ボクの旅路に幸あれ!……無理か。   作:隔離場

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稼ぎ時

「……実はなダクネス。俺とアクア、それにチズルはこう見えて、ガチで魔王を倒したいと考えている」

 

 さて、うまくいくのかな?

 というかカズマ君。ホントはそんなこと思ってないでしょ。目から光が少し消えたよ。

 

「丁度いい機会だ。めぐみんも聞いてくれ。俺達三人は、どうあっても魔王をたおしたい。そう、俺達はそのために冒険者になったんだ。という訳で、俺達の望遠は過酷なものになることだろう。特にダクネス、女騎士のお前なんて、魔王に捕まったりしたら、それはもうとんでもない目に遭わされる役どころだ」

 

「あぁ、全くその通りだ!昔から、魔王にエロい目に遭わされるのは女騎士の仕事と相場は決まっているからな!それだけでも行く価値がある!」

 

「えっ!?……あれっ!?」

 

 え!?酷い目に遭わされるって、四肢をもぎ取られたり、喉の辺りから舌を引っ張り出すことでしょ!?

 何さ、エロい目に遭わされるのが相場って!

 

「えっ?……なんだ?私は何か、おかしな事を言ったか?」

 

「言ったよ?」

 

「め、めぐみんも聞いてくれ。相手は魔王。この世で最強の存在に喧嘩を売ろうってんだよ、俺達は。そんなパーティーに無理して残る必要は……」

 

 カズマ君がそこまで言った時。めぐみんちゃんが椅子を蹴って立ち上がって、マントを翻しながら。

 

「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法の使い手にして【爆裂魔法】を操りし者!我を差し置き最強を名乗る魔王!そんな存在は我が最強魔法で消し飛ばして見せましょう!」

 

 駄目だこりゃ、二人とも魔王を倒すってことに惹かれちゃってる。一人は捕まりたい見たいみたいだけど。

 

 カズマ君が「おいどうすんだこれ」みたいな感じで見てくるけど、肩をすくめてこれは無理って意思表示をする。

 あ、頭抱えた。

 

 

 ……そうだ、スキルの更新をしよう。え?現実逃避?……そうだね。

 

 まぁ、スキルの更新はするんだけど。アクアがなんか言ってるけど、スルー安定だね。ツッコミはカズマ君がやってくれるし。

 

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【プロフィール】

名前:榊千尋

種族:ヒューマン

年齢:19

性別:女

職業:探索者

レベル:14→15

 

【ステータス】

筋力:316 → 324(+8)

体力:573 → 581(+8)

魔力:38  → 40(+2)

知力:257 → 260(+3)

器用:134 → 139(+6)

俊敏:672 → 675(+3)

幸運:14  → 14

 

【取得済みスキル】

 

<METEOR GOLIATH>※習得不可

<KRAKEN>※習得不可

<ELDER KRAKEN>※習得不可

<WRAITH>※習得不可

<BEHEMOTH>※習得不可

<GLACIAL BEHEMOTH>※習得不可

<GORGON>※習得不可

<MOON BEAST>※習得不可能

<鎖術>

<聞き耳>

<投擲>

<目星>

<鋭い嗅覚>

<瞑想>

 

【習得可能スキル】現在pt:16

 

・言いくるめ 必要pt:1

・医学    必要pt:4

・運転    必要pt:1

・応急手当  必要pt:3

・オカルト  必要pt:1

・化学    必要pt:2

・鍵開け   必要pt:1

・隠す    必要pt:5

・隠れる   必要pt:5

 …

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 さて、【月の怪物】が10ポイントも持って行ったからね。スキルポイントは節約していきたいよ。

 というわけで、今回取るのは【隠れる】だけ。下の方にある面白そうなスキルはポイントがまだまだ足りないよ~。

 

 よし、じゃあ早速試してみようかな。名前からして攻撃的な物じゃないし、大丈夫だよね……。

 

『緊急クエスト、緊急クエスト!街の中にいる冒険者の各員は、至急ギルドに集まってください!繰り返します。街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まってください!』

「ぅわぁ!」

 

 ビックリした!ビックリした!気を抜いた時に丁度来るとか、何なの!?いやがらせ!?店とか学校であるようなピンポンパンポーンって音ないの?

 

 あぁ……恥ずかしい……。

 

「おい、緊急クエストってなんなんだ?モンスターが街に襲撃に来たのか?」

 

 カズマ君。こういう時に突っ込まないのはキミなりの優しさなの?それともただ聞こえなかっただけなの?

 

 ……ふぅ。いけない。落ち着かないと。所長にも落ち着いた行動がどうこう言われたもん。深呼吸、深呼吸。

 

「…ん。たぶんキャベツの収穫だろう。もうそろそろ収穫の時期だしな」

 

 危ない。呼吸が詰まりかけた。キャベツ、キャベツね。一応ボクもこの世界のキャベツの特徴は知ってるよ。一週間でいろいろ調べたからね。

 

 その後カズマ君はめぐみんちゃんとダクネスさんに「モンスターの名前か何かか?」とさらに質問するけど、「緑色の丸いやつです。食べられる物です」「噛むとシャキシャキする歯ごたえの、美味しい野菜のことだ」と、多分カズマ君が考えているキャベツと全く同じ物の特徴を挙げた。

 

「あのね、カズマ君。今回の緊急招集の原因はキャベツで間違いと思うよ。あと、ここ(この世界)での常識は日本とは違うから、形と食感以外のキャベツの常識は捨ててね」

 

 女神さんは僕たちが異世界から来たことをこの世界の住人に知られたくないみたいだから、少しだけぼかしてカズマ君にアドバイスをしておく。

 日本とか言っても、別の世界っていう連想はしないでしょ。ここにはライトノベルみたいに異世界に行って冒険、なんていうのは無いみたいだし。

 

 冒険者がけっこう集まってきたのを見て、ギルドの職員が大きな声で説明を始めた。

 

「皆さん、突然のお呼び出しすみません!もうすでに気づいている方もいると思いますが、キャベツです!今年もキャベツの収穫時期がやって参りました!今年のキャベツは出来が良く、一玉の収穫につき一万エリスです!すでに街中の住民は家に避難して頂いております。では皆さん、出来るだけ多くのキャベツを捕まえ、ここに納めてください!くれぐれもキャベツに逆襲されて怪我をしないようお願い致します!なお、人数が人数、額が額なので、報酬の支払いは後日まとめてとなります!」

 

 カズマ君は「は!?」って顔してるけど、ボクにこれ以上の説明はできないからね。

 

 さ、冒険者に混ざって正門の方に行こう。ここが稼ぎ時、だよ?

 

 

 あ、ボクは皆から離れた位置で乱獲してくるから、皆も頑張ってね?

 

 

「俺、もう馬小屋に帰って寝てもいいかな」

 

 

 

 

 カズマ君の、悲しさを含んだ呟きが背後で聞こえた気がした。




実は、この話の中で千尋ちゃんの得意技能が使われています。
というか結構前から度々使われてますね。

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アンケート終了しました

活動報告に第一話で登場した女神さんの設定を載せました。
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