この素晴らしい世界にリリカルな魔導師を!   作:ゴマフアザラシ

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注意
今回は、書籍で名前だけが出ている、実質オリキャラが登場します。
文字数がちょっと多くなってしまいました。


魔族のお姉さんとの遭遇

調べ物も一通り終了し、後はカズマのレベル上げを待つのみとなってしまったので、暇つぶしも兼ねて紅魔の里の外の、とある場所へと向かっていたのだった。

 

「やっぱり何も残っちゃいないか……」

 

そこはシルビアを里外へ押し出し、『抜剣』でダメージを与え、最終的にはめぐみんの爆裂魔法でクレーターのみが残っている場所だった。

当然と言えば当然だ。今のめぐみんの爆裂は、師とも言えるウォルバクさんを大きく上回る。それの直撃を『魔術師殺し』が半壊した状態で受ければ、遺体なんて微塵も残らないだろう。

 

……戦うしかなかったとはいえ、個人的に恨みがあったわけじゃないんだよな……。

 

墓作るのも良いかと思ったが、それなら花や供え物があっても良いかも知れない。とりあえず冥福を祈り、黙祷を捧げていた。

 

「せめて、墓標になりそうな木か石でも探してみるか……」

 

ぴよぴよ丸も持って来てるし、墓っぽく造形するのもやれば何とかなるだろう。そう思い、里周辺の森を散策していると、戦闘音が聞こえていたので、そちらへ向かうと……、

 

……一撃熊素手で殺っちゃったよ、あの人……。なんつー怪力、いやそれだけじゃないか……? 無造作に殴っただけだってのに、あの人の腕……、一撃熊貫いた……!?

 

何かヤバいものを見ちまった気がしたので、息を潜めてその人がいなくなるのを待った方が良いと思い、ジッとしていると……。

 

「そこに隠れてるのは、誰かしら? 素直に出て来てくれない?」

 

バレちゃってたのね。一応、気配は消してたつもりだったんだけど……。敵感知みたいなスキルでも持ってるのかな? つーか下手すれば、ウィズくらい強いかも……。

 

観念して、敵意が無い事を示すために手を上げながら指示通りにして、その人の前に姿を現す。

 

「ふうん……。素直に出て来てくれたのね。そこは関心するけど――」

 

見た目は俺と同じか少し年上くらい。茶色っぽい髪を腰まで伸ばし、凛とした表情の女性。だが一番の特徴は自己主張が激しい双丘……、ゲフンゲフン。ではなく、頭部に生えた二本の角であった。

 

……もしかして、魔族か? ハンスはスライムだから擬態が可能、シルビアは見た目自体は人間とそう大差なかったが……。オークは、オークなので外見については考えないでおこう。あと、角と言えば鬼みたいのにも会ったが、実力的には、この女性の方がずっと上のはず。

 

「えっと、ここで見た事は忘れますので、見逃してもらえませんか?」

 

ここは戦闘なんてしないで、どうにかこの場を離れた方が良いといった判断をしたのだが、目の前のお姉さんは、何故か俺の眼をジッと見て、

 

「あなた……、紅魔族じゃないわね? 冒険者?」

 

その質問に首を縦に振り肯定を示すと、お姉さんが腕を組み、うーんと悩み始めた。

 

「ここで名乗って良いのかしら? 一応、私って、寄る年波のお父様よりは強いし、道端でばったり出会った冒険者には気の毒になっちゃうのよね。あっちも強そうな気がするけど、だったら然るべき場所でお互いに名乗りを上げた方が……」

 

なにやらブツブツ呟いているお姉さんであった。俺的には見逃して欲しいのだが……。

 

「どなたかは分かりませんが、俺、もう行っても良いですか? それじゃ――」

 

「誰が行って良いって言ったのよ? ちょっと考え事してただけじゃない。それで、どうするの?」

 

どうする……、たってな……。この場合、戦うか、それとも尻尾撒いて逃げるか……だよな……?

 

「すいませんが、俺はもう帰ります。父方の祖父の叔父の従妹の遺言で、返り血に(まみ)れてる人には関わるなってのがありまして」

 

このお姉さん、一撃熊を貫いた時に全身返り血を浴びて、スプラッターでホラーな様相となっている。はっきり言って、敵だろうが関わりたくない。ここに一撃熊の死体がなければ、殺人事件(サスペンス)の目撃者気分になっているところだ。

お姉さんが俺の一言で、自分の体をまじまじと見つめていたが……、

 

「これだと、ちょっと引いちゃう? そっか……。だったら、この辺に川ってないの? 知ってたら案内しなさい」

 

山菜採りした時に見つけたから、知ってることは知ってるけど、何で俺が案内しなきゃならないんだ……。

 

「ここを真っ直ぐ行って、道が開けたら右に曲がって――」

 

「ああもう、面倒臭い! 良いから案内しなさい!!」

 

