他作ネタ、独自設定、R-15含みます。
※少女の飲酒シーンがあります。
※前作『艦これ Short Story』の艦これSS八十三話が深く関わるお話になってます。
ご了承お願い致します。
○○鎮守府、一七三〇ーー
駆逐艦寮、談話室ーー
夕食時が近くなった鎮守府では、多くの者達が食堂へ赴き、いつも賑やかな寮内は今宵自炊する者達だけとなり、一時の静寂が流れていた。
しかし、ここの談話室に集まる者達がいる。
睦月「この時間って滅多に談話室来ないから、何だか新鮮だね♪」
文月「そうだね、何か寮を貸し切ってるみたいでドキドキするぅ♪」
睦月と文月だ。二人はコタツに入って誰かを待っている様子で、ドキドキワクワクといった表情を浮かべている。
すると談話室のドアがガラガラと開き、
電「お待たせなのです〜♪」
五月雨「お待たせ〜♪」
電と五月雨が顔をひょっこり出すと、睦月と文月は「来た来た♪」と笑顔を浮かべ、コタツの電源を消し、マフラーやミトンで防寒対策をした上で四人で寮を出た。
これからこの四人だけで鎮守府の側にある池へ、お出掛けをするのだ。
勿論、それぞれの各姉妹と提督にはちゃんと許可を貰っている(二〇〇〇までには帰るという条件付き)し、提督達は四人を信頼して許可したので、睦月達も提督や姉妹のみんなに迷惑をかけないよう心掛けている。
今回、どうしてこの四人が池に行くのかと言うと、電の机にいつの間にか置かれていた手紙がきっかけだった。
真っ白な封筒には差出人も書いておらず、中は小さな紙が一枚だけあり、そこには『本日の一八〇〇に池で待ってる。あの日の四人で来い』と書かれ、電は小首を傾げた。
しかし手紙の最後、かなり小さく『あの日に渡した盃だけは持ってこいよ!』と書かれていたので、電は合点がいった。
一年前の丁度この日、電を含めたこの四人はとある友達が出来たのだ。
鎮守府側の池ーー
懐中電灯で獣道を照らして進み、小さな池の場所までやってくると、
少女「お〜い♪」ノシ
睦月達と同じ背丈の少女が池の側に大きなござを敷き、睦月達を出迎えた。
そう、あの時の鬼である。
去年のこの日、睦月達はこの鬼の少女とひょんなことから友達になった。そのきっかけとなった猫もちゃんと少女の傍らに寄り添っている。
あの手紙はどうやって送ったかは謎だが、この少女が電へ送ったものだったのだ。
電「あの時の鬼さんなのです〜♪」
少女「久しいね〜♪ 元気にしてたか〜?♪」ナデナデ
睦月「睦月達はいつも元気だよ〜♪」ニャシー
少女「それはいいことだな〜♪」
文月「猫ちゃんもお久しぶり〜、覚えてるかな〜?」ノシ
猫「にゃ〜♪」スリスリ
五月雨「わぁ、覚えてくれてる〜!」キラキラ
少女「こいつ雄だから、自分が気に入った異性は忘れない奴なんだよ〜」ニシシ
睦月「おぉ〜、男の子してるね〜」ナデナデ
電「一途の方が素敵ですよ〜?」ナデナデ
猫「にゃ〜?」
そんなこんなで再会を果たしたみんなは円を描くようにござへ座った。
少女「では、改めて! 今宵は来てくれてありがとう♪ 向こうで河童とか天狗とか半人半霊に頼んで、焼き魚とかおにぎりとか煮物とか色々作ってもらってきたんだ♪」
猫「にゃ〜♪」
少女はそう言うと大きな七段にもなる重箱をドドンと睦月達の前に置いた。
電「はわわ、いいのですか?」
睦月「睦月達、何も持ってきてないよ〜」
少女「私が勝手に企画したから気にしなくていいよ♪ それより盃は持ってきた?」
電「それはちゃんと持ってきたのです♪」つ盃
少女「上出来上出来♪」
文月「あたし達持ってないけどいいの〜?」
少女「へーきへーき♪ 三人の分はちゃんと用意したよ♪」つ盃×三
五月雨「頂いていいんですか?」
少女「勿論、これは私との友達の印だからね♪ 遠慮することないよ♪」
少女はそう言って盃を持っていない睦月達に手渡すと、三人は笑顔でお礼を言い、その盃を嬉しそうに眺める。
少女「みんなお酒は回ったよね? それじゃ、再会出来た記念に乾杯だ〜♪」
猫「にゃ〜ん♪」
四人『カンパ〜イ♪』
こうして艦娘の少女達と鬼の少女、そして猫とのささやかな宴会が幕を開けた。
少女「ささ、飲んで飲んで♪ 今回は瓢箪のお酒じゃなくてみんなも楽しく飲めるやつ持ってきたから♪」
そう言う少女の背後には四斗樽(一升瓶四〇本分)が下から三・二・一と計六つがピラミッド型に積まれている。
電「こんなに!?」ビクッ
睦月「ふぇ〜……こんなに飲めないにゃしぃ」
少女「え、そうなの? これでも足りないと思ってたのに」
五月雨「鬼さん達はお酒が好きなんですね♪」
文月「お酒屋さんは儲かるね〜♪」
少女「そうだね〜……私には売ってもらえないけど」
睦月「へ?」
少女「ううん、何でもない♪」
そして時は過ぎーー
少女「あ、そ〜そ〜。
そう言って少女は睦月達一人一人に一冊のアルバムを渡した。そこには少女の飼い猫の愛くるしい姿が沢山収められていて、睦月達は少女に笑顔でお礼を言った。
すると電の
電はここへ来る前に、二〇〇〇の十分前になったらアラームが鳴るようにセットしておいたのだ。
電「時間なのです……」
寂しそうに電がつぶやくと、睦月達も「そっか……」と寂しそうな顔を浮かべた。
少女「何湿気た面してるのさ〜♪ せっかく楽しい時間を過ごしたんだから、最後まで楽しく過ごそうよ♪」
少女がそう言って睦月達を励ますと、猫も「そうだよ」と言わんばかりに鳴く。
それを見た睦月達は「そうだよね」と頷き、笑顔を見せた。
少女「また来年、それかもっと早く会えるように私もスキマに頼むからさ♪ 今回はお開きにしよう?」ナ?
電「はいなのです!」
睦月「絶対にまた来てね!」
文月「待ってるねぇ♪」
五月雨「約束ですよ♪」
少女「あぁ、勿論。鬼は嘘を付かない。鬼との約束だ♪」
そう言葉を交わした睦月達と少女は指切りをし、最後まで笑顔で鎮守府へ戻っていった。
ーー
女性「宴会は終わったかしら?」
睦月達が見えなくなると、一人の女性が音も無く現れて、少女へ声をかける。
少女「終わったよ〜」
女性「なら、早く戻りなさい。繋げるのも容易じゃないんだから」
少女「分かってるって……なぁーー」
女性「会わせてあげただけでも感謝なさい」
少女「けち」
女性「永遠に会えなくしてあげてもいいのよ?」ニコニコ
少女「分かった! 分かったって! また何か手伝うからさ!」
女性「素直な子は好きよ♪」
こうして鬼の少女は宴会の荷物を持って、飼い猫と共に謎の女性が操る不思議な空間へと消えていくのだったーー。
今回は東の方のネタを絡めた交流会的な感じにしました!
分かる人にしか分からないネタでごめんなさい。
読んで頂き本当にありがとうございました!