仮面ライダー剣 〜切札と帽子と本の旅人〜   作:龍牙

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四幕

「はぁ!」

 

 

「ふっ!」

 

 

ぶつかり合うブレイドのブレイラウザーとチーリンアンデッドの刀。

 

 

(…力は向こうの方が上か…。)

 

 

先ほどの一瞬、有る意味当然ながら自分がチーリンアンデッドに対して力負けしている事に気が付き、素早く相手に対抗する戦略を組み立てる。

 

 

流石に相手は上級アンデッド、ライダーとは言え、純粋に力と言う部分では負けている事は寧ろ多いとも言える。(極々一部だけ、比較的簡単に勝てた少数派に分類できる上級アンデッドも居るが、目の前のチーリンアンデッドは間違いなく、多数派である。)

 

 

振りかぶり正面から真っ直ぐ刀を振り下ろすチーリンアンデッドに対してブレイドは、

 

 

「力でぶつけ合うだけが剣じゃない。」

 

 

僅かに斜めにして構えたブレイラウザーで刀を受け止め、相手の刀をブレイラウザーの上を滑らせる形で受け流す。

 

 

そして、それを受け流した事で相手の体制が崩れた瞬間を逃さず、素早くチーリンアンデッドへと斬撃を浴びせようとしたが、

 

 

「なるほど、それなりに技と機転は有る様だな。」

 

 

当のチーリンアンデッドは大きく後に跳びブレイドの一閃を大きく回避する。

 

 

「チッ!」

 

 

攻撃を回避された事を舌打ちしつつ、ブレイラウザーのトレイ部分を展開、素早く『マッハ・ジャガー』と『スラッシュ・リザード』のカードを取り出す。

 

 

流石は上級アンデッド…それもキングを除く全てのスペードスートのアンデッドを封印した程の実力者、全ての能力がノーマルのブレイドを上回っているはず。ならば、

 

 

(…マッハのカードで一気に距離を詰めて、スラッシュの斬撃…。)

 

 

そんな相手に対抗する為に、そう戦い方を組み上げる。

 

 

「どう来るかは知らんが、これならばどうだ?」

 

 

そう言ったチーリンアンデッドが刀を地面に刺し、両腕をぶつけ合うと……ブレイドのディアーサンダー以上の無数の電撃がチーリンアンデッドから放たれる。

 

 

「ッ!? チィッ!」

 

 

 

《MACH》

 

 

 

とっさに手元に有った『マッハ』のカードをスラッシュし、それによって得られたスピードでチーリンアンデッドの稲妻を回避する事に成功する。

 

 

「逃がさんぞ!」

 

 

今まで放っていた電撃を纏いながら、刀を抜き取るとチーリンアンデッドの纏っていた電撃が刀へと流れて行く。

 

 

「ライトニングスラッシュか、それは!?」

 

 

 

《SLASH》《THUNDER》

《LIGHTNING SLASH》

 

 

 

それには流石に驚いてしまう。だが、同質の技に対抗する為に素早く『スラッシュ』と『サンダー』のコンボによる必殺技『ライトニングスラッシュ』をチーリンアンデッドへと振るう。

 

 

剣での攻撃といい、雷撃といい、目の前のアンデッドはブレイドのバトルスタイルに近い能力を持っている。自分のスート…スペードのアンデッドに相応しい能力であると内心頷いてしまうブレイドが居た。

 

 

(…こいつの言葉を信じるなら、オレの実力を確かめるらしいけどな…。)

 

 

「どうした…ブレイド…お前の力は、その程度か!?」

 

 

「冗談、オレの力はこんな物じゃない! (こいつ…やっぱり強い!)」

 

 

心の中でそんな事を考えながら、ブレイドはチーリンアンデッドの言葉に対して、そう言い返す。戦って見てはっきりと分かった事だが、予想通りチーリンアンデッドの能力は自分よりも高い。

 

 

「面白い、ならば、見せてみろ!!!」

 

 

「ああ、見せてやるよ!!!」

 

 

そう言いながらブレイドは態と剣に加えていた力を抜き、そのまま後へと大きく下がる。

 

 

「ムッ。」

 

 

 

《BEAT》

 

《MACH》

 

 

 

