少し真面目なシーン、独自設定、独自解釈含みます。
○○鎮守府、一三〇〇ーー
埠頭ーー
提督「では行こうか」ニコッ
軍用クルーザーに乗る提督の言葉に、その場にいる者達は揃って埠頭をあとにする。
提督と共に母港を離れたのは鎮守府にいる潜水艦の艦娘達。
一見すると出撃のようであるが今回は出撃ではなく、ただクルージングをしに行くのだ。因みに提督はこのクルージングのために今日の分の執務は完了済み。
本日はしおいこと『伊号第四百一潜水艦』がアメリカ軍の手によってハワイ沖にて海没処分をされた日。
こうした日ということで今朝に黙祷をみんなで捧げた後、提督はしおいから『提督や潜水艦のみんなと海を散歩したい』とお願いされたので潜水艦のみんなと海の散歩をすることになったのだ。
一九四五年の六月。伊四百一はこの時、パナマ運河攻撃に向け姉の伊四百と共同訓練に入ったが、沖縄が陥落し戦況が一段と悪化しアメリカ機動部隊が本土周辺で猛威を振るう事態になったことから「差し迫った戦局を打開するするのが先決である」としてパナマ運河攻撃は中止。
その代わりとしてアメリカ機動部隊の前線基地であるウルシー環礁の敵航空母艦群攻撃に作戦が変更された。
ウルシー泊地攻撃は伊十三、伊十四が担った「光」作戦と伊四百、伊四百一の担う「嵐」作戦の二つの作戦からなっていた。
「嵐」作戦とは、伊十三達が運んだ「彩雲」の偵察でウルシー泊地のアメリカ機動部隊の状況を確認した後、伊四百と伊四百一から発進させた「晴嵐」六機で奇襲攻撃をかけるというものだった。
同年七月十六日にアメリカ空母の艦載機と水上部隊によって伊十三は撃沈されたが、同年八月四日に伊十四が輸送に成功。彩雲を陸揚し、作戦の第一段階が成功した。
これにより、第一潜水隊の攻撃予定日は八月十七日の三時に会合の上、作戦開始と決定された。
同年七月二十日に伊四百は出撃し、秘密保持のために伊四百一とは別のコースでウルシーに向かった。
同年八月十五日の玉音放送を受信すると、艦内でこのまま攻撃を実施するか呉に帰港するか激論となった。
しかし海軍総隊司令部から
「一切ノ武器ヲ捨テ内地ニ向カウ、艦艇ハ檣頭ニ黒玉ト黒ノ三角旗ヲ掲揚セヨ」
と指令があり、艦長の判断で攻撃を中止。
そして全ての武器弾薬、機密書類、魚雷、八百キロ爆弾、そして敵艦に突入するはずだった「晴嵐」を海中投棄して呉に帰ることになった。
が、内地へ帰投する途中、伊四百は東京湾北東五百海里で、伊四百一は三陸沖でアメリカ軍に拿捕された。
因みに同じく帰還中の伊十四は大湊に着くという日にアメリカ軍の駆逐艦に拿捕されていた。
伊四百一ははじめは離脱を図ったが左舷機関が故障し、速力低下によりアメリカ潜水艦『セグンド』に追いつかれ、日の出後にアメリカ軍へ接収されたと記録が残っている。
それからは伊十四、伊四百と共にアメリカ軍の研究と実験のために運用され、それが終わった後ハワイ沖で目標艦として撃沈処分となった。
しおい「提督やみんなと戦闘もしないで海に来れて幸せだな〜♪」
過去にそのようなことがあったという今日を、しおいは提督や仲間達と過ごせることが嬉しくてご機嫌に過ごしている。
鎮守府の制海権と言っても油断は出来ないが、しおいのために五十鈴や由良、鬼怒といった鎮守府の対潜番長達がそれぞれ水雷戦隊を組んで哨戒行動をとっているので敵潜水艦どころか敵艦隊はそうやすやすと侵入出来ない状態だ。
イク「五十鈴ちゃん達に感謝なのね♪」
(オプションは付いてるけど、提督と一緒なら何でもいいのね♡)
ゴーヤ「だよねだよね♪ お土産に何か海の中で綺麗な貝殻とか持っていくでち♪」
(提督と一緒に海をお散歩なんて嬉しいでち!♡)
イムヤ「そうね。それか海の幸とか持っていしましょ♪ 少しなら獲っても怒られないもん♪」
(司令官と一緒っていうのが最高だわ〜♡)
潜水艦のLOVE勢もご機嫌。勿論他の潜水艦達も楽し気に泳いでいるので、提督はそんなみんなを眺めながらクルーザーの舵を取った。
そして、
しおい「ん〜……海に潜るんじゃなくてただ浮かぶのも気持ちいい〜♪」プカプカ
ろ「ラッコさんになったみたい、ですって♪」
