紅く偉大な私が世界   作:へっくすん165e83

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なんか予想以上に長くなりそうで、やばいです。来年度になったら絶対書けないので今年度中に終わらせたいのですが……。
誤字脱字がありましたらご報告していただけると助かります。


死んだふりやら、ドラゴンやら、鏡やら

 一九九二年、一月。私はニコラス・フラメルを訪ねていた。日は既に落ちており、外はすっかり暗い。ニコラスの家はそう大きくないが、決して貧相ではなかった。基本的にこの家にはフラメル夫妻しかいないためテーブルも大きくない。だが、私一人が混ざる分には何も問題なかった。

 

「いきなり訪ねて悪かったわね。それもこんな時間に」

 

 ニコラスとペレネレは既に夕食を取り終わった後のようで丁度食後の紅茶の時間だったようだ。ニコラスの妻のペレネレが紅茶を用意している。

 

「就寝するにはまだ早い時間じゃて、全然構わんよ。わしもペレネレも歓迎しとる。のうペレネレ」

 

「ええ、素敵なお客様ですわ。紅茶をどうぞ」

 

 私はお礼を言うと紅茶を一口味わう。……これは美味しい。美鈴に並ぶ、いやこれは美鈴以上だろう。

 

「美味しいわね。うちの従者以上だわ。流石、洗練されているわね」

 

「褒めても何も出ないですよ。もう六百年以上毎日淹れ続けてますので」

 

 ああ、それはそうだ。私は素直にこの人間夫妻を慕っている。私よりも長生きしている人間は私の知る限りこの夫妻の他にはいない。そしてこの夫妻も私のことを慕ってくれているようである。まあ、それもそうだろう。この二人からしても私以上付き合いの長い知人はいないだろう。

 

「それにしても、十年ぶりぐらいかのう。元気にしておったか?」

 

「それはこっちのセリフよ。貴方の場合賢者の石で生きながらえているんだから。……そう、今日はその賢者の石に関することで話があるの」

 

 私がそういうとニコラスの目の色が変わる。ニコラスの賢者の石に対する警戒心は物凄い強い。もっとも、警戒心が強くなければここまで長生きすることはできなかっただろうが。

 

「そう怖い顔しないで。私が賢者の石に興味がないことは貴方も知っているでしょう? 私は貴方の心配をしているつもりよ。これでも」

 

 ニコラスの目つきが少し柔らかくなる。ニコラスは小さくため息をつくと紅茶を一口飲んだ。

 

「耳が早いのう、レミリア。おぬしはいつもそうじゃ。確かに、今賢者の石は狙われておる。じゃが、何も問題はないのじゃ」

 

「ダンブルドアが守っているから?」

 

 ニコラスは驚いたような顔をする。

 

「事情通ですって顔をしておるの。果たして今回の騒動、何処まで把握しておるのか。これはわしから何か話さん方がよさそうじゃな。一体何を聞きたい。レミリアよ」

 

 私はティーカップをソーサーに戻す。そして軽く微笑んだ。

 

「私も別に貴方から根掘り葉掘り聞くつもりでここに来たわけじゃないのよ。貴方を心配しているからこそ、今日ここにいるわけで。……単刀直入に聞くわ。賢者の石を狙っているのは誰? グリンゴッツから石を移動させたということは、少なくともグリンゴッツに侵入することぐらいならやりかねないと思ったからなんでしょ? そして今もダンブルドアが直々に石の警備に当たっている」

 

「……。おぬし自身、もうある程度の予想は立ってそうじゃの。それを先に聞いてもよいか?」

 

「ヴォルデモート」

 

 ニコラスは静かに目を瞑る。そのまま動かなくなった。

 

「……いや都合が悪くなったら死んだふりするのやめなさい。普通にビビるから。それにこのタイミングで使ったら肯定しているようなものよ」

 

 死体ニコラスがピクリと動く。そのままゆっくり起き上がると、椅子から立ち上がった。次の瞬間、ニコラスとペレネレが床に倒れ伏す。そのまま動かなくなった。

 

「いや、二人して何やってるのよ。怪しさ二倍で肯定さ二倍よ。……肯定さ二倍って何よ? ペレネレも乗らなくていいから」

 

 死体フラメル夫妻はピクリと動く。そのままゆっくり立ち上がり、何事もなかったかのように机に座り紅茶を飲んだ。

 