後に下がりながらブレイラウザーに二枚のカードを読み込ませ、加速と共に強化されたパンチを打ち込む。

 

 

「ぐっ!」

 

 

「はあ!!!」

 

 

そして、追い討ちとして体を回転させる形で振るうブレイラウザーでチーリンアンデッドの体を切りつける。

 

 

「むんっ!」

 

 

ブレイドの追撃に反応して素早く刀でブレイドの一撃をガードする。

 

 

「いい動きだな。」

 

 

「それはどうも。……しっかりと、防がれてるけどな。」

 

 

そう言葉を交わし合い、ブレイドとチーリンアンデッドは互いに距離を取る。

 

 

「今度は此方から…行くぞ!」

 

 

そして、そう宣言し、刀を構えなおしたチーリンアンデッドがブレイドとの距離を詰める。

 

 

「くっ!」

 

 

 

《METAL》

 

 

 

素早くスペードの7のカード『メタル・トリロバイト』のカードを使い、自身の防御力を強化し、ブレイラウザーでチーリンアンデッドの刀を防ぐが、その幾つかがブレイドの防御を越えて体を切り付ける。

 

 

「どうした…攻撃は中々だが、防御はその程度か? まあ、そのカードを使った判断力は褒めておこう。」

 

 

「チッ!」

 

 

先にメタルのカードの効果で防御力を高めていなければ確実にダメージに繋がってしまうであろう。

 

 

「…ブレイド…一つ問おう…お前は何故戦っている?」

 

 

「…随分と詰まらない質問をしてくれるな。誰かを守りたいって気持ちに理由なんて…必要無い!!! 使命だからでも! 仕事だからでもない!! オレが守りたいから守る…ただそれだけだ!!!」

 

 

「そうか…いい答えだ。」

 

 

互いに言葉を交わしながら剣戟をぶつけ合う。いや、以前も別の相手に問われた事もあるチーリンアンデッドの問い掛けにブレイドもそれに答え叫ぶ。

 

 

「ならば…その言葉を嘘にしないだけの…キングフォームとやらの力を借りる事の無いお前の自身の力、見せて貰おうか!?」

 

 

「ぐっ!!!」

 

 

そう叫びながらチーリンアンデッドはブレイドの体に蹴りを打ち込み、そのまま距離を取る。

 

 

自分から離れたチーリンアンデッドを視界に納めると、思わず驚きを浮かべてしまう。その距離は自分の手持ちの技の中で最高の破壊力を持ったコンボ、必殺技『ライトニングソニック』を発動させるのに十分な距離だったのだから。

 

 

(相手の意図は兎も角、オレに切れるカードはこれだけ…ライトニングソニックだけか。だったら…ぶつけるしかない!)

 

 

 

《KICK》《THUNDER》《MACH》

《LIGHTNING SONIC》

 

 

 

ブレイラウザーのカードリーダーに三枚のカードを読み込ませると、ローカスト、ディアー、ジャガーのカードの絵柄がブレイドの体に力を与える。

 

 

見ればチーリンアンデッドも同様に右足に雷撃を纏う。

 

 

(また同質の技か…。だったら、それ以上をぶつけるだけだ。)

 

 

 

《METAL》

 

 

 

新たにブレイドに力を与えるカードは『メタル・トリロバイト』のカード。今までの三枚のカードコンボの攻撃力に更に新たなるカードを加え、より破壊力を強化する。それが、ブレイドの考え。

 

 

「三枚のコンボに四枚目のカードの上乗せか…随分と小細工を重ねるのだな?」

 

 

「…単なる気休めだよ…ライトニングスラッシュの時も力負けしたし…多少の小細工でもしとかなきゃ、力負けしそうなんでな。」

 

 

「…ふっ…。その考えは悪くないな。だが…小細工(それ)だけで勝てるとは思うな。」

 

 

「単なる気休めで勝てるほど安い相手じゃないだろう、あんたは?」

 

 

自分と同じ能力・戦法を持ちながら基礎能力の高いチーリンアンデッドとの戦いは常に力負けしていた。技に関しては使ってこないだけなのかもしれないが、ブレイドの方が僅かに優位に立っている。ジャックフォームの飛行能力を利用した戦い方でも、チーリンアンデッドの能力を考えると打ち落とされるのがオチだろう。

