君のいる町 if   作:中矢

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2回目の投稿です!
ほぼ自己満足で文を書く練習のようなものなので文章がおかしい所もあるかもしれませんがその時は優しくご指摘ください!


卒業式

「今日で中学校行くのも最後かー」

 

「まぁ、高校もどうせ一緒なんじゃから」

 

「そうだね、ここら辺には高校1つしかないし」

 

俺たち3人は自転車に乗って中学校に向かっていた。

 

「それにしても、まだまだ寒いのぉ」

 

「そうじゃな」

 

「うん」

 

見渡す限りの田園風景を自転車で走っていく。

朝に弱い俺にとっては、この時間の、この新鮮な空気がたまらなく好きだった。

東京の都市独特の何かが混ざったような空気と違い、全身に少しずつ染み渡っていくような、優しい空気。

 

 

俺がこの町に引っ越してきたのは小学二年生の頃だった。

父が出ていってから、母さんはほとんど一日中働くようになり、寂しくもあったが、俺も子供心に母さんに迷惑かけちゃだめだ。という気持ちが芽生えていた。

料理もなるべく自分で出来るようにして、みのまわりのこともこなして、母さんの負担にならないように頑張った。

父から養育費は毎月のように送られてきていたようだが、母さんはそれにはほとんど手をつけようとはしなかった。

そして、ある日元々身体の弱かった母さんは仕事中に倒れてしまい、見かねたじいちゃんとばあちゃんが広島に呼んでくれた。

母さんは「ごめんね」と言って、じいちゃんとばあちゃんは「よく頑張った」と褒めてくれた。

 

 

そんなことを思い出しているといつの間にか俺達の中学に到着していた。

 

駐輪場に自転車をとめ、教室にむかうと、金髪碧眼の女の子が声をかけてきた。

 

「おっはよー!律人!」

 

「ああ、おはよ、月」

 

この子は加賀月(かがあかり)俺がこっちにきて、すぐあとに引っ越してきた子。

お父さんがロシア人らしく金髪で碧眼という遺伝子を引き継いでいる。

俺の父方の祖母もイギリス人らしいのだが、俺に引き継がれた遺伝子は瞳の色だけだったので少し羨ましい気もする。

 

「おーい、月、ワシらもおるんじゃけど」

 

「あー、尊に青大もおはよー」

 

「なんじゃそのついでみたいな挨拶は!」

 

「あんたはついでで充分じゃ!」

 

「もーえぇからはよ入ろーや」

 

「あはは...」

 

これまたいつもと同じようなやりとりをして席につく。

 

席につくと次は隣の女の子が挨拶をしてきた。

 

「おはよー、律人くん」

 

「おはよー、七海ちゃん」

 

この子は神咲七海(かんざきななみ)ちゃん。

中学から一緒になって、野球部のマネージャーをやっていた。

俺も、野球部の助っ人として呼ばれることが多かったので七海ちゃんとはすぐに仲良くなった。

 

「今日で、中学校も最後やね。なんだかちょっと寂しい。」

 

「そうだね、でも、高校もどうせみんな同じだから雰囲気的にはあんまり変わんないよ。きっと。」

 

「うん、そうやね!」

 

他愛ない会話をしていると、担任が入ってきて卒業式の流れや注意点を説明し、俺達は体育館に向かった。

 

 

 

 

「卒業証書授与」

 

俺達は、後輩や保護者に迎えられ体育館に入場し、校歌や国歌を歌い終え、卒業証書授与式に入った。

 

「一ノ瀬律人」

 

「はい」

 

俺は名前のはじめが「い」なので一番はじめに卒業証書をもらうことになる。

 

「あーあ、一ノ瀬先輩卒業するんじゃね...」

 

「やだー、先輩行かんでー!」

 

後輩の女の子たちから悲痛な叫びが聞こえる。

 

「ほんと律人はモテモテやな、腹立つわ」

 

「しゃーないじゃろ、律人は俺らの学校じゃダントツにイケメンじゃ」

 

「せやね、おまけに律人はイギリス人のおばあちゃんのおるクォーターていうやつじゃけーのー」

 

「なんであいつだけイケメン要素そろっとんのじゃ...」

 

俺はそんな会話が行われているとは知らず卒業証書をもらい自分の席にもどる。

 

「桐島青大」

 

「はい」

「由良尊」

 

「はーい!」

「加賀月」

 

「はい!」

「神咲七海」

 

「はい」

そんなこんなで卒業証書授与も終え、校長の長い話や保護者代表の長い話を終えて卒業式は終了した。

 

 

 

 

 

「ふぅー!やっと開放されたわ!」

 

「ほんまに、ブチ長かったわ」

「ウチ校長の話とか、途中耐えられんで寝てたわ」

 

「なんか俺も疲れた...」

 

「お前は後輩の女の子たちに囲まれてたからじゃろ!羨ましい!」

 

「何が羨ましいのさ...」

 

尊は相変わらずよく分からないところで怒ってくる。

確かに後輩の子達の好意はありがたいけどなかなか疲れるのだ。

 

「それよりさ!この後律人ん家で卒業パーティやらへん?」

 

疲れているところに追い打ちをかけるような月の提案。

 

「お!それええな!やろやろ!」

 

「ちょっ、なんで俺んち!?青大ん家でいいじゃん!」

 

「いやー、たまには律人ん家に集まるのもええやろ」

 

青大、片付けが面倒だからって俺に押し付けたな...

心の中で悪態をつきながらも渋々了解する。

 

「しょうがないなー...」

 

「よしっなら決まりやね!この後、律人ん家集合!」

 

「あ、じゃあ七海ちゃんも呼んで大丈夫?」

 

「おーええよ!神咲も来るんか!楽しみやな、青大!」

 

「っ!なんで俺にふるんじゃ!」

 

青大に小さな仕返し?いや、エールを送りつつ、俺たちの中学生活は幕を下ろした。

 

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