「大きくなったのう、レミリア。昔はあんなに小さかったのに」

 

「いや、話すり替えんな。どんだけ誤魔化すの下手なのよ。もう完全に肯定してるじゃない」

 

 次の瞬間ニコラスがティーカップを地面に叩きつけた。

 

「うるさい!」

 

「いやそれもどういう誤魔化し方よ。ティーカップ粉々じゃない。下手くそか! よくそれで六百六十年以上も生きてこれたわね」

 

「……嘘じゃ」

 

「いや何が?」

 

 ペレネレはティーカップに修復の魔法をかけると机の上に置きなおす。ニコラスはようやく真面目な顔になった。

 

「実をいうとダンブルドアに口止めされてての。これ以上はわしの口からは言えん」

 

 なるほど、言えないからこそのあの態度だったというわけだ。これ以上聞くのは無粋だろう。

 

「やはり生きていたのね。……まあダンブルドアが守っているなら、何も問題ないんでしょうけど」

 

「ああ、何も問題はない。あの若者の実力はわしも認めるところじゃ」

 

「ふ、ダンブルドアを若者扱いするのも、貴方ぐらいね」

 

 私は軽く笑うと紅茶を飲み干す。ここからは堅苦しい話は無しだ。

 

「最近どう? 見ている限りだと変わりないようだけど」

 

 私は普通の話題をニコラスに振る。この後小一時間、私はニコラスとの会話を楽しんだ。

 

 

 

 

 

「ということでまだ確証はないけど、ヴォルデモートは生きている可能性が高いわ。真に裏付けを取るためにはもう少し時間が掛かるけど」

 

 紅魔館の地下にある大図書館、私はそこでパチェと向き合っていた。パチェは読んでいた本を閉じると私を見る。

 

「知り合いに当事者がいると楽ね」

 

「パチェ、友達いないもんね」

 

 パチェは一度閉じた本を開きなおすと、何事もなかったかのように読み始める。

 

「ごめん、拗ねないでよ。パチェは私の親友よ。だから拗ねないで」

 

「友達じゃないんでしょ?」

 

「うわ面倒くさ。ごめんごめん、拗ねないでパチュリー・ノーレッジさん」

 

 私は後ろから抱きつくとぴょんぴょん跳ねる。パチェは支えきれないといった感じで机に伏せた。

 

「……パチェって呼んでよ」

 

「ああもうこいつ可愛いなもう。パチェパチェパチェ!」

 

 わっしゃわっしゃと私はパチェの頭を撫でる。パチェは恥ずかしそうに顔を伏せた。

 

「ヴォルデモートの現在地を探るにはまだ情報が足りてないわね。少なくとも私の探知魔法じゃ場所が分からなかった。何か特別な結界の中にいるのか。それとも探知に引っかからないほど弱っているのか。ダンブルドアもそれを知りたくて手元に賢者の石を置いているんでしょうね」

 

 私はパチェから離れると向かい側に座りなおす。

 

「レミィとしてはヴォルデモートが復活したほうが都合がいいわけよね。だったら賢者の石を咲夜が持っていたら都合が悪いんじゃない?」

 

「咲夜からヴォルデモートに賢者の石を流せって? 少しリスクが高いわ。結果的にヴォルデモートに賢者の石が渡るような状況になれば一番いいんだけど、状況が読めない今、安全第一で行きましょう。咲夜のことだから賢者の石の重要性に気が付けば自然と元あった場所に返すはず」

 

「無理よ」

 

 パチェはすっと顔を上げた。

 

「貴方が言ったんじゃない。多分今頃賢者の石の守りは完璧になってるって。もしダンブルドアが咲夜の作った偽物に気が付いていなかったら今頃その偽物が完璧に守られているはず。休みの間に一度偽物を作った術を再現してもらったわ。完成度はほぼ完璧、私でも調べてみるまでは分からないほどの完成度よ。あの子は変身術の天才ね」

 

 パチェの話では霊力を用いた変身術は難度が高いらしい。それでもある程度の術は使えた。もっと使い勝手の良い魔力で同じことを行ったら簡単にできるに決まっている。

 

「あれは磨けばさらに伸びる。この一週間のうちにも咲夜の変身術はかなり上達したわ。双子の呪文も教えたし」

 

