前回の投稿からマジで執筆する時間も元気もなくて投稿してませんでした。
今回で合宿回お終いです。この話は物語が進むにつれて大事な話になると思います。(多分)
それでは今回もお付き合いください...。
夏の青い空。
白く大きい入道雲。
そして澄みわたる青い海。
こんな学園モノのラノベのワンシーンみたいな状況に自分が合宿で来ているとは中々感慨深い。中学生までの俺だったら絶対に想像できなかっただろうな。
さらには、
「おーい!!早く、早くー!」
今話題のスクールアイドルグループ、μ'sが一緒と来た。これって俺もうリア充の仲間入りなんじゃね?
砂浜まで来ると真姫以外はPVの撮影をしながらスイカ割りをしている。
花陽が割ろうとしていたスイカをにこが横取りしてたけど危ねぇからなそれ。
そして真姫はというとパラソルのしたで足を組みながら本を読んでいた。丁度いい。隣が空いているから俺も座らせてもらおう。
「...隣、失礼するぞ」
「...いいけど」
そういや真姫と一対一で話したこと無かったな。部室じゃ誰かしら居たし、μ's加入前は図書室に居たが話したことなんてなかった。
軽く話題振ってみるか。
「...お前はあいつらとは遊ばなんだな」
「...そういうあなたはどうなの。海なのにパーカー着て」
「どうやってあの輪の中に入ればいいかわからん」
「そう...」
「「...」」
話題が続かない。
そう思っていた時だった。
「...うぉ...!」
俺の顔面に思いっきりビーチバレーのボールが飛んできた。
「ごめーん!隼くん!」
「もっと遠くでやれよ...」
「隼君もやろうよー!」
「お前絶対ごめんって思ってないだろ」
「真姫ちゃんもやらない?」
「話聞けよ」
「...え?...私は別に...」
「もういい...俺も真姫がやらないなら人数合わなくなるだろ。お前らで遊んで来い」
まぁ人数合わせだろうがやろうとも思わんが。
「なるほどね」
「真姫は中々大変そうね...、隼も...」
「んふふ...」
絵里の発言に笑いがこぼれる希。
「何かおかしいこと言った?」
「別に...!」
絵里は自分の言葉が自分に帰ってきていることに気づいてないらしい。
―――――――――――――――――――――――
結局あの後ビーチバレーをやっていた面子はそのまま日が暮れるまでビーチボールを続け、真姫は読書を続け、俺は気が付いたら寝てた。
あれは気持ちよかった。確かに暑いが、海から吹いてくる潮風が中々に気持ちよかった。これだけで合宿に来てよかったと思う。もう帰っていいんじゃないか。
とはならず、
「買い出し?」
夕飯の買い出しの話が出ている。やっぱり帰れないよね。
「何か、スーパーが遠いらしくて」
「じゃあ行く行く!」
まぁ流石に別荘に常に食材が置いてあるわけじゃないよな。腐るだろうし。西木野家の別荘ならシェフでも来てくれるんじゃないかと若干期待したんだが流石にそうはならないよな。
「別に、私一人で行ってくるからいいわよ」
「え?真姫ちゃんが?」
「私以外、お店の場所分からないでしょ?」
携帯の地図とか使っても出ないものなのか。
「じゃあうちがお供する!」
「え?」
「2人じゃこの人数の食材持ちきれないだろ。俺も付いていくよ」
「たまにはいいやろ?こういう組み合わせも!」
「...」
て言うことで俺と真姫と希の3人で行くことになった。
「じゃあとっとと行こうぜ」
―――――――――――――――――――――――
そういや、今ここにいる俺を含めた3人だけって組み合わせ中々無いよな。少し新鮮だ。
「おぉー、綺麗な夕陽やねー!」
「東京じゃ神田明神からでも見られない景色だな」
「どういうつもり?」
真姫は少し警戒して質問する。希はなんて答えるかな。
「べっつに?真姫ちゃんも面倒なタイプやなーって。本当はみんなと仲良くしたいのに、中々素直になれない」
「私は普通にしているだけで...」
「そうそう。そうやって素直になれないんよね」
「ていうか、どうして私に絡むの!?」
「ん~...」
希は少し考えた後にこう言った。
「ほっとけないのよ。よく知ってるから、あなたに似たタイプ」
きっとそれはついこの間まで素直になれなかった、どっかの誰かさんのことを言ってるんだろうな。
「...何それ」
「ま、たまには無茶してみるのもいいと思うよ!合宿やし!」
「...」
真姫は希の言葉で立ち止まっていたがやがてゆっくり歩き始める。
今の希の言葉がこいつにはどう響くのか。
さぁとっとと買い物終わらせて帰ろう。
―――――――――――――――――――――――
「「「あぁ~......」」」
台所で穂乃果、ことり、真姫は口を開けて静かに驚いていた。
「あーたたたたたたたー!」
どっかのマンガの主人公の攻撃するときの掛け声を出しながら、にこは流れる清流の様にカレーを作る。お母さんでもこんなに早く作ってるところは見た事ないな。
「ごめんね~...私が料理当番だったのに、もたもたしてたから...」
「やりたい奴がやればいいんだから気にしなくていい。それよりもうすぐ出来るから、全員分の器用意してくれ」
俺はというとにこが手早くカレーを作り始めてしまったので、その横でサラダを作っている。俺も一応料理できるんだが、にこの腕を見て叶わないことを悟った。
―――――――――――――――――――――――
「「「「「「「おぉ~!」」」」」」」
出来上がったものをテーブルに並べていく。
だけどなんで花陽だけカレーはカレー、ご飯は茶碗に盛られているんだ...。
「にこちゃん料理上手だよね~!」
「ふっふ~ん!」
「...んで、黙ってたけど、料理したこと無いってのはどうなんだ。初めて料理してあんな手際よくできるわけ無いだろ」
「えぇ!?」
「言ってたわね...。いつも料理人が作ってくれるって」
「はぁ...」
スプーンを持っていたにこが溜め息をついた。そしてこいつは衝撃的な行動に出る。
「やぁん、にこ、こんなに重い者持てな~い!」
......
