デゥフフフ!遂にこの超絶根暗二次元オタクいじめられっこの俺にも異世界転移と言う名の光が見えたでござる!・・・と言うかこの様な事態の為だけに生きてきたと言っても過言ではないで御座る!!
「・・・・と言いつつ、なんだか言ってて悲しみがスプラッシュでござる。」
「だ、大丈夫忌島くん?」
「うう、こんな天使が男なんて・・・・悲しみの倍プッシュでござる!!」
「うっせぇな豚野郎!せめて道の隅でやれ!邪魔過ぎだ!」
此処はイスタの王城、その『勇者棟』である。この棟は王城の一部でありながら王城と連結してい無い名前がいいだけの監禁場所で在る。そしてその最上階にして、最も要らない勇者三人が居るのがこの階であった。
「その様なことを申されても真白殿?此処は『我々』の部屋故別に拙者が何処で丸まろうとどうでもいいでは有りませぬか。」
「・・・まあ、そうなんだけどよ?だからってよ、ど真ん中で天塚とイチャコラしてんじゃねえ!」
「僕は男だよ!?真白君!」
勇者は彼ら以外に後二十七人間が存在し、彼らは故あって『要らない勇者』とされたものの能力や、しぶとさは一級であるため勇者によって捕獲されたものの殺すことが出来ないので此処に詰められて居るのだ。
「・・・・看守は行ったでござるか?」
「・・・監視魔法も干渉魔法も全部消しとばした。」
「・・・じゃあそろそろ脱獄しちゃう?」
彼らが『要らない勇者』とされた理由の一つが強すぎる。と言うのがある。勿論彼らより強い者は存在するがそれらを出すには弱く、勇者や兵士が抑えるのは些か強いのである。
「しかし、此処を破壊したとしてその後如何するでござるか?此処にはあの化け物もいるのでござろう?」
「ううん、如何やら彼ら『迷宮都市』?って言う所まで遠征に出たらしいよ、それに忌島君なら『死なない』くらいできるでしょ?」
「そう言う事なら此処をぶっ壊して空路で逃げんぞ、オッケイ?」
そしてもう一つの理由として彼らが余りに常人離れしていると言うのがある。
「ふむ、では『セーブ』しておくでござる。」
死を恐れず、死んでも死なない不死身の精神異常者。
「じゃあ、みんなを正気に戻さないとね。『我が智略は千里を捉える』『性能変化:大軍師』・・・衛士が戻るまで後十分、比較的魔物が生息せずこの王城から遠く、暮らしやすい場所は『イースト』此処から東に行った所の街である!『性能変化:終了』・・・ふう、疲れたよ。」
愛らしい姿や形を持つが故自身や自分の身内だけを考えて動く
「っけ、お前らは本当にチートだなぁ?『拒絶』!」
そして、反社会的な見た目とは裏腹に情に厚く、誰かといないと死にそうになり誰かがいたら拒絶してしまう、そんな思春期の塊の様な眼つきの悪い青年・・・のように見えるが女子である、サラシを外すと凄いんです的なアレである。
「オッホ!そんな事を言いはじめるのが『全ての拒絶者』とか言う中二病と高二病が合わさって最強に見えるチートを持ったお主に言われるとはwww腹が痛いで御座るぅ!」
「ヤメロォ!スキル名を言うんじゃない!」
「えーカッコイイのに?」
「・・・天塚・・・。」
「なん・・・だと!天塚ちゃんのネーミングセンスが壊滅的だトゥ!?」
楽しく漫才をしている彼等だったが階段を登ってくる金属音を聞きサッサと空を走って行った。
「枢機卿様!あの三人が逃げ出しました!」
「役立たずが。」
バシュンと言うのが伝令に来た兵士三人が聞いた最後の音だった。
「陛下の邪龍討伐隊は現在使えん、それにあ奴らと勇者を合わせれば如何なるか・・・判っているな?」
「はい、勿論でございます。」
血塗れになった豪奢な部屋には死体が三体だけだったのだが何処からか枢機卿に返答する声が聞こえた。
「ではいけ。」
「御意。」
了解の返答ごその部屋から枢機卿以外の気配は消え去り、同時に血も死体も全て片付けられ部屋は元の姿を見せていた。