「かかった呪文ごと物をコピーする呪文だったかしら。確かに使い勝手はよさそうね」

 

「ええ、本来はそういう魔法ね。使い方によっては分裂させ続けることもできるけど」

 

 パチェは近くにある本に手をかざすと、その本は物凄い速度で分裂を始める。

 

「なんかキモイわね」

 

「まあね。使用者が最初に込めた魔力が尽きるまで、増え続けるわ。もっとも、増えるのに条件を加えたりすることもできる。触れたら増えるとかね」

 

 パチェが手を振るうと増えた本は一気に消えた。

 

「まあ何が言いたいかというと、今年いっぱい、賢者の石は咲夜が所持することになるかもということよ。元の場所には戻せないし。もしヴォルデモートの手に賢者の石が渡ることがあるとすれば、咲夜から渡ることしかありえない」

 

「……やっぱり拙いかしらね。このあとどう転ぶか予想が付かない。パチェはこの後どうなると思う? ヴォルデモートが生きていて、賢者の石を狙っているとして」

 

 私は椅子にどっかりともたれ掛かる。私の問いにパチェは即答した。

 

「そうね、多分ヴォルデモートはホグワーツの近くに潜伏している。いや、もうすでに中にいるかも。もしヴォルデモートが賢者の石までたどり着いたとしても咲夜の作った偽物に気が付かず盗んで逃げるでしょうね」

 

「なら一番いいのは、咲夜がこうなることを想定して石をすり替えたとダンブルドアに印象付けることかしら。……少し占ってみますか。なんかほっといても上手く行きそうな気はするけど」

 

 私は目を瞑ると能力を発動させる。咲夜がこの場にいれば精度が上がるのだが、それも無理な話だ。静かに咲夜のことを思い、意識を集中させる。暫くすると、ぼんやりと情景が浮かんできた。

 

「これは……卵ね。この大男はハグリッドかしら」

 

「ハグリッドって、ホグワーツの森の番人の?」

 

「ええ、カードで賭けをしているわ。多分ホッグズ・ヘッドね。ハグリッドが勝ったみたい。フードを被った男から卵のようなものを受け取ってるわ。大きさはガチョウよりも大きい」

 

 私が情景を口に出した瞬間、ぐるりと目の前が回り情景が変わる。

 

「森……うん、超森ね。で、なんか黒いフードの奴がユニコーンの血を飲んでるわ。うわぁ……あれはえぐい。吸血鬼の私から見てもキモイ」

 

 また情景が変わった。

 

「そうそう、これが見たかったのよ。咲夜がターバンの男に賢者の石を渡しているわ。……え? ダメじゃん」

 

 ダメじゃん。渡しちゃ。

 

「え? どういうことよ。レミィ」

 

 パチェが軽く身を乗り出す。私は先ほど一瞬だけ見えた情景をパチェに説明した。

 

「なんかこう……鏡の前でね。咲夜がターバンの男に賢者の石を笑顔で手渡していたのよ。メッチャいい笑顔で」

 

「なんで笑顔で?」

 

「なんでか笑顔で」

 

 私とパチェは二人して黙り込む。そして顔を見合わせた。

 

「見えちゃったものは仕方がないわ。この件に関しては結果が出てから判断しましょう。最悪修正可能よ。問題は先に見えた二つね。何か意味があると思うんだけど」

 

「初めのは卵って言っていたかしら。どんな卵?」

 

 私は先ほど見た卵の特徴をパチェに伝える。パチェは本棚から何冊か本を取り出すと、私の記憶と全く同じのイラストを発見した。

 

「これね。ノルウェー・リッジバック。ドラゴンよ」

 

「じゃあハグリッドは賭けに勝ってドラゴンの卵を貰ったのね。でも確かドラゴンってワーロック法で飼育は違反になったわよね。研究で野生のドラゴンを扱っている魔法使いはいるけど」

 

 もし違法でなかったら私も庭で飼っているところだ。だが、ホグワーツの土地の中でドラゴンを飼えるとは思えない。早々に手放すことになるだろう。

 

「ということはホグワーツでドラゴンが大暴れって展開は期待できないわよね。ドラゴンを何処かにやる段階で問題が起きるとか?」

 

