『完結』黒歴史の輝き   作:万歳!

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今日もたっち・みー(偽)様のおかげで人間世界は平和です


ナザリック

 私は第六階層でため息を吐いていた。何故か、モモンガ様がナザリックを訪れなくなってどれくらい経っただろうか。考えたくもない。

 

 だがそれでも考えてしまう。私が悪かったのではないだろうか。私が無意識のうちにモモンガ様に……いやぶくぶく茶釜様に見捨てられるような行動をとっていたのかもしれない。

 

 そう思うと過去の自分を殺したくなる。

 

 それでもモモンガ様だけはナザリックを捨てないでいてくれる。そう信じている。いやそう信じていた。

 

 もうずっとモモンガ様の気配を感じていない。辛い。ナザリックのNPCとして至高の御方がいないことに耐えられない。だからモモンガ様はナザリックを捨てたわけではないと必死に言い訳をする。

 

「そうだ、モモンガ様がナザリックを捨てるわけがない……きっと繁忙期ってやつで忙しいだけなんだ」

 

 モモンガ様。どうして。ぶくぶく茶釜様。どうして。

 

 いけない思考がおかしくなっている。

 

 そう思っているとフェンが自分を舐めてくる。そうだ自分にはこの子たちがいる。だから一人じゃない。一人じゃないんだ。

 

 ペロロンチーノ様はロリコンだったはずだ。シャルティアもそういう風に作られている。シャルティアには悪いが次ペロロンチーノ様が訪れたら誘惑しようか? もう二度とナザリックから出て行かないように私の体を使って虜にしようか。そうしたらぶくぶく茶釜様が怒って、帰ってきてくれるかもしれない。そうしたらきっと怒られる。怒られたい。

 

 会いたいです。ぶくぶく茶釜様。どんな理由でもいいんです。お会いしたいです。お願いします。あの頃のように私を抱きかかえてください。

 

 お願いします。お願いします。お願いします。お願いします。

 

 ペロロンチーノ様。お二人の喧嘩が見たいです。

 

 どうして。どうして。私たちをお捨てになったのですか。

 

 謝ります。なんだってします。だからもう一度帰ってきてください。

 

 モモンガ様。最後まで残ってくれた一番お優しい至高の御方。

 

 どうしてナザリックに訪れてくれないんですか。私たちが何か怒らせるようなことをしたでしょうか。それならナザリックに来て私たちを罰してください。

 

どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして

 

 

 

 

 

 

 いけない。いけない。思考がおかしなことになってる。そうだモモンガ様がモモンガ様だけは私たちを捨てないでくれるに決まっている。

 

 必死に思考に蓋をする。

 

「マーレ!! 準備はできてる!? いつモモンガ様たちがお戻りになるかわからないんだからね!!」

 

「わ、分かってるよ。お姉ちゃん」

 

 マーレはメッセージでデミウルゴスとよく話している。そのおかげか、モモンガ様がナザリックを訪れないのは忙しいせいだと思い込んでいる。

 

 デミウルゴス。ありがとう。恐らくデミウルゴスがいなければ、マーレは耐えられず自殺していたかもしれない。いや、マーレだけじゃない。マーレが正気を保っていなければ。自分だって壊れ切っていたはずだ。

 

「マーレ。あなたはどこにも行かないでね?」

 

「も、もちろんだよお姉ちゃん。早くモモンガ様に会いたいなぁ」

 

「――そうね。私も早くモモンガ様に。ううん。ぶくぶく茶釜様にも会いたい。だから至高の御方々がいつ見えてもいいように準備を怠っちゃだめよ。マーレ」

 

「もちろんだよ。お姉ちゃん」

 

☆ ☆ ☆

 

 快楽におぼれようとしていた。ヴァンパイア・プライドたちに必死に奉仕させて。

 

「もっと、もっとでありんす!!」

 

 そうしなければ壊れてしまうと思いながら。

 

 他の階層守護者は気づかないだろう。だがシャルティア・ブラッドフォールンは第一階層から第三階層までの守護者だ。だから第一階層を巡回しているときに気づいた。入口が沼地でなくなっていることに。ただの草原に変わっていることに気づいた。

 

 これが何を意味するのか。頭の悪いシャルティアでも気づけた。気づけてしまった。ナザリックはNPCはアインズ・ウール・ゴウンはモモンガ様に、至高の御方々に捨てられたのだ、と。

 

 誰にも言えなかった。デミウルゴスに言えば、きっと自分の勘違いだと何か事故があったんだと慰めてくれたかもしれない。だが心が言っている。我々は捨てられたのだと。

 

 そんな訳がない。そんな訳がない。必死に否定する。ただ知らぬうちにモモンガ様か他の至高の方々が悪戯でナザリックの場所を変えたのだと必死に思い込もうとする。

 

 いやそうに決まってる。

 

 そうでなければならない! モモンガ様が私たちを捨てるなんてありえない!! ありえない!!!

 

(モモンガ様モモンガ様、どうして、ナザリックに訪れてくれないんしょうか……ペロロンチーノ様どうしてどうして)

 

 自分が何か悪いことをしたのだろうか。そうだ。だから怒って自分を捨てたふりをしているんだ。そうに決まってる。

 

 謝ります。私が何か悪いことをしたのなら謝ります。だからどうか、どうか帰ってきてください。そう、きっと自分が勝手にヴァンパイア・ブライドを殺したりしたからペロロンチーノ様が怒ったに決まってる。そう彼女たちもナザリックの一部なのだ。私の判断で殺していいわけがない。

 

 自分の意識を改めます。私が今まで間違っていたと。だからもう二度と自分の判断で勝手なことはしません。だからどうかお願いします。私たちを捨てないでください。帰ってきてください。

 

 ぶくぶく茶釜様。もう一度ペロロンチーノ様との姉弟喧嘩を聞かせてください! 何だってします。人間に土下座したっていい。

 

 だからだからだからだから帰ってきてください。

 

「もっと強く!! 早く私をおかすでありんす!!」

 

 考えたらだめだ。考えたらだめだ。このままでは壊れてしまう。このままナザリックが捨てられたということを意識していれば自分は壊れてしまう。

 

 なら快楽に溺れよう。溺れ続けよう。ペロロンチーノ様がモモンガ様がぶくぶく茶釜様が、誰か一人でも至高の御方が帰還されるまで私は快楽に溺れ続けよう。

 

 そうプレイの一環と思えば耐えられる。そう、至高の御方々は自分に対して放置プレイをしているのだ。そう思えば何十年でも何百年でも何千年でも耐えられる。

 

 

だからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだからだから

 

 

 

 帰ってきてください。私だけでなくすべてのNPCいや、シモベたちがそう望んでいます。私たちが私たちでいられる間にお戻りください。どうか伏してお願い申し上げます。ペロロンチーノ様、モモンガ様、ぶくぶく茶釜様。至高の御方々。




永遠に続けられる放置プレイ

書きながら思う。めちゃくちゃ心が痛い。そして少しづつ壊れていくNPCを書くのって難しい。

これにて第2章終了。第3章はしばらく先ですね。執筆済みが2話しかないから。

あとちょっと一人称の名作を探して、自分のどこが足りないか研究しようと思うので、恐らく次章開始は10月かな('ω')

来年の3月14日に完結させるのは変わらないので安心を(`・ω・´)ゞ
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