「は?」
「い、いくらなんでもそれは無理がありすぎる気が...」
「これからのアイドルは料理の1つや2つ作れないと生き残れないのよ!」
「開き直った!」
俺は安易に嘘をついてはいけないと思った。
「でも、にこちゃんも上手だったけど、隼くんも料理上手だったよね!」
「あぁ、あれはいつも手伝ったりしてるからな」
「じゃあ隼くんも料理できるの?」
「あいつの料理するとこ見たら料理できるなんて言えねえよ...」
「あはは...」
―――――――――――――――――――――――
「はぁ~!食べた食べた~...」
飯を食い終わった穂乃果はいきなりソファに横たわり始めた。こいつ本当にスクールアイドルか疑いたくなるくらいのだらしなさだな。
「いきなり横になると牛になりますよ」
「も~、お母さんみたいなこと言わないでよ!」
「も~」って言っちまってんじゃねーか。もう牛になってるよ。
「よぉーし!じゃあ花火をするにゃー!」
「その前に、ご飯の後片付けしなきゃダメだよ!」
「それはやっとくから、花火やんならみんなで言って来い」
「え、でも...」
「そうよ、そういう不公平は良くないわ。みんなも自分の食器は自分で片づけて」
別に花火には興味ないから言ってきてもらって構わないのにな。
「それに、花火より練習です」
「え"これから...?」
「当たり前です。昼間あんなに遊んでしまったのですから」
いや、当たり前じゃない。こんな時間になってからも練習とかいくらなんでもおかしいぞ。
「でも、そんな空気じゃないっていうか...特に穂乃果ちゃんはもう...」
「雪穂~、お茶まだ~」
「家ですか!」
こいつたまたまこんな感じなのかと思いきや家でもこんなのなのか。こいつがリーダーでもいいものか...。もう一度リーダーを決めなおす必要があるんじゃないのか
「じゃあ、私はこれ片づけたら寝るわね」
「えぇ真姫ちゃんも一緒にやろうよ~、花火!」
「いえ、練習があります」
「本気...?」
いや、どれだけ練習したいんだお前は。
「そうにゃ、今日はみんなでみんなで花火やろ?」
「そういうわけにはいきません!」
「かよちんはどう思う!?」
「私は...お風呂に...」
「第三の意見出してどうするのよ...」
「雪穂~、お茶~!」
まとまりがつかねぇな。まぁリーダーがこんなんだし仕方ないか。
「あのさ――、「じゃあもう今日はみんな寝ようか?」...」
希に遮られてしまった。本当は俺が収めるつもりだったんだがここは年上に任せておこう。
「みんな疲れてるでしょ?練習は明日の早朝。それで、花火は明日の夜することにして」
「そっかぁ、それでもいいにゃ」
「確かに。練習もそちらの方が効率がいいかもしれませんね」
「じゃあ決定やね」
流石だな。希に任せて正解だった。
「じゃあ、食器片づけとくからみんなは風呂入って来い。お前らが上がった後に俺は入るから」
―――――――――――――――――――――――
「隼君ー、お風呂空いたよー」
「おぉ。サンキュー」
「隼くん!隼くん!ここのお風呂凄いんだよ!なんかねー!すごく広くってね!凛たちが一緒に入っても全然何ともなかったんだよ!」
「おぉ、そうかそうか。それは良かったな」
広い風呂ではしゃぐとか本当子供かこいつは。
「じゃ、俺も入ってきますかね」
「いや、これは広すぎるだろ」
想像してたよりも全然広かった。西木野家マジで舐めてた。っていうかそこら辺の温泉よりも広いんじゃねーのかな
まぁ、今日はなんかものすごく疲れたし、ゆっくりさせてもらおう。
「はぁ~...」
やっぱり体伸ばしても何も問題ないっていいな。
「なんだこれ...」
リビングに広げられた10人分の布団。そしてその上でゴロゴロと転がってる3バカ。
「3人とも敷くの邪魔だからどいてください」