「いや、そもそもドラゴンの卵を持っているという時点で滅茶苦茶あのフードの男が怪しいわ。ハグリッドはどういった状況で賭けになったのかしらね」

 

「私はあの男に関してはあまり詳しくないけど、ダンブルドアからの信頼も厚い誠実な男だったと記憶しているわ。多分話の流れでって奴だとは思うわ。少しでも考える時間があれば、ダンブルドアを裏切るようなそんな真似しないはずだもの」

 

 もっとも、私はホグワーツの事情には明るくない。

 

「誠実な男だというのは認めるわ。でもアレはやらかす時はやらかす輩よ。ホグワーツを退学させられているし、杖も没収されている」

 

 パチェは人差し指を立ててそう言った。

 

「詳しいわね」

 

「前の戦争の時に両陣営の主要な人物は調べているしね。調べた上で言うわ。ハグリッドならやりかねない。ホグワーツでドラゴンぐらい平気で飼う男よ」

 

「……わかった。暫くドラゴンという単語に注意して。何かしらの動きがあるかもしれないわ。次にユニコーンだけど、ユニコーンの血には特殊な力があったわよね?」

 

「ええ、ユニコーンの血には延命の効果があるわ。でも副作用として、死に至るわ」

 

「矛盾してない?」

 

 私はふとそう思うが、パチェの話では矛盾はしていないらしい。ユニコーンの血には確かに延命の効果がある。だが同時に死に至る。つまりはユニコーンの血で延命し続けないと死に至るということだ。

 

「延命……賢者の石を使うまでの繋ぎとしては十分ね。つまりよ、パチェ。ヴォルデモートは生きていて、ユニコーンの血を飲まないと生きてられないほど弱っている」

 

「何かに寄生している可能性もあるわ。ていうか、その可能性が高いかも。弱っている割には結構アグレッシブに動いているし。なんにしても、ドラゴンと同時にユニコーンっていう単語にもアンテナを張っておくわ。多分そっちの方が引っかかると思う」

 

 パチェは本を取り出すと何かを書き込む。パチェがペンを置くと同時に本は勝手に閉じ、本棚へと飛んで行った。

 

「じゃあパチェは引き続き情報集めをよろしく。私は私でいろいろ調べておくわ」

 

 私はパチェに手を振ると大図書館を後にする。取りあえず私は書類仕事をしよう。確か資本家から手紙が届いていたはずである。まったく、よく働く女だ。私は書斎に入り、椅子に深く座った。

 

 

 

 

 一九九二年、四月。私が書斎でロシアンマフィアのボスに手紙を書いていると庭の方から美鈴の声が聞こえてきた。

 

「おぜうさまー! おぜうさまー! 伝書梟捕まえました」

 

 下で何かアホなことを言っている気がする。聞こえない。うん、私には聞こえない。

 

「だから梟捕まえたんですって」

 

 次の瞬間には美鈴は書斎の前の廊下にいた。正直鬱陶しい。

 

「梟捕まえ——」

 

「うるさーい!」

 

 ついにドアを蹴破り入ってきた美鈴の腹にボディーブローをかます。美鈴はそのままの勢いで天井に突き刺さると、力尽きたように梟を地面に落とした。真っ白な毛を持った梟は書斎の中をバタバタと飛ぶと、テーブルの上に着地する。そして外に出たさそうに窓をじっと見つめた。

 

「で、誰からの手紙よ」

 

 私は手紙を解こうと梟の足に手を伸ばす。次の瞬間鋭い痛みが私の手を襲った。

 

「……この伝書梟噛んだわよ。手紙を外そうとすると必死に抵抗するし」

 

 机の周りに羽が散り、どんどん部屋が汚れていく。私は何とか手紙を外し、広げた。

 

『ロン、元気かい? 手紙をありがとう。喜んでノルウェー・リッジバックを引き受けるよ。だけどルーマニアまでドラゴンを連れてくるのは簡単じゃない。来週の土曜日の真夜中、ホグワーツの一番高い塔にリッジバックを連れてきてくれ。僕が直接行くことはできないが、僕の友人がホグワーツまでリッジバックを迎えに行くだろう。手練れの彼らなら簡単にドラゴンを運び出せる。暗いうちに運び出せばバレることもないだろう。出来るだけ早く返事をくれ。がんばれよ……。チャーリーより』

 