「まあ、もうこれからどうなろうと彼のお方は復活し、勇者どもはその礎となるのだがな。」
そう言って笑う彼の姿は矢張りとても聖職者には見えない邪悪で醜いナニカだった。
「むふー、真白殿、してこれから如何していくで御座ろうか。」
空を走る三人の人影のうち忌島と呼ばれていた彼が口を開く、如何やら全員それなりに体力はあるらしく、かなりの距離走っている。
「ああ?」
「如何やって何処で生活するかって事だよ。真白君。」
勢いで威嚇した真白と呼ばれている彼女は天塚と呼ばれている彼・・・男の娘の補足説明に納得する。
「そうで御座る。あそこはなんだかんだかなり上位の生活レベルであったで御座る。しかし、我等が今向かっているのは些か酷いかも知れないで御座るが中世ヨーロッパが最上限の普通の街で御座る。窃盗や強盗、奴隷、意地汚い貴族や領主、荒くれ者に貧民街、生き抜くにはそれなりにスキル以外の技能が必要で御座る。」
別段威嚇を気にした様子もなく喋る忌島の言うことは最もであった。此処は彼等のいた世界より科学は原始的であるし生活レベルも高くない、それにもともと高校生であったので特別出来ることがある者の方が少ない。
「まあ、そうだな、一応冒険者って言う自由業があった筈だからそれが一番マシか?」
首を捻りながら王城の図書館や拘束される前の話した人々の話をまとめた結果浪漫溢れる冒険者と言う答えを弾き出した真白だったがそれを見て天塚と忌島が呆れた様な顔をする。
「ほーう・・・・真白殿?特技やナニカスキル以外の技能はお有りでござるか?」
「はあ?そりゃ技能って程でもねえが喧嘩は得意だぜ?」
「うーん、真白君、いいかい?僕は格闘技とちょっとした暗殺術、鍵開けに気配消し、おまけに最近水魔法を覚えた。これだけ出来て漸く冒険者見習いだ。」
「ほえ?」
天塚の特技・・・と言うか技能に目を丸くする真白。
「拙者は弓と棒術、格闘技、言ってはあれかも知れぬが料理や裁縫、それに五属性魔法に補助系魔術を習得しているで御座る。また気配の隠蔽や気配察知は補助魔術で補っているで御座る。」
「なん・・・だと?」
そして、更にいじめられていた忌島の技能を聞き戦慄する。
「は?え?じゃあなんでお前らは学校で虐められてたんだよ?」
真白にそう言われると溜息をつく二人。
「あのね真白君、そもそも一般的な生活をしてたら要らない技能だから見せびらかす事もないし、何よりクラスメイトを消したら僕以外にも被害が行くだろ?」
そう言って天塚はまるで何時もの顔が嘘の様な暗い表情と研ぎ澄まされた殺気を出す。
「デゥフフフ!デゥハハハ!まさか異世界転移を夢見ていた拙者がこの程度の技能習得をしてないとでも?・・・・あまり舐めるんじゃねぇぞたかがヤンキーが。」
忌島も何時もの口調が無くなりどす黒い狂気滲ませた笑みと凄みを滲ませる。
「な・・・」
彼女は学校でもかなりのはみ出し者だった、其れを誇りにすら思っていた・・・そして理解させられた。自分などまだ社会の内側の生き物だったのだと。いや、これ以前入れられた王都の迷宮で見た二人の動きや警戒仕方の慣れ怯えのなさから既に可笑しかったのだ。
「まあ、僕は帰りたい、忌島君は此処に残りたいとスタンスが違うけど冒険者になるのは方向性としては良い事だね。」
「デゥフフフw拙者も楽しみで御座るよ!」
さっきまでが嘘の様な朗らかさで喋る二人を茫然と見る真白。
「「そのために君には修行が必要だね!!」」
そして唐突に振り返り二人で声を揃え、いつの間にか真白の両脇を抱えそう言った。
「ほえ!?」
気がつくと二人は真白の『拒絶』無しで自身の魔法や魔術で浮遊し動き回っていた、そして近くの山に着陸させられた真白は二人に引きずられ山の奥に連れていかれていった。
