IS-インフィニット・ストラトス LAST RAVEN   作:レイキャシール

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こちらでは初見となります、レイキャシールです。
にじふぁん閉鎖に伴い、彼方此方の二次創作サイトを転々とした後、ようやくここにたどり着きました。

心機一転、頑張って参りますので、にじふぁん時代の自分を知っている人も、知らない人も、応援よろしくお願いします。


プロローグ

IS-インフィニット・ストラトス LAST RAVEN

 

―レイヴン。

最強の人型兵器、“アーマード・コア”を駆り、多額の報酬と引き替えに依頼を遂行する傭兵。

“支配”と言う名の“権力”が横行する世界において、何者にも与する事の無い、唯一の存在である・・・・・・。

 

 

 

プロローグ

 

「これで・・・・・・最後だっ・・・・・・!」

 

男の駆る鋼の巨人、その背中からロケット弾が放たれ、射出口らしきものを破壊した。

未来的な作りの空間から、徐々に光が失われていく。

それと同時に、空を目指していた破壊の大群もまた、二度と飛び立つことは無くなった。

 

《予想通りね。施設機能は完全に停止、作戦成功ね》

「やれやれだ。蜂の巣にされるかと思ったぜ・・・・・・」

《ふふっ確かに。あの時のあなたの顔、リム・ファイアーと戦ったとき並みに取り乱していたわね》

「あの時は冗談抜きで身の危険を感じた。あれに勝った後だと、他のレイヴンが弱く感じるぞ」

《相性は最悪だものね、あなたと彼は。さぁ、帰りましょう》

「了解・・・・・・いや、まだお客さんが残っていたようだ・・・・・・!」

 

男は、目線を天井―先刻、自分が進入してきた穴へと向ける。

そこから降りてきたのは、自分と同じ鋼の巨人。その肩には、妖艶な女性の形をした香水瓶のエンブレムがあしらわれていた。

 

《・・・・・・お前か・・・・・・やはりな。そんな気がしていた》

「・・・・・・ジャックが言っていた『もう一人受諾した』レイヴンは、お前の事だったのか・・・・・・」

 

男は、相手の名を呼ぶ。今まで幾度となく死闘を演じてきた『宿敵(とも)』の名を。

 

「・・・・・・ジナイーダ」

《私達の存在、それが何を意味するのか、解るような気がする・・・・・・》

 

女―ジナイーダは愛機たる巨人、ACファシネイターを戦闘態勢に移行させる。

男もまた、愛機に銃を構えさせた。

そして・・・・・・

 

《お前を倒し、最後の一人となった、その時に・・・・・・!!》

「悪いが、俺にも譲れないものがある。黙って倒されるつもりは無い!」

 

最後の『鴉』を決める戦いが、始まった。

空中からマイクロミサイルの雨が降り注ぐ中、彼はそれを紙一重で回避しつつ小型ミサイルを放つ。

その内の大半が迎撃されるも、彼は機体を跳躍させ、左腕のレーザーブレードで相手を斬りつけた。

しかし、ジナイーダもタダでやられるつもりは無い。右手のハンドレールガンと、左手のマシンガンを一斉に放つことで彼の機体にも少なくないダメージを与えた。

 

《ぐっ!・・・・・・まだだ・・・・・・まだやれる!》

「こんちくしょう・・・・・・俺がシングルトリガー寄りってこと知ってやがるな・・・・・・!」

ムーンライト(そんなもの)をぶら下げておいて、どの口が言うかっ!》

「だからといって、嘗めんじゃねぇぞ!!」

 

不意に彼の、正確には彼の機体の背中から端末が二個切り離されたと思うと、それらは彼に追従しながら先端のレーザーガンを撃ち始めた。

 

《ここで使ってくるか・・・・・・!》

「さすが、ミラージュ製EOコア。こういう時は頼りになる!」

 

EO―イクシード・オービット―だけでなく、アサルトライフルも交えた三重の火線。

その内の一筋が、ファシネイターの左手に握られていたマシンガンを射貫いた。

誘爆する寸前に彼女はそれを手放すと、コアからレーザーブレードを取り出して左腕に付け直す。

それと同時に、持ち前の機動性で一気に懐へ潜り込むと、レーザーブレードを一閃させた。

先ほどの彼の一撃と比べるべくも無い軽微な一撃。だが、これだけでは終わらない。

 

「ぬおっ!?」

《浅いか・・・・・・だが・・・・・・!》

「なんとおっ!!」

《!?》

 