「なにこれ? 全然私宛てじゃ無いじゃない。ロンって誰よ。チャーリーって本当に誰よ? ……ノルウェー・リッジバック? ……美鈴、なんでこの梟を捕まえたの?」

 

 美鈴は照れくさそうに頭を掻く。

 

「いやぁ……なんか変な予感がしたんですよねぇ。特殊な気ってやつ?」

 

 流石の私もこれには驚いた。偶然にもほどがある。私は手紙の内容を暗記すると畳み、梟の足に括り直す。窓を開けると梟はまっすぐホグワーツの方へと飛んで行った。私は美鈴を書斎から追い出すと、自分も大図書館へと急ぐ。

 

「パチェ、ノルウェー・リッジバックの尻尾を捕まえたわ。完全に関係ない情報が占いで見えたような気がしていたけど、そうではなかったみたいよ」

 

 パチェは読んでいる本を閉じると私の方に軽く視線を向ける。私はパチェの前まで移動した。

 

「今日美鈴が偶然リッジバックに関することが書かれた手紙を運んでいる梟を捕まえたのよ。手紙の内容はね……」

 

 私はパチェに梟が持っていた手紙の内容を伝える。パチェは少し考え込むと顔を上げた。

 

「ということはあの占いは当たったのね。ハグリッドがドラゴンの卵を入手するってやつは。で、手に負えなくなって知り合いを頼ったと。ロンっていうのはホグワーツの生徒かしら。パチェは何かわかる?」

 

「ロンは分からないわ。でもロンに繋がりのあるチャーリーならわかる。チャールズ・ウィーズリー。ルーマニアでドラゴンの研究をしているチャールズは複数人いるけど、チャールズ・ウィーズリーにはロナルド・ウィーズリーという兄弟がいるわ」

 

「なるほど。ロナルドの愛称はロンだもんね。ウィーズリー……か。確か聖二十八一族のうちの一つだったかしら」

 

「アーサーとモリーの子供よ。ほら、不死鳥の騎士団の」

 

 ああ、思い出した。確か子供が出来たんだったか。

 

「ロナルドは咲夜と同い年のようね。ウィーズリー家は家族揃ってグリフィンドールだから咲夜と同じ寮のはずよ。もしかしたら咲夜もこの件に関わっている可能性もある。咲夜を占った結果見えた光景なんでしょう?」

 

 流石パチェ、とても詳しい。

 

「なんにしても来週の土曜日、ホグワーツに美鈴を送るわ。何か起こるかもしれないし。変装に関してはパチェに任せるわ。来週の土曜日まであと十日。それまでに美鈴に計画を伝えておかないと」

 

「え? なんで美鈴をホグワーツに送るのよ。そこは咲夜に手紙を出したらいいんじゃなくて?」

 

「咲夜がこの件に関わっているとしたらあまりこちらから直接干渉しないほうがいいのよ。」

 

 もっとも、これは絶対のことではない。

 

「私の占いは狂いやすい。特にあの時行った占いは本人がその場にいなかったし、特に狂いやすいの」

 

 なんにしても、何事もなければそれでいいのだ。

 

「それじゃあ私は美鈴を捕まえに行ってくるわ。美鈴が上手くホグワーツに侵入できるように色々よろしく」

 

「結局私任せなのね」

 

 私はパチェに手を振ると美鈴を探しに大図書館を出た。

 

 

 

 

 

 眠い。いや、間違えた。瞼が重い。……いや一緒か。私は大あくびをしながら紅魔館の廊下を歩く。今日は何をするんだったか。いや、考える必要もないか。昨日の朝に干した洗濯物を取り込んで、お嬢様の夕食を作って、フランドールお嬢様にも配膳して、妖精メイドに掃除の指示を出して夜食の準備をして朝食の下ごしらえをして……。

 

「あれ~、生活習慣変わらないなほんと。パチュリー様は食事要らないし。取りあえずお嬢様を起こすか」

 

 私は廊下を何度も曲がり、お嬢様の自室の前に行く。そして扉を四回叩いた。

 

「おーぜーうーさーまー、あーさでーすよー!」

 

 ……起きない。昨日の夜は徹朝をしていたみたいだし、眠たいのだろう。私は静かに扉を開けるとお嬢様の自室に入った。私はそのまま気を殺しながらベッドに近づくが、そこにお嬢様の姿はない。どうやらもう起きたあとだったようだ。

