少し真面目なシーン、他作ネタ、ネタ、独自解釈、独自設定含みます。
○○鎮守府、一二〇〇ーー
埠頭ーー
正午を迎えた鎮守府の埠頭では、提督を先頭にこの場に集まった艦娘達で綺麗に整列をして黙祷を捧げていた。
一九四四年の今日は綾波型駆逐艦『漣』が輸送船団護衛任務中にアメリカ潜水艦『アルバコア』からの雷撃を受けて沈んでしまった日である。
漣「………………」
長く続いた「ソロモン諸島の戦い」で、漣は終始輸送・護衛任務に明け暮れ、人から燃料から飛行機輸送の護衛から、多くのものを輸送した。
あの「第一次ベララベラ海戦」では一時的に三水戦旗艦となり、輸送任務を遂行。
この時の輸送任務そのものは成功したが、この時期から輸送中の被害も増大するようになり、九月には『大鷹』が潜水艦の雷撃によって大破、十一月には『冲鷹』が同じく潜水艦によって沈められてしまった。
戦力ではなかったとされる両空母だったが、逆に輸送手段としては非常に重宝された二隻だったので、この二隻の離脱はかなりの痛手だった。
そしてその潜水艦が漣にも牙を向いた。
漣は『曙』・『早波』・『島風』と共に油槽船三隻の護衛に当たることになったが、その航行中にアメリカ潜水艦の『スキャンプ』・『ガードフィッシュ』・『アルバコア』からなる潜水艦隊と遭遇。
中でもアルバコアは『天龍』・『大潮』・『大鳳』を撃沈しており、その戦果に漣も含まれることになってしまった。
アルバコアの放った魚雷三発が漣に直撃すると、弾薬庫に引火してしまい、爆発を起こした漣は被雷してからわずか二分後には沈没を始め、最後には船体が二つに割れて沈んでいった。
天津風の艦長に転任予定だった艦長の菅明次少佐を含む一五四名が死亡し、八九名の生存者は漣に同航していた曙に救助された。また一六〇名が死亡し、生存者は八〇名とする記録もある。
漣「…………」フゥ
日頃の報告を終えた漣が姿勢を直すと、その際にふと右隣の朧が目に入った。
朧を含めた普段から共に過ごしている曙と潮、そしてその隣に位置している祥鳳と島風、春雨は未だに黙祷を続けている。
漣(みんな……)
漣はその光景を目の当たりにして思わず熱いものがこみ上げてきた。
第七駆逐隊(朧は開戦前に引き抜かれて五航戦の護衛に回ったが)のみんなにとって漣は第七駆逐隊で唯一、最後の観艦式となった『紀元二六〇〇年特別観艦式』に出席している誇りある艦なので、真剣に黙祷を捧げていた。
中でも曙は漣の最期を目の当たりにしたこともあり、薄っすらと涙を流しながらギュッと目を閉じて黙祷していた。
祥鳳は珊瑚海海戦で共闘したこともあり漣のことは普段から妹同然に接しているため、大切な妹分の大切な日と言うことで自分のことのように黙祷を捧げていた。
漣は俯き、込み上げてくる涙を隠していると、左隣に立っていた提督が優しく漣の頭を撫でて、笑みを見せて頷いた。
その瞬間、漣は提督の腕にしがみつき、声を殺して涙を流した。
普段からおちゃらけている漣だが、それは艦時代に自分と運命を共にした英霊の人々に暗い自分を見せて心配させまいという思いがあり、どんなに辛くても笑顔でいようと誓っているからなのだ。
しかし今回ばかりは堪え切れず泣いてしまった。
漣が泣いたことに気が付いたみんなは黙祷を終え、すぐに漣の傍に集まった。
朧「こんな時くらい思いっ切り泣いたっていいんだよ?」ナデナデ
曙「そうよ。泣いたって誰もあんたを責めないわよ」
潮「私達がついてるよ、漣ちゃん」ニッコリ