まるゆ「貝殻をお腹の上でコンコンってしましょうか?」ウフフ
ニム「あはは、それもいいかもね〜♪」
はち「私は本読んでる方がいいな〜」ペラッ
適当な地点でクルーザーを停め、みんなで一息入れる。
しおい達は海上に浮かんでそれぞれ楽しんでいて、
イヨ「はにゃ〜、たまには船の上で揺られるのも悪くないね〜」
ヒトミ「そうだね……何だか不思議な気分」フフフ
ヒトミとイヨはクルーザーの甲板に上がって日向ぼっこをしていた。
提督「五十鈴達に感謝しなくてはな。こうして安全に海上で過ごせるのは五十鈴達のお陰だからな」
イク「はいなの♡」ピトッ
ゴーヤ「あとでちゃ〜んとお土産確保してくるでち♡」ヒシッ
イムヤ「でも、今はこうしてたい、かな……♡////」
一方、提督とイク達はクルーザーから海面を眺めていた(提督はしおい達を見守っている)。
イクとゴーヤは提督の両サイドにぴったりとくっついているが、普段遠慮しがちなイムヤは今回ばかりは珍しく提督の側に侍っている。なかなか素直にはなれないが、イクとゴーヤばっかりにいい思いをされるのはしゃくなのだろう。
しおい「提督〜!」ノシ
するとしおいが提督を呼んだ。
提督「どうした、しおい?」
提督が返事をすると、しおいはすい〜っと提督のすぐ下まで移動してきた。
しおい「今年も覚えててくれてありがと〜! そしてお願いも聞いてくれてありがと〜!」ノシ
満面の笑み、そして体全体を使って提督に感謝を伝えてきたしおい。
提督「どういたしまして、だ。こちらこそ生まれ変わってきてくれてありがとう、しおい」ニコッ
勿論、みんなもな……と提督が続けると、イク達LOVE勢は当然だが、はち達も提督に揃って『ありがとう』と笑顔で返した。
その後はまたみんなで海を散歩したり、五十鈴達のお土産を捕まえたりと楽しく過ごすのだった。
そしてしおいはいつも以上に笑顔あふれる時を過ごしせたーー。
おまけーー
提督達帰還後、一八〇〇過ぎーー
しおい「今日はありがとう♪ これみんなで獲ったお魚だよ!」
〜海の幸どっさり〜
五十鈴「うわぁ、ありがと♪」ナデナデ
由良「みんなで頂くわね」ニコッ
鬼怒「なんならこれから鬼怒達がこれで料理ご馳走しようか?」ニシシ
しおい「え……でもぉ……」
提督「人の厚意は遠慮してはいけないぞ?」ナデナデ
イク「そうなの♪ それに今日はしおいちゃんの日なんだから、気にしちゃメ〜なの!」
ニム「勿論、あたし達もお料理作るよ♪」
まるゆ「ムニエル作ります!」キリッ
はち「はっちゃんは〜、海鮮丼作ってあげる♪」
イムヤ「じゃあ、私は……海鮮あんかけチャーハン作ってあげる!」ニッコリ
他のみんなも「なら私は」「私も」「あれも作ろう」とどんどん料理の案を出していく。
しおい「て、提督〜、どうしよ〜」オロオロ
提督「みんなに甘えたっていいと、私は思うぞ」ナデナデ
しおい「提督はいつもそればっかり〜!」
提督「あはは、しかしそれが一番だからな」ニコニコ
提督の開き直りにしおいは「提督〜!」と声をあげたが、その顔はとても良い笑顔だった。
その後、五十鈴達やイムヤ達によるしおいのための海鮮料理パーティが開かれたーー。
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今日はしおいちゃんこと『伊四百一潜水艦』が海没処分された日なので、そのことを踏まえたお話を書きました。
この日に海没処分された伊四百一、そして英霊の方々に心からお祈りします。
本編内の情報はWikipedia、伊四百と伊四百一のページ、『幻の潜水空母-帝国海軍最後の作戦パナマ運河爆砕』という記事より得ました。
そして年は違えど1945年の今日、B29爆撃機14機が日本統治下の台湾・台北市を無差別爆撃。死者3千人以上となりました。
この日に亡くなった方々にも、心からお祈りします。
ただ今日は悲しいことばかりではありません。
陸奥さん、三隈さんの進水日
春風ちゃん、高雄さん、海風ちゃんの竣工日です!
みんなおめでとう!
ということで、読んで頂き本当にありがとうございました!