 

「自室にいないとなると書斎かな? まったく、無理をなさって」

 

 それにしても部屋を空けているのに鍵をかけてないとは不用心だ。私は自分の部屋には常に鍵をかけている。私はお嬢様の自室を出ると少し移動し、書斎の扉を叩く。

 

「おーぜうーさまー。朝食はいかがなさいます?」

 

 扉を叩いて暫く経つがお嬢様からの返事はない。私は静かに扉を開けた。きょろきょろと書斎の中を確認するが、お嬢様の姿はない。ここにもいないとなると、一体どこだ? 可能性があるとすれば、キッチンか大図書館かフランドールお嬢様の自室だ。

 

「大図書館かなぁ……ほんとあのお二人は仲がいいんだから。あれ? なにか忘れているような……」

 

 私は急ぎ足で大図書館へと向かう。そこにはお嬢様とパチュリー様が何かの準備を進めていた。

 

「美鈴! 遅い! 土曜日にホグワーツに行ってもらうと言ってあったはずよ」

 

 お嬢様は私の手を掴むと暖炉のある方へと引きずっていく。私はお嬢様に言われて今日であったことを思い出した。

 

「ああ、なんかこうドラゴンがどうとかってやつですよね?」

 

「なんでそんなに曖昧なのよ。ちゃんと作戦覚えているんでしょうね」

 

 私は一週間前にお嬢様に教えられた作戦を思い出す。確かホグワーツに侵入しドラゴンの運搬を確認、その後、ついでに賢者の石が隠されている部屋に魔法具で侵入、ダンブルドアが施した守りを確認し、帰ってくると。

 

「覚えてますよ~、あれですよね? ドラゴンを捕獲するんですよね?」

 

「全然わかってないじゃない。まったく……いい?」

 

 お嬢様は一週間前に私にした説明を繰り返す。私は復習がてらそれを聞いた。

 

「あーはいはいOKOK、全然大丈夫です。それじゃあ出発はもう少し後ですね。じゃあ私はそれまで洗濯物の取り込みでも——」

 

「いや、今すぐ変装して出発するのよ。煙突飛行でホグズミードまで行ってもらうわ。それで深夜の十一時になったらホグワーツ城の一番高い塔に移動するの」

 

 パチュリー様が私に触れると私の服装が魔法使いのローブに変わる。私は懐から手鏡を取り出して確認するが、顔も髪の長さも色も変わっているようだった。身長も十センチほど小さくなっている。

 

「うわ、どちら様?」

 

 お嬢様は私の顔をのぞき込むと怪訝な顔をする。まあ、確かに完全に別人だが。

 

「ホールデンです。メアリー・ホールデン」

 

「よし、名前を聞かれたらそう答えなさい。あと、これが簡易姿現し用の指輪。美鈴用に妖力で動くようになっているわ。魔力じゃないから魔法省に探知されることはない」

 

 私はパチュリー様から指輪を受け取ると、左手の薬指に嵌める。魔法が掛かっているのか妙にしっくりと来た。指輪に妖力を籠め、お嬢様の横に意識を集中させる。するといつの間にか私はお嬢様の横に移動していた。

 

「使い方は大丈夫ね。それは緊急脱出用。余裕があればホグズミードの暖炉を使って帰ってくればいいし、まあ最悪ホグワーツ特急でもいいわ。で、こっちが本命。この指輪は今付けちゃダメよ」

 

 パチュリー様は真っ赤な指輪を私に手渡した。

 

「それは複雑な魔法が掛けてある。要は場所が厳密に指定されているの。それに魔力を籠めると賢者の石が置かれているであろう部屋に出るわ。でも一方通行だから帰りはさっき渡した指輪を使って」

 

 私は受け取った指輪を紐に通すと首から下げる。そして服の下に仕舞い込んだ。

 

「うぃっす、んじゃちょっと行ってきますわ。お土産は期待しておいて」

 

 私は燃え盛る暖炉に入る。あ、普通に熱い。

 

「……熱い。パチュリー様、煙突飛行粉投げて貰っていいです?」

 

 炎の中でも燃えないところを見るに、このローブには特殊な魔法が掛けてあるようだった。流石パチュリー様、細かいところにも手を抜かない。パチュリー様は小さくため息をつくと私の方を見る。すると炎の色が変わった。どうやら暖炉に魔法を掛けてくれたようだ。

