ボクの旅路に幸あれ!……無理か。   作:隔離場

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最初の方、かなり飛ばしていきます。


パーティー

 さっき回収した三人だけど、ジャージを着た青年が佐藤和真、青い髪で最初から食べられてたのがアクア、後から食べられた黒髪の女の子がめぐみんという名前らしい。移動中に少し質問してみた。

 めぐみんは本名だったよ。

 

「えーと、ボクは榊 千尋。しがない一冒険者だよ」

 

「サカキ……チズル……?…………お、思い出しました!あなた、『魔術師殺し』のチズルですね!?」

 

「え、何その物騒な名前」

 

「最近現れた、魔法使いの天敵とも言える人物です。彼女の作る槍はどんな障壁も無力化するのです。あと、今まで何人もの冒険者が返り討ちに会ってきた賞金首のモンスターの情報提供者であり、それらを討伐した本人だとか!」

 

「マジか。結構な大物じゃないか?」

 

 みたいな会話を挟んで、パーティーに入れてもらった。

 

 カズマ君も了承してくれたから、オッケーだと思う。まさか、あだ名がこんな形で役に立つなんて思わなかったよ。

 

◇◆◇

 

「なぁ。聞きたいんだがスキルの習得ってどうやるんだ?」

 

 カズマ君のところでパーティーとして活動する約束をした次の日。

 ボクたちは少し遅めの昼食をとっていた。

 

 ちなみに、昼食の内容はアクアとめぐみんちゃんがお肉がたくさん使ってある定食。カズマ君とボクはサラダと注文している。

 

「えっと、カズマ君は【冒険者】だったね。だったら、誰かからスキルを教えて貰えば、カードの習得可能スキルっていう項目が出るはずだから、ポイントを使ってそれを選択すれば習得はできると思うよ」

 

「へー……。ちなみに、チズルさんはどんなスキルを持ってるんですか?」

 

 うっ、なんかぞわぞわする。人に敬語使われるのに慣れてないからかなぁ……?

 

「あー、ごめんカズマ君。その、敬語はやめてもらえない?なんか背筋がぞわぞわするんだ……。あと、ボクのスキルは……口で説明するのは難しいね。ギルドカードを渡すから、気になる物があったら言って?」

 

 そういいつつカードを差し出すけど、めぐみんちゃんも気になるのかな?カードをのぞき込んでる。

 

(え、何このステータス。このレベルだとこれが普通なのか?)

(いえ、そんなはずは……というかスキルの欄も可笑しいのありますよ!?何ですか習得不可って!?)

(しかも8つも習得不可スキルがあるんだが……名前見てもどんな効果か想像つかねぇ!)

(辛うじて習得できるのは<鎖術>、<聞き耳>、<投擲>、<目星>、<鋭い嗅覚>、<瞑想>って……暗殺者か何かですか!)

 

 ……何をこそこそ話してるんだろ?【聞き耳】……いや、いいか。気になるならあとで聞いてくるでしょ。

 

(てか待て、習得可能スキルの欄ありすぎじゃね!?)

(何人かから聞いたとしても物凄い量ですね……)

(あ゛ー!下の方にも習得不可スキルある~!)

(ほんと何者なんですかこの人!)

 

 あ、顔上げた。頬引き突っつてるけど。

 

「えっと、チズルさん……じゃなかった、チズルはいつもどんな戦い方をしてるんだ?」

 

 あれ?スキルについてじゃないんだ。

 

「ボク?んー、そうだね。いっつも肉弾戦……?いや、でもボクはドッペルちゃんに任せきりだから……」

 

「「ドッペルちゃん?」」

 

「うん。ドッペルちゃん。ボクのスキルで呼び出したもう一人のボクだよ。ボクよりも積極的に敵に突っ込んでいって、いつも無傷で帰ってくる子だよ」

 

 あ、二人の表情が険しくなった。なんでだろ?というかアクアはまだ食べるの?

 

「じ、じゃあこの【鎖術】っていうのは?」

 

「鎖を自由自在に扱えるようになるスキルだよ。こんな風に……」

 

 腰から鎖を抜きつつ【鎖術】を使って鎖でハートとか、星とかを作って見せる。

 

「「おー」」

 

 二人は感心して拍手を送ってくる。なんだか恥ずかしいなぁ……。

 

「じゃあ、他のスキルはどんなの?」

 

「えっとねー。【目星】【聞き耳】【鋭い嗅覚】はその名の通り五感を鋭くするスキル。【投擲】は勢いよく投げるスキルで、【瞑想】は神経を研ぎ澄ませるスキルだよ」

 

「……なぁ、【鎖術】位しかいいのが無いんだが……?」

 

 えー?そうかなぁ……。全部いいスキルだと思うんだけど……?

 

「一応アクアにも聞いとくか……。おい、アクア。お前なら便利なスキルたくさん持ってるんじゃないか?なにか、お手軽な感じのスキルを教えてくれよ。習得にあまりポイントを使わないで、それでいてお得な感じの」

 

 アクアは少し考えるそぶりを見せる。

 

「…………しょうがないわねー。言っとくけど、私のスキルは半端ないわよ?本来なら、誰にでもホイホイと教えるようなスキルじゃないんだからね?」

 

 うーん。ボクも一応聞いとこうかな?今後の役に立つかも。

 

「じゃあ、まずはこのコップを見ててね。この水の入ったコップを自分の頭の上に落ちないように載せる。……ほら、やってみて?」

 

 ボクは遠慮しとくけど、カズマ君はやってみるみたい。

 そっとコップを頭の上に載せると、次の指示を待った。

 一方のアクアはどこからか何かの種を取り出し、テーブルの上に置いた。……何の種なんだろう?

 

「さぁ、この種を指ではじいてコップに一発で入れるのよ。すると、あら不思議!このコップの水を吸い上げた種はにょきにょきと……」

「誰が宴会芸スキル教えろっつったこの駄女神!」

「ええーーーーー!?」

 

 ははは、なにこれ、漫才みたいで面白いよ!

 




アクアが心の中でも呼び捨てなのは、敬意を払う必要もないと考えているからです。
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