君のいる町 if   作:中矢

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お久しぶりです!
あけましておめでとうございます!
12回目の投稿です!



月光に照らされて。

目を覚ますと、見馴れた天井が見えた。

昼間よりはマシだが、まだ頭痛がする。

額にはタオルがかけてあり、まだ冷たい。

 

「いつの間に家に帰ってきたんだろ...」

 

学校で具合が悪くなり、七海ちゃんが保健室に連れていってくれたところまではなんとなく覚えている。

今、時計の針は6時半をさしていた。

 

「あら、律人、起きたの?大丈夫?」

 

母さんが部屋に入って来る。

 

「だいぶマシになったよ。それより母さん、俺どうやって帰ってきたの?」

 

「あなた、やっぱり何も覚えてないのね。」

 

そして、母さんは今日のことを教えてくれた。

 

「あなた、学校の昼休みが始まってすぐに保健室で寝てたのよ。」

 

「そこまでは覚えてるよ。その後が、あんまりおぼえてないんだよね。...七海ちゃんに迷惑をかけたのは覚えてる...」

 

「そう、七海ちゃんが付きっきりで看病してくれたのよ。お弁当も食べずに、タオルを替えてあげたり、先生に言って、うちに連絡してくれたり。さっきも、6時まではいたんだけど、さすがに帰ってもらったわ。」

 

思っていた以上に迷惑かけてる...

七海ちゃんには謝らなきゃな...

 

「七海ちゃんってほんとにいい子ね。」

 

「うん。ほんとに。」

 

「あの子、律人のこと好きでしょ?」

 

「一応、告白はされたよ...」

 

「じゃあ付き合ってるの!?」

 

「ううん...断った...」

 

「...そう。律人は優しいから何か事情があるんでしょうね。」

 

「うん...」

 

「律人も、あの子の事好きなんでしょ?」

 

「...やっぱり母さんにはわかる?」

 

「わかるわよ〜。息子が誰を想ってるかぐらいね。」

 

母さんにはさすがに隠せないみたいだ。

 

「ほら、まだ治ってないんだから寝てなさい。お粥つくってあるけど食べれる?」

 

「うん。」

 

母さんはそういって部屋をでた。

 

その後、お粥を食べて眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝...

 

「うーん、37.6かー。まだ熱はひいてないみたいね。今日まで寝てなさい。母さん、学校に電話しておくから。」

 

「分かった。ごめんね、母さん」

 

まだ、熱っぽいな...それに、頭痛もするし...

でも、昨日からするとだいぶ楽になった。

 

「七海ちゃんのおかげ...かな?」

 

薬を飲んで眠っていると、ドアを開ける音が聞こえて、目を覚ました。

 

「律人。体調はどうじゃ?」

 

「お邪魔します!」

 

「律人、大丈夫?」

 

青大、柚希ちゃん、月がやってきた。

 

「おはよう、みんな。だいぶ良くなったから明日から学校行けそうだよ。」

 

「青大のバカの風邪がうつったんかな...?」

 

「誰が馬鹿じゃ!」

 

「ほんとだよ、バカは風邪ひかないって言うんだけど...」

 

月、青大、柚希ちゃんはそんなやり取りを交わす。

柚希ちゃん、ほんとだいぶ馴染んできたな...

 

「律人、熱は下がったん?」

 

「うん、もうだいぶ落ち着いたみたいだよ。」

 

「よかったね!」

 

「七海ちゃんもよう気付いたよね、付き合い長いうちらでも、気づかんやったのに。」

 

「律人はつらい時隠す癖があるけんのー」

 

「ごめんごめん、七海ちゃんにはちゃんと学校でお礼言わないとな...」

 

「そうじゃな。」

 

3人は学校であったことなどを話してくれた。

「ほんじゃ、そろそろ帰るかの。」

 

「そうだね!」

 

「今日はありがとね。」

 

「ええよ、元気そうでなによりじゃ。」

 

そういって帰り支度を始める。

そこに月が突然口を開く。

 

「あのな、3人に話があるんじゃけど...」

 

「うん?どうしたの?」

 

「なんじゃ?」

 

「なに?」

 

月はいつになく真剣な表情で話し始める。

 

「実はな、うち、神咲先輩のことが好きなんよ。」

 

「まじかい!」

 

「そうなんだ...」

 

「なるほどね。」

 

確かに成海さんはいい人だし、かっこいいと思う。

それに、月は時々、グラウンドを見つめていたからなんとなく、好きな人が野球部にいることは気づいていた。

 

「それで?相談って?」

 

「あのな、まずは仲良ォなりたくて、二人で遊びに行こうって誘ってみたんよ...」

 

俺達は相槌を打ちながら月の話を聞く。

 

「そしたら、青大と柚希ちゃん、それと律人も一緒じゃったらええていわれたんよね。みんなで行った方が楽しいからって...」

 

「そっか...それで、俺達に一緒に行ってほしいってことだね。」

 

「そういうことなんよ!...みんなお願い!」

 

月は必死の表情で手を合わせて頭を下げる。

 

「俺は全然大丈夫だし、応援するよ。」

 

「ありがとう!律人!」

 

「私も青人くんと、律人くんが行くなら大丈夫だよ!」

 

「柚希ちゃんもありがとうね!...青人は?」

 

青大は何か考え込んでいる様子だった。

多分、七海ちゃんに変な誤解されるとまずいとかおもってるんだろうな。

 

「青大、みんなで行くんだし、月がこんなこと頼むなんて珍しいじゃん。協力してあげない?」

 

すると、青大は俺にだけ聞こえるように呟く。

 

「神咲に誤解されたらどうするんじゃ...ただでさえ、片想いしてるとか誤解されたんやぞ!」

 

「そこらへんはきっと大丈夫だよ。俺がうまくなんとかするから。」

 

「うーん...律人がそういうなら...わかった!行けばええんじゃろ!」

 

「ありがとう!青大!じゃあ予定なんじゃけど、今度の休みに、大鬼山キャンプ場でバーベキューすることになっとるから!よろしくな!」

 

そして、3人はそれぞれの家に帰っていった。

 

あの月がついに恋愛するようになったんだな...