 

「三本の箒!」

 

 目的地を叫ぶと私は煙と共に上へと落ちていった。少しの間ぐるぐると飛行を続け、やがて地面に足が付く。少し屈んで暖炉から脱出した。三本の箒はホグズミードにある小洒落たパブだ。時間を潰すには丁度いい。私は慣れた様子でカウンターに座ると女将にウイスキーを注文した。

 

「どうぞごゆっくり」

 

 休日ということもあり三本の箒はそこそこ混んでいる。私はウイスキーのグラスを手に持つと椅子をクルリと回転させテーブル席のある方へと向いた。色々な魔法使いが思い思いの会話に花を咲かせている。なんだかいい雰囲気だ。

 

「そういえば見ない顔ですわね。さっき暖炉から出てきたけど、ホグズミードは初めてです?」

 

 女将が私に話しかけてくる。見かけ通りに気さくな人間のようだ。

 

「実はそうなんですよねぇ」

 

「へえ、そうなの。うるさいでしょう? 平日はもう少し落ち着きがあるんだけどねぇ」

 

 女将は呆れたように微笑む。なんやかんや言って女将はこの喧騒が嫌いじゃないのだろう。

 

「私も好きですよ。こういうの。なんだかポカポカしてていいですよねぇ」

 

「ふふ、そうね」

 

 私はグラスの中身を飲み干すとカウンターに置く。女将はグラスにウイスキーを注いだ。

 

「お、ありがとうございます」

 

 新しく注がれたウイスキーに軽く口を付け、女将の方を見る。女将はカウンターに肘を置き頬杖をついた。

 

「貴方、お仕事は?」

 

「私ですか? 料理人やってます」

 

「へえ、料理人ね。長いの?」

 

「まだまだって感じですね。店を持つのが夢で」

 

「そう。まあこういうのは成り行きよ」

 

「そんな。先輩として何か無いんです?」

 

「人の真似事じゃ上には行けないわ」

 

「小さくでいいんですけどね。こじんまりとした感じで」

 

「こういうパブならまだしもレストランでそれは厳しいと思うわよ」

 

 私は静かにウイスキーを煽る。アルコール自体は強いが、妖怪の私にはあまり関係がない。

 

「まずは何処かに弟子入りですかねぇ。何処かないです?」

 

「ないわねぇ……このへんは余ってるぐらいだし。マグル相手のところなら少しはって感じかしら」

 

「やっぱりそうですよね」

 

「だね」

 

 注文が入り女将は客の方へと歩いていく。そういえば咲夜ちゃんはどうしているだろうか。今日ホグワーツに行くが多分会えないだろう。私は懐から懐中時計を取り出すと時間を確認する。腕時計でもいいのだが水仕事の度に外すのは流石に面倒なのだ。

 

「十時半、まだ早いか」

 

 何か料理でも頼んだ方がいいだろう。そういえば今思い出したが私はまだ夕食を取っていない。私は女将が帰ってきたタイミングを見計らってパスタを頼んだ。

 

「キッチン貸そうか?」

 

「ご冗談を。そういうところ知らない人に触られるのってなんか嫌じゃないですか?」

 

「こだわるわねぇ。確かにそういうの分からなくもないわ。パスタね」

 

 女将はキッチンにオーダーを伝えると私のグラスにウイスキーを注ぐ。

 

「にしてもお姉さん強いね。それ結構度数キツイはずなんだけどね」

 

「ちょっと弱いぐらいですよ?」

 

「アルコールに?」

 

「アルコールが」

 

「はいチーズ」

 

「あ、どうも」

 

 チーズをつまみにしてウイスキーを煽る。暫くするとパスタも出てきた。

 

「んー、美味しいですね。いい腕してる」

 

「お? わかるかしら。ここのキッチンにいるのはホグズミード一の料理人だから」

 

「茹で加減がしっかりしているし、ソースの味付けにも無駄がない。スパイスも丁度いい」

 

 これは思いのほか豪華な夕食になってしまった。まあたまにはこういうのもいいだろう。それにこの時間ならこれぐらいが普通だ。傍から見たらちょっと遅めの夕食に見えることだろう。って、当初の目的を忘れるところだった。私は懐中時計を確認し、丁度いいぐらいの時間だということを確認するとポケットの中に手を突っ込んだ。

