先日、青人から電話があり、あのあと、柚希に七海ちゃんを好きなことがバレてしまったことや、下着を買いにいかされたことや、そこに尊がきて大変だったことなどを聞いた。
俺も、七海ちゃんの誤解をしっかり解いておいたことを話すと、青人は安心していた。
桜が舞い散り、残り雪が少しずつ姿を消していく中、俺達は入学式を迎える。
俺は朝、しっかり自力で目覚め、少し寝ぼけたまま1階に降りた。
「あら、めずらしいわね、律人が一人で起きるなんて!」
「おはよ。母さん。仕事は?」
母さんは、キッチンで朝ごはんをつくっており、いい香りが部屋に満ちていた。
「律人の入学式なんだから、今日は休んだわよ!」
「高校の入学式はさすがに無理しなくていいって言ったのに。」
「息子の晴れ舞台の日に休まないで、いつ休むのよ。」
母さんは笑いながらそういっていた。
今日は入学式だ。
そして、俺は新入生代表の挨拶をすることになっていたのだ。
「じいちゃんとばあちゃんも来るの?」
「もちろん!家族みんなで見に行くわ!」
「そっか。じゃあしっかり見ててよ。」
そういって、支度をはじめる。
洗面所にいき、冷水で顔を洗い、歯を磨いて、真新しい制服に袖を通す。
少しだけ大きいが、制服に着られてるってほどではないので大丈夫。
ご飯を食べてしまうと、俺は出発した。
「行ってきます!」
「はーい!お母さんたちも後で行くから!」
玄関を開け、いつものように空気をめいっぱい吸い込んで吐き出す。
そして、自転車にまたがり、高校に向かう。
俺はしっかりと、新入生代表の挨拶をやり遂げ、無事に入学式を終えた。
そして、1年生の教室に向かう。
「あ、律くん!」
「ん?七海ちゃん。」
「新入生代表の挨拶よかったよ!すごい堂々としゃべるんやもん。同級生にはみえんやったよ!」
「おおげさだよ!すごい緊張してたし。」
「ほんとに緊張してたん?そんな風には全然みえんやったよ!」
「ありがとう。あ、ここが1年の教室みたいだよ。」
「あ、ほんとやね!」
「やっぱり、クラスがないのって不思議だな。」
東京では小学校から4クラスくらいはあり、中学、高校ではさらに多くに分けられる。
「律くんは、東京からきたんやもんね...でももう慣れたんやない?」
「たしかに、もうこっちにきてだいぶ経つからね。違和感はなくなったかな。」
「律くんは小学生の時からこっちじゃもんね。」
「そうだね。というか、自然に律くんて呼べる様になってるじゃん。」
この前は言っただけで顔を真っ赤にしてたのに...
「あ、改めて言われたら、照れるやん///そこは普通に流しとってよ!」
七海ちゃんはいつものように恥ずかしがって顔を赤くしていた。
「あはは、ごめんごめん。とりあえず教室入ろうよ。」
「うん!そうやね!」
俺達は教室に入り、席につく。
高校の出席番号は4番だった。
隣の席は、神咲で、その前が月、そしてその前が柚希だった。
柚希と月はすっかり仲良くなっているようで部活の話などをしている。
俺が席についたのに気づいたようで2人が来る。
「おー、律人!新入生代表の挨拶お疲れさん!よかったで!」
「うん!かっこよかったよ!」
「ありがとう。めちゃめちゃ緊張してたんだけどね。」
七海ちゃんにも伝えたことを二人にも伝える。
「あれで、緊張しとるんなら、詐欺やな」
柚希が、うんうんと頷く。
「詐欺って...ほんとに緊張してたんだからなー!」
「まぁ律人は昔からなんでも余裕でこなしてるように見えるけんのー!」
「それは大きな間違いだよ。」
「そーいうことにしとくか!まぁこれから高校生活はじまるんやし、改めてまたよろしくな!」
「よろしくね!律人くん!」
「うん!よろしく。」
これからここで新しい生活がはじまるんだな。
中学の時より少し大きめの黒板があり、入学おめでとうという文字が、おそらく先輩方によって色々な色を使い書かれてあった。
3年間生活していく教室をぼんやりと眺めて、初登校は幕を下ろした。
学校が終わり、帰ろうとしていると、七海ちゃんに声をかけられる。
「律くん!今日部活ないから一緒に帰れん?」
「うん、大丈夫だよ。というか、七海ちゃんもう部活入ったんだ?」
「お兄ちゃんがどうしても、野球部のマネージャーやれってしつこくて...」
成海さんの押しに負けたか...
どんまい、七海ちゃん...
「律くんは部活はいらんの?」
「うーん...おれはまだ考えてないんだよね...」
「だったら...野球部、入らん?」
七海ちゃんが上目遣いで問いかけてくる。
「うっ...ついに、七海ちゃんも成海さんに操られてしまったか...」
七海ちゃんはあわてて弁解する。
「あっ!ちがうんよ!お兄ちゃんに言われたからじゃなくて!...ただ、高校では同じ部活に入りたいなって思ったから...」
同じ部活、かぁー。野球部ねー...。
「やっぱり、迷惑やった...?」
「迷惑とかじゃないけど...うーん、わかった!入るよ!」
「ほんまに!?嬉しい!良かったぁ!」
「でも、どうして同じ部活に入りたいと思ったの?」
「えっ?/////そっ、それは...///」
七海ちゃんは顔を赤くしてしまった。
あれ?恥ずかしい事聞いたかな?
「り、律くんがおったら、無理やりやらされたマネージャーでも、楽しくやれるかなぁと思ったんよ...////」
「あ、そういうことか!七海ちゃんも友達いた方が心強いもんね。わかった!任せてよ。」
「え?あ、そっそうなんよ!うん!頼むね!」
こうして、律人は七海ちゃんのために野球部に入る事になった。
明日は、七海ちゃんの誕生日ですね!
おめでとうございます!
なかなか話が進まないですね...
完結するのに1年くらいかかりそう...