月曜日のたわわ〜幼馴染はとてもたわわです〜   作:とちおとめ

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ストーリーなんてものはありません。

原作がそもそも短いのでオリジナルが多くなります。
明確な終わりはなくて、単純にアイちゃんを可愛くさせたい小説です。


2たわわ!

 今朝の愉快な出来事を終え、アイと放課後に出かける約束をした後の話である。

 あれから特に何かハプニングはなく俺とアイは学校に着いた。下駄箱で靴を脱ぎ上履きを履こうとした丁度その時、俺のスマホが震えた。

 何だろうと思いスマホを手に取って見ると、姉さんからlineにメッセージが入っていた。

 唐突になってしまうが今俺は姉と一緒に住んでいる。毎日朝早くから仕事に出て帰ってくるのも遅い姉ではあるが、いつも弁当を作ってくれる優しい姉でとても大好きである。……意外と完璧な姉に見えるが唯一の欠点はその酒癖の悪さだ。少しばかり天然な性格ではあるがそこは姉の可愛さというやつ、だが酒癖てめえはダメだ。

 酒に酔って帰ってくる姉はとにかく絡み上戸というやつになる。アイに勝るとも劣らない大きさ且つ弾力があり柔らかい胸を押し付けられる感覚は何度も言うが役得ではあるのだが、相手は血の繋がりがある姉だ。そんな相手に欲情でもしようものなら俺は社会的に死ぬ確実に。

 まあそんな姉ではあるが良き姉であることに変わりはないため、早く結婚して幸せになってほしいという気持ちはいつも持っている。願わくば酒癖の悪い姉のストッパーとなり、いつも家まで送り届けてくれる人――姉の会社の先輩さんに個人的には頑張ってもらいたいものだ。きっと姉も先輩さんと一緒にいるのは満更ではないはずだしな。

 

「さてさて何々」

 

 姉から送られてきたメッセージは大方予想通りのものだった。

 

『お姉ちゃん今日は会社の飲み会で遅くなります。ごめんねユー君。ご飯は作るか外で食べてきてね』

 

 大体こんな時間に姉からメッセージが入るのは飲み会の報告だ。

 ということはまた先輩さんが姉を送ってくれるのだろう。いつもありがとうございます先輩さん、もしよろしければ姉をもらってあげてください。

 一言分かったと返信を返し上履きを履く。

 スマホを見ていた俺を待っていたのかアイが傍に来た。

 

「どうしたの?」

「うんにゃ、姉さんが飲み会で遅くなるからってさ」

「あぁなるほど」

 

 ちなみにアイと姉は顔見知りである。

 幼馴染ということもありアイが家に来ることも珍しくはないため顔を合わせる頻度も少なくない。おまけに二人して話が合うのかそれなりに関係は良好のようだ。

 そんな風にアイと並んで教室に歩く。

 おはようと言いながら二人して中に入れば、みんながおはようと返してくれる朝の光景。

 俺は自分の席である窓際に向かいカバンを掛けて席に着く。アイは俺の隣なので同じように席に着くと……そんなアイの背後から忍び寄る魔の手があった。ゆっくり、ゆっくりと忍び寄ってくるそれを目にした俺はアイに声を掛けようとしたのだが、残念無念あと少し足りなかった。

 

「おっはよう!!」

「わひゃっ!?」

 

 完全に無防備だったアイ、そんな彼女の脇の下から腕が伸びてその先の手はアイの胸へと向かう。

 豊満な両胸をこれでもかと揉み回すのはバレー部ちゃん。俺とアイにとって入学時から続く腐れ縁の彼女だ。アイは必死にバレー部ちゃんの拘束から逃れようとするが流石は運動部、力が強いのかアイは簡単に抜け出すことができない。段々と息が荒くなったアイがエロい……ゲフンゲフン、辛そうになってきたので俺はアイからバレー部ちゃんを引き剝がした。

 

「まだ私は満足できてないんだけどな~?」

「知らねえよ。つうかいきなり人の胸を揉むやつがあるか」

「それでも私は胸を揉む。なぜならそこに大きなおっぱいがあるのだから!」

「胸張って言うことじゃねえ!!」

 

 その気持ちは大いに共感できるが時と場所を考えないかこのエロ女子は。

 というかそんなに揉みたければ自分のを揉め。お前も平均以上にはあるだろ!