 

「…………。はぁ」

 

 うん、ポンド札しか持ってねぇ。マグルの全くいないこの村ではイギリスポンドは使えない。

 

「女将、お手洗い借りますね」

 

「あそこの奥よ」

 

 私はフォークを置くとトイレに直行する。そして店の外に姿現しした。

 

「すまん女将さん。この借りは必ず返します。……お嬢様が。って、さっさと移動しないとバレるな」

 

 私は気配を殺すと暗闇に紛れながらホグワーツを目指す。ホグズミードからホグワーツは比較的近い。私の足なら十分も掛からないだろう。流石にこの時間には人の気配もなく、楽に移動することができる。私は易々とホグワーツの城壁に辿り着いた。

 

「平和ボケしてるなぁ。警備がザル。賢者の石が狙われているっていうのに。というか子供を預かっている場所に敵を誘い込むとか……危機管理能力なさすぎ」

 

 私は窓から見られないように壁を這うようにしながら城の外壁を飛ぶ。確か一番高い塔だったか。私は塔の一つに上ると一番高い塔を見つけそっちに移動した。そのまま下に伸びている階段の近くに移動し、気配を殺す。隠密行動は得意だ。

 暫く待っているとドタバタと二人分の足音が聞こえてくる。どうやら下から登ってきているようだ。そして足音は塔の上まで上がってくると、そこで止まり何か重たい物を下す音が響く。次の瞬間虚空から二人の学生の姿が現れた。

 

「マルフォイが罰則を受けた! 歌でも歌いたい気分よ!」

 

「歌わないでね」

 

 虚空から現れた二人のうち、一人は私も知っている顔だった。確かハーマイオニーだったか。咲夜ちゃんの友達だ。そして見覚えこそないが、私はもう一人のほうも知っている。もう一人はハリー・ポッターだ。あの眼鏡、そして額の傷。間違いない。二人の話を聞いているかぎりだと、マルフォイの坊やが夜間の外出がバレたということで罰則を受けたらしい。

 二人の足元にある大きな木箱からはガタガタと音がしている。二人の会話を聞く限りではそこにドラゴンが入っているようだ。暫く様子を窺っていると空の彼方に箒に乗った四人組の姿が見えた。二人はまだ気が付いていないようだ。数分後四人は塔の上に辿り着く。

 

「やあ、待たせたかな」

 

「いえ、今回はありがとうございます」

 

 四人ともガタイが良くあちこちに火傷の跡がある。

 

「チャーリーから話は聞いている。ちゃっちゃと終わらせよう。長居は危険だ。流石の俺らもこの歳になってマクゴナガルの説教は聞きたくない」

 

 いや、先生に怒られるというレベルを超えていると思うのだが。というか、今回この件には咲夜ちゃんは関わっていないのか……いや、談話室で待っているだけかもしれないが。

 七人がかりでドラゴンを繋ぎ止め、皆で握手する。意外にドラゴンは暴れるものだ。これで赤子だというのだから大したものである。いやぁ、いい汗かいた。

 

「で、君は?」

 

 四人のうちの一人が指摘し、六人全員で私の方を見る。私は皆の視線の先を見た。

 

「いやいやいや、君だよ君。誰だい?」

 

 それを聞いてハリーも驚いた顔をする。

 

「え? 貴方たちのお仲間だとばかり」

 

「俺らは君たちの関係者だとばかり思ってたよ。普通に手伝ってたから」

 

「え? アレですよ。聞いてないんですか? ほらノルウェーにある研究所のほうから手伝いにやってきたんですよ。ウィーズリーさんから連絡を貰いまして。と言っても方向が逆なので私が手伝えるのはここまでですが」

 

 あ、あ、あ……危ねぇぇぇ……。ついつい手伝ってしまったが何とか誤魔化せただろうか。

 

「そうか、助かりました。ノルウェー・リッジバックということでまた連絡を入れるかもですが」

 

 四人は軽く会釈すると箒に跨り夜空に飛び立つ。ハリーとハーマイオニーは心底安心したようにため息をつき、私に向き直った。

 

「えっと、ありがとうございました」

 

 ハーマイオニーが私にも礼を言う。

 

「いえいえ、こういうのