独自設定含みます。
○○鎮守府、〇九〇〇ーー
応接室ーー
応接室では提督と元帥の娘であり△△鎮守府の提督がお見合いの真っ最中。急なお見合いであったため双方の両親は同席出来なかったが、その代わりとして香取、鹿島が仲介役をしている。
香取「では私達はこれにて席を外させて頂きます」
鹿島「あとはお二人でご自由に会話なさってください」
二人は平静を装いつつも、しっかりと元帥の娘へ冷たい眼差しを送ってから退室した。
△提督「わたくしは随分と嫌われているのですね。あの二人からも、ここの艦娘達からも……」
香取達が退室したのを確認してから、元帥の娘は涼しい顔で静かにそう言葉を発する。
提督「香取達はどうかは知りませんが、私の艦娘達のことは私から謝罪します。申し訳ありません」ペコリ
△提督「構いませんわ。わたくしはあの娘達からすれば敵同然ですもの」フフフ
元帥の娘の言葉に提督は「そんなことは……」と声をかけるが、元帥の娘は相変わらず笑顔を絶やさなかった。
△提督「あなたは自分のところの艦娘を本当に信頼していますね……だからこそあの娘達の本気さがわたくしの肌にヒシヒシと伝わって来ます」
提督「皆、大切な仲間であり家族ですから」ニコッ
提督がそう返すと△提督は口を手で押さえて小さく笑う。提督は何かのおかしな発言でもしたのかと首を傾げていると、
△提督「その笑顔がわたくしをあなたの虜にしました」
静かにそれでいて提督の目を真っ直ぐに見つめて、そう告げた。
突然の告白に提督は思わず頭を掻く。
△提督「あなたは彼女達を兵器ではなく、人として扱っています。そして誰であろうと彼女達を死なせはしないという強い心をお持ちです」
△提督「……そんなあなただからこそ、わたくしはあなたの特別になりたいと願いました」
△提督「家系や戦績などで人を比較せず、常に平等で誰に対しても信念を貫き通す高潔さ……それでいて本心は凄く臆病な方。わたくしはそんなあなたを支えたいのです」
提督「ありがとうございます。勿体無いお言葉です」
元帥の娘からの心からの言葉は提督の胸を震わせた。
会議室ーー
△提督『うふふ、そういう真面目なところも愛おしいですわね』クスクス
提督『お手柔らかにお願い致します』ニガワライ
金剛「ワタシの方がテイトクを愛してるネ!」
大和「大和だって負けてません!」
長門「私もだ!」
山城「ぽっと出滅せよ」イライラ
伊勢「ちょっと静かにしてよ」ニガワライ
会議室では提督と元帥の娘の会話とその様子がライブ中継されていた。
昨晩、明石や夕張が突貫工事したからだ。
提督がどんな決断をするのか……もし提督が元帥の娘と結ばれようものならばLOVE勢としては突撃する構えである。どうせ結ばれないなら、せめて自分達の気持ちは伝えたい……と思ってのこと。
赤城「提督のせいで昨晩はお夜食もカップ麺二杯しか喉を通りませんでした……」
加賀「………………提督……」←もはやツッコまない
飛鷹「……美人に褒められたからってデレデレして……」ムゥ
隼鷹「全くだぜ」グヌヌ
千代田「ホントホント」ウンウン
千歳「私達だってちゃんと褒めてるのに〜」プクゥ
鈴谷「お似合いってのがまたムカつく……」
熊野「今からでも襲撃して差し上げたいですわ」
衣笠「まあまあ、気持ちは分かるけどさ」ニガワライ
古鷹「今は抑えよう?」ニガワライ
利根「吾輩は提督を信じる」
筑摩「そうですね、姉さん」ニコッ
愛宕(でも目はモニターに釘付けっていう)ニガワライ
高雄(筑摩さんも笑顔だけど、怖いわ)ニガワライ
摩耶(提督結婚しちゃうのやだ……)
由良「解体処分されてもいいから既成事実を作りに行けば良かった……」
五十鈴「そうよね……艦娘人生最大の失態だわ」
名取「だから昨晩にみんなで拝借しちゃおうって提案したのに……」
鬼怒「でも流石に同意なしじゃあ……ねぇ?」
