彼女の瞳は血の色だった 作:レイ
人混みの奥に覗く紙に凝らしていた目が、大きく見開かれた。
「――あった」
思わず口からこぼれた言葉は、周りの声でかき消され、自分の耳にも届かなかった。自失した状態から、徐々に喜びと驚きがないまぜになって湧き上がる。次いで、見間違えではないかという不安が。もう一度見る。――やはり、自分の番号だ。
「――――っ」
実感が熱を持って自分の身を包む。声に、ならない。私は、私は――――
震える手で携帯電話を取り出す。母に、朗報を送らなければ。
――上井大学、合格。
翌日の学校で顔を合わせた時、理奈は真っ先に駆け寄ってきた。
「理奈、メール見たよ! おめでとう!」
理奈は飛びついてハグをしてきた。興奮しているせいか、あまり加減されていない。――若干、痛い。
だが、その痛みさえも気にならないほどに、嬉しかった。
「また今度、うちに遊びに来てよ」
その言葉に、勢いよく頷いた。
思えばあれから、受験勉強に追われる日々だった。理奈と共に下校する習慣は続いたが、夏休み前の一度を最後に、理奈の家に行くことはなくなった。
「ありがとう。そうだ、合格祝いを持っていくよ」
理奈は二日前に合格発表があった。理奈も、第一志望合格だった。
「私も用意しておくね。楽しみにしてるよ」
「期待に応えられるといいな」
理奈の家には、今日は誰もいないようだった。二時間後に、母が帰ってくると理奈は言った。
「それじゃあ、交換会といきますか」
理奈はソファに葵を座らせ、自身も隣に座った。
「では、私から」
葵は膨らんだカバンから、青い包装紙で包まれた直方体の物体を取り出した。自分で包んだのだが、なかなかうまく包めたと思う。
「おお……」
理奈は若干芝居がかった仕草で、恭しく受け取った。
「私からは、これを」
理奈はテーブルの上に用意してあったそれを、葵に渡した。
「ありがとう。ねえ、開けてみてもいい?」
理奈が頷いたのを確認して、黄色い包装紙に手をかけた。慎重にテープを剥がしていく。
入っていたのは、ブックカバーだった。
「あ、かっこいい。高そう……いいの、こんなの貰って?」
「何言ってるの。そのために買ったんだよ」
皮だろうか。触り心地が良く、丈夫そうな良い生地で出来ている。本のサイズに合わせて、調節もできるらしい。あえてシンプルなデザインで機能性を重視したものにしたのは、葵の性格を思っての事だろう。本当に、自分の事をよくわかっている。
葵の反応に、理奈は満足そうだった。
「じゃあ、私も開けるね」
「どうぞ」
理奈が包みを開けるのを、緊張しながら見た。喜んでくれるか。
中身が見えた時、理奈は顔を輝かせた。
「うわ、ありがとう! そろそろ替えようと思ってたんだ」
理奈はペンケースを手に取った。大きくてたくさん入れられる上、中に仕切りもあり、使いやすそうなものだ。理奈は三年間同じペンケースを使っていたので買ってみたのだが、どうやら気に入ってくれたらしい。
葵がブックカバーを丁寧に包みなおして、カバンにしまうと、理奈も自室にペンケースを置きに行った。機嫌の良さそうな軽い足音だった。
「そうだ、コーヒーでも飲む? いい豆があるんだよ」
素早く帰ってくるなり、理奈はキッチンへ向かった。覗き込むと、殺風景なキッチンには不釣り合いな、立派なコーヒーメーカーが置いてある。喰種が食べるのは人肉だけだが、ほとんど料理することもないのか、或いは調理法が限られているのだろう。端にはコンロも見えるが、古いものには火を通したりするのだろうか。
「ブラックでいいんだよね?」
「うん」
