艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

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これからの未来。の談。

少し真面目なシーン、キャラ崩壊、他作ネタ、独自設定、独自解釈含みます。


艦これSS改28話

 

 ○○鎮守府、一一〇〇ーー

 

 執務室ーー

 

巻雲「お父様〜♪ 抱っこしてくださ〜い♪」

提督「あぁ、いいぞ」ニコッ

 

 提督は巻雲から抱っこをせがまれると、嫌な顔せずヒョイっと抱きかかえ、ソファーへ座った。

 どうしていつも「司令官さま」と呼んでいる巻雲が今回は「お父様」と呼んで娘モードでいるのかというと、今日は巻雲にとって特別な日だからである。

 

 一九四三年、二月一日。この日は駆逐艦「巻雲」がガダルカナル島・第一次撤退作戦で触雷により沈没してしまった日なのだ。

 ガダルカナル島がアメリカ軍の手に落ち、日本は「ガダルカナル島撤退作戦」を決行。

多くの諸島で奮闘した陸軍兵士達を助け出すべく、巻雲は多くの駆逐艦と共にショートランドを出発、一路エスペランス岬を目指した。

 しかし道中で空襲に遭い、これによってアメリカ軍に駆逐隊の鼠輸送を知られることになり、アメリカ軍はエスペランス岬付近に二五〇個を超える機雷を敷設して日本の進軍(当時のアメリカ軍は進軍・支援と認識していた)を阻止しようと試みた。

 

 その時、その機雷群に触れてしまったのが巻雲だった。

 巻雲は触雷して航行不能となり、姉妹艦の「夕雲」が急遽横付けして曳航を実施するも、どんどん浸水し、更には船体も徐々に歪みが発生したため、ついに曳航も断念することになった。

 夕雲は巻雲の乗員を移乗させ、最後は姉の魚雷によって雷撃処分されたのだった。

 

 三度に渡る「ガダルカナル島撤退作戦」で唯一の喪失艦、そして双方の数多くの船が眠るアイアンボトム・サウンドに沈んだ最後の艦となったのが巻雲である。

 

 そんな日を明るく過ごしてもらうため、提督はこうして仕事の傍ら巻雲と過ごしているのだ。

 でも、今日が特別な日なのは巻雲だけではない。

 

提督「ほら、海風もこっちへ来なさい」テマネキ

巻雲「今度は海風さんの番ですよ〜♪」ノシ

海風「は、はい……♡////」カァー

 

 そう、照れながらも提督に抱っこされ、恍惚な表情を浮かべる海風もこの日は特別なのだ。

 

 巻雲が沈んでしまった翌年、一九四四年、同日。

 駆逐艦「海風」はトラック北水道付近でアメリカ潜水艦「ガードフィッシュ」の雷撃を受けて沈没しまった。

 しかもこの年の一月には姉妹艦の「涼風」が沈み、海風はそれの後を追うように沈んでしまい、これにより白露型駆逐艦は「時雨」のみとなってしまい、悪夢の年でもあった。

 あの「ガダルカナル島の戦い」が始まると、第二十四駆逐隊はソロモン諸島へと向かい、ここで護衛任務を任され、「第二次ソロモン海戦」で敗北した後も海風はソロモン海域での鼠輸送、更にはガダルカナル島砲撃などと活躍。

 更にはあの「南太平洋海戦」にも参加し、アメリカ軍の空母勢力を一時的にゼロにする大殊勲にも関わっているが、この作戦の翌月には輸送任務中に空襲に遭い、大破。

 朝潮に曳航され、ラバウルで応急処置の末、佐世保で修理を行い、復帰後も輸送任務を任され、一九四三年七月には新たに電探を増備することとなった。

 しかしその整備修理中に姉妹艦の「江風」が「ベラ湾海戦」において沈没、第二十四駆逐隊は海風と涼風の二隻となってしまった。

 その年の十月末には駆逐艦「満潮」が新たに加わり、第二十四駆逐隊は再び三隻編成となるも、十一月十一日に海風が空襲によって中破、またもや修理に入ることになった。

 これまでなんとか沈没を免れてきた海風だったが、その時を迎えてしまった日なのだ。

 