ほら海未に怒られてるじゃねーか。いやだからそうじゃなくてだな。
「どうして全員同じ部屋じゃなくちゃいけないの?」
そうそれだ。よく言った真姫。
「合宿だからね」
「まぁ、こういうのも楽しいんよ」
いやその決めつけ方はおかしいでしょ。確かに合宿って一つの大きい部屋に全員で寝るみたいなイメージあったけど、ここ部屋あるじゃん。俺だけ上に行っていいかな。
ま、もういいや。今日疲れたし早く寝たい。布団端っこに寄せて寝よ。
「じゃあ寝る場所決めましょ」
「俺は布団端っこに寄せて寝るわ」
「真姫ちゃんはどうする?」
「...どこでもいいわ」
寝る場所は決まったらしいので全員布団に入る。
「じゃあ電気消すわよー」
「「「「「「「「はーい」」」」」」」」
電気が消えて少ししたら俺の瞼はゆっくりと閉じられそのまま眠りについた。
はずだった。
「ボスツ」っと俺の頭に枕がぶつかり俺はそのせいで目が覚めてしまった。
「何してんだお前ら...」
海未以外が立ち上がって枕を掴んでいる。こいつら枕投げやってたな。真姫までなにやってんだ...。あとにこは顔が怖い
「いやぁ...ちょっとね...」
「『ちょっと』じゃねえ、とっとと寝ろ...」
言い訳した穂乃果の方に当てないように枕を投げた。しかし手が滑って。
「ヤッべ...!」
海未顔にそのまま当たってしまった。
「「「「「「「「「あ...!」」」」」」」」」
やっちまったこれは不味いぞ...。
「何事ですか...?」
やばい。これは本当にやばいぞ。いつもの海未の声にドスが掛かっている。
「どういうことですか...?明日、早朝から練習すると言いましたよね...?」
「うぅ...うん...!」
「それをこんな夜中に...ふふっ...」
「おお、落ち着きなさい海未...」
海未って
ここは素直に俺が名乗り出て謝るしか...。
そう思ってたら、
「ぐぁあ!」
にこが投げられた枕で吹っ飛んだ。すまんにこ...。
え、っていうかあれって枕から出る音と風?海未って本当に女の子?ていうか人間?
「どうしよう、穂乃果ちゃん...!」
「生き残るには戦うしか...!おぅ!」
「ごめん海未!うぅ!」
機嫌が悪すぎて海未の奴完全に前が見えてない。無差別に枕を投げてやがる。これじゃ俺が謝ったところで収まらない。
「り、凛ちゃん...」
「かよちん...」
「「助けてー!」」
不味いこのままでは凛と花陽まで吹っ飛ばされてしまう...。
そうだ!すまん海未、明日改めて謝るし和菓子でもなんでも好きなの奢るから許してくれ!
俺は自分が使ってた枕を掴み海未の後頭部目掛けてぶん投げる。
今度はコントロール良く投げられ海の後頭部に当たり、
「ぬぅっ...!うぅ...」
「隼くん!」
良かった。今ので海未は寝た。本当すまん海未。
「いや、本当悪かった...」
「でも、元は問いと言えば真姫ちゃんが始めたニャー」
「ち、違うわよ!あれは希が...」
「うちはなんにも知らないけどね」
「あんたねぇ...!」
あぁ、この会話から察するに始めたのは希だな。どうせそこから希が真姫を挑発したとかだろ。
「じゃあ今度こそ本当に電気消して寝るぞ」
まぁなにはともあれこれでちゃんと寝られるわけだ。
―――――――――――――――
なんだここは...。気が付いたら俺は暗い森みたいな場所に居た。
しかもただいるだけじゃなくて何人かの少年に囲まれている。
少年たちが何か言っているんだがよく聞こえない。
やがて少年の1人は俺を羽交い締めし、残った何人かで俺のことを殴る、蹴るをしている。
恐らくこれは夢だろう痛感は全く無い。だけど感覚がものすごくリアルだ。まるで
満足したのか少年たちは殴るのを辞めた。これで解放されるのかと思っていたら、1人がナイフを持ち始めた。
やめろ...!やめろよ...!