四人家族の物とは思えない小さな冷蔵庫を開けて豆を取り出した。並んだタッパーが見えた。中身は見えなかったが、来客用の他に入れるものは、豆と後一つだけだろう。
「先週、お母さんが特売だからっていい豆を半額で買ってきてくれたんだ。やっぱり、味が違うよ」
「そんなに?」
舌にはあまり自信がないが、飲むのが楽しみだ。コーヒー好きの理奈が言うのだから、間違いはないだろう。だが、果たして喰種はコーヒーの味をどう感じているのだろう。舌の構造が違うらしいので、自分の飲んでいる味とはまた違ったものに感じるのだろうか。
ふと疑問に思ったので理奈に言ってみた。
「どうなんだろうね。人間から進化――いや、分化した存在だから、案外似たような味を感じているのかも。私も人間の舌を体験したことはないから、何とも言えないな」
やはり、他人の味の感じ方なんて、わかるはずがないか。そもそも、同じ人間でもどう感じているかわからないのだ。ここまで考えると
「――よし。出来たよ」
コーヒーの良い香りが漂ってきた。なみなみとコーヒーの注がれたマグカップを、ごとりと葵の前に置く。
「どうぞ」
目の前で理奈はおいしそうに飲んでいる。葵は自分のカップに目を落とした。色は変わらないが、匂いは違う気がする。
「――美味しい」
飲んでみると、豊かな香りが口中に広がった。渋みが少なく、飲みやすい。
「でしょ?」
「うん。これなら、また家でも飲みたいな。――あ。私、一人暮らしするから無理だ」
少し肩を落とす。家から遠いのでアパートを借りて通学する予定なのだが、一人暮らしは不便そうだ。
「ありゃ、それは残念」
「缶コーヒーかインスタントくらいしか飲めないな」
「なら、理系らしくビーカーでインスタントコーヒーを入れたら?」
理奈が冗談を言う。どっかの理系ドラマで教授がやっていたのは見たことがあるが。
「そんな事誰がするんだ。薬品の残留が危ないから、コーヒー用のビーカーを用意しなくちゃいけないじゃん」
「だよね」
理奈はからからと笑ってコーヒーを飲む。
「そうだ、上井大学って、二十区だっけ? あそこにいい喫茶店があるよ。私の
「それって、喰種関係の店?」
理奈の再従妹は当然喰種である。人間が入れるのか。
「そうそう。人間のお客さん、大歓迎だって。通っている人を襲わないことになっているらしいから、行ってみなよ。確か、店名は――」
インターホンが鳴った。
「あれ? ごめん、ちょっと待ってて」
理奈が立ち上がって玄関に出て行った。葵はコーヒーを飲んで待つ。
理奈がドアを開けたのだろう、軽やかなドアベルの音が聞こえてきた。
「――董香? 久しぶり。どうしたの?」
リビングのドアは開けられたままだ。玄関から理奈の声が良く聞こえる。
「
「わかった。――渡しとく。家、あがる? 私の友達もいるけど。
――葵、
理奈は葵のいるリビングに向かって声を張り上げた。葵も腰をあげ、玄関に向かう。外には、千鶴と同じくらいの歳に見える少女が立っていた。
「うん、いいよ」
「葵、前に言った
理奈がお互いを紹介した。
「よろしく、董香さん」
「……」
董香は答えなかった。理奈はため息をつく。
「ほら、入って」
「私は、別に……てか、この人…………」
文句ありげな様子で葵をちらりと見てから董香は帰ろうとしたが、理奈はその腕を掴んで強引に引き留めた。
「いいじゃん、折角なんだからさ」
「……わかった」
董香は渋々といった体で入った。
「――お邪魔します」
小さな声だった。軽く頭を下げると、髪がさらりと揺れる。血縁と言っても六親等ともなると、あまり理奈と似ている所はない。
「董香の分のコーヒーも淹れるね。待ってて」
董香と二人、リビングに残された。若干気まずい。どう話しかけるべきか。