 なので提督は今朝にしっかりと黙祷を捧げてからは、この二人をうんと甘えさせている。

 その甲斐あってか、二人は大好きな提督と過ごせる時間が多いので、笑顔が溢れていた。

 

提督「海風も遠慮しなくていいんだぞ? 今日は私がうんと二人を甘やかすからな」ナデナデ

海風「は、はい……♡////」

  (嬉し過ぎて甘えるどころじゃないわ……♡////)

 

 提督の膝に座らせてもらった海風は顔を真っ赤にさせて、提督の言葉に歓喜している。

 因みに巻雲は海風が座る膝の反対側に座っているため、提督は二人の背中を左右の手で支えながらいるのである。

 

夕雲「巻雲さんも海風さんも幸せそうね〜♪」

風雲「まぁ二人にとって特別な日だから、とやかく言わないけどさ〜……」ニガワライ

江風「流石にズルいよな」

涼風「んだんだ」コクコク

山風「あたしも、されたい……」ムムム

秋雲「秋雲的には捗るからいいけどね〜♪」サラサラ

 

 かつて共に戦場を駆けた姉妹や戦友達は執務室にお手伝いとして集まり、提督達を眺めつつ、ファイリングやらデッサンやら嫉妬をしている。

 因みに本日の秘書艦は風雲である。

 お手伝いといっても、実際にお手伝いしているのは夕雲だけで、他はみんな野次馬的な感じだ。

 

風雲「ただ嫉妬してるだけなら他でやってよ、これでも一応こっちは仕事してるんだからさ」ニガワライ

夕雲「まあまあ、その分私が手伝うから」ネ?

風雲「夕雲姉さんも少しは注意してよ……」

夕雲「しても聞かないから♪」←既に諦めている

風雲(ちくせう、いい笑顔だ)

夕雲「それに、提督も何も言わないからいいじゃないの♪」

 

江風「夕雲はよく嫉妬しないでいられるよな〜」

涼風「確かにな〜。夕雲も提督のこと好きなのにさ〜」

山風「大人、だよね……」

夕雲「ふふ、私は後で二人の相手に疲れた提督を癒す役目がありますから♡」

山・江・涼『( ゚д゚)』ナン...ダト?

秋雲「流石夕雲。考えてることが違う」ニガワライ

 

夕雲「お二人を散々癒して張ってしまった、あの提督の逞しい両肩に触れられるなら、あれくらい♡」フフフ

風雲「奥ゆかしいのか大胆なのか」ヤレヤレ

 

 夕雲の考えに度肝を抜かれたみんなは、恍惚な表情を浮かべて笑う夕雲を見つめることしか出来なかった。

 

巻雲「お父様、今日はみんなで一緒にお昼ご飯も食べますよね?♪」

提督「あぁ、勿論。私がご馳走するよ」ニコッ

巻雲「その時って食べさせてもらえますか〜?」ウワメヅカイ

提督「巻雲がご所望ならお安い御用さ」ナデナデ

巻雲「やった〜♪」バンザーイ

 

提督「勿論、海風にもな」ウィンク

海風「っ♡////」ズッキューーーン

提督「今日は甘やかすと言ったろう?」ナデナデ

海風「で、でしたら、海風は提督に食べさせて差し上げたいです……♡////」

提督「それでは私が甘やかされてしまうことになるんじゃないか?」

海風「で、でででも、したいんですぅ♡////」ウワメヅカイ

提督「分かった。なら食べさせてもらおう」ニコッ

海風「。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。」←凄く喜んでる

 

 こうして巻雲と海風はそれぞれの辛い日を、大好きな提督、姉妹、戦友達と一緒に過ごし、笑顔溢れる一日となったーー。




今日は本編に書きました通り、駆逐艦「巻雲」・「海風」が沈んでしまった日です。
そして艦これには実装されてませんが、この日、海風ちゃんとは別の場所で潜水艦「伊一七一」が、ブカ島南西でアメリカ駆逐艦の爆雷攻撃を受け沈没してしまった日でもあります。
年や場所は違えど、同じ日に沈んでしまった三隻と英霊の方々に心からお祈りします。

本編の情報は『大日本帝国海軍 所属艦艇』より得ました。

では読んで頂き本当にありがとうございました☆
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