 

「いや、自分の胸を揉んで欲情したらそれこそやばいと思う」

「……確かにな」

「納得しないでよユー君!」

 

 至極真面目に返されたから思わず同意してしまった。

 バレー部ちゃんはでしょ?とウィンクをした後アイに抱き着いた。

 

「むふふ。今日も旦那と登校とはアツアツですなぁ」

「ちょっと変なこと言わないでってば!!」

「おや? その反応は彼のことはどうでもいいということで?」

「ち、違う! ユー君のことはだいす……ってもういい加減にしなさい!!」

 

 言いかけた言葉を引っ込めて今度は自分の力でバレー部ちゃんを振り払った。

 アイは顔を赤くしながらふぅふぅと息を吐きながらキリッとバレー部ちゃんを睨みつける。しかしそんなアイの睨みは大して効いていないのかバレー部ちゃんはニヤニヤしっぱなしである。それもそのはずで、美少女が涙目で睨んでも怖いわけがない。

 

「可愛い」

「可愛い」

「うん?」

「お?」

「………」

「………」

 

ガシッ!

 

 やはりこいつは分かるやつだった。

 俺とバレー部ちゃんは熱い握手を交わす。いきなり視線を交差させながら握手をしだした俺とバレー部ちゃんを見て、周りにいたクラスメイトはうんうんと頷く。唯一気づかないのはアイだけで、そのアイは俺とバレー部ちゃんの繋がれた手を見てぷくっと頬を膨らませていた。

 

「……むむ、えい!」

「ちょ!?」

 

 アイが俺の空いた手をいきなり引っ張ったことで体勢がグラッと崩れてしまった。

 そんな俺を見てバレー部ちゃんがニヤリと笑い、何をする気だと警戒した瞬間俺はバレー部ちゃんにポンと押し出された。見事に体勢が崩されたことでそのまま俺はアイの元へ倒れる。幸いにアイは座っていた椅子がカバーになって後ろに倒れるということはなかった。そしてそれは俺も一緒で、倒れることはなくアイに受け止められる形となった……なったのだが。

 

むにょん

 

 顔面が素晴らしく柔らかい二つの物体に受け止められたのだ。

 弾力があって柔らかく、そして温かいそれはずっとそこに顔を埋めたいと思わせる不思議な力があるように思えた。

 

「あ……」

「おぉ……」

 

 頭のすぐ上から聞こえてきたのは消え入るようなアイの声と、何かを期待するようなバレー部ちゃんの声。

 柔らかさを感じる感覚の中にドクンドクンと変わらず響き続ける音……考えなくても分かる。俺は体勢を崩した拍子に導かれてしまったのだ。アイが持つ理想郷に。

 さて、冷静に分析したがこれは拙い状況なのでは……?

 いくら親しい間柄とはいえ胸に顔を突っ込んだままというのはダメだろう。俺はすぐに顔を離そうとしたのだがまたここで予想外なことが起こる。

 

「……っ!」

「……!!」

 

 ガシッと、頭をそのまま抱え込まれたのだ。

 

「……握手してたんだもん、これくらい私だって!」

「おぉ!!」

「――!!」

 

 今の俺の状況からアイの表情は見えないが声音からかなりテンパっているのは分かる。混乱してるのは分かるが一体どうしてそこで俺の頭を抱え込む必要があるんですかねアイさん!! 俺としては夢のような話だけど段々呼吸が続かなくなってきたんですが……! そしておいバレー部ちゃん! 君は俺たちに何を期待してるんだ!

 結局そんなやり取りはそれから数秒続き、林檎と勘違いするくらい真っ赤になったアイと息絶え絶えで青くなった俺、そしてゲラゲラ笑うバレー部ちゃんがそこにはいた。

 天国と地獄は紙一重、それは正にこの瞬間を言うのだろうと俺は実感するのだった。

 

「いやぁいいものみせてもらったよ」

「お前な……」

「気持ちよかっただろ?」

「……はい」

 

 ……俺も男だ。ウソは吐けなかったよ。

 朝礼に現れた先生に何があったんだと聞かれ、話そうとした男子がバレー部ちゃんにぶたれていた。そんな風にするなら最初からするなと……間違いなく俺とアイの心は一つになった瞬間だった。


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