艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

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忘れないで! の談。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS改96話

 

 ○○鎮守府、〇九〇〇ーー

 

 食堂ーー

 

加古「ふぁ〜……寝ても寝ても眠い〜」

古鷹「加古は寝過ぎなんだよぅ……今日はお休みだから寝かせておいたけど、全然起きないんだもん」ムゥ

 

 大あくびをする加古に古鷹は小言をこぼす。何故なら二人はこれからやっと朝食だからだ。

 今日の二人は揃ってお休み。なので古鷹は加古が起きるまで待っていたが、加古は全く起きる気配がなかったので結局のところ古鷹が起こした次第。

 

加古「だってさ〜、春で日差しはポカポカだしさ〜、布団や枕はふかふかで最高だしさ〜、起きるなんて無理じゃね?」

古鷹「限度があるって言ってるの」プンスコ

 

 いつもは聖母スマイルの古鷹がこうも怒るのは珍しい。

 それもそのはず、今日は仲良しの青葉が秘書艦なので加古がちゃんと起きていれば提督と朝食を一緒に過ごせたはずなのだ。青葉もギリギリまで二人を待ったが、古鷹は渋々断る他なく、それが今も尾を引いているのである。

 

加古「そんなに怒るなら、あたしを置いて提督達と朝食食べれば良かったじゃん」

古鷹「置いて行ける訳ないでしょ……私以外に誰が加古を起こすの?」

加古「腹が減れば自然に起きるんじゃね?」

古鷹「またそうやって適当なこと言う〜」

 

 古鷹はそう言うと加古のほっぺたを人差し指でグリグリして抗議した。

 確かに加古を置いて行くことは可能だった。しかし古鷹としてはたった一人の妹を置いて行くのは嫌なので、待っていたのだ……他の姉妹はどうするか知らないが、古鷹はこういう姉なのだ。

 

「ご一緒してもいいかしら?」

 

 するとそんな二人に声をかけてきた者がいた。

 その正体は雲龍で、雲龍は朝食のおぼんを持っている。

更にその後ろには暁と響も一緒で、雲龍と同じくおぼん持って古鷹達に挨拶した。因みに雷と電は早朝から遠征に出向いている。

 

加古「お〜、三人も朝飯か♪ 一緒に食おうぜ♪」

古鷹「どうぞ」ニコッ

 

 二人がそう言うと、雲龍達は笑みを返してそれぞれ席につく。

 

雲龍「加古はまたお姉ちゃんからお叱りを受けてるの?」

加古「そうなんだよ〜。今日はちょっと虫の居所が悪かったらしくてさ〜」ニガワライ

古鷹「元はといえば加古が悪いんでしょう?」ジトーッ

暁「なら響のことも注意してほしいわ。響ったら今日はお休みだからって全然起きなくって……」

 

 暁の小言に響は目を逸す。

 

古鷹「響ちゃん、加古みたいになっちゃうよ?」

 

 古鷹に注意された響は「……善処するよ」とだけ返して目は逸したままだった。それを見る暁はヤレヤレと言った具合にため息を吐く。

 

雲龍「どっちもいいお姉ちゃんね。私の妹達は起こしてはくれるけど、それでも私が寝てればそのまま置いて行っちゃうから」サワヤカエガオ

古鷹「そ、それもまた多くある姉妹関係の一つだと思います」ニガワライ

 

 どこか吹っ切れているような雲龍の言葉に古鷹はそう返すしかなかった。

 

加古「まぁ、あれだ……春眠暁を覚えずってやつだから、仕方ないのさ。あたしらスリーパーズにとってはさ」フフン

響「そうだね。春は陽気も良くて暁なんて忘れてしまうから」ウンウン

雲龍「そうよね〜」ニコニコ

 

 三人のフリーダムさに古鷹は思わず頭を抱える。

 しかしその一方で暁は顔を真っ青とさせていた。

 

