月曜日のたわわ〜幼馴染はとてもたわわです〜   作:とちおとめ

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ちょっと遅れましたがメリークリスマス!

本話の登場人物

ユー君
アイちゃん

※注意事項。
ストーリーの続きに位置しますが数ヶ月先のお話となっています。
ストーリーの終わりを時期で言うと夏を予定しており、このお話はクリスマスということでエンディング後数ヶ月経っているのだとイメージして読んでいただければ幸いです。


聖夜のたわわ!

 クリスマス、それは一年に一度訪れる聖夜。

 恋人たちが手を繋ぎ、美しいイルミネーションに彩られた街を歩く。淡く、小さく、ゆらゆらと降る雪が幻想的な光景を見せ聖夜の名に相応しい一日を齎していた。

 さて、そんなクリスマスを過ごす一組の少年少女。

 お互いがお互いを愛おしそうに、きつく指を絡ませ過ごすその姿は少しだけ初々しさがあった。その初々しさというのも当然で、彼らにとってこのクリスマスは恋人という関係になって初めてのものだったからだ。もちろん付き合いだして数ヶ月は経過し、恋人として多くのことを経験し過ごしてきた。でもそれでも、恋人として初めてのクリスマスと言うのは特別で、そして新鮮なものだったのだろう。

 

「ユー君♪」

「うん?」

「ふふ、呼んでみただけ」

「……なんだよそれ」

 

 楽しそうにじゃれる二人、ユーと呼ばれた少年と、そんな彼と手を繋ぐアイと言う名の少女。

 二人は雪の降る街並みを歩く。二人を繋ぐ手と手、強く結ばれたそれは決して離さないと言わんばかりの強さがある。幼馴染として過ごしてきた二人は今、恋人として繋がっている。恋人なる前でもそれなりに近しく親しい間柄の二人ではあったが、こうして恋人となっている今の繋がりはとても強いというのが彼らの雰囲気から伝わってきた。

 

 これはクリスマスという瞬間を彩る聖夜の一時、短いながらも綴られる二人のお話。

 

 

 

「うぅ~美味しい♪」

「そうだな。こういう日にしか食べないけど、やっぱりケーキは美味い」

 

 クリスマスという今日、朝から二人でデートをしたユーとアイの二人はその日の締めとして、道中帰ったら食べようと思い買ったケーキを食べていた。場所はユーの家で、今日アイはユーの家に泊まる予定である。机の上に置かれているケーキは定番のイチゴショートにチョコ―キ、ユーがチョコでアイがイチゴである。

 互いにケーキを口に運びその感想を口にする。

 ユーが二口目を食べようとしたその時、じーっと横から視線を感じたため見てみると、アイが美味しそうだなぁと小さく呟きながら見つめてきていた。ユーはそんなアイの様子に苦笑し、自分のチョコケーキをほらとアイに差し出す。

 

「あ~ん」

 

 少し前まではこの行為も恥ずかしかったがなんのその、もう付き合いだしてそれなりに経っているのだ。このくらいで照れてしまうようなことはなかった。お返しにアイから同じようにあ~んをされ、ユーも特に考えることなくそれを口に入れる。

 チョコケーキとはまた違った甘い味が口の中に広がり、美味しいと口に出せばアイも満足そうに笑顔を見せた。

 それから二人はケーキを食べ終え、ベッドを背にしてアイがユーに寄りかかるようにして寛いでいた。アイの浮かべる蕩けたような、けれども決して彼女の愛らしさを損なわせない幸せそうな笑みを知るものはユーしかいない。そしてそんな彼女を何よりも愛おしそうに、壊れ物を扱うかのように優しく頭を撫でるユーのこともアイしか知らない。

 

「ねえユー君」

「なんだ?」

 

 アイの問いかけにユーは視線を向けて応える。

 アイもユーの体に寄りかかるようにしていた体勢から座り直し、ユーの目を見て言葉を続ける。

 

「私たちが付き合いだして初めてのクリスマス、どうだった?」

 

 アイからの問いかけ、それは単純に今日一日がどういったものかの感想だ。

 それに対し、ユーは朝から今までのことを順番に思い出し、ゆっくりとその答えを伝えた。

 

「楽しかったよ。いつもよりずっと」

 

 楽しかった、ありきたりな感想だがこれが本当に一番の言葉だった。

 それはユーだけでなくアイも同じようで、私もと同意し再びユーに寄りかかる。本当に無防備なアイの姿、そんな安心しきった表情のアイに少しだけ悪戯したくなったユーはこんな言葉を口にした。