こっちの言い分、完全無視である。っていうか、この人って敵じゃねーの? 俺個人としては敵対するつもりはないが、あっちがどう思ってるやら。

 

仕方なく、知っている川まで案内していたのだが、その途中、

 

「あなたって、結構強いでしょ? やっぱり、名の知れた冒険者なの?」

 

「レベル20の良いとこ中堅の冒険者ですけど……」

 

実を言うと、レベルに関してはパーティー内でカズマの次に低かったりする。別にレベル上げしたところで、ステータス上がるわけじゃないので、積極的にやる気が起きないだけである。特に幸運とか幸運とか幸運とかが上がるわけじゃないし。カズマが養殖場でレベル上げしてるから、もしかしたら一番低くなってるかも。

 

「それって嘘でしょ? だってあなた、普通に話してる癖して、いつ私が仕掛けてきてもいい様に警戒してるもの。気付かれてないとでも思った?」

 

そりゃあねえ……。角生えてる人と一緒にいて、警戒するなって方がおかしい。一応、素振りは隠してたんだけど……。冒険者カード見せた方がいいのかな?

 

適当に雑談しながら、目的地の川へと到着。この川、そこまで深くないので、体洗うくらいなら大丈夫なはず。

 

「……ではこれで」

 

「そんなに時間が掛からないから、待ってなさい! けど、覗いたら殺すわよ? 最近、そんなのされてるって噂もあるから」

 

このお姉さんは何なんだろう? もしかして返り血を洗い流した後、一戦交える気か? まさか戦闘狂(バトルマニア)なのか?

 

お姉さんが川でバシャバシャ音を立てている逆方向を、ボーっとしながら待つこと10分。

 

「ふぅー。さっぱりした。じゃあ行きましょうか」

 

何処に行く気だよ、おい。

 

「そろそろ帰らせて欲しいんですけど……。連れも心配しますし」

 

「私だって、連れが心配してるかもしれないの! 良いからついて来なさい。多分、森の入口の方にいると思うけど……、どっち……?」

 

なんとーなーく、この人の今の境遇が予想できてしまった……。念のため、確認を。

 

「もしかして……、まいご――」

 

「違うわ! 私は、自分の勘に従って行動しただけよ! 迷子になってるのは、連れの方。まだ小さい頃、お父様とダンジョン潜った時だって、お父様()はぐれたけど、見つけるまで中のアンデッドとかダンジョンもどきとか、オーガとか倒して回ってたんだから!!」

 

それなんて武勇伝? 小さい頃にダンジョン内のモンスターとやり合えるとか……。っていうか、森とかダンジョン内を勘で行動してる時点で……。顔真っ赤にしながらアタフタしてるから、あんまり触れないでおこう。

 

「あの……、(人間)と行動してたら、お連れさんが驚くんじゃ……。それにテレポートで帰れないんですか?」

 

「帰れるけど、連れが帰れなくなっちゃうでしょ? なんせここは、悪名高い紅魔の里の近くだもの。置いてったら、どんな目に遭うか……。あなたが紅魔族じゃなくて良かったわ。もしそうなら、場合によっては有無を言わさず殺してるところよ」

 

紅魔の里、悪名高いんすか。つーか問答無用で殺されるような事やってんのか、あそこは……。

 

「もし連れと会った時に心配なら、これ着けてなさい。そうすれば、すぐに襲い掛かったりはしないから」

 

そうして、自分の角を外して……。脱着可能な角ってなんだ? よく見ると、カチューシャに角がくっ付いてる……。

 

「……? どうしたの? 変な顔して。私ね、角は生えてるけど、ご先祖の血が濃いらしくて小さいのよ。お父様はそうじゃないけど」

 

お姉さん、あなたは経済学が得意な、どっかのまおーさまですか? しかし、角が短いって言ってたけど、つけ角(?)を外してると、人間と大差ない外見だ。

 

とりあえず、お姉さんの指示に従い、そのつけ角(?)を装着しながら森の中を歩いていたのだが……、

 

「ほ、本当に、こっちで良いの? あなたも迷ったりしてない? 何か言いなさいよ……」

 

「大丈夫ですって。探査の魔法を使いながら歩いてますから、誰か見つかれば、すぐにそっちに行きますよ」

 

などど、説明して不安を取り除こうとしたのだが、あちらはそうじゃないらしい。仕方ないので、

 

「これで良いですか? 自分の勘とやらで行動されると面倒なので、離れないでいてください」

 

そう言いながら、手を握ってみたところ……。

 

「……私が言うのもなんだけど、あなた……私が怖くないの? 魔族だけど……」

 

「知り合いに、リッチーや悪魔や自称女神がいて、郷里には何百年も生きてる人とか、クローン人間とか歩くロストロギアとかいますから、今更ってとこです」

 

