艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

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お借りします! の談。

少し真面目なシーン、キャラ崩壊、若干のR-15、ネタ、他作ネタ、独自設定含みます。

いつもより長いです。


艦これSS改123話

 

 ○○鎮守府、一〇〇〇ーー

 

 埠頭前広場ーー

 

提督「ではこれより『鎮守府・大借り物競走』を開催する!」

 

 \ワーワー!/

 

 提督の宣言で埠頭前広場に集まった者達は元気に声をあげる。

 

 これは各艦種対抗で鎮守府内に隠された指令書を見つけ、そこに書かれている物を借り、提督のところまで持ってくるという催しだ。海防艦を含む特殊艦も参加。そして水上機母艦は空母勢に含まれている。

 因みに一番最初に提督へお題の品を持っていき、合格判定を貰ったグループには、その艦種全員に提督から『休暇券』を貰える。※休暇券とはその名の通り休暇を好きな時に貰える券であり、提督にその休暇に何処か連れて行ってもらうことも可能(その場合は提督に承諾を得る必要有り)。

 

 どうしてこのようなことをしているのかというと、一九四三年の今日、同年同月十二日より勃発した『アッツ島の戦い』でアッツ島の日本軍守備隊二六六五名がアメリカ上陸軍の攻撃で全滅し、戦いが終結した日だから。

 

 『アッツ島の戦い』とは山崎保代陸軍大佐の指揮する日本軍のアッツ島守備隊が上陸したアメリカ軍と十七日間の激しい戦闘の末に玉砕したという出来事であり、太平洋戦争において初めて日本国民に日本軍の敗北が発表され、また第二次世界大戦で唯一、北アメリカで行われた地上戦である。

 更に大本営はアッツ島守備隊全滅を発表し、初めて「玉砕」の表現を使った。それまでフロリダ諸島の戦いなどで前線の守備隊が全滅することはあったものの、そのようなことが実際に国民に知らされたのはこの『アッツ島の戦い』が初めてであった。

 

 この日までに戦って亡くなった英霊の方々に提督と艦隊は揃って黙祷を捧げた。

 そして提督は敢えてこの日に今回のような催し物を開いた。それは少しでも艦隊のみんなが笑顔で過ごせるようにと願った故のことだった。

 

 みんなも提督の突然の発表に最初は驚いたものの、提督の自分達への気遣いが嬉しかったため、『鎮守府・大借り物競走』を全力で楽しんでいる。

 

 

 駆逐艦代表・神風型姉妹の場合、工廠裏ーー

 

神風「指令書あった!」ハッケン!

朝風「やったわね♪」

春風「あとはお題ですわね」

松風「お題は……『まな板』?」

神風「食堂から借りましょ♪」

朝風「待って、神風姉!」

神風「どうしたの?」

朝風「まな板なんてそんな簡単な物だと思う? これは明石さん達が決めたお題よ?」

神風「それがどうしたの?」

朝風「これは龍驤さんのことだと思うわ」

神風「へ?」

 

春風「なるほど……」

松風「まさかひねり問題とは……」

 

 LOVE勢の二人は勝つことに必死なので冷静さが無い。

 

神風「流石に人の身体的特徴のことじゃないと思うけど……」ニガワライ

朝風「でもそれでもし間違ってたら二度手間じゃない?」

春風「わたくしは朝風姉様のご意見に賛同致します」

松風「僕もだ」

 

 多数決により神風型姉妹は龍驤を連れて行くことにした。勿論、お題は明かさずに……。

 

 

 軽巡洋艦代表、阿賀野型姉妹、本館屋上ーー

 

阿賀野「指令書発見〜♪」ピース

能代「流石阿賀野姉ぇ♪」

矢矧「こういう時の姉さんの野生の勘って本当に頼りになるわね♪」

阿賀野(あれ? 阿賀野、貶されてる?)

酒匂「さっすが阿賀野ちゃ〜ん♪」ピャー

阿賀野「ありがと〜♪」

   (ま、いっか♪)

 

 お題確認……。

 

阿賀野「『バレーボール』?」

能代「鎮守府にバレーボールなんてあったかしら?」ウーン

矢矧「倉庫にはあるかもしれないけど、夕張達が考えたお題だから何か裏がありそう……」

酒匂「もしかしておっぱいのことだったり?」

阿賀野「じゃあ、能代を連れていけばいいんだ!」

能代「えぇ!?」

矢矧「阿賀野姉さん、今日は冴えてるわね!」←冷静さを欠いている

能代「矢矧まで!?」

酒匂「あたしはそんなに大きくないけど、能代ちゃんなら大丈夫だね♪」

能代「…………分かったわよ」ハァ

  (提督がいるし、()()を見せるってことにはならないわよね……見せるのはやぶさかでもないけど、やっぱり二人きりの時がいいし♡////)ニマニマ

 

 そんなこんなでいけない妄想に走る能代を連れていく姉妹達であった。

 

 

 重巡洋艦代表、最上型姉妹、訓練場ーー

 

三隈「クマリンコ♪」

最上「お、見つけたね♪ 早速、御開帳〜♪」

鈴谷「『犬』……えぇ、犬〜!?」

熊野「鎮守府内にペットなんて飼ってる人は誰も居ませんわ」

最上「なら犬のぬいぐるみとか()()()()()を連れて行けばいいのかな?」

鈴・熊『ぽ犬キタコレ!』

三隈「不知火さんや朝潮さんではなくて? あの娘達も巷では忠犬と呼ばれていますし……」

最上「時津風や初月も犬っぽいよね……」ウーン

熊野「考えている時間も惜しいですわ」

鈴谷「だね。最初にそれらしい娘がいたら鹵獲しよう!」

 

 そして姉妹は時雨を連れて行くことにしたそうな。

 

 

 空母代表、翔鶴型姉妹、ドックーー

 

瑞鶴「翔鶴姉〜、見つけたよ〜!」つ指令書

翔鶴「やったわね、瑞鶴♪ 早速見てみましょ♪」

 

 お題確認……。

 

瑞鶴「『おばあちゃん』……?」

瑞鶴「はぁ〜? 鎮守府におばあちゃんなんてーー」ハッ!

 

 その時、瑞鶴に電流が走る!

 

瑞鶴「見た目はそう見えないけど、神風ちゃんとか金剛さんってことじゃない?」

翔鶴「ウォースパイトさんやガングートさんも当てはまるわ……」

瑞鶴「翔鶴姉……」チラッ

翔鶴「…………」コクリ

 

 姉妹は心を決めた。そして提督のところへ金剛を連れて行くことにした。

 金剛は空母代表のお題ということで最初は難色を示したが、瑞鶴が『提督が今一番会いたい人』というお題なのだと説明したら食い気味で快諾したとか。

 

 

 戦艦代表、扶桑型姉妹、裏門ーー

 

山城「探しものはなんですか〜♪ 見つけにくいものですか〜♪」

扶桑「…………」オロオロ

山城「それより僕と踊りませんか〜♪ ふふっふ〜♪ ふふっふ〜……ふふふふふふふふふ」

扶桑「山城、戻ってきて!」ユサユサ

 

山城「姉様も見たでしょ、私達が代表だと決まった時のみんなの表情を……その表情に応えてしまうんですよ」フフフフフ

扶桑「ま、まだそうと決まってないわ! ほら! 空はあんなに青いーー」

 

 丁度曇り空である……。

 しかし上を見上げたお陰で門の上にポツンと置いてある指令書を発見するのだった。

 

 だが、

 

扶桑「お題は……」プルプル

山城「……『運』」プルプル

 

 そのお題に二人はその場にガックリと膝を突いた。

 しかし天は二人を見放してはいなかった。

 

雪風「あ、扶桑さん達です♪ 借り物競走は順調ですか〜?♪」

 

 部屋のごみ捨てに来ていた雪風を発見。

 

山城「たった今見つけたわ」ガシッ

雪風「みゅ?」

扶桑「あぁ……八百万の神々に感謝します」人

雪風「雪風がお借りしたいものなんですか!?」ビックリ

 

 こうして扶桑と山城は雪風を廃品場にあった荷台に乗せ、神輿のように運んでいった(車輪が壊れていたから)。その間、雪風は楽しそうだった。

 

 

 潜水艦代表、イク&ニム、会議室ーー

 

イク「やっと見つけたのね!」

ニム「お題は『じゃがいも』だって!」

イク「ならドイツ艦の人を連れてくのー!」

ニム「なんで!?」

イク「じゃがいも=ドイツだから!」

ニム「ドイツ艦の人達に失礼だよ! 普通にじゃがいも持って行こうよ!」

イク「明石さん達はそんな短絡的な答えを求めてないの!」

ニム「審判は提督だよ〜!」

イク「むぅ……ならジャーマンポテト持ってくの〜」

ニム「え〜!」

 