 

 

だが、これからやるのは単純に力と力のぶつかり合い。

 

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」」

 

 

互いに放つのは雷撃を纏った飛び蹴り。メタルのカードによる強化をされたライトニングソニックと雷撃を纏った飛び蹴り。破壊力ならば前者の方に間違いなく部が有るが、

 

 

「っ。」

 

 

「ぐっ。」

 

 

その二つの必殺技のぶつかり合いの結果、そのまま互いに吹き飛ばされる事となった。

 

 

「互角か。」

 

 

「まだだ!!!」

 

 

吹き飛ばされたブレイドとチーリンアンデッドだが、先に体勢を立て直したブレイドがブレイラウザーを構え、チーリンアンデッドへと切り掛かる。

 

 

「ふっ。」

 

 

そんなブレイドの姿を見ながらチーリンアンデッドは刀を地面に突き刺し、ブレイドの刃の前に無防備に姿を曝した。

 

 

「な!?」

 

 

チーリンアンデッドのその行動に思わずそんな叫びを上げてしまうが、振り下ろしたその一閃は既に止められる物ではなかった。

 

 

「ぐはぁぁ!!!」

 

 

その一閃を受けたチーリンアンデッドはそのまま倒れる事無く、そこに立ち続ける。それと同時にバックル部分が開く。それはアンデッドの封印が可能となった合図である。

 

 

「お前…どうして…。」

 

 

「言ったはずだ…私の目的はお前の実力をお前の力を確かめたい…ただそれだけだ。そして、見せて貰ったぞ…お前の“意思”を。…お前になら託しても良いだろう…私の力を…。」

 

 

そう言ってチーリンアンデッドが取り出したのは、プローパーブランクのラウズカード。チーリンアンデッドは一切の躊躇無く、そのカードを自分のバックルに突き刺した。

 

 

「聞け…仮面ライダー…。…“四枚のキング”を…奴に…もう一つのジョーカーに絶対に渡すな…。」

 

 

チーリンアンデッドの言葉に合わせてチーリンアンデッドがラウズカードの中に吸い込まれていく。そして、自らの意思の様にそのラウズカードはブレイドの手の中に納まる。

 

 

「カテゴリーペイジ…か。」

 

 

雷光を纏う麒麟の絵が書かれ、『♠PAGE』と書かれたラウズカードへと視線を移す。

 

 

(四枚のキングに、もう一つのジョーカーか。もし、アンデッドが開放された事が関係しているとすれば…このアンデッドがキングを封印しなかったのも…。)

 

 

『実力ではなく、もう一つのジョーカーの手に落ちない様にするため』だとすれば…。

 

 

「…もう一つのジョーカーは…オレ達の中の…BOARDの誰か…? ………まさかな………。」

 

 

己の考えを否定する様にそう呟き、ブレイバックルを外すと変身が解除され、ブレイドは翔の姿に戻る。

 

 

それ以上考えても意味がないとも、クウヤにも話しておくべきかとも考えて、クウヤや葉月達が向かったであろうJACARANDAへ行こうと考えた時、携帯電話が鳴る。

 

 

「もしもし。」

 

 

ディスプレイに表示されている名前はクウヤの物。直に出ると電話の向こうから焦った様な声が聞こえてきた。

 

 

『翔さん! 何処に居るんですか!?』

 

 

「悪い、オレに用のあるアンデッドと戦ってた。それより、何が有った?」

 

 

焦った様子が分かるクウヤからの電話にそう答えながら、問い掛ける。

 

 

『実は、白いダークローチみたいな奴等に襲われて、場所はJACARANDAじゃないんですけど…ここは…。』

 

 

逃げながら話しているであろうクウヤから周囲の目印になりそうな場所の事を教えられると、電話を切り再びブレイバックルを装着する。

 

 

「変身!!!」

 

 

 

 

 

「天音ちゃん!」

 

 

「こっちに! 早く!」

 

 

あの場所から居なくなった天音を探していたクウヤと葉月の二人が、天音を見つけた時、三人の前に白い…以前大量発生した黒い異形の怪物『ダークローチ』の色が反転した様な白に近い灰色の体色を持った怪物『アルビノローチ』が姿を現した。

 

 