人間、慣れって重要、これ本当。いきなり襲い掛かって来る怪物ならともかく、話が通じて意思疎通できるなら、警戒はしても怖がる必要はないってのが持論だったりする。

 

「くろーん? ろすとろぎあ? 何それ? あなたの郷里って、ご先祖のいたところじゃないの? 黒髪だからてっきり……」

 

ご先祖ってのは何の事だろう? しかし、結構、不安なんだろうか? 握られてる手が、かなり痛いのだが……。

 

「……見つけた。こっちですね」

 

エリアサーチ使いながら歩いていたので、人探しをしているっぽい魔族が見えた方向へ行くと……、

 

「どこですかあああああ!」

 

「出てこないと、紅魔族が嬉々として魔法ブッパしながら、封印されて観光地にされますよー!」

 

おそらく、このお姉さんを探している魔族達なのだろう。しかし、これだと紅魔族の方が悪い事してるみたいに聞こえるから不思議だ。ウォルバクさんとかの前例があるからなあ……。

 

「……これで良いですか? では俺は、行きますね」

 

「ええ、ありがとう。名乗っても良いけど、それだと怖がらせちゃうかもしれないから、止めとくわ。それと、できればこの辺りからは、早めに離れた方が良いかも知れないわよ?」

 

仲間と合流して、俺と戦うのも考えたけども、そうじゃないらしい。本当に迷子になっていただけだったんだろうか……。

 

お姉さんが微笑を浮かべながら、礼を言っていたので、こちらも軽く一礼して、その場を離れたのであった。その後、

 

 

「変な人間だったわね……。ほんと」

 

「どうかなされましたか? 姿が見えなくなっていたので、また……」

 

魔族の一人がお姉さんに心配そうに、話しかけていたが……。

 

「違うわよ! 私は自主的に前もって迷わない様に散策してただけ」

 

それを聞いた周りは、またか……といった顔をしていたが、

 

「それよりも、私の部屋を覗いてるっていう不届き者の里はどこかしら……」

 

「それですが、紅魔族は強力な魔法使い(アークウィザード)ばかりの種族ですから、もっと戦力がないと……。そこへ攻めたシルビア様からの連絡も途絶えていますので……」

 

それでお姉さん含む数人は、これからの行動について頭を悩ませているのであった。

 

 

 

 

 

「たっだいまー! 今日はカズマのレベル上げが(はかど)るように、スタミナが付きそうな良い肉買ってきたぞー!」

 

お姉さんと別れて、紅魔の里の内部に戻った俺は、途中で肉屋に寄って夕食の材料を調達していたのであった。最近、商業区に行くと、お得意さんにみたいに扱われているので、色々とおまけしてもらっている。

ただ、『星の刃を携える者』とか、『万象を断ち切る者』とか、『氷炎の両刃を持つ者』とか呼ばれるのは、はっきり言って恥ずかしいので止めて欲しい。

 

「よっ! 今日はどうだった?」

 

「紅魔族ってのはとんでもねーな。スキルアップポーションに養殖場。ついでに種族自体が反則みてーなもんだ」

 

確かにカズマの言う通りである。この里のシステム自体、他と比べて効率が良いのはそうだが、それを実践できるのは実力や知力が高い証拠だろう。中二については、もうツッコんではいけない。

カズマと雑談していると、めぐみんが何かを見つけたらしく、俺の腕に手を当て、

 

「……アクアでも、ダクネスでも、ゆんゆんのでもありませんね? これは……?」

 

めぐみんが(つま)んでいるのは、茶色の長い髪の毛。さっき会ったお姉さんの髪の毛が腕につっくいていたらしい。なぜか、めぐみんの視線がおっかないのですが……。

 

「いや、森で迷子になってる魔族のお姉さん見つけて、仲間のいそうな所まで案内しただけだ……よ?」

 

「ほう、そうか。魔族の……、魔族!?」

 

ダクネスに続いて、『魔族』、そのキーワードでその場の全員が俺の方を向き、

 

「ちょっと、もしかして戦って来たの? ケガとかしてない? もしそうなら、早く私に診せなさい!」

 

「シレッと驚愕の事実を語らないで下さい! 森の中で魔族に会ったとは……?」

 

みんなして、魔王軍関係者とバッタリ会って戦闘にでもなったと思ったのだろう。順を追って経緯を説明すると、

 

「喧嘩を売っているのでしょうか……? 悪名高い紅魔の里などど……」

 

「観光地にしてるのは、事実じゃねーか」

 

「しかし、戦闘を避けていたとは……。確かに、いくら強いといっても、万が一という場合もあるからな」

 

説明を聞くと納得してくれたようで、全員ホッとしていたようだった。

 

「誰が来ようと、この里に攻め入って来たら、返り討ちにしてくれます!」

 

その中に在って、めぐみんのみ鼻息を荒くしながら、ちょっとばかり興奮している様子であった。悪名高いだの、嬉々として魔法ブッパされて観光地にされるだの言われたのが気に食わないらしい。

