りの話でクリスが喰い付いて来るのやら。

 

路地裏で世間話をしているだけなのに、クリスがあちこち見まわして挙動不審だ。もしかして、

 

「最近、王都で義賊が出没してるらしいな? 姿を現さない凄腕だとか」

 

「へっ!? へ、へえー。そうなんだ? 突然どうしたのさ?」

 

視線を逸らして、少しずつ後ずさって隙あらば逃走できるように準備している。これは決まりだな。

 

「おまわりさん!! コ――」

 

大声を出し、目の前の義賊さんを警察にでも引き渡そうとしたのだが、クリスに口を塞がれてしまう。

 

「しぃー! お願いだから! ちゃんと事情を聞いて!!」

 

「事情を聞くのは逮捕されてからだな。エリス様が天国とやらで泣いてるぜ。信者が盗みを働いてるってな」

 

何故かクリスは遠い目をしていたが、事情を聞いて欲しいといった、お願いをされて聞く事に……。

 

「つまり、アクセル前領主の所持してた神器ってのは、もう一つあって、それが王都にあるってのか?」

 

「……うん。それで、前みたく悪徳貴族の屋敷に侵入してるけど、収穫なしで……」

 

その神器、王都に運ばれたのは丁度ダクネスのお見合を破綻させたすぐの事らしい。

 

「……で? 義賊の真似事は?」

 

「……その場のノリで。どうせ悪い事してため込んでるお金だし、良いかなって」

 

やっぱりか。それで俺まで指名手配にされてるんだよな。あれで懲りてくれればいいものを。

 

「でもさ、あの姿を消すスクロールと潜伏のコンボって凄いね! 全然見つからないんだよ!!」

 

「ターゲットは絞れ! 余計な事はするな! 神器とやらを盗んだら、とっとと王都からは離れた方が良い。結構、噂になってるぞ! じゃあな」

 

あんまり酷い理由なら、この場で拘束もやむなしと思ったが、俺はそれに関しては無視するといった旨で同意させて、その場を去ろうとしたのだが、クリスから意外な言葉が……。

 

「ねえ。ユウは早く、元の場所に戻った方が良いよ? いつまでも”ここ”に居たら……、困る人がいるかもね」

 

「……お前、もしかして……!」

 

コイツはあっちの事を知っている!? こめっこ誘拐やエギルの木の件の関係者か!?

 

「……何者だ? 返答次第じゃ、この場で拘束させてもらう」

 

先ほどまでの和やかな空気から一変し、お互いを見据え緊張が場を支配していた。しかしクリスはあっけらかんとした態度で。

 

「……変な勘違いしてない? アクアさんが酔い潰れてたりしたら、ダクネスが大変だから戻った方が良いって」

 

何だ……、おかしな想像しちまっただろうが。最初からそう言えっての。

 

確かにクリスの言う事にも一理あるので、急いで城へと戻ることにした。その様子を見守っていたクリスは……、

 

「……あなたが、これ以上ここにいると、魔王を倒す手段がなくなるかもしれません。ですので、まだこの世界には関わらないで下さい。魔導師さん」

 

何かを小声で呟いていたが、風にかき消されてそれが耳に届くことは無かった。

 

 

 

 

 

城に戻ると、カズマが何やら騒がしくしていたので、何事かと思い事情を聞くと、

 

「この王都で義賊が暗躍してるって事だよ! 何でも、王都に住居を構える貴族達が狙われてるってな!」

 

どうやらクリスをカズマが捕まえるといった話をしていたらしい。その義賊がクリスだと知ってるのはこの中じゃあ、多分俺だけだ。さて、どうしたものかと思案してはいたが。

 

「まあまあ……、ちょっと落ち着けって。人相も分からないんだろ? 単独かも複数かも分からないのを勢いだけで捕まえるってのは賛同できない」

 

俺としては無視する事で同意を得ているので、できれば関わりたくないのである。

 

「ってか、どうしたんだ? いつもなら絶対にやりたがらないだろうに」

 

「俺がちゃんと義賊を捕らえたあかつきには、またこの城で養ってもらえると……。お前だって城に居たいよな! そうだよな!! お兄様って呼ばれるしな!!」

 

「俺はパス。みんなにこれ以上心配かけたくない。腹に一物を抱えてる連中にはいい薬だ」

 

それを聞いて、ムッとしている人間がチラホラと見受けられた。分かりやすい連中だとも思ってしまったが。一応、クリスにも言っといた方がいいかな、などと思っていたところ。

 

「お前はこういうの得意じゃないのか? おまわりさんなんだろ?」

 

俺をアテにしていたのか。どうしようかな……。クリスの事、ダクネスにでも相談してみるかな。それとも神器とやらを独自で回収してクリスに渡して、王都から出て行ってもらうか……。

 

どっちにしたって良くはない。ダクネスは貴族ゆえの立場があるし、回収するにも神器の詳細も分からないままでは莫大な時間が必要だ。

 

「こっちの警察機構の面目もあるし、俺は止めとくよ。やるならそっちだけでやってくれ。やり方ならレクチャーしても良いけど?」

 

「それって、5分くらいで分かるやり方か?」

 

カズマ、舐めてんのか? そんなちゃっちいノウハウなわけないだろうが!

 

「とりあえず、明日は一日いっぱい講義かな」

 

それを聞いたら、ダクネスの後ろに隠れてしまったカズマであった。そんな俺達のやり取りをジッと見ていたクレアさんが。

 

「では、カズマ殿にはこの後、これはと思う貴族の家に泊まり込み、そのまま張り込んで頂きます。そして、もし本当に賊の捕縛ができたなら、城への滞在も考えましょう。」

 

どう考えても、カズマが失敗するの前提での物言いだし、城に滞在させない算段だ。カズマは予想が外れた様で、引きつった顔をしている。

 

「では、俺はこれで失礼しますよ。この調子だと何日か王都に居るかもしれませんので、宿に使いを出していただければ、こちらから伺います」

 

そうして、クレアさん達に軽く挨拶した。

次の日の朝は別で宿を取り、借りてきた本をベッドで寝転がりながら読み耽っていたのであった。




エリス様(クリス)は主人公の正体に気付いています。セリフについての内容は、そのうち書くと思われます。

昨日の続きしちゃうぞ? の部分は主人公とめぐみんで認識の齟齬があります。
主人公:頬っぺたツンツン
めぐみん:添い寝?

でしょうか。
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