阿武隈「うん……それにいきなり本番はちょっと……////」
大井「……あんの泥棒猫……」ワナワナ
夕張「まぁまぁ、落ち着いて」ドォドォ
神通「」ニコニコ←絶対零度の笑み
夕張「神通も!」ハワワ
夕立「…………提督さん」クスン
村雨「大丈夫よ、夕立」ナデナデ
白露「そうそう。ぽっと出に何言われたって提督は動じないよ」ナミダメ
時雨「その顔だと説得力ないよ、姉さん」ニガワライ
響「司令官……」
電「…………」グスン
暁「何暗くなってるのよ。まだ何も決まってないんだから……今は見届けることが大切よ」ナデナデ
雷(暁姉が妙にレディしてる……)
それぞれ思うことが多く、中には涙を流している者いる……しかし周りがそれを励まし、みんなは提督の言葉を聞き逃さないよう力強く画面を見つめた。
応接室ーー
△提督「それで……あなたのお返事はどうでしょう?」
一頻り笑ったあとで、元帥の娘は提督にそう訊ねる。
提督は姿勢を正し、真っ直ぐに彼女の目と自分の目を合わせると、
提督「私のような無骨者でも、あなたのような可憐な方にそう言ってもらえて嬉しくありますーー」
そして提督は言葉を続けた。
提督「ーーですが、私はあなたと結婚するつもりはありません。私には電と言う、心から好いた女性がいますから」
提督はそう言って深々と頭を下げる。
△提督「そうですか……残念ですわ」ニコッ
提督の答えに精一杯の笑顔で気丈に返す元帥の娘。すると提督は「私は席を外します」と告げて、退室していった。
一人部屋に残された元帥の娘は小さく息を吐き、天井を見上げる。その目からは一筋の涙が頬を伝っていた。
△提督「こんな時にまでお気を遣うだなんて、心から諦められないではありませんか……本当にずるい人」
しかし涙を拭いて、清々しい笑みを浮かべるのだった。
会議室ーー
会議室に集まった者達は全員が固まっていた。そして全員が一人の艦娘に注目していた。
電「あわわわわわ////」
みんなの注目を浴びる電だけが顔を茹でだこにして狼狽。
まさか提督の口からあのような告白がされるとは電は勿論、誰もが予想していなかったから。
そしてみんなは穏やかな笑顔で電に告げたーー
『提督の元へ行ってあげて』
ーーと。
埠頭ーー
提督「すぅ〜……はぁ〜……」
提督は潮風を感じつつ、煙草を吸っていた。流石の提督も今回ばかりは多少なりとも気が滅入ったからだ。
電「し、司令官さん!////」ハァハァ
そこに電が肩で息をして到着した。
そんな電に提督は煙草を消し、携帯灰皿に吸い殻を入れながら「そんなに息を切らせてどうした?」と訊ねると、電は思わず口をパクパクさせてしまう。
そして、
電「電も……電も司令官さんがとってもとってもとってもと〜っても大好きなのですぅ!////」
そう叫び、提督の胸に飛び込む電。
提督は戸惑いながらもしっかりと電をその胸に抱きとめた。
ずっと好きだった……
ずっとその背中を追ってた……
ずっとこの人のことを想ってた……
優しく微笑んだ顔も
おかしそうに笑った顔も
辛そうな顔も
泣きそうな顔も
手の温もり
大きな背中
優しく力強い眼差し
全部が大好きで、その言の葉だけでは到底足りない
提督「電……」
電「司令官さん♡」
しかし、今の二人に言葉は不要だった。
提督「まさか電から告白されるとは思わなかった。時を見て私からと思っていたんだがな」ニガワライ
電「そんな……電はちゃんと司令官さんのお気持ちをーー」ハッ
聞いていたから……と、つい口が滑りそうになった電は慌てて口を手で押さえる。
そんな電に提督が首を傾げていると、
『提督〜!』
LOVE勢が一気に二人の元へ押し寄せてきた。
金剛「ワタシもテイトクが大好きデ〜ス!♡」
長門「私もだ〜!♡」
大和「大和もです!♡」
山城「わ、わた、私も!♡////」
加賀「責任取ってください……提督以外の男性は眼中にありませんので♡」