 

 

 

 

 

次の日、またまたシルビアの爆心地に赴き、墓石になりそう大きな石を置き、ぴよぴよ丸でそれっぽい形にしていったのだが……、

 

「何やってんだ? ここって……」

 

「君達が魔王軍幹部を倒した場所だろう? これは……墓?」

 

カズマとミツルギ、そしてミツルギのパーティーメンバーの女性二人が、この場へと訪れたのだが……。

 

「ああ……、見ての通りの墓。供養くらいはしとこうと思ってな。別に個人的に因縁があったわけでもないし」

 

それについて、同意するミツルギ、シルビアにされた事を思い出して微妙な表情をするカズマ。そして、納得いかないといった感じの女性二人。カズマがふと、『シルビアとその部下 この地に眠る』と日本語で掘られた墓石に目を向けると、

 

「……おい! 花供えるのは良いが……、なんで……」

 

カズマが震えながら、俺をキッと睨み……、

 

「俺の写真を持って来てるんだ!?」

 

「良いじゃないか。ケツに象さん当てられた仲だし、気に入られてただろ? 近況を報告するためのものだ」

 

「お前だって気に入られてただろーが!」

 

「俺は最後の方、怖がられてたからな。俺の写真なんて持ってきたら、怖がって化けて出てくるかもしれない」

 

カズマは俺が手に持っていた、自分の写真をくしゃっと丸めて、

 

「『ファイアボール』ッ!」

 

炎の中級魔法で、写真を跡形もなく消し飛ばしていた。カズマさん、中級魔法を修得する。養殖レベル上げの成果が早くも出始めているらしい。俺達のやり取りを、ミツルギパーティーの面々は複雑な表情を浮かべながら見ていた。

そんな中、近くからすすり泣くような声が聞こえて来たので、そちらへ行くと……、

 

「ううっ……、ひっく……、ここどこぉ……」

 

どっかで聞いた声というか、昨日聞いたばかりの人の声だ。そういえば、つけ角……、借りたままだった。

 

放って置こうか、それともまた森の入口に連れてった方が良いんだろうか? そんなのを考えていると、

 

「誰かいるわね! 出て来なさい!!」

 

さっき泣いてたカラスが、もう凛とした声を出していた。人がいると思って安心したのか、それとも単に泣き顔見られたくないだけなのか……、どっちにしろ凄い変わり身だ。

 

「……その、一日ぶりです。また迷子――」

 

「違うわ。私はこの先、迷わない様に反復練習していただけよ。繰り返すのは重要なの。そのおかげで、最近は自分の家でも迷わなくなったから」

 

……自分の家で迷うんすか。どんな広大なお屋敷に住んでるのやら。魔族にも貴族ってのがいるのか?

 

「ユウ、その人は……」

 

カズマがお姉さんを見て、目を奪われてしまっていた。それもそうだ。つけ角が無いと、外見は人間と大差ない上、アクア達とはベクトルは違うが、間違いなく美人と言える人ではある。

 

……どうしよう。この人、昨日会った魔族です。なんて言ったら、カズマはともかく、ミツルギ辺りが戦闘吹っかけそうな気がしなくもない。幸い、ミツルギは昨日の出来事は知らないので、知らんふりしておくのも手かもしれないが。

 

「今日は、お仲間も一緒の様ね。こんな所で何をして……」

 

お姉さんが、地面に目を向けると視線の先には、さっき造ったばかりの墓があり、たどたどしく、

 

「シル……ビア? ねむ……る?」

 

このお姉さん、日本語が読める!? 何で? 魔族なのに……。

 

「ふうん……。シルビアから最近連絡が途絶えてるって聞いてたけど、あなた達だったの」

 

お姉さんが鋭い眼光で俺達を睨みつけている。その視線だけで、俺やミツルギはともかく、カズマやミツルギの連れは、動けなくなってしまったようだった。

 

「それで……、お墓を造ってくれたって事は、供養してたのかしら?」

 

「だったら……何ですか?」

 

警戒しつつ、ミツルギにもアイコンタクトを試みる。あちらの女性達の安全が最優先なのは、承知の上らしい。ミツルギも二人を庇うように立ち塞がっていた。

 

「そう。人間の割には礼節を弁えてるわね。それには感謝するけど、殺ったのはあなたかしら? 見たところ、この中では一番強いみたいだけど」

 

本当は俺が『魔術師殺し』を大破させて、めぐみんの爆裂で止めを刺したが、それを知られるのはマズい。このお姉さん、何故かは知らないが紅魔族を狙っている。めぐみんが倒したと知られたら、真っ先に狙われてもおかしくはない。

 

「ああ……、俺だけど。それがどうしましたか?」

 

その一言で、お姉さんがまた昨日のように、腕を組みながら悩み始めて、

 

