ToLOVEる - FIRE GENERATION -   作:改造ハムスター

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第14話「対メモルゼ防衛戦線 II」

ー彩南警察署ー

 

「町はどうなっている」

「大混乱です」

「負傷者58名、死者7名。これが番組の撮影だと!?」

「何かの衝撃でステージがえぐられ、地盤沈下が起きた。科学班の調査によれば、レーザー砲とのことだ」

「異星人……メモルゼ軍の侵略に間違いない!」

「メモルゼ、やっかいな惑星だ」

「しかもデビルークと同盟を組んでいます」

「援軍でも来られたら……」

「我が国では到底太刀打ち出来ないだろうな」

「たった今情報が入った!

 

国会が、自衛隊の出動を決定した」

 

「我々も向かうぞ」

「しかし、我々だけではとてもーー」

 

ピルルルルル

 

「電話だ」

 

ガチャ

 

「もしもし」

 

『宇座亜須会のモジャック将軍ヘア』

 

「……何の用だ」

 

『これからそっちで戦争おっぱじめるから注意するヘア』

 

「何だと!なぜこんな時に」

 

『お前ら地球の警察だけじゃ足りないから、そっちも救援を呼ぶヘア。例えば……銀河警察とかヘア』

 

ガチャ

 

「奴に乗せられる様で癪だが、それしかない。銀警に繋げ」

「士官クラスに1人、地球人がいる。優秀だそうだ。彼にかわってもらえ」

 

ピルルルルル

 

ガチャ

 

『はい。銀河警察です』

「こちら太陽系第3惑星、彩南警察署です。我々の生活が脅かされています。救援を」

「申し訳ないが、我々はこの一件には関与できない」

「地球の危機なのです!あなたも……地球人でしょう?」

「…………」

 

「お願いします!」

 

「私が呼ばれたのは、あくまで、暴力団の抗争によって生活が脅かされている市民を守るための「警備」としてだ。今後何が起こっても、それは揺るがない。私が何をしても、あなた方が誰に、何を聞かれても、そう答えられますか」

「約束します」

「わかりました。それでは、ただちに向かいます。もっとも今はデビルーク星にいるので、すぐには到着しませんが」

「ご協力感謝致します」

 

ガチャ

 

「……えらいことになった」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー彩南町上空ー

 

ヒューーン

 

ボシュゥッ!

 

「ハッ」

 

ドカァン

 

右手を突き出し、敵攻撃艇から放たれるミサイルに爆炎をぶつける。左手は、またがってる箒を握ってるから、バランスが取りづらい。これはなかなか難しいな。

 

ガガガガガ ガガガガガガガガッ

 

攻撃艇はミサイルが当たらないとみるや、今度は機銃を撃ってきた。

 

「また急降下するよ、ホリー」

「もう慣れたよ」

 

ギュン!

 

弾幕を掻い潜り、船の前方に捻り込む。

 

ババババババ

 

俺は弾の嵐の中、さっき取ってきた包丁を振り抜いた。

 

「ッシャアアッ!!」

 

バッキィン!

 

コックピットが真っ二つに避け、驚く2人の操縦士の顔が露わになる。

 

「ちょっと失礼」

 

俺は彼らに向けて、ころころダンジョくんを構えた。

 

バチチチッ!

 

「う、うわぁっ!」

 

叫ぶメモルゼのパイロットたち。そして……

 

「え、え!俺なんで女に……!?」

「待てよ!今は俺の番……ってえ、これ俺?どっち?どうなって……うわぁあああ!!」

「俺はこの間分離したのに!」

「駄目だ!女じゃ戦えない!」

「もう降参するぅっ!!」

 

敵艇は半壊のまま反転し、空に消えていった。これで4機目だ。

 

よし、これでいい。パイロットになるほどの兵士だ。ドクター・スメラギの言うような精神崩壊にまでは至らないだろう。

 

そろそろ来るか。

 

「ザラちゃん!向こうからいっぱい来てる!」

「よし、来たか」

 

敵戦闘艇の編隊。揚陸艇を着陸させるための護衛だろう、ざっと7、8機はいる。あいつらと箒で格闘するのはちょっときつい。後ろにホリーもいるしな。

 

俺は箒の上からマフィアたちに指示を出すため、慣れないパソコンを広げた。

 

「狙撃班は射撃体制に入れ!ヘリコプター隊、コブラを第1、2、3ビルの間に待機、一帯を囲め。敵編隊は近いぞ、作戦開始だ」

 

「飛ばすよ」

 

ギュオッ

 

指示を終えるなり、俺は大編隊に向かって箒をぶっ飛ばした。

 

「ホリー!爆弾一個貸して!」

「はい、ザラちゃん」

 

ブゥンッ!