「デゥフフフwwww」
「あははははは!」
「うおー!は、はにゃせ〜!!」
今まで軽く拒絶すれば全てが吹き飛んだと言うのに二人は巧みにレジスト、若しくは受けきり抵抗する真白に当て身を当てる。
「これで上手く撒けたかなぁ?」
「うむ、一応夜闇に紛れて幻影を放っておき、更に幻惑魔術と魔法を三重程の撒いておいたで御座る。」
「・・・ムウ、感知できなかったなぁ〜。」
「デゥフフフ!修行が足りぬで御座るよw」
そう話しながら山奥に消えて行った。
忌島
元々異世界物の小学生の頃からラノベにハマって居たのだが、その頃新聞で集団神隠しの報道が増えたことがきっかけでその頃から大量の習い事を始めそれこそ狂った様に武術や生活技術の技能獲得に為奔走し、そして、高校生になり自身の性格に合った体型喋り方に成り、クラスで態々虐められるように仕向けて居た。因みに元々天才じみた器用さがあり、それに狂気的な修練と吸収力を発揮し武術家としては一流、棒や剣を持たせても化け物じみている。頭も良く、本気を出せばもっと上の高校に行けたが彼の目的は飽くまで異世界転移、過去の情報から最も怪しい高校として今の高校に入学。因みに現在の体型は造った物なので元は細マッチョ、多分次回登場時には既に元に戻っている予定。
天塚
元は孤児、自分の人生のを自身を預かってくれた孤児院に捧げる積りだったがその孤児院が地上げによって閉鎖寸前まで追い込まれそこで彼は『自分の家族を守る家族以外を犠牲にする』と言う大凡常人を超えた狂気的な決意を固め幾つかの事件を起こしつつ手始めに地上げ業者を闇に葬り、様々な裏稼業とバイトを通して孤児院を持ち直す、そして異世界転移までごく一般的な青年を演じて生きて居たが転移させられた時から帰る為だけに行動を開始、しかし一人では限界がある王城と未知の異世界で自分以上に異常な忌島と手を組むことにし互いに利用すると言う関係に、そして、帰還の鍵として『拒絶』のスキルに目を付けいずれ彼女に世界を拒絶してもらう為に真白を利用しようと現在修行させている。
真白
唯のヤンキーだが、正義感や野望などが薄く召喚時の洗脳じみた魔術も付与されたスキルによって拒絶、まるで主人公のような立ち位置にも見えるがスキル抜きで考えると唯のツンデレヤンキー、喧嘩は得意だと自負して居たが圧倒的技量と心構えの差から豚野郎罵って居た忌島にも勝てず、こんな細っこいのには負けないと意気込むも普通に腕力と技量、そして覚悟の差で天塚に笑顔でのされスキル使用しても二人に一向に勝てずいじけているが、根は真面目なので現在修行させられている。現在最も人間らしい勇者、むしろ真白に目を付けた二人が人外過ぎるだけかもしれない。
属性適性
常人なら一つあれば良いとされているが、実はどんな種族、どんな環境で生きてきたとしても想像力で決まってしまう、なので何属性あっても別段凄くない、因みに魔力がある事が前提にあり勇者は強制的に魔力を付与されているが、現地人のジャックのように魔力が少ない(無い)者も居るなので適性の有る無しはある意味魔力の有る無しを示して居る。・・・まあ、外部から取り込んだり、空気中から取り込んだりすれば問題なく魔法を行使できるが現実そんな事ができる者は限られて居る。
迷宮
所謂ダンジョン、神様製だったり、魔王製だったり、自然湧きだったりと様々だがジャック達の居る迷宮都市はその全域が迷宮とかしており中心部は世間的には秘匿されイスタにとって最も大きな汚点である『イスタリア』の王都である。その中心の古城は現代では侵入不可とも言われイスタも手を出せないが地下からじわじわと進めると言うのが判明してからと言う物国を挙げての一大事業となり、その後冒険者ギルドと『迷宮管理委員会』の手によって独立、イスタの管理を振り払って独立小国家となって居る。因みに神様製。