「やっぱり、ただ者じゃ無かったけど、幹部としては名乗って戦闘の方が良いのかしら? それともここは、思わせぶりなセリフを残して、因縁を作った方が……」

 

……敵討ちで戦闘になるかと思ったけど、何を悩んでるんだろう? 正直、撤退したいけど、ここで逃げたりしたら、里まで追って来そう……。その場合、このお姉さんの方が気の毒な結果になりそうな……。

 

待つこと2分。

 

「じゃあ、やりましょうか。私も立場上、見逃すわけにも行かないの。それに、ちゃんと戦った相手に敬意を払うような人間だから、加減はしてあげるわよ。それとも、女性とは戦いたくないって性格かしら?」

 

立場上……ね。シルビアを呼び捨てにしていた事から察するに、幹部の一人だろうが、それにしたってベルディアやハンス、シルビア以上の威圧感を感じ取れる。

 

「舐めないでもらいましょうか。むしろ俺の周りは女性が強いですから。男女平等、何それ美味しいの? ってな環境で育ちながら、撃たれたり斬られたりしたのは伊達じゃありませんよ」

 

なのは達だけじゃない。アリサだってしょっちゅう喧嘩売られたし、正統派お嬢様のはずのすずかですら、何故か身体能力が高くて組み伏せられたりした経験だってある。むしろ女性恐怖症にならなかった自分を褒めてやりたい!

 

「……佐藤和真、彼は僕達と同じ場所の出身……だろう?」

 

「……あいつは、似て非なる日本っていう魔境から来たイレギュラーだ。俺らと同列に見ない方が良いぞ……」

 

日本人らしい二人が俺の方を向いて、ドン引きしていた様な気配ではあったが、

 

「……悪いけど、あっちの連中は見逃してくれないか? 狙いは俺だろ?」

 

「そうね……。あなたで手一杯かも知れないから、構わないわよ」

 

どうやら本当に狙いは俺だけらしい。だったら好都合。あっちだって本気でやるつもりはないようだし、気が済めば帰ってくれる……か?

 

俺とお姉さんがお互いを見据えて、視線だけで牽制し合っている間に、カズマ達はその場を離脱。おそらく、あちらもそれを待っていたのだろう。

カズマ達が十分離れたのを確認した後、ぴよぴよ丸を構えて、相手の出方を窺っていると、にっこりとした表情のお姉さんが、

 

「じゃあ、行くわよ」

 

その刹那、ありえない速度で俺へ接近して来ていた。辛うじて視認はしていたものの、反応が遅れてしまい、攻撃が頬を掠めていた。しかし、接近したのは好都合。今度はこちらの番とばかりに、

 

「『クリエイト・ウォーター』ッ!」

 

魔力を圧縮して、ウォーターカッターになっているクリエイトウォーターを繰り出したが、当たり前のように避けられ、地面に亀裂を残したのみであった。しかし、

 

「今のって、初級魔法(クリエイト・ウォーター)でしょ? なになに? あんなのが出来るってどうやったの?」

 

まるで新しいおもちゃを見つけた子供のように、はしゃぎまくっている目の前の女性。当然、懇切丁寧に教えるつもりは無いので、続けて、

 

「『ファイアボール』ッ!」

 

このファイアボール、狙いはお姉さんではなく、

 

「ちょ……!? これじゃ周りが見えなくなっちゃうでしょ!?」

 

さっき初級魔法でばら撒いた水を蒸発させて、水蒸気で視界を遮る。相手はそこから抜け出そうと飛び退いたが、

 

「『フリーズバインド』」

 

お姉さんが飛び退いた先の足元に予め、中級魔法(フリーズバインド)の冷気の霧を漂わせており、それを使って足先から足首までを凍結させた。

そのまま、今度は自身のデバイスを取り出し、

 

『Blaze Cannon』

 

カートリッジ一本消費し、砲撃を叩きこんだのだが……。

 

「悪くない手だったわね。水蒸気は自分じゃなくて、冷気の霧を隠すための眼眩まし。動きを止めてからの一撃が本命。うん、なかなかね」

 

よく見ると、お姉さんの周りに結界の様なものが展開している。それで攻撃を防いだんだろうが、ここまで簡単に対処されるとは……。

 

魔王軍幹部といっても他とは段違いの実力なのが見て取れてしまった。その後、空に上がるも、ゆんゆんを軽く超える上級魔法で迎撃され、そちらのアドバンテージも無いと分かり、地上に降りると。

 

「……羽根も無いのに飛べるの? 羨ましい……! 私にも――」

 

「……教えませんよ」

 

「ケチ」

 

このお姉さん、迷子だった時もそうだけど、我が道を行くタイプらしい。近くにいるであろう人物は苦労しているはずだ。

 

「……魔法撃ち合っても、埒が明かないし……、ちょっと本気で行くわよ!」

 