 結局、二人はジャーマンポテトをわざわざ作ってから提督の待つ埠頭前へ向かうのだった。

 

 

 特殊艦代表、占守型、人工浜辺ーー

 

占守「指令書発見っす!」

国後「お題は……『ツンデレ』? 何これ?」

占守「ならもうここにいるっす!」ガシッ

国後「何それ! 私はツンデレじゃないもん!」

占守「司令のことが好きなんでしゅよね?」

国後「ししし、司令のことなんて好きじゃないわよ!//// 勘違いしないでよね!////」

占守「てんぷら乙。このままクナを連れていくっす」グイッ

国後「何それ!//// そもそも、てんぷらじゃくてテンプレでしょ!?////」

占守「そうともいうっす」キリッ

国後「自慢気に言うなぁぁぁぁ!//// それと私はツンデレじゃないんだからぁぁぁぁ!//// ただ司令のことが気になってるだけなんだからぁぁぁぁ!////」

 

 その後も大絶叫されがらも占守は国後を連れて戻ったそうな。

 

 

 結果ーー

 

提督「おめでとう、流石だな」ニコッ

扶桑「ありがとうございます」ニッコリ

山城「ありがとうございます〜♡」デレデレ

 

 雪風という女神を一番に連れてきた扶桑姉妹が優勝だった。

 

神風「だから龍驤さんじゃないって言ったのに……」ムゥ

朝風「なはは〜、ごめん」ニガワライ

春風「申し訳ありません。もっと冷静になるべきでした」

松風「まんまと乗せられたな……」

龍驤(結局お題はなんやったんや?)クビカシゲ

 

 一番最初に提督へお題を見せたのは神風型姉妹だったが、提督から不合格を貰ってしまった。

 

阿賀野「能代、ごめんね」ヨシヨシ

矢矧「能代姉さん、その……本当にごめんなさい」ナデナデ

酒匂「ごめんなさ〜い」ナデナデ

能代「いいの……もういいのよ……////」

 

 バレーボールというお題で変にひねった答えを出した阿賀野型姉妹。当然の如く能代という答えは却下され、能代はただ恥ずかしい思いをしてしまった。

 でもあとで提督に優しく慰めて(撫で撫でして)もらったので、結果的に能代はご機嫌になった。

 

最上「いや〜、負けちゃったね〜」

三隈「残念ですわね〜」

鈴谷「提督とのデートが〜……」

熊野「無念ですわ……」

 

時雨「〜♡」←ヘブン状態

 

 お題の犬に対して時雨を連れていった最上型姉妹。しかし提督が「時雨は可愛い女の子だ。犬ではない」と却下された。一方で時雨は提督の言葉が嬉しくて鈴谷と熊野とは対象的というシュールな画に。

 

瑞鶴「金剛さん……あの、本当にごめん」

翔鶴「ごめんなさい、金剛さん」

金剛「………………」ポケェ

 

 提督に違うと却下されて放心状態の金剛。しかし、正直に翔鶴達がお題のことを話すと金剛は復活した。

 何故なら提督が違うと言ってくれたのが心の底から嬉しかったから。

 

イク「間に合わなかったの〜! やけ食いするの!」ガツガツ

ニム「お姉ちゃんがジャーマンポテトって聞かないからだよ〜……」ニガワライ

 

占守「クナが駄々をこねるから先を越されたっす」ゲセヌ

国後「何それ、私のせいにしないでよ」

占守「悔しいっす!」

国後「分かった! 今度、埋め合わせするわよ!」

 

 イク達と占守達はタッチの差で扶桑達に負けてしまった。

 

 こうして『鎮守府・大借り物競走』は扶桑型姉妹の優勝で幕を閉じ、最後はみんなで健闘を称え合って昼食を食べるのだったーー。




今日はアッツ島の戦いが終結した日なので、そのことを踏まえ、敢えて楽しいイベント模様を書きました。
このような日にこうしたことを書いたことにつきましては、ご了承お願い致します。

そして年は違いますが、1945年のこの日。
B29爆撃機・P51戦闘機が白昼の横浜に来襲し、市街地が焼失。8千人以上の方々が亡くなりました。

アッツ島の戦いで亡くなった多くの英霊の方々、そして空襲にて亡くなられた多くの人々に心からお祈りします。

本編内の情報はWikipediaから得ました。

読んで頂き本当にありがとうございました!
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