右手のハンドレールガンを発砲しようとした刹那。彼は咄嗟に、アサルトライフルで殴りつけたのだ。

双方の銃身は折れ曲がり、あるいはひしゃげて使い物にならなくなる。その反動で、互いに距離を空ける両者。既に機体からは火花が散っており、限界に近かった。

 

「さて・・・・・・そろそろ」

《・・・・・・これが最後か・・・・・・良いだろう》

 

そう言ってジナイーダは両肩のミサイルランチャーとパルスカノンをパージし、彼もまた、最後まで残っていたロケット砲を捨て去る。

それと同時に、左腕を構える両者。ジナイーダは正拳突きのように前に突き出し、彼は半身を出す居合いの構え。

そして・・・・・・

 

「うぉおおおおおおっ!!」

《はぁあああああああっ!!》

 

ブースターを全開にしての、吶喊。

振るわれる刃。機体が交錯したその直後、倒れたのは・・・・・・

 

《ぐっ・・・・・・!?》

「俺の・・・・・・勝ちだな・・・・・・!」

 

ジナイーダのAC、ファシネイターであった。

彼は、右腕を失った愛機を向き直らせると、膝をつくファシネイターのもとへ歩み寄る。

 

「始める前に言っていたよな・・・・・・『存在している意味が分かる気がする』と。どういうことだ?」

《言葉通りだ・・・・・・・・・ここまで生き残った意味が、な・・・・・・・・・》

 

今にも消えてしまいそうな声で、ジナイーダは続ける。

 

《私はただ、ひたすらに強くあろうとした・・・・・・。そこに私が生きる理由があるからだと信じていた・・・・・・。今だからわかるが・・・・・・ジャックの言う『ドミナント』も・・・・・・その・・・・・・一面だったのかもな・・・・・・》

「・・・・・・・・・・・・」

 

『ドミナント』。分かり易く言うならば、戦闘の天才にして世界を変える存在。ジャックの一連の行動は、この『ドミナント』を探す意味も込められていたのだ。

残されたレイヴンに賞金を懸け、さらには手駒のレイヴンに同士討ちをさせてまでふるいに掛けた末、彼と、彼女が残った。

 

《お前との出会い、そして戦いは、私にとって良い糧となった・・・・・・・・・・・・。そのお陰で・・・・・・やっと追い続けたものに、手が届いた気がする・・・・・・》

「止してくれ・・・・・・。俺は必要だから戦った、それだけだ」

《・・・・・・だからこそだ・・・・・・。『レイヴン』・・・・・・その称号は・・・・・・お前にこそふさわしい・・・・・・・・・・・・》

 

紡ぎ出された最期の言葉。そして、爆発するファシネイター。

通信用のモニターが光に包まれ、直後にそれは砂嵐となる。

 

《彼女の言いたかった事。何となくだけど、わかる気がする》

 

少し間を置いて、シーラが通信に入ってきた。

同じ女だからか、お互い通じる物があったのだろう。

彼も緊張の糸が切れたのか、段々と意識が遠のきつつあることを感じていた。

 

〈終わったか・・・・・・俺の24時間も・・・・・・やっ・・・・・・と・・・・・・〉

《帰りましょう、みんなが待ってるわ。・・・・・・レイヴン?返事をして。レイヴン!》

〈悪い・・・・・・シーラ・・・・・・帰れそうに・・・・・・ない・・・・・・・・・・・・〉

 

ゆっくりと膝を突き、炎に包まれる彼のAC。『自分の役目は終わった』と、言わんばかりに。

最期に『彼』が聞いたのは、嗚咽にまみれながら彼の名を呼ぶ、最愛の人の声だった・・・・・・。

 

――――――

 

「う・・・・・・」

「おお、気がついたか」

 

『彼』が目を開くと、そこは何も無い白い空間。

どこまでも続いているようで、すぐに終わってしまいそうな、そんな場所。

その彼の目の前にいたのは、白いひげを生やし、杖を持った老爺。服装も彼のようなフライトジャケットではなく、真っ白い大きな布を体に巻き付けているのみ

『彼』は疑問を呈した。

『自分の身に何があったのか』、と。

 

「ああ・・・・・・それはだな・・・・・・」

 

老人の口から出た答えは、酷くシンプルで、それでいて逃れようのない事実であった。

 

「死んだのじゃよ、お主は。ここは彼岸と此岸の境界線、死者がまず最初に来る場所じゃ」

 