かつてライダーだったクウヤの反応は早く天音の手を引きながら葉月と共に、アルビノローチの居ない方向に逃げ出し、唯一直に連絡がつき、助けになる翔に連絡を入れた訳である。

 

 

「天音ちゃん、早く!」

 

 

「掴まって!」

 

 

突き当たったのは行き止まりの様になっているフェンス。先にフェンスの上に登った葉月が天音の手を引き、下になっているクウヤが彼女を押し上げて、彼女が上るのを手助けする。葉月と天音がフェンスの向こうに飛び降りると、直にクウヤもフェンスを登り、そのまま飛び降りる。

 

 

距離は縮められたが、これで少しは時間が稼げるだろうと考えながら、急いでその場から逃げようと走り出す。…翔やあの三人が一秒でも早く来てくれる事を祈ることしか、今のクウヤには出来ない。

 

 

(…くそ…レンゲルのバックルが有れば…。)

 

 

そう思わずには居られない。この場に一番守りたい(カスミ)が居ないのは幸運と言えば幸運だが、そんな事には大して意味は無い。

 

 

…力の使い方を間違えて大切な人を傷つけた次は、力を持たないが為に誰も守れない無力さを思い知るのかと思うと悔しくてたまらないのだ。

 

 

背後から何かが倒れる音がする。アルビノローチ達はフェンスを乗り越えるのではなく、その数の圧力に物を言わせて押し倒したのだろう。

 

 

「はぁ…はぁ…。キミは、どうしてこっちに?」

 

 

「あいつ等が居ない所に逃げただけです! 翔さんが来てくれるまで逃げ切らないと。」

 

 

「…翔が…。」

 

 

彼の名を呼んだ時、葉月の表情に微かな安堵の感情が浮かぶ。それと同時に不安の表情も浮かぶ…。

 

 

そんなクウヤ達の行く手を遮る様に多数のアンデッドが姿を見せる。互いに古代の言葉だろうか…何かを言い合っている。

 

 

(…『ジョーカー』…?)

 

 

辛うじてクウヤが聞き取れたのは『ジョーカー』と言う単語だけ。…アンデッドにとってのジョーカーと言う単語が持っている意味もライダーであったクウヤは理解している。だが、それを考えるよりも葉月と天音の二人を安全な場所に逃がす事が先と、判断する。

 

 

(…こいつら…何か違う…。)

 

 

そんな違和感を感じ取る。今までの無差別な攻撃ではなく、明らかに自分達を…もっと細かく言えば、自分ではなく葉月か天音の二人のどちらかを狙っている様な動きを見せているのだ。

 

 

(そんな事考えてる時間は無い!!!)

 

 

一刻も早く二人を安全な場所に逃がす事。もしくは、翔が来るまで持ち応える事。それが今の自分に出来る精一杯の事なのだからと。

 

 

そう思った時だった。背後から迫ってきていたアルビノローチ達を三台のバイクが跳ね飛ばしたのは。バイクから降りたのは三人の人物…当然ながら志村純一達だった。

 

 

「「「変身。」」」

『『『OPEN UP』』』

 

 

クウヤにとっては聞きなれた電子音が響き、三人はグレイブ、ランス、ラルクに変身するとそれぞれ、アンデッドとアルビノローチ達に向かっていく。

 

 

「あれは…なに?」

 

 

「え、えーと…。」

 

 

目の前の異常な光景に呆然としている葉月への返答に思わず詰まってしまう。無関係だった彼女への上手い説明は思いつかない。

 

 

助けが来たいという僅かな安堵から油断して、クウヤがそんな事を考えていた時、ライダー達の攻撃をすり抜けたアルビノローチ達が襲い掛かってきた。

 

 

「いやぁぁぁぁっ!」

 

 

「また来た!?」

 

 

「こっちだ!」

 

 

悲鳴を上げる二人を連れて近くの廃工場に逃げ込む。障害物が多いため、障害物を利用して足止めに成るかと思ったのだが、その考えは甘かった。

 

 

羽音を立てて空中から彼等を追い詰め様とする。

 

 

天音の手を引いて先頭を走っていた葉月の前に数体のアルビノローチ達が現れる。

 

 

「い…。」

 

 

近くで目撃してしまう怪物への恐怖心、

 

 

「いや…。」

 

 