赤城「提督、艦娘とならジュウコン出来ますよ?♡」
瑞鶴「私達の気持ちも受け止めて♡」
翔鶴「何番目でも構いません。ですが、お側に置いてください!♡」
愛宕「提督〜、私達のことも愛して〜!♡」
高雄「お、男を見せてください♡////」
利根「みんなとケッコンすれば丸く収まるぞ!♡」
筑摩「利根姉さん共々、宜しくお願い致します♡」
大井「わ、私ともけけけけっこんをですすねねね!♡////」
神通「不束者ですが、末永くお願い致します♡」
夕張「わ、私も提督のことが好きなんです!♡////」
阿賀野「阿賀野も提督さんのことだ〜い好き〜!♡」
夕雲「精一杯、末永くお世話させて頂きますね♡」
雷「これからはお嫁さんとしてお世話してあげるわね♡」
浦風「提督さんは男じゃけぇ、うちらのことも平等に愛してくれるじゃろ?♡」
如月「司令官は私達の気持ちも受け止めてくれるわよね〜?♡」
荒潮「私は提督を信じてるわ〜♡」
みんなからの告白に提督は戸惑いを隠せない。
すると、みんなに揉みくちゃにされる提督の手を何者かが引っ張った。
香取「私のことも忘れないでください♡ ずっとずっと好きだったんですから♡」
鹿島「私も先輩のことがずっと好きでした!♡ 私達ともケッコンしてください!♡」
それは香取型姉妹で、二人は提督に告白してそのまま提督と愛の逃避行へーー
提督「ふ、二人と……もっ!?」ガクン
ーーしかし、また提督は何者かに引っ張られた。
△提督「わたくしも諦めた訳ではありませんよ?」ニコッ
提督「…………」ハワワ
△提督「艦娘でなく、表向きは普通の人間の伴侶が必要でしょう? わたくしがなってさしあげますわ♡」
満面の笑みで物凄いことを提案する元帥の娘……流石はあの元帥の娘といったところだろう。
しかし、提督はその手を振り解くと、
提督「電、一先ず撤退するぞ!」
電「はい……って、ひゃわ〜!////」
電をお姫様抱っこして走り出した。
『待て〜!』
『提督〜!』
『私達も〜!』
後ろからは大勢が提督の背中を追う。
提督「今日は本当に予期せぬ事態がてんこ盛りだ!」
電「本当なのですぅ!」
しかし二人は本当に心からの笑顔でみんなから逃げ、暫くの間、愛の逃避行をするのだった。
後、提督と電の仲はみんな理解したが、
『では次はケッコンカッコガチを目指します!♡』
とそう宣言するのだった。
この先も提督の鎮守府は何かと騒がしく賑やかで、それでいてみんなの笑顔があふれる日々が過ぎるだろうーー。
艦これ Short Story改-完-
何にでも終わりはあるもので、タイトル通りに今作はこれを最後に閉幕させて頂きます。
最後はこの作品らしくドタバタにし、しかしそれでいてちゃんと提督が電ちゃんを選ぶという風に仕上げました。出せなかった艦娘についてご了承を。
時にはギャグ、キャラ崩壊、お砂糖を組み込み、前作の後半同様、その艦の史実なども時には組み込みました。
少しでも多くの方々にその艦の歴史やキャラとしての魅力を私なりの表現でお伝えすることが出来ていれば幸いです。
そしてお知らせがあります。
ありがたいことに前回の時点でこの作品の改二を書いてほしいとのお声をメッセージなどで多く頂いております。
しかし大変申し訳ありませんが、現段階でそのことは答えることが出来ません。
この答えは少しお時間を頂き、6月12日に活動報告にて出したいと思います(投稿時間は未定ですがこの日の内に上げます)。
現段階で言えることは、前向きに検討したいと思っています。ということです。
ご了承お願い致します。
前作とは違って半年という短い間でしたが、私が書いた作品をここまで読んで頂いた方々、評価して頂いた方々、ご感想を書いて頂いた方々、お気に入り登録して頂いた方々、ご指摘や誤字報告をして頂いた方々、多くの方々に心から感謝致します。
本当に本当にありがとうございました!