温かく見守ってください!
「律人ー、そろそろ起きなさーい!」
「うーん...」
1階の母さんの大きな声で目を覚ます。
「あ、今日は卒業式か...」
「律人!まだ寝てるの!?」
「今起きたよー!急いで準備するから!」
眠い目をこすりながら、布団から出て準備を済ませ、1階に降りる。
3月9日、今日は俺の卒業式だ。
「おはよう、母さん、ばあちゃん」
「おはよう、律人、ご飯冷めちゃうから早く食べちゃいなさい」
「おはよう、律くん」
俺の名前は一ノ瀬律人(いちのせりつと)。
今日で中学校を卒業する15歳だ。
「なんだかあっという間だったわね、律人が中学校卒業するの」
「そうかな?俺はやっと中学卒業!て感じだよ。」
この人は俺の母親、一ノ瀬涼子(いちのせりょうこ)。
35歳なんだけど、20代に間違われるくらい美人らしい。
うちは母子家庭だ。
元々は東京に住んでいたんだけど、父親が俺が小学生の時に出ていってからは母の実家である広島に住んでいる。
母子家庭を寂しいと思ったことはない。じいちゃんもばあちゃんも優しいし、何より母さんのおかげでグレることもなくちゃんと育ってきたと思う。
父親のことを1度だけ母さんに聞いたことがあったけど悲しい顔で「他に大切な人が出来たんだよ」といわれてからは聞かないようにした。
まぁ色々あったが今は楽しくやれている。
「あれ、ばあちゃん、じいちゃんは?」
「多分畑じゃね。野菜の具合が気になるゆうとったから」
「そっか、朝早くから大変だ。」
「おーい、律人ー!学校行こうぜー!」
玄関から誰かの声が聞こえる。
といっても平日のこの時間に来るのは大抵あいつらだ。
「おっす、律人!」
「おはよー、律人。」
「おはよー、2人とも」
この2人は引っ越してきた時からの幼なじみの由良尊と桐島青人。
「あら、尊くんに青大くん。いつも迎えにきてもらって悪いわね。」
「涼子さん///今日も相変わらず、お美しいです///」
「相変わらず尊は綺麗な人なら誰でもええんじゃな...」
「さすがに母さんにはやめてほしいな...」
「あほっ!涼子さんほど美人はなかなかおらんわ!そりゃー、律人もイケメンで産まれてくるわけやな」
「別にイケメンとかじゃないよ、あっ、そろそろ学校行かないとヤバいぞ!」
尊の無駄なやりとりが長引いたせいで時間ギリギリになっていた。
「じゃあ母さん、ばあちゃん、いってきます!」
「はーい、行ってらっしゃい、母さん達も後で見に行くからね!」
「律くん、気を付けてねー」
「わかった!」
俺たちは最後の登校となる中学校に向かった。