命を奪おうと迫ってくる怪物に対するそれに心を支配され、足が竦んで逃げる事も出来ない。

 

 

(…殺…される…?)「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

葉月の悲鳴と共に廃工場の屋根を突き破って、空中から金色の翼と金と青の鎧を身に纏った騎士が葉月達に襲いかかろうとしていたアルビノローチを切り裂いた。

 

 

それこそ、『仮面ライダーブレイド・ジャックフォーム』。チーリンアンデッドと戦った場所から空中を移動できるジャックフォームに変身して助けに入ったと言う訳である。

 

 

「……翔……?」

 

 

仮面で隠れているはずに『彼』の名を呼ぶ。その言葉に答える代わりにジャックフォームのブレイドはブレイラウザーを振るい、アルビノローチ達を薙ぎ払う。

 

 

「クウヤ、葉月、天音ちゃんを連れて早く逃げろ!」

 

 

「は、はい!」

 

 

「うん!」

 

 

そう叫ぶとジャックフォームのブレイドはアンデッドとアルビノローチ達へ攻撃する。

 

 

それに頷き、二人はその場を後にする。信じられる人間が助けに来てくれたのだから、その心に恐怖心は無い。

 

 

 

 

 

クウヤ、葉月、天音の三人が工場の外に出た時、クウヤの前に一体のアンデッドが現れる。

 

 

「…お前はぁ…!」

 

 

その姿を見たクウヤは思わず声を上げる。そのアンデッドには見覚えが有った。…いや、忘れられる訳が無い。蜘蛛の始祖たる不死生物(アンデッド)…クラブスートのカテゴリーA、『スパイダーアンデッド』。

 

 

クウヤ自身が使い、変身し、その存在の持つ闇に操られた事もある相手なのだから。

 

 

だが、スパイダーアンデッドはそんなクウヤに興味を示さず、葉月と天音の方へと顔を向ける。

 

 

翔の助けも直には期待出来ない。自分が盾になって二人は翔と合流してもらおう。そう考えて覚悟を決めた時、一台のバイクがスパイダーアンデッドを跳ね飛ばす。

 

 

「橘さん!?」

 

 

赤いバイク…『レッドランバス』に乗った橘朔也はクウヤ達を一瞥すると、直にその視線をスパイダーアンデッドへと向ける。

 

 

「変身。」

『Turn Up』

 

 

電子音と共に『仮面ライダーギャレン』へと変身すると、スパイダーアンデッドに近づき、キックを主体とした攻撃を繰り出す。

 

 

 

《FUSION JACK》

 

 

 

素早く『アブソーブ・クィーン』のカードをラウズアブソーバーに装填し、ジャックのカードを読み込ませると、ギャレンはジャックフォームへと変身する。そして、トドメとばかりに、三枚のカードを取り出す。

 

 

 

《BULLET》

《RAPID》

《FIRE》

 

 

 

 

読み込ませるのはダイヤスートの2、4、6の三枚。

 

 

 

《BURNING SHOT》

 

 

 

発動する技の名前。ジャックの力で上昇し、スパイダーアンデッドの腹部へと炎の銃弾を打ち込む。相手が地面に叩きつけられたのを見ると、着地しながらカードを投げ、スパイダーアンデッドを封印する。

 

 

「風見!」

 

 

そのカードと共にギャレンが投げるのはレンゲルバックル。

 

 

「変身するんだ!」

 

 

そう言い放たれ、受け止めたバックルへと視線を向ける。

 

 

 

 

ライダーだった過ぎ去った過去になったはずだった。だが、今は襲い掛かる怪物に対抗する為に、自分も周りの人間もその力を必要としている。

 

 

もう絶対に間違えない。そう誓った。

 

 

力は自分の為ではなく、大切な人の為に。最強と呼ばれしクラブのライダーの力を使うのは、守るべきものの為に、最強のライダーの力を使う。

 

 

運命に立ち向かう為に。

 

 

「変身!」

『OPEN UP』

 

 

決して揺るがない、誓いと共に、クウヤの体が蜘蛛のオリハルコンエレメントを潜り抜けると、緑色の蜘蛛とクラブを象った『氷雪の槍騎士』・『仮面ライダーレンゲル』が醒杖レンゲルラウザーを構える。

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