古鷹「暁ちゃん? そんな顔してどうしたの?」

暁「…………いや」ボソッ

全員『?』クビカシゲ

暁「私のこと忘れちゃいやぁぁぁ!」

 

 そう叫ぶと、暁は食堂から走り去ってしまった。

 

雲・古・加『暁(ちゃん)!?』

響「あ〜、また暁が斬新な勘違いを……」

雲龍「お、追いかけなくていいの?」

響「大丈夫。行き先は司令官のところと相場は決まってるからね」

古鷹「でも誤解は解いた方がいいんじゃ……」

響「誤解も何も、いつもの勘違いだからね。司令官にちゃんとした理由を聞かされて、恥ずかしくなって、部屋に戻って、布団か毛布に包まって、羞恥の念に苛まれたあとに寝ちゃうっていうオチだよ」フフリ

加古「いや、妹なら慰めるなり何なりしてやれよ」ニガワライ

響「私は姉には強く生きてほしいと願っているんだ」キリッ

雲龍「ものは言い様ね」ニガワライ

古鷹(暁ちゃんも苦労してるんだなぁ)ニガワライ

 

 こうして勘違いして走り去った暁をよそに響は黙々と朝食を食べ、雲龍達は何とも言えない雰囲気のまま朝食を食べるのだった。

 

 

 そして、執務室ーー

 

暁「びぇ〜ん! 司令官〜!」エグエグ

提督「お、お〜、よしよし」ナデナデ

 

 執務室では泣きながら飛び込んできた暁が提督の胸にしがみついていた。

 提督は何事かと驚いたが冷静に暁をあやしつつ、青葉とお手伝いに来ていた衣笠に席を外すよう目配せし、暁が落ち着くまで優しく頭を撫でてやった。

 

 数分後ーー

 

提督「落ち着いたかな?」ナデナデ

暁「…………うん」グスグス

提督「ほら、鼻チーンしなさい」つティッシュ

暁「は〜い」チーン

 

 ようやく落ち着いた暁を見て、提督はホッとした。

 改めて提督が暁に何があったのか訊ねると、暁はそのまま提督の膝の上に乗ったまま経緯を説明するのだった。

 

 しかし経緯を聞いた提督はどうしたものかと苦笑いを浮かべてしまう。

 

暁「酷いわよね!? 春眠暁を覚えずだなんて……司令官もそう思うでしょ!?」

提督「うむ……確かにその暁が暁のことならば酷い言葉だな」

 

 提督がそう返すと、暁はイマイチ理解出来ずに小首を傾げた。

 そして提督はちゃんと教えてあげるべきだと思い、心苦しいが暁に説明をすることに。

 

提督「『春眠暁を覚えず』とは、暁のことを指している語句ではない」

暁「え……でも私は暁よ?」

提督「確かにそうだ。だが駆逐艦『暁』のことではなく、朝日の暁という意味でだな。孟浩然という中国の詩人が『春の眠りはとても心地よくて、夜が明けたのも気が付かずに不覚にも目が覚めなかった』と言う意味で書き残しているんだ」

暁「へ?」

提督「その詩には続きがあるが、春になるとその部分だけを言う者が多い。春から冬へ移り変わることで自律神経がうまくバランスを取れず、眠気が強くなることから、ついその部分を当てはめてしまうのだろう」

暁「…………////」

提督「暁?」

 

 もうそこからは響が思っていた通りになった。

 提督から丁寧に説明されたことにより、暁は自分の勘違いに気付き、提督から逃げるように去ってしまったから。

 そして響が帰って来る頃には、暁はスヤスヤと規則正しい寝息を刻んでいたそうな。

 

 それから暁はお昼に、ちゃんと提督に説明のお礼と逃げてしまったことを謝ったとかーー。




今日はちょっと遅いですが名前ネタを書きました!
おっちょこちょいな暁ちゃんはやはり可愛いと思うんです(個人的に)。

読んで頂き本当にありがとうございました☆
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