その人一言と共に、またしてもお姉さんが猛スピードで接近してくる。こちらは、王室から受け取った長杖で捌こうと試みたが、

 

「甘い甘い……!」

 

あちらの拳が長杖に当たった瞬間、弾き飛ばされ、そのまま拳が俺の顔面へめり込むかも……と、あちらは思ったかもしれない。しかし、

 

「……ふう」

 

思わず安堵から、大きく息を吐いてしまったが、ストレージデバイスを展開し、何とか捌くことに成功した。

 

「……その杖、どっから出したのよ!? 腰に下げてる剣みたいのと、弾き飛ばした杖、それとワンドみたいのもあって、今持ってる杖。一体いくつ武器持ってるの?」

 

「……企業秘密です」

 

本当はお姉さんが言ってたので全部だけど、もしかしたら、もっと持ってるかもと思わせるための方便である。

あちらは素直に教えてくれないのが気に入らなかったらしく、いじけた様な顔をしていた。

 

「まあ良いわ。じゃあ改めて……」

 

またしても接近戦を仕掛けて来たので、相手の動きを観察しつつ、隙を探している。

 

……まずは、右から顔面狙いのフック。

 

受ければ、顎が確実に砕けるであろう一撃。それを半歩下がって躱し、

 

……そこから、あちらも踏み込んでの、アッパー。

 

肌を掠める風圧だけで、鳥肌が立つような威力があるのが分かる。それを相手の側面に回り込む形で回避。

 

……こちらの動きに合わせて手刀が滑り込んでくる。手には魔力が覆っているのが見えていた。これはライト・オブ・セイバーだ。これを受ければ、真っ二つにされかねないが……。

 

ライト・オブ・セイバーの魔力が覆っている手刀ではなく、掌の部分を受け止めてようとしたが、

 

「……なっ!?」

 

単純に力負けしてしまい、後退を余儀なくされてしまった。お姉さんは、少し失望したような様な視線を向け、

 

「読みも良いし、動きも俊敏。けど……、私を舐めてるのかしら?」

 

どうやら落胆させてしまったらしい。こちらとしては、適当に戦って、お帰り願いたいだけなんだが……。

 

「私も全力じゃないけど、あなたを舐めてはいないわよ? あなたにとって、私はそんなに軽い相手に見えるの?」

 

けど、ここまで言われてしまったんじゃ、仕方ない。

 

「……失礼しました。では……」

 

真っ直ぐに相手を見据え、

 

『Sword On』

 

ファルシオンの魔力刃を集束によって構築し、切り札を展開した。

 

「『抜剣』……!」

 

抜剣とは言っても、リミットブレイクの状態ではなく、通常状態での使用のため出力自体は数段劣るが、それでも並の魔法に比べたら破格の威力を誇る。

 

「うん。良い顔になったわ。今度は期待できそうね……!」

 

どことなく嬉しそうなお姉さんが、自分の右手にライト・オブ・セイバーを纏わせながら、俺へと斬りかかって来るが、

 

「凄い……! ウィズでもないのに、私の魔法を受け止めるなんて……!」

 

ウィズとも知り合いのようだ。もしも幹部なら、ありえない話ではないが……。つーか、こっちはあなたのライト・オブ・セイバーと拮抗するだけで精一杯だ。

 

俺とお姉さん二人の激突で、周囲の地面は抉れ、森の木々はなぎ倒され、森の中に佇んでいた安楽少女は巻き添えを食いながらも、双方打ち合ってはいたが……、

 

「その杖も弾き飛ばしちゃったか……。なら、もう終わりね」

 

これで勝負が決まる、お姉さんがその一言と共に止めの一撃を入れようとしていたが、こちらは唯一残っているぴよぴよ丸で迎撃を試みる。

あちらが俺へ一撃を入れる前に、最速を以って相手の動きを止める。その為にぴよぴよ丸で、ある魔法を展開し、居合の構えから斬撃を――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大変……申し訳ありませんでした」

 

土下座。この世界ではDOGEZAと言う。目の前には、頬を赤くしながら胸元を隠しているお姉さん。後方には、冷たい視線を向けるこちらの女性陣。そして、お姉さんに向かってひたすら謝罪を繰り返す俺であった。

もうプライド大安売りどころか、たたき売り、いや……、持ってけドロボー! といった心情である。

 

最後の一撃、俺の居合の構えからの斬撃は、確かにお姉さんより速く、相手に到達した……が、あちらの踏み込みが予想よりもほんの少しだけ速かったため、お姉さんの服を斬り裂いてしまったのであった。元々俺の刀(ぴよぴよ丸)では生物にダメージを与えるのは不可能とはいえ、寸止めでいけると思っていたのが、甘かったらしい。

 

しかもタイミングの悪い事に、俺がお姉さんと戦ってるので、増援としてアクア達が到着した、その直後に服を斬ってしまったために、傍目には痴漢行為をしている様にしか見えていないのであった。