 

俺はホリーから受け取った爆弾を、編隊の奥にいる揚陸艦まで投げた。

 

バァアン……

 

戦闘艇の編隊が、一斉にこちらを向き、追いかけてきた!命中こそしなかったが、敵の注意は充分引くことが出来たようだ。

 

ゴォオオ

 

「ザラちゃん!凄い追っかけてきてるよ」

「へへ、計画通り」

 

敵編隊を引き連れ、マフィアたちを待機させたビル街に飛び込む。

 

今だ!

 

「ホリー!つかまってっ」

 

ギューーン!

 

俺はビルとビルの間を猛スピードですり抜けた。

 

ビルを抜け、箒を反転させて空中停止し、再びパソコンを開く。目前にビルに囲まれた敵戦闘艇が見える。

 

「撃て!」

 

俺はパソコンに向かって叫んだ。

 

バン!バンバン!

 

ビルの屋上から、狙撃班の銃が火を吹き、

 

バギィン!

 

戦闘艇の風防が破れる音がする。

 

「全機、グレネード弾発射!」

 

ドシュッ!ドシュドシュッ!!

 

「メモルゼ星人どもを女に変えてやれ!」

 

風防が割れ、露わになったコクピットへ、攻撃ヘリのグレネード弾が的確に命中していく。

 

パン!パンパン!

 

「「「ふぇーーっくち!!!」」」

 

メモルゼ兵たちのくしゃみがこだまする。

 

どうだ、俺たちの手作り爆弾は!

 

……まぁ、

 

コショウが入ってるだけなんだけどな。

 

「なんだ!これは」

「おい!おまえ女になってるぞ!操縦桿離せ!」

「おまえもなってるよ!」

「うそだろ!?くしゃみで!?」

「もぅ戦えないっ」

「やられた!」

「くそぉっ、こんなところで……」

 

次々と堕ちていく、メモルゼ戦闘艇。高度はそれほどないから、死にはしないだろう。

 

「ザラちゃん、凄い……アクションの練習、相当したんだね」

「そりゃあもうね、長いこと」

 

空はひとまず終わったか。

 

俺は箒を下げ、ヤクザの黒い車がうじゃうじゃいる交差点へ急降下した。

 

「モジャックの車は……あれか」

 

パトカーに追いかけられてる、ひときわデカいベンツを追いかけ、窓を叩く。

 

ウィーーン

 

「生きてたかヘア」

「空は一掃して来たぜ。箒だけにな」

「でかしたヘア。揚陸艇は仕方なくこの付近に強行着陸したヘア。ここなら地の利で善戦出来るヘア」

「よし。俺……私ももう少し協力する!」

 

危ねぇ、ホリーのこと忘れてた。

 

「頭ァッ!メモルゼの装甲車が来やがりましたぁっ!」

「よっし、ぶっ潰すヘア!!」

 

プップーー!

ブゥーンン!

 

ライフルやらランチャーやらを担いだ刺青共を乗せ、黒ベンツやトラックが次々と横切って行く。

 

「ザラちゃん……あんな怖い人たちと関わってるの?」

「ホリーだって関わってるよ。気づいてないだけでね」

 

俺たちも行くか。

 

ビュン!

 

狂ったように照り散らすサイレンを抜け、道路を低空で飛び続けると、見えた!敵車両。

 

ダダダダダダッ

 

ビュオッ!

 

弾幕を避け、素早く装甲車の横腹に滑り込む。

 

「ホリー、よろしく!」

「オッケー!」

 

さっき言っておいたとおり、箒を傾けざまにホリーが手榴弾を投げる。

 

バガン!

 

どでかいタイヤに命中!装甲車は傾いた瞬間、猛スピードでスピンし、崩れたビルに突っ込んだ。

 

ダァーーン!

 

背後に煙が上がる。

 

「いいね、ホリー!」

「えへへ、負けてらんないよ」

 

さすがアクションもこなすアイドル!なにが凄いって、まだこれを撮影だと思ってるのが一番凄い。

 

「また来たよ!」

 

ガタガタガタガタ

 

ん?この音は……、

 

 

戦車だ!