 

「もっとアイのことを好きになったかな。今日選んでくれた服装も可愛かったし、手を繋いだ時にまだ少しだけ照れたような仕草も可愛かったし、こうして今……俺だけにそんな姿を見せてくれるアイが本当に大好きだ」

「……~っ!」

 

 ユーの考えたように、アイは顔を真っ赤にしてユーの胸に顔を擦り付けるように隠す。

 普段の行動の中では慣れてきたようなものだが、こうして間近で大好きと伝えられると途端にアイは小さくなる。照れたように顔を隠していても、どうやらユーの言葉が嬉しいという感情は隠しきれていない。何故ならユーの言葉を聞き離れようとせず逆に強くその身を寄せてくるからだ。

 ずっと見てきたものだが相変わらず破壊力は強い、そう思ったユーは小柄なアイの体を抱きしめた。

 

「あ……ふふ、ユー君♪」

 

 抱きしめられたアイも嬉しさを隠さずに抱きしめ返す。

 小柄なアイの体はすぐにユーの腕の中に納まってしまうほどだが、彼女の持つ女性特有の大きな膨らみはそうはいかない。こうして互いの体が密着したことで、とても苦しそうにその形を歪めている。しばらくそうして過ごしていると、アイがそっと顔を上げた。少しばかり潤み、何かを期待するような目をしているアイを見て、ユーはたまらずそのアイの唇に己の唇を押し当てた。

 

「っ!……あむ、じゅる」

 

 押し当てられた唇、それを割る様に入ってきた舌にアイは一瞬驚くも、すぐに応えるように舌を絡ませた。

 付き合った当初、いつもしていた唇と唇を触れ合わせるだけじゃない。舌と舌を絡ませる大人のキスだ。互いが互いをこれでもかと求めるように、一心不乱に相手を求めあうその光景は淫靡のよう。

 

「ちゅぴ……ちゅぱ……っぷは!」

 

 少し満足できたのか互いの口を離すと、互いの唾液が結びつくように糸を作る。

 つーっと伸びたそれは最終的に切れ、ポトッと地面に落ちた。アイは一瞬それに視線を向けるも、すぐにユーに視線を戻して口を開く。

 

「……ふふ、ユー君真っ赤だよ?」

「それを言うならアイもだけど? 林檎みたいだ」

 

 お互いに顔が赤いと指摘すれば、お互いに吹き出すように笑みが零れる。

 アイはユーの右手を両手で掴みそのまま自身の胸に誘う。誘われたその手は段々とアイの胸に沈んでいくほどに柔らかさを感じるが、少しでも力を抜けば押し返されるのではないかと思うほどに弾力もある。その状態でアイは一言、更なる期待の籠った想いを言葉に乗せてユーへと向ける。

 

「こんなにドキドキしちゃってるの……鎮めて、慰めて……ユー君」

 

 涙を少し見せながらそう問いかける姿は幻想の夢魔のような印象をユーに抱かせる。

 いつもの可愛らしさ、愛らしさ、それを合わせて更に妖艶な大人っぽさを醸し出すアイの姿。それはユーの男の部分を刺激するにはあまりにも十分すぎる力を持っていたのだ。

 

「……ったく、いつからこんなにいい女になったんだお前は」

 

 そういって優しくアイを押し倒す。

 ユーのスイッチの入った様子を見てもアイは慌てたりはしなかった。なぜならユーに全てを預ける覚悟ができているから、そして何よりユーに求めて欲しいと思っているし更なる繋がりを望んでいるから。

 

「えへへ、ユー君の女だもん。ユー君のおかげで、私はユー君の言ういい女になれたんだから」

 

 恥ずかしいこと言っちゃったと舌を出して照れるアイ、そして更に続けられた言葉は完全にユーから理性というものを取り払う。

 

「それに……こんなにエッチになったのもユー君のせいなんだからね? だからずっと私だけを見て、私だけを想って、私だけを愛して……っ!」

 

 そんなこと当たり前だ。

 そう小さく囁いてユーはアイに対する全ての想いをぶつけるのだった。

 

 

 クリスマス、聖夜と呼ばれた時間はまだ続く。

 ユーとアイ、二人の夜も同様に……まだまだ続いていく。 




続き、本番シーンはR18で検索かけてください。

……嘘です冗談です書いてないです。
R18は私にはレベルが高いので無理です……。

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