「……私は、理奈と同じ高校の友達です。ええっと、人間なんだけど――」
「…………っ⁉」
葵を無視するように俯いて黙っていた董香はがっと顔をあげてまじまじと葵の顔を見つめた。
「あ、もしかして、人間って言うと差別的かな。だったら、ヒトって言った方が適切? それともホモ・サピエンス? ……喰種の学名ってなんだっけ。後で調べておかなきゃ――」
「理奈姉っ! ――こいつ、『知って』る!」
董香が瞳を赤々と燃え上がらせた。跳躍し、葵の上にのしかかって組み敷く。
「あんた、
すさまじい形相で睨みつけてくる。胸は膝で押さえつけられ、首は片手で締め上げられた。もう片手は、葵の手首を押さえつけている。痛く、苦しい。見る間に、董香は羽赫まで出現させた。花開くように広がる、羽にも似た鮮やかな炎。前に一度見せてもらった千鶴の物とよく似た、――だがあの時の羽赫よりもよほど大きな赫子。
「――やめて董香っ! 私の友達なの。知られているのも、知ってるから!」
理奈が慌ててリビングに戻って来た。赫眼で董香を睨みつけ、羽赫から葵を守るように鱗赫を伸ばす。董香は振り向いて理奈を見た。手首を握る手の力が強まる。——痛い。
「だったら、どうしてっ……! 早く、殺さないと!」
ようやく思い出した。――人間と喰種は、本来敵対関係にある。
「やめて、大丈夫だから。葵は信頼していい。……もう、半年前から知られているから」
「半年⁉ 嘘、でしょ。……なんで」
董香の赫子が少しだけしぼむ。
「私が、他の喰種から葵をかばって、ばれた。でも、ばれても友達でいてくれた。
ね、ほら、葵から離れて。葵は、敵じゃない」
「……理奈姉が、そう言うなら」
不承不承と言った風に葵から離れた。葵はゆっくりと身を起こす。打ち付けられた背中が痛い。さすりながら、董香に声をかけた。
「えっと……ごめんなさい、董香さん。驚かせてしまったようで……」
董香は得体の知れないものを見るような目で葵を見た。
「ごめん、私が悪かった。先にちゃんと紹介するべきだった。……東京は物騒だからね。そりゃ、警戒もするか……」
理奈は落ち込んだような顔をして頭を下げた。
「人間、なんて。どうして……」
董香は低い声で言った。不信の目で葵を睨む。
「どうして、ね……人間と関われた方が、楽しいと思うけど。案外、いいものだよ」
「……わからない。
帰る。私は、この人間を信用できない」
葵を指さし、淡々と言った。今すぐにでも帰りたそうに、体をドアへ向ける。
「だったら、私を信用して。……そうだね、学校の話でも聞いていってよ。折角コーヒーを用意しているんだから。それとも、私も信用できない?」
「……少しだけ、なら」
しばらく間をおいて、董香は答えた。
「じゃ、座って待ってて。今、コーヒー持ってくるから」
董香は葵の正面から少しずれて座った。
お互いに無言だった。董香の目は赫眼ではなくなっていたが、睨みつけてくる視線が痛い。
「——お待たせ」
理奈が湯気の立つカップを董香の前に置いた。董香は手に取った。
「……ヨシムラさんのコーヒーの方が美味しい」
ぼそりと董香は言った。
「さすがに、本職の人と比べられちゃ。うちのはコーヒーメーカーだし。でも、豆はいつものよりいいやつなんだよ?」
理奈は雰囲気を変えようと、努めて明るく言った。
「さて、何から話そうかな……董香は、学校に行ったことないんだよね?」
「……そうだけど。むしろ、なんで行くの」
言い方が刺々しい。
「結構楽しいよ、良くも悪くも平和ボケしてて……って、これは私もだけど。東京と比べると、夜鷹のみんな平和ボケかな」
