GATE くうかんポケモン 彼の地にて、時空を越えて戦えり 作:00G
「ここが……ニホン……」
『ニホン、そこは摩天楼だった』と後に自身の日記にこう綴ることになるピニャは高層ビルが建ち並ぶその光景にただただ圧倒されていた。
土やレンガとは違う材質の道に、その上を走る鋼鉄の馬(車)や壁に人を映し出す鏡(液晶画面)など見たこともない物に溢れた銀座は、帝国が霞んで見えてしまうほどだった。
銀座に圧倒されるピニャの後ろで、伊丹たちが国会に向かうための手続きをしていた。
国会の参考人招致に呼ばれたのは炎龍との交戦時に隊の指揮をしていた伊丹。
そして特地避難民側として日本語が話せるレレイとエルフのテュカ
異世界の神に遣えるロゥリィと謎生物の平猫の4名。
そしてーー
「●●●……」
ズシン、と地面を鳴らしながら門からパルキアが白亜の巨躯を晒す。
小さく唸り、パルキアは周囲を見渡す。
初めてこの門を潜ってから大分経ったが、門の回りはかなりの整備されており少し離れた所には監視員として自衛隊の隊員がチラチラとこちらの様子を伺っていた。
パルキアと視線が合ったその隊員はビクリと肩を震わせたが、パルキアは特に気にすることなく翼を広げふわりと空に浮かぶ。
4メートル以上の体を持つ生物が急に空に浮かんだことで監視員の隊員や別で待機していた自衛隊が慌ただしくなるが、そんな彼らとは対称的に伊丹は『時間に遅れず来るんだぞー』となんとも気の抜けた会話を投げ掛けた。
パルキアが戻ってきたのには国会の参考人招致に呼ばれたこと以外にも理由はある。
それは自分が不在の間に出来てしまっているであろう空間の歪みの修復である。
そう簡単に空間の歪みが広がり銀座事件のような別世界からの侵略が起こる訳ではないが、警戒するにこしたことはない。
この事は伊丹たちにも了承を得ており、特別に参考人招致が始まるまで元の世界に戻ってもよいという許可が出た。
必死に頼み込み、寝そべって腹を見せて可愛い子ぶった甲斐があった。
空に浮かんだパルキアは爪で空間に切れ目を作ると、新たに現れた別次元の世界にスルリと入り込んでいった。
それでは約束の時間まで、バイきゅー。
ー○○○○ー
ーそれで、何か解ったのか空間の。
灰色の世界で空間の修復を行っていたパルキアの脳内に直接語りかけてくる声がする。
その正体は、パルキアと対をなす時間を司る神話級ポケモンの『ディアルガ』のものであった。
彼も突如別の世界同士が繋がったことを知る者の1体であり、パルキアが不在の間創造神様が作り上げた世界を見守っていた相手である。
ディアルガも今回の異常事態のことを気にしているのかパルキアに状況を聞くも、パルキアもまだ何も解らないため答えれることはとても少なかった。
強いてあげるならポケモン世界のきのみがあったこととダークライが居たことくらい。
アルヌス駐屯地からあまり出ることができていないため情報収集力に限りがあるのだ。
好き勝手動くこともできたが、自衛隊と協力関係を結んでいる以上彼らの立場を悪くする訳にもいかなかったのだ。
幸いにも自衛隊たちも門が開いたことの原因を調査してもいるのでいつかは解るかもしれないが、こればかりは時間が解決してくれる問題になりそうだった。
ーそうか……ところで空間の、一つお前に言いたいことがある。
そう切り出すディアルガにパルキアは何か気に触るようなことをしたのだろうかと思った。
創造神様の人間に対する怒りが静まったお陰で、過去のようなディアルガとのとんでもない喧嘩をするほど苛立ちが創造神様から伝播することはなくなったもののやはりあの時の苛立ちが残っていたのか。
おら、喧嘩なら安く買うぞ。
ーそうではない。私からでななく創造神様からだ。
ディアルガから小言を言われるのかと思いきや、どうやら創造神様からの伝言があるらしい。
ーお前が向かった世界、どうやらゆっくりと崩壊の道を辿っているそうだ。空間の繋がりや歪みとは関係なく、世界そのもののバランスが崩れかけているらしい。
それはまたスケールの大きな話だな、とパルキアは思った。
だが、何となく思うところもあった。
ポケモン世界のきのみがあることやダークライが居たこと。
正常なこちらの世界と共通する部分があるということは、向こうの世界の始まりも恐らく共通しているのではないのか、と。
創造神様と同じ存在が向こうにも存在し何かの原因で力を失っている、もしくは封印されているせいで本来あり得ない事象が発生しているのではないのか。
怒りに支配された創造神様が目覚めようとしたことにより、本来交わらないディアルガとパルキアの時間と空間の狭間が繋がってしまった現象と似たようなものなのかもしれない。
あまり悠長なことはしてられないかもしれない。
ところで、ここに来てからどれくらい時間が経っただろうか。
ー人間の時間でいうと2時間12分35秒だな。
ディアルガが正確に時を教えてくれた。
伊丹が教えてくれた参考人招致の時間ギリギリだった。やべやべ。
パルキアは最初に次元の狭間に入ったときと同じように何もない空間に爪で切れ込みを入れ、そこにできた空間の扉に入り次元の狭間から出ていく。
参考人招致では聞かれたことに答えるだけで良いと伊丹から教わっている。
簡単な質疑応答である。
暴れることはない。
だから姿を見せただけで腰を抜かしたり悲鳴をあげないでほしい。
怖くないよー。
ホントは昔書いてた雰囲気を再現できるようになってから出そうと思ったんだけどね。
早出ししちゃった。
だから短いしなんか文章の雰囲気違うけど許してね。