 

 

ドン!!

 

砲弾を紙一重でかわす。

 

後ろのビルが吹っ飛んだ。

 

「ザラちゃん!」

「ホリー、キャタピラ狙って!」

 

バン!

 

だめだ。銀河通販の爆弾じゃ、戦車のキャタピラに傷もつけられない。

 

ダダダダダダッ

 

チッ、左右から装甲車まで来やがった。

 

ドウッ

 

「ザラちゃん!」

 

砲弾が目の前に迫る。よけきれな……、

 

「念力集中ッ!!」

 

ズドンッ!

 

砲弾が、俺の目の前で地面に落ちた。

 

(西連寺ッ!?)

 

ここに来てるのか?

とにかくチャンスだ!

 

俺は戦車の屋根まで急接近した。

 

「ホリー!ハッチを狙って!」

 

シュッ!

 

バァン!

 

ホリーの爆弾が命中し、戦車のハッチが破れる。

 

「うらああああーーーっ!!」

 

バチチ!バチバチバチッ!

 

俺は空いた穴に向かって、ダンジョくんを撃ちまくった!

 

「うわぁーーっ!女にっ!」

 

戦車から叫び声が上がり、

 

ガァーン!

 

方向舵を失った戦車は、左右の装甲車を巻き込んで瓦礫と化した。

 

「西連寺ッ!」

 

俺は、念力でアシストしてくれた友の方へ向かう。

 

「結城く……あれ、あなたは?」

 

っとそうだった。

 

「ああ、私は夕崎ザラ。ザク郎から君のことは聞いてるよ」

「そ、そうなんだ。

あの、結城君は……」

「無事だよ。君にも、早く会いたいって」

「そっか、それはよかった。この前は、僕のせいで取り返しのつかないことに……」

「そ、それは」

 

「それは西連寺さんのせいじゃないよ!」

 

えっ。

 

背後の言葉に、俺たちは呆気に取られた。

意外だ。ホリーがこんなことを言うとは。

やっぱり根はいい奴なんじゃ、

 

「悪いのは、全っ部デビルークなんだから!」

 

ああ、それが言いたかったのね。

 

まあ間違っちゃいないが。

 

「そのデビルークが、もうすぐ来るかもしんねぇぜ」

 

メモルゼ兵を2人、放り投げながら、古手川が姿を現した。

 

「落とし前はここでつける。結城はアシュラを助けに行ってんだろ。ザラさんとやら」

「あぁ、うん。そうだよ」

「ふん。べ、別に俺がかわりに助けてやってもいいけどよ。今回は譲ってやる。この間は、本当に申し訳ないことしちまったからな。

地上は俺たちに任せろと、あいつに伝えてくれ」

「わかった。ありがとう、みんな」

 

「さあ早く、宇宙へ行けヘア!」

 

俺は箒を空に向け、高く、高く飛び上がった。

 

地上の人々が小さくなっていく。

 

モジャックのアフロも、小さく、小さくなっていった。

 

「ねぇ、ザラちゃん。ざっくんがアシュラちゃんを助けに行ってるって、どういうこと?」

 

わずかに声を震わせて、ホリーが尋ねる。

 

「ん?んん、何でだろうね。わかんないや」

 

本当にわかんないんだよな。なんで俺は、アッシュ助けるためにここまでやってんだろう。

 

プライドとか、責任感とか、そんなんじゃ説明出来ない。

 

「アシュラの奴ぅ〜っ、絶対ざっくんに色仕掛けしたなぁーっ!許さない!

 

ザラちゃん!一緒に、アシュラを護ってる奴ら、みんなやっつけようね!ホーレンにも、容赦しなくていいから!」

 

「もちろん。容赦する気はないよ」

 

俺たちは妙な殺気をみなぎらせながら、空中に停めたアクセローク号に入った。箒じゃ大気圏外に出られませんからね。

 

「よし!アックス、突破!」

 

アックスは火を吹き、地球を離れて行った。

 

 

ー地上ー

 

「よし、あいつら、行ったヘア」

 

モジャック将軍、と呼ばれる人物は、夕崎ザラさんたちを見送って言った。

 

僕の人生で、まさかこんな人たちと一緒に戦う時が来るとは思いもしなかった。親には絶対に言えないな。

 

本物の銃なんて、今まで見たことも、触ったこともない。本当に、僕の念力で対抗出来るのだろうか。まぁさっきは、なんとか砲弾を止めれたけど。

 

いや、だめだだめだ。

 

自信を持て、季虎!