『彼』は一瞬、老爺の正気を疑った。だが、冷静に考えてみると、思い当たる節がいくつもある。

 

「・・・・・・聞かせてくれないか・・・・・・?インターネサインの中枢に突入してから、俺が死ぬまでの出来事を」

「うむ。いささか儂の主観も入るが、構わぬかな?」

「ああ。第三者の視点なら」

「承知した」

 

そして、老爺は語り始めた。

『彼』によって、特攻兵器を生み出す元凶が破壊され、ファシネイターが現れてからの死闘。

そして決着と、双方の最後・・・・・・

 

「これが、お主が死ぬまでの数十分に、お主に起きた出来事じゃ」

「そうか・・・・・・ようやく納得できた。俺は、死んだんだな?」

「最初にそう言ったじゃろうて。お主の最後の表情は、生前の職業からは想像が付かないほど、実に安らかじゃった。じゃが・・・・・・お主の相方はそうではないようでの・・・・・・」

「相方・・・・・・?」

「まあ、見て貰った方が早いじゃろ。ほれっ」

 

老人が指を鳴らすと、何も無い空間に映像が現れる。

映っていたのは、床に倒れ伏す金髪の女性。だが、少々様子が違った。

床に広がりつつある紅い液体、倒れたまま微動だにしない彼女。

一体誰なのか、『彼』は直感的に感じ取った。『あの女』は・・・・・・。

 

「シーラ・・・・・・? 嘘・・・・・・だろ・・・・・・!? どういうことだ!!」

「落ち着け!今経緯を説明する!」

 

『彼』は、彼にに掴みかかった。その眼に怒りと悲しみの感情を滲ませながら。

襟首をつかまれながらも、老爺は語り始める。

 

「その女の心を覗いてみたのだが、お主が死んだことにショックを受け、未来を悲観した末の行動じゃ。本人に後悔は無いじゃろうて。じゃが・・・・・・・・・このままではあまりにも不憫すぎてならん。なので、彼の者を転生させようと思う。しかし、お主の後を追って自ら命を絶つほど思いが強いのも事実。そこで、じゃ。お主に問おう。転生する気は、ないか?」

「どういうつもりだ・・・・・・?」

「話は簡単じゃよ。お主と共に、あの女を転生させるのじゃ。ただし、条件付きでの」

「・・・・・・?」

「その前に、離してくれるかの?」

「ああ・・・・・・すまん」

 

老爺の顔が青くなってきたのに気付いた『彼』は、慌てて彼を床に降ろした。

 

「その条件じゃがの、転成後のお主の生き方にも関わる重要な・・・・・・」

「御託は良いからさっさと説明してくれ」

「むう・・・・・・いけずな事を言う奴じゃの。では言うぞ」

 

そして、老爺は言い放つ。ある意味では、『彼』が最も望んでいたであろう、その条件を。

 

「『例えどのような形であっても、彼女と共に生きる』事じゃ」

「シーラと共に・・・・・・?」

「うむ。どんな形であろうと、な。どうじゃ?」

「言うまでも無いさ。まだ彼女と会ってから、そう時間が経っていないからな・・・」

「よくぞ言うてくれた。それと、儂からの餞別じゃ。お主の世界で言うところの『ドミナント』とやらの能力も付与しよう」

「・・・・・・ありがとう」

「何、元人間のささやかな善意じゃて。それでは、再び眠るが良い」

「あ・・・・・・ああ・・・・・・・・・」

「次に目が覚めたときは、お主等の新しい生の始まった時じゃ。それまで、良い夢を・・・・・・」

 

再び遠のいていく『彼』の意識。その脳裏に、最愛の人を思い浮かべながら・・・・・・・・・・・・。




レイキャシール「そんなわけで始まりました、『IS-インフィニット・ストラトス LAST RAVEN』、略して『ISLR』!! ドーモ、読者=サン。作者のレイキャシールです」

レイブン「この物語で、主人公を演じることになった者だ。よろしく頼む」

レイキャシール「ヘイ・ユー。お前には『レイブン・コードウェル』と言う素敵性能溢れるな名前があるでないか」

レイブン「それは『あっち』での名前だ。何処へ行こうが、『俺』は『俺』で、ただの『レイヴン』だ」

レイキャシール「微妙にメタな発言が飛び出したような気もするが・・・まあ、いっか。
次回! 『IS-インフィニット・ストラトス LAST RAVEN』、『転生した鴉』。
誰もが、生きるために戦っている・・・・・・」

レイブン「ちょっとまて、それは違うだろ」
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