艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

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するものではなく落ちるもの。の談。

キャラ崩壊、独自設定含みます。

いつもより長いです。


艦これSS改80話

 

 ○○鎮守府、一〇〇〇ーー

 

 重巡洋艦寮、青葉型姉妹部屋ーー

 

青葉「う〜ん…………」トントン

 

 青葉は唸るように声をもらし、デスクのパソコン画面とにらめっこしながら持っているペンでデスクを軽く叩いている。

 

古鷹「青葉、さっきから何してるの?」

衣笠「今度の特集記事でも考えてる唸り声かな、これは」ニガワライ

 

 そんな青葉の後ろで衣笠と古鷹は共にお茶をすすっていた。加古がお昼寝に行ってしまったため、古鷹は青葉達の部屋にやってきたのだ。

 

 衣笠の言葉に古鷹は少し興味を持ち、ちょこちょこと青葉の元へ行った。

 

古鷹「青葉〜、次の特集ってどんなの?」

青葉「シスコン勢の皆さんが司令官に落とされた経緯を書こうと思ってるよ〜」

 

古鷹「(*ㆁд☆)」ナン...

衣笠「(。ӦдӦ)」ダト...!?

 

 青葉の言葉に衣笠達は興味が湧いた。

 シスコン勢……それは姉をこよなく慕う艦娘のことを言う。

 因みにこの鎮守府で提督にほの字なシスコン勢は

 

 山城・千代田・筑摩・大井

 

 の四名である。

 青葉はこの四名の特集記事を書こうとしているのだ。

 勿論、四名にちゃんと取材し、それぞれから許可も得ている。どうしてあの四名が取材を受けたのかというと、艦娘にしか配られない新聞ということと、これだけ自分は提督が好きなのだと好敵手達へアピールしたいからだ。

 

衣笠「取材テープあるんでしょ? ちょっと聞かせて!」

青葉「ネタバレは避けたいんだけど……」

古鷹「記事が出るまで公言しないから!」

 

 二人の気迫に負けた青葉は苦笑いを浮かべて取材の録音したテープを衣笠に渡した。

 

青葉(二人もLOVE勢だから、他のLOVE勢がどういう経緯で司令官に惚れたのか気になるんですね〜)

 

 いそいそと取材テープを聴き出す妹と親友を見て、青葉はそう思いながら「これは頑張って記事にしなくてはいけませんね」と気合を入れ直すのだった。

 

衣笠「最初は……山城さんだね!」

古鷹「は、早く聴こう!」

 

 

 ー取材テープ・山城編ー

 

青葉『山城さんは司令官さんが好きですよね?』

山城『えぇ、好きよ。扶桑姉様と同じくらい』

青葉『では早速本題なのですが、どうして惚れたんですか?』

 

山城『提督はね、私を不良品だと決めつけなかったの』

青葉『不良品……』

山城『えぇ……私は姉様の次にここへ着任した二番目の戦艦だった。その次に陸奥や榛名、金剛、日向と多くの戦艦が着任した。でも提督は私や扶桑姉様を艦種制限以外で第一艦隊から外すことはなかった』

青葉『それだけ信頼されていたんですね……』

山城『そうね……でも当時の私はどうせ他の人達の練度が上がれば外されるって、そう思ってた』

 

山城『私はその日が来るのが怖かった……どうせいつか外されるなら、今外してほしい……そう思った』

青葉『それで司令官に直談判しに行ったんですね』

山城『えぇ、そうよ。流石よく知ってるわね』クスッ

青葉『恐縮です。それで直談判しに行った時にどうなったんですか?』

山城『笑われたわ……そんなことで第一艦隊から外す理由にならないって』

青葉『ほぅほぅ……それで?』

山城『「みんなの練度が上がれば、山城達はより練度が上がっている。そうなったら確かに常時の第一艦隊から外すが、その時は二人に訓練教官を任せるつもりだ」ってね』

 

山城『「史実はどうあれ、私の扶桑と山城が優秀であることは私が一番知っている。だから今の君達の実力をこれからも仲間や海の平和のために役立ててほしい。私には二人の力が必要だ」……そう言ってくれた』

 

山城『こんなにも必要とされることが嬉しいなんて思わなかった。あんなにも未来を見据える目が輝いているなんて分からなかった。その言葉で私は恋というものに落ちたのよ♡』

青葉『今でも真の第一艦隊にはお二人が揃って名を連ねてますからね……やはり司令官あっての今のお二人なのでしょうね!』

山城『ヨイショしても何も出ないわよ?』フフフ

 

 ーー

 

衣笠「ふぇ〜、こんなエピソードがあったんだ」

古鷹「あの頃から、提督は提督だったんだね」クスッ

衣笠「よし、次行こ! 次は誰かな?」

古鷹「これは……千代田さんだね♪」

 

 

 ー取材テープ・千代田ー

 

千代田『提督を好きになった理由か〜……どんなに私が提督を邪険にしても笑顔で向き合ってくれたから、かな』

青葉『ほぅほぅ』

千代田『最初はその余裕にムカついた。でも常にお姉と出撃させてくれるし、常にお姉と一緒に鍛え上げてくた』

 

千代田『それでそんな時、ふと思ったの。私は千歳お姉のオマケじゃないって……知らず知らずのうちに私個人を見てほしい、そう思ってたの』

 