 

「商店街方面から装甲車が接近中!」

「よし行くヘア。西連寺、一緒に乗るヘア!」

「は、はい!」

「古手川はこっちや!」

 

そうだ。僕たちの星を守らなきゃ。

 

僕が右の後部座席に乗るやいなや、モジャックさんはベンツを猛スピードで走らせ始めた。

 

ブゥウーーンン!

「わはは!みーんなアフロヘアーにしてやるヘアー!」

 

ついでに道行く人の髪を勝手に爆発させている。酷い、酷すぎる。

 

ギューーンン

 

「右手に装甲車ッ!」

 

バンッ

 

ギャーーアアアアッ!

 

装甲車の屋根から、巨大なチェーンソーが向かってきた!

 

「西連寺ッ」

 

言われるより早く、空いた窓から右手を出す。

 

「念力拡散!」

 

ガチャン!

 

チェーンソーの繋ぎを外し、道路に落とす。

 

「念力集中!」

 

間髪入れず、装甲車の運転席に人差し指を向けた。

 

ビシィッ!

 

「うわぁっ!」

 

装甲車がふらつく。

 

「今ヘア!」

 

ドシュウッ

 

後ろのトランクに乗った男が、RPGを放った。

 

ドガアアアン!

 

命中。車体は横転し、やがて爆発する。メモルゼ製の装甲車も、流石に至近距離では無力だ。

 

「よくやったヘア、西連寺」

「お前ら、根性あんなぁー」

 

うらああああっ!

 

反対車線では、古手川君が敵のトラックに乗り込んで暴れている。確かにメモルゼ星人の身体能力は地球人と大差ないけど、それにしたって軍人相手に凄い男だ。

 

「頭上に巨大な機影発見。あれは……輸送艇!?」

「空挺部隊だ!」

「しまった、囲まれたヘアか!」

 

「大丈夫です。自分が行きます」

 

僕は車を飛び出した。それと同時に、古手川君もトラックを飛び降りてくる。

 

「古手川君!」

「行くぞ西連寺!」

 

僕も、結城君に負けるわけにはいかない。

 

今は到底、アシュラさんには届かなくても、

 

届かない場所でしか、頑張れないこともある。

 

そして、いつか……、

 

「うおおおおおっ!」

 

僕たちは、迫り来る敵空挺部隊に向かって走りだした。

 

 

 

バチィッ!!!

 

 

 

服が避け、後ろへ吹き飛ぶ。

 

自分の身体から、焦げた匂いがする。

 

 

 

「けっ!メモルゼ星人のオカマどもめ。地球ごときも制圧できねぇのか」

 

「6人は少な過ぎたか?」

 

 

輸送艇から降りて来たのは、

 

メモルゼ星人なんかじゃなかった。

 

 

「サイナン……俺たちの王家を狂わせた街だ」

 

「我々で浄化しよう」

 

 

腰に尻尾を生やした、悪魔。

 

 

「平和ボケした連中に叩きこんでやれ。

 

誰が「銀河の覇者」なのかをな」

 

 

宇宙最強の種族、

 

 

デビルーク星人。

 

「あいつら、アシュラや天条院先輩とは違う。こんなこといっちゃなんだけどよ、人間の血が混じってねぇ、純粋なデビルーク人だ。

俺らが知ってる奴らとは次元が違う」

 

僕の前に立ち上がりながら、古手川君が呟く。

 

ババババババ

 

「西連寺、古手川、大丈夫かヘア!?」

「自衛隊がきたぞーーつ!」

 

背後から、本来頼もしい筈の、自衛隊の轟音が近づいて来る。天条院さんが呼んでくれたんだ。でも……、

 

……また、悪い癖が出て来た。

 

自衛隊もろとも、壊滅されそうな……。

 

「西連寺、いけるか!?」

 

「う、うん。大丈夫!」

 

そうだ。ここで頑張らなきゃ!

 

 

 

「天条院アーサー殿は?」

「道に迷ってるヘア」

 

大丈夫かな……。

 

to be continued

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