 

「あのね。それは犯罪行為よ! アクシズ教でも許されはしないわ!」

 

「カズマが切羽詰まって帰って来たので、何かと思えば……。どういう事でしょうか……!」

 

「やるなら私にやれと言っているだろう。私なら、あられもない姿になってからの緊縛プレイでも……」

 

「やっぱり特殊な趣味に目覚めそうになってるんですか!? だったら、元に戻らない若返りポーションで子供からやり直して……」

 

アクア、めぐみん、ダクネス、ゆんゆんが好き勝放題言っている、その一方で、

 

「……えっち」

 

「どうか……、お許しください」

 

そんな消え入りそうな声で責められると、いたたまれなくなってしまいます、お姉さん。

 

お姉さんが、はあ……っとため息をつき、一呼吸おいてから、

 

「あなたには昨日お世話になったし、ちゃんと謝罪してくれたから、これで終わりにします。それよりもその剣、貸してくれないかしら?」

 

どうやらぴよぴよ丸が気になるらしい。言う通りに差し出すと、刃を握り、

 

「そっか。元々、生物が斬れない剣だったの……。普通の剣なら良いのを貰ってたかもしれないわね……」

 

あちらも納得してくれたらしく、ぴよぴよ丸を俺へと返し、今度はめぐみんとゆんゆんの方を向き、

 

「あなた達……、紅魔族ね? 女の子だから、やってないとは思うけど、もう里ぐるみで私の部屋を覗くのは止めなさい」

 

部屋覗くって何だ?

 

俺の疑問を他所に、紅魔族の二人は心当たりがあったらしい。ゆんゆんは慌てた様子であったが、めぐみんから、

 

「おい、人の里の観光名所に文句があるなら聞こうじゃないか!」

 

喧嘩売られました、はい、買います。といったピリピリとした空気を出していたのだが……、

 

「だったら、自分達の部屋でも覗かせなさい……! それとも……」

 

お姉さん、めぐみんの全身を隅々まで観察した後、

 

「紅魔族は、そんな慎ましいちんちくりんしかいないから無理なのかしら? そこは同情するけど?」

 

「……その忌まわしい巨乳ごと、私の爆裂でえらい目に遭わせますよ? そこまで大きいなら、もはや贅肉ではありませんか……!」

 

「持たざる者の(ひが)みは、聞き苦しいわね。同じ紅魔族でも、そっちのお嬢ちゃんは違うのに」

 

正に一触即発の様相で、口喧嘩を勃発させてしまった、お姉さんとめぐみん。それがしばらく続いた後、双方無言になり、一瞬視線を合わせた後、

 

「……デブ」

 

「……ガリ」

 

お互いのたった一言の悪口。それがきっかけとなり、

 

「エクス――」

 

めぐみんさん、いつのまにか無詠唱での爆裂を修得していたらしい。殺る気だ! 本気で殺る気だ!!

 

「くたばりなさい!!」

 

お姉さん、めぐみんが爆裂を放つ前に、すっぱり真っ二つにする気だ!? 

 

「二人共止めろおおおおお!!」

 

二人の間に割って入って、めぐみんの杖の先を空に向けさせ、お姉さんの攻撃を受け止めたものの……。

 

俺、何やってんの!? どっちか喰らったら即死です。絶対に死んじゃうって!? 

 

空に上がった爆裂の衝撃波に冷や汗を垂らしながら、震えが襲ってきていたが……、

 

「あら。その凶悪な紅魔族から、私を守ってくれたの? これはポイント高いわよ」

 

「寝言は寝て言ってください。凶暴な魔族から、この私を守ってくれたのですよ!」

 

まだ喧嘩を続ける気らしい。どうすればこの場を収められるか、それだけを考えていた。だが、ゆんゆんから、

 

「覗きに関しては、族長であるお父さんと相談してみますから、ここは……」

 

ヤレヤレといった感じのお姉さんであったが、それで引いてくれるらしい。

 

「分かったわ。まあ、面白い収穫もあったから、よしとしましょう。それと……」

 

お姉さん、俺に用事があるようで、こちらをジッと見詰め、

 

「あなた、良かったらこっちに来なさい。あんなのと一緒だと苦労するわよ? お父様も歓迎すると思うから。私の知ってる限り、二回も自滅しかけてる連中の味方することもないわ」

 

自滅ね。つーことは……。

 

「やっぱり、そうだったんですか? だったら、アンタらだって戦う理由なんて無いだろ?」

 

「へえ……! そこまで掴んだ人間もいるなんて……! けど、人間も魔族も厄介なのよ。何だかんだで、戦いたがるから」

 

俺とお姉さん、二人の会話に付いて行けないその他大勢であった。全員、首を傾げている。

お姉さんが背を向け、帰路に着こうとしていたが、

 

「……ところで、昨日案内してもらった場所って、どこかしら?」

 