千代田『そっからかな? お姉に負けないように提督にアピールするようになったのは』アハハ

青葉『そこは意外とあっさりですね』

千代田『やっぱそう思う? 私も自分のことなのにそう思ったんだ♪』

 

千代田『なんだろうな……理由になってないかもだけど、提督だから(恋に)落ちちゃったんだよ、私♡ 提督じゃなきゃこうはなってないって、そうはっきり言えるもん♡』エヘヘ

 

 ーー

 

衣笠「どうしよう、千代田さんすごく可愛い////」

古鷹「聞いてるこっちがドキドキしたよぅ////」

衣笠「次は筑摩さんの……聞こうか////」

古鷹「////」コクコク

 

 

 ー取材テープ・筑摩ー

 

青葉『では早速お聞かせください♪』

筑摩『少し恥ずかしいですね……でもそうですね、姉さんをこの方になら任せられる、そう思うようになったら私もくびったけになってました////』

 

筑摩『私は姉さんを残して沈んでしまいました。だから今度はそうならないよう、姉さんを一人にさせないよう、目一杯お世話してました』

 

筑摩『そんな私に提督が言ったんです。「時には筑摩も私に甘えなさい。筑摩が利根を大切に思うように、私も筑摩を大切に思っている」……と』

 

筑摩『「その前に頼ってもらえるように、私も精進せねばな、あはは」な〜んて言うんですよ? 困ったお人ですよね?♡ でもその言葉で私は分かってしまった。誰かに思われる心地良さを……』

青葉『なるほど……』

 

筑摩『提督って嗚呼見えて、少しそそっかしいところがあるじゃないですか? そんなところに胸の奥に心地良い締め付けが出るようになりまして……それで提督と姉さんのお世話をする、そんな人生を過ごせたらと考えていたら、気付かぬ内に落とされていました♡////』ハゥ

 

 ーー

 

古鷹「はわわ〜、まさか筑摩さんがこんなになるなんて……////」

衣笠「筑摩さんって嗚呼見えて肉食系だもんね……行動力も高い訳だわ////」

古鷹「最後は大井さん、だね」

衣笠「聞きたいような、怖いような」ニガワライ

 

 

 ー取材テープ・大井ー

 

大井『え、もう回ってる? は、早く言いなさいよ! 魚雷ぶち込むわよ!?』

青葉『す、すみません……で、司令官に惚れた理由はなんでしょう? 着任当初はとても司令官のことを毛嫌いしていたと聞きましたが?』

 

大井『…………北上さんがいるでしょ?』

青葉『はい』

大井『私は北上さんより早く沈んでしまった。だからあの人には想像以上に辛く苦しい使命を負わせてしまった。私も生き残ってれば、その重荷を半分……いや、それ以上背負ってあげられたのに』

青葉『…………』

 

大井『だから私は北上さんや姉妹のみんなが笑顔なら、姉妹のみんなを守れるならそれで良かった……それが私が艦娘としての使命だった』

 

大井『提督にもちゃんとそう言ったの。今は私がいる、だから姉妹のみんなに余計なことしないで、って……』

 

大井『なのに提督ったら、「ならその重荷を今度は私が半分背負う。だから一人で無理はしないでほしい」だなんて言って……////』

 

青葉『当時の大井さんはそれだけ切羽詰まっていたのでしょうね……』

大井『みたいね……我ながら失態だったわ。でも、そのことをちゃんと気付いて、指摘してくれて、更にはあんなお節介なことまで言われて……そこからね、私が提督を目で追うようになったのは♡ 今ははっきり言えるわ、恋はするものじゃなくて落ちるものってね♡』クスッ

青葉『素敵なお話ですね〜♪ 是非ともこれを司令官nーー』

 

 ガシャン←魚雷発射管装備音

 

青葉『あ、あはは〜……冗談デス……』

 

 ーー

 

古鷹「すごくいい話だったね……」

衣笠「鼻血噴き出す落ちかと思ってた……大井さん、ごめんなさい」

 

 ガチャーー

 

加古「古鷹〜、腹減った〜」アフッ

古鷹「え、もうそんな時間?」

衣笠「あ、ホントだ! お昼御飯食べに行こ♪」

青葉「………………っし! 出来た〜!」

 

古鷹「あ、記事書き終わったの?」

青葉「はい♪ 満足のいく出来です!」フンス

衣笠「なら明日の新聞楽しみにしてるね♪」

青葉「期待しててください♪」エッヘン

 

加古「腹減った〜」クゥ

古鷹「あ、ごめんね! じゃあ、みんなで行こっか♪」

衣笠「うん♪ 今の時間なら提督もいるかもだしね♪」

青葉「あのテープに影響されて猛アピールしないようにしてね……衣笠に限ってはアグレッシブ勢に片脚突っ込んでるんだから」ニガワライ

衣笠「だ、大丈夫だよぅ……流石に夜這いとか出来ないもん////」カァー

古鷹「大和さん達みたいにはちょっとね……////」

青葉「それどんなお話なんですか!?」kwsk

加古「ご〜は〜ん〜!」ブンブン

 

 こうして今日も鎮守府は賑やかに、それでいて平和に時がすぎるのだった。

 

 後日、青葉タイムズの山城達の特集はかなりの人気を博した……が、それの影響からか、提督へのアピールが少し強くなったそうなーー。




今回は言い方は悪いですが、シスコン勢が提督に落とされた経緯を短めですが書きました!

読んで頂き本当にありがとうございました☆
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