「くだらない」
董香はまた一口コーヒーを飲んだ。葵は落ち着かなげに視線をうろつかせる。
「いいじゃん、平和なほうが。心に余裕を持てるのはいいと思うけど」
「ふーん」
興味のなさそうに相槌を打ちながら、董香は葵を冷たい目で見る。
「……理奈姉、なんでこんな奴信用するの。さっさと食べたほうが安全でしょ」
「友達だからね、食べられないよ。それに、董香も夜鷹の方針は知ってるでしょ。事件は極力起こさない」
「極力、でしょ。こいつは危険すぎる」
「――あのね、董香。私と葵は、人間と喰種の共存を目指してる。そのために、大学に行くの」
董香は唖然とした顔をした。
「共存? 本気? どうやって?」
「それはまあ……遺伝子組み換えでもして家畜にRc細胞持たせるとか、色々あるだろうけど。その方法を学ぶために、大学に」
董香は鼻を鳴らした。
「馬鹿にしないで欲しいなあ……こっちは本気なんだけど」
理奈は肩をすくめた。董香は強い口調で言った。
「人間が歩み寄ると思ってるの? CCGは気違い連中だ。私らが何しようが殺しにかかってくる」
「少なくとも葵は、私の仲間だよ」
「どうだか。――あんた、何で喰種の肩持ってんの」
急に話しかけられ、葵はびくりと身を震わせた。年下のはずなのに、迫力が凄い。
「それは……葵が、命の恩人だから。食料問題さえ解決できれば、共存は容易だと思うし……」
「あんた、馬鹿? 普通の人間が、いつ襲い掛かってもおかしくない化け物を受け入れると思う?」
「――そこは、人間の道徳を信じるしかない。だけど、少なくとも夜鷹の人達なら受け入れられやすいと思ってる。この県では、喰種が人間を襲った記録がほぼ皆無だから。
それでもだめなら、それこそ政治家になってでも人の意識と法律を変える」
試すような董香の目を、真正面から受け止める。董香は数秒黙って見てから、何も言わずにコーヒーをもう一口飲んだ。ごとり、と空になったカップをテーブルに置く。
「ごちそうさま」
言って董香は立ち上がった。理奈は、今度は引き留めなかった。
ドアベルが董香の退室を告げてから、やっと理奈は口を開いた。
「……ごめん、葵。危ない目に合わせた」
「理奈のせいじゃないよ」
葵は言いながら、手首をさすった。握られたところが、まだ少し痛い。
――二度目だ。
赫子を向けられたのは、これで二度目。やはり、あれを使われたら、抵抗のしようがない。葵は重い溜息をついた。
「さっきの、董香ちゃん……学校、行ってないの?」
「そう。――というより、東京の方じゃ、そっちのほうが多いらしいよ」
「確かに、喰種が学校に溶け込むのは大変そうだもんね……まず、食事の練習からしなくちゃいけないし」
理奈は凄いな、と言うと、やっと理奈は表情を和らげた。
「練習してたからね。私は恵まれていただけ。小学校あたりでは、母さんの実家だったから、赫眼出しちゃっても黙認されてたし」
「あぁ、共存してたんだっけ」
理奈は頷き、懐かしむように目を細めた。
「もうすぐ、葵と高校に行くのも出来なくなるね」
「そうだね。……なんか、寂しいな」
ため息をついて窓の外を見る。初めて来たときとは、違う色をしている。思い返せば、あっという間だった。
「大学行っても、家に来てね。いつでも大歓迎」
「それじゃあ、もしも東京に来れたら、私のアパートにも来てよ」
行きたいな、と理奈はこぼした。少しだけもどかしそうだった。
「そうだ。董香ちゃん、強いの? 東京で生き延びてるんでしょ」
理奈の話を聞いていると、CCGと喰種が絶えず争う東京は世紀末世界のように思えてくる。或いは、魑魅魍魎が跋扈する魔界か。……日本の首都のはずなのだが。