そのナイフはゆっくりと俺の腹に近づき、そして...
―――――――――――――――
「はぁはぁはぁ...!」
何だったんだ今の夢は...。
「大丈夫?凄くうなされてたけど...」
俺のことを心配してくれたのは希だった。起こしちまったか。悪いことしたな。
「大丈夫だ。悪いな起こしちゃって」
「ううん。いつも起きるのこのぐらいだから大丈夫よ」
それにしても本当に何だったんだ今の夢。俺が記憶を失う前にでもあった出来事なのか...?わからない...。
「ねぇ、ちょっと海でお話ししない?きっと潮風と朝日が気持ちいいよ」
「...わかった。行こうか」
目覚めが悪かったから色々とちょうどいいだろ。
「う~ん、潮風が気持ちいいねえ」
「そうだな」
「...ねぇ隼君」
「どうした?」
「隼君って、どんな子供だったん?」
「...中学の時は友達とか全然いなくてつまんないやつ、よく言えば大人しいやつだった。小学生までの記憶はない」
「へぇ、そうなんやね。うち隼君のことほとんど知らないから」
「疑わないんだな」
「疑って欲しかった?それとも嘘なの?」
「いや本当のことだが、記憶ないとかいうやつのこと信じないだろ」
「少なくともうちには嘘を言ってるようには思えなかったかな」
「そうか」
なんというか希と話していると落ち着く。安心できるっていうか、うまく言えないけど。
「海はいいよねぇ。見ていると大きいと思ってた悩み事が小さく見えてきたりする」
「...あぁ」
「ねぇ隼君」
「なんだ?」
「うちな、μ'sのメンバーのことが大好きなん。うちはμ'sの誰にも欠けてほしく無いの。もちろん、隼君もよ?」
意外だった希は俺たちのことはよく話してくるが、自分のことをあんまり話そうとしなかったから。
「確かに、μ'sを作ったのは隼君たちやけど、うちもずっと見てきた。何かある毎にアドバイスもしてきたつもり。それだけ思い入れがある」
希がここまでμ'sのことを想っているなんて少し意外だった。
「ちょっと話過ぎちゃったかも。みんなには秘密ね」
「...面倒な奴だな」
「そうそう」
「ん?」
「その笑顔よ」
笑顔?
「隼君、今まで見てきた中でみんなの前で笑っていたこと無かったでしょ?だからずっと距離感じててね」
「...」
確かに、今思えば最後に笑ったのはいつだったかな。高校入ってから笑ったことなんて一度も無いんじゃないかな。
「けど、これからは一緒に笑っていこ?みんで」
「...あぁ」
「希ちゃーん!隼くーん!おーい!」
希と2人で話していたらまだ寝ていた穂乃果達が走ってきた。
集まった俺を除いた9人は自然と手と手を繋いでいく。ただ立っているだけの俺の手にも誰かの手が繋がれた。
「んふふ」
希の手だった。俺に手を繋いだ希は微笑む。
「希...」
「ん?」
「ありがとうな」
そして上ってきた朝日に向かって俺たちは叫ぶ。
「よぉーし!ラブライブに向けて、μ's頑張るぞー!」
穂乃果がそういうと全員で手を上げて、
「「「「「「「「「「おぉー!」」」」」」」」」」
順調に進んでいたと思われていた歯車は、
この時を境に狂い始める。
女神たちはどうなるのか。
いかがでしたか?
希に一緒に笑っていこうなんて言われたら思わずプロポーズしちゃいますよね(笑)
書きながら思っちゃいました(笑)
隼の過去には何があったのでしょうか??
どういう子供だったのでしょうか?
勿論後々明かしていくつもりです。
ちなみに隼がμ'sのメンバーに対してそれぞれどのように思っているかなんですけど、こんな感じです。
穂乃果:3バカの一角。リーダーとしてのカリスマは有り。
ことり:ゆっくりしている奴。9人の中では比較的頼りになる。
海未:真面目だが、度々オーバーヒートしがち。
真姫:まともな子ではあるが、やっぱりまだ子供だなと思う面もある。
凛:3バカの一角。1年の中では総合的に見て一番しっかりしてるかなと思う。
花陽:いい子だが、抜けている面もあるなと思っている。
にこ:3バカの一角。意地はったりとか変なアイドル顔見せなければ普通の人。
希:考えを見透かされているようで少し苦手だったが、合宿を通じて、姉のような安心感を感じている。
絵里:所々ポンコツな面もあるが、基本は頼りになる姉的存在。しかしμ's加入の時の話もあるため、あまり話したことはない。
こんな感じで、「可愛い」「綺麗」などは全員共通して思っています。
次回からμ'sの歯車は崩れ始める(?)
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