さっきの凛々しい雰囲気はどこへやら。今度は涙ぐみながら縋るような表情で、俺に道案内を懇願していたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、お姉さんの案内を終え、めぐみんの実家へと帰ると、

 

「「「「魔王の娘……!!?」」」」

 

お姉さんの驚愕の正体が明らかになった。一説では魔王より強いと言われてるそうだ。けど、バニルもそうだし、そのバニルと同格のウィズだって、魔王より強いって事になる。

 

ラスボスより強いのと、こんなところで戦う破目になってた俺って一体……。

 

自分の運の悪さを再確認しつつ、原因になっている覗きの件を聞いてみると、

 

「山の中の展望台から魔王城の監視をしているのですが、運が良いと、魔王の娘の着替えが覗けるらしく――」

 

そりゃあ、文句の一つでも言いたくなるわ! けど何で、バレたんだろう?

 

その疑問に答える様に一枚のビラを手渡してくれたゆんゆんであった。それには『紅魔の里 観光案内』と書かれており、当然、魔王の娘の部屋の覗きについても記載されていたが、

 

「その……、このビラですけど、テレポートで転移可能なアルカンレティアの観光協会にも置いて貰ってるんです……」

 

もしかしたら、俺らが倒したハンス経由で、これが知れたのかもしれない。自分達でばらしてどうするんだ……。

 

「ところで……、最後の斬撃はどうやって……?」

 

ソードマスターのミツルギとしては、そちらも気になるらしい。確かに、あり得ない速度だと感じたはずだ。

 

「あれはね……。神速を超える超神速の抜刀術よ! 漫画で見たことがあるわ!」

 

んなわけねーだろ!? アクアさん、キリッとした顔で見当違いの解説をしないでください。

 

「あれは、鞘の内部にウインドブレスを展開して、空気圧で抜刀速度を加速したんだ」

 

その説明で、少しだけガッカリした感じのミツルギであった。剣技なので、自分にも可能だとでも思っていたのだろう。

 

「じゃあ、ちゅんちゅん丸でも使えるのか? 教えてくれ! 俺にもようやく、必殺技らしい必殺技が……!」

 

カズマなら可能なので、やり方を伝授した後、巻き藁を使って試し斬りとなったが……、

 

「カズマ!? 何で、すっぽ抜けてんだ!? もっとしっかり握れ!」

 

カズマの手を離れたちゅんちゅん丸が、切っ先を向けて俺の眉間へと突っ込んできました。急所に飛んできたのは、狙撃スキルの恩恵かもしれない。

何とか紙一重で避け、事なきを得たものの、ちゃんと修得するには、時間が掛かると感じてしまったのであった。

 




魔王の娘(オリキャラ)
設定はこんなところです。

・見た目は17~18歳くらいで、茶色の髪を腰まで伸ばしたスタイルの良い美人。
・先祖(お伽噺の勇者)の血が濃いので、頭の角が小さく、気分次第でつけ角をしている。
・先祖が残した書物で少しだけ日本語が読める。
・凄まじい方向音痴。最近までは自分の家(魔王城)でも迷子になっていた。しかし、迷子になってても、自分が迷子だと絶対に認めない。
・魔王より強い(これはweb版準拠)

主人公と彼女の戦闘は、主人公6割、魔王の娘4割くらいの力で戦ってます。なので、まともにやったら負けてしまいます。
主人公が使った居合斬りの元ネタは、アクアの推測である、るろ剣の天翔龍閃ではなく、喰霊の空圧式・退魔居合刀だったりします。3倍の威力なっているかは分かりません。



ちょこっとだけViVid

その日、無限書庫での調べ物が終了し、エントランスに戻ると、

「あっ……! パパ、調べ物?」

偶然、ヴィヴィオとその仲良し二人組、リオとコロナにバッタリ出会ってしまった。軽く挨拶し、ちびっ子達にケーキでも奢るかと喫茶店へ入ったのだが……

「女の人を魔王みたいって思うのはおかしい?」

唐突なヴィヴィオからの質問であった。話を聞くと、基本的に魔王なんてのは男ばかりで書かれている本が多いとか。最近はそうでもないらしいが。

「んな事はないな。ある世界の今代の魔王は女性だし、かくゆう俺もその人が魔王になる前に一戦交えた経験が――」

その様子を目を輝かせながら、聞き入っているちびっ子達であった。流石に服斬っちまったのは教えなかったが。子供の夢を壊してはいけない。話し終わるとヴィヴィオが……、

「じゃあ、なのはママを、魔王みたいって思っててもおかしくはないよね!」

※ヴィヴィオが母親達を鬼か魔王みたいに強いと思ってるのは公式です。

それを聞いてコーヒーを噴き出してしまった。
その数日後、何故か高町一等空尉殿から呼び出しがあり、マンツーマンでの教導を受ける破目になったのであった。
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