「どうだろう……昔は、遊んでたけど。千鶴より一つ年が下だったかな。実力は多分、千鶴と同じか、それより下か……でも、実戦の経験はあの子の方があるだろうからね」
「理奈の方が強い?」
「それは……さすがに。私の方が歳は上だし、稽古の量から、順当に考えれば。
あのね、赫包の発達に必要なのは、赫子の使用と十分な栄養なんだよ。筋肉と同じ。私と千鶴は両方が揃っているから、大分発達してる方だと思う」
理奈の腰を見る。立派な鱗赫が三本も出せる赫包だ。
「じゃあ、東京でも生きていけるんじゃないかな」
「それはなあ……それだけじゃ、流石に無理だよ。見つかったら終わりだと思うし。第一、夜鷹ほどの安定した食料供給を行っているところはないよ」
聞くところによると、夜鷹は県をまたがって葬儀関係を牛耳っているらしい。近隣にもう二つある、似たような穏健派喰種団体も合わせれば、静岡、山梨と埼玉はほぼ全域、群馬と長野のおよそ南半分。これだけの地域の喰種が統制のとれた動きをしている。だからこそ安定した食料の供給が行えるのだそうだ。
「そうか……そうだよね。やっぱそこなんだよな」
あー、と濁った声をあげながら、葵はソファに寄り掛かった。解決にはどれほどの時間がかかるだろうか。
「そうだ、理奈。もうすぐ卒業だけどさ、なんか思い出話聞かせてよ。食事以外で、学校で大変だったこととか」
寄り掛かったまま、首を理奈の方へ向けた。
「大変だったこと……やっぱり、体育かな」
「あー、確かに大変そうだった。力加減、面倒だったでしょ」
「あ、わかってた? もしかして、他の人にもばれてないかな」
「それはない。私は、知ってたから気付いただけ」
サッカーやバスケで走る時は、いつも周りを見ながらスピードの調節をしていた。テニスなどでは、勢い余って強く打ちすぎることもあった。
「何が一番大変だった?」
理奈は腕を組んで考え込んだ。
「……長距離走、かな」
「体力的には楽でしょ。速さに関しちゃ、前の人についていけばいいし。むしろ、こっちがきつかったよ」
さして体力のない自分に向かって、ひどい事を言うものだ。理奈の体力なら、歩いているのと変わらないだろうに。
「そこが、だよ。いかに違和感なく疲れている演技をするか。呼吸とかの演技、大変だったんだから」
「うん、まあ……分からなくもないけど」
「しかも、心拍数まで計測させられたし。隣の人の記録を見ながら、偽装の記録を書かなきゃならなかった」
「そりゃ、確かに大変だろうけどさ……」
自分とは違う苦労があったらしいが、少しうらやましくもある。
「あとは、新体力テストとか。――そうだよ、握力。あれ、指定された姿勢だと計測中に記録見えないから加減が難しかった」
「あー、それは大変だね。どうしたの?」
「一回、50㎏出しちゃって、慌てて記録をリセットしたよ」
葵は笑った。こんな普通の女子の腕から50㎏の記録が出たら、普通は機械の故障を疑う。
「笑わないでよ。――あ、そうだ。武道必修化が一番気を使ったかも。怪我させそうで、一番怖かった」
「……怪我人、でなくてよかったね」
「本当に」
心底ほっとしたように理奈は言った。
*
董香は、東京へ向かう電車に揺られていた。眼前のドアの窓の中を、明かりのついた家々が流れていく。
――なに、あいつ……人間のくせに。
知らず知らず、目つきが鋭くなる。ガラスに映った自分の酷い顔を見て、少しだけうろたえた。
――人間の友達、なんて。
信頼していた理奈だからこそ、信じられなかった。ばれていても、そのままにしているなんて、考えられない。
「『いいもの』だなんて……そんな事」
あるはずが、ないのに。