しかも、2人で遊びに行こうとするなんて、なかなか積極的だ。

月の恋、叶うといいな。

 

そして、俺は夕食を食べて、横になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、俺は完全に復帰したので学校に行く。

 

「おぉー!律人!来たんじゃな!体調はどうじゃ?」

 

「もう完全に治ったよ。」

 

「七海ちゃんのおかげじゃな!」

 

尊は相変わらず七海ちゃんの事となるとにやにやしながら話してくる。

でも、たしかにその通りだ。

そう思い七海ちゃんをさがす。

 

「あれ?七海ちゃん、まだ来てないの?」

 

「ん?そういえば見当たらんな...」

 

すると月が間に入ってくる。

 

「おはよう、律人!七海ちゃんなら今日は休むってメール来とったよ。なんだか熱があるみたいなんよ。」

 

「うわっ、律人の風邪がうつったんじゃな...」

 

まじか...たしかに、付きっきりで看病してたって言ってたし、うつるのも無理ないよな...

 

「あんた、今日は七海ちゃんのお見舞い行ってあげんさいよ。」

 

「そうだね。たぶん、おれが原因だし、帰りに寄ってみるよ。」

 

始業のチャイムがなり、授業が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部活が終わると成海さんに声をかけられる。

 

「お疲れ!律!今日は七海のお見舞いにくるんじゃろ?」

 

「お疲れ様です!はい!そのつもりです。」

 

「まったく、うちの可愛い妹に病気をうつして...もちろん、責任はとってくれるんじゃろ?ん?」

 

成海さんはいつものように、からかってくる。

この人の責任はイコール嫁にとれってことだからな...

まったく冗談なのか本気なのか...

 

俺はやれやれと思い、その言葉をかわす。

 

「もちろん、責任をとって何か買っていきますよ。というか、七海ちゃんの前でそんなこと言っちゃだめですよ?成海さんのそういう言葉にはすぐ反応するんだから...」

 

「わかっとるよ!そんじゃ、とりあえずコンビニでなんかこぉていくか!」

 

そして、俺達は学校を後にしてコンビニによる。

コンビニではゼリーや、プリンなどの食べやすいものと、スポーツドリンクを買っていく。

成海さんが買ってきた肉まんは意外と美味かった。

 

そんなこんなで神咲家に到着。

自転車を置かせてもらい、家にあがる。

 

「おじゃまします!」

 

「ただいま!」

 

すると、奥の方から神咲母が顔を出す。

 

「おかえり、成海。あら、律人くん!久しぶりじゃね!七海のお見舞いにきてくれたん?」

 

「はい!すみません。僕の風邪がうつってしまったみたいで...」

 

「ええんよ!七海が好きでやったことなんじゃから。それにしても、あの子も積極的になったんやね〜。あ、七海の部屋なら2階じゃから!」

 

「分かりました!失礼します。」

 

階段をあがり、七海という札がかかっている部屋をノックする。

 

こんこん。.........

 

返事がない。

 

「七海ちゃん?律人だけど...入るよ?」

 

俺はドアをそーっと開けて部屋に入る。

 

部屋は綺麗に整頓されていた。

教科書は綺麗に並べられており、雑誌なども、月で並べてあり、七海ちゃんの性格がよく分かる。

しかし、ぬいぐるみなどもあり、女の子らしい部屋だった。

いいにおいもするし。

そういえば、七海ちゃんの部屋に入るのは初めてだな。

勝手に入って良かったのだろうか...

七海ちゃんはベッドですやすやと眠っている。

額を触ってみるとまだ少し熱い。

 

「ごめんね。俺のせいで辛い思いさせちゃって...」

 

俺は少し布団から出ていた手を取り布団の中に戻そうとした。

 

ぎゅっ

 

弱々しい力だが俺の手を握ってはなさない。

俺も手を握り返し、そのままの状態でいた。

 

どのくらいそうしていただろう。

外はすっかり暗くなり、月明かりが七海ちゃんの顔を照らす。

整った顔立ち、長いまつ毛。さらさらの黒髪。薄く、柔らかそうな唇。少し紅潮した頬。

全てが魅力的で、俺の心を掴んではなさない。目をそらすことすら許されないような美しさに思わず声が漏れる。

 

「綺麗だ...」

 

俺は、こんな綺麗な子に告白されたんだな。

それでも、受け入れることは出来ない。

それは、わかってる。

 

ただ、この瞬間だけ。寝ている七海ちゃんの手の甲に唇をおとす。

 

月光に照らされた眠り姫が早く良くなるように願いを込めて。

 




みなさん、よい正月を過ごせたでしょうか?
僕は今年は食べてばかりでした...
今年もよろしくお願いします!
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