祥鳳「漣ちゃんは一人じゃないわ」ナデナデ
綾波「無理したらそれこそみんなが心配しちゃうよ」ニコッ
敷波「そうそう。こういう時は寧ろ我慢しちゃダメだって」ニコッ
島風「泣きたい時は泣いちゃった方がいいよ!」
春雨「はい、ここには誰も漣ちゃんを笑う人はいませんよ」ニッコリ
漣「うぅ〜……なんも言えねぇ……」
姉妹や祥鳳達からの心優しい言葉を聞いた漣は余計に感極まり、いつものセリフは掠れ声でいつもの迫力はなかった。
それでもみんなは笑うことなく、漣が泣き止むまで何も言わずに優しく寄り添っていた。
漣「うっ……ぐすっ……今年も泣いちゃった……」
曙「別にいいじゃないの。泣いたってさ」
漣「ボノボノちゃん……」グスグス
曙「本当ならこういう時だけじゃなくて、普段からこうしてガス抜きしてくれるとあたしも安心なんだけどね」ナデナデ
漣「ボーロ、ボノボノちゃんが漣を落としにきてるよ〜……」エグエグ
朧「ちょっと何言ってるか分かんない」ニガワライ
潮「でもいつもの漣ちゃんに戻ってきたね」ニコニコ
島風「」チラッ
曙(殴っちゃダメ、殴っちゃダメよあたし!)プルプル
漣「ぼの×さざって需要あるのかな〜?」クスン
祥鳳「ど、どうなのかしら?」ニガワライ
曙(いいわよね? もういいわよね?
春雨「」アワワ
曙はニッコニコの笑顔にこめかみをピクピク動かしつつ、右拳に力を入れた。
すると綾波が透かさず曙の肩を叩き、曙が振り向くと敷波が「あかん」と告げた。
島風「漣ちゃん! お昼御飯食べたら元気になるよ!」
何も分かっていない島風が涙を拭う漣に笑顔で声をかけると、漣は「そうだね♪」と泣きながらも笑顔を見せた。
漣の笑顔を見たみんなは揃って漣に笑みを返し、みんなで食堂へ向かうのだった。
埠頭を去る際、漣はチラリとまた海を見た。
その顔は泣き顔ではなく、眩しくニッコリと笑っていて、漣は心の中で「みんなのために頑張るね!」と海に眠る英霊の人々に誓うのだったーー。
おまけーー
食堂ーー
提督「ほら、漣」つ唐揚げ
漣「んぁ〜……はむっ☆」モグモグ
祥・敷・曙・春『…………』ジトー
漣「ん〜♪ ご主人様に食べさせてもらうと更にメシウマだね〜♪」
提督「それは良かった」ニコッ
綾波「去年と全く同じ絵面だね」クスクス
朧「来年も一緒かな〜?」ニヤニヤ
潮「ど、どうかな〜?」ニガワライ
島風「漣ちゃん元気になって良かった〜♪」モグモグ
漣「ご主人様〜♪ 今度は玉子焼きくだしゃ♪」アーン
提督「あぁ、いいとも」つ玉子焼き
漣「ん〜♪」ムグムグ
(お〜お〜、LOVE勢はめっちゃ見てるね〜……でも今日くらいは、ご主人様にこうして甘えたって罰は当たらないよね♪)ニヒヒ
祥鳳(いいなぁ〜)ユビクワエ
敷波(漣め〜……アタシらが司令官好きなの知ってるくせに〜!)グヌヌ
曙(後でデコピンしよう)グッ
春雨(あ〜んってされたいけど、してあげたいとも思う……////)ドキドキ
こうして穏やかに昼食を食べ、漣は笑顔で今日を終えるのだったーー。
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今日は本文に書きました通り、駆逐艦『漣』が沈んでしまった日です。
この日に沈んでしまった漣。そして漣と共に亡くなった英霊の方々に心からお祈りします。
本文中の情報はWikipediaと『大日本帝国海軍 所属艦艇』より得ました。
此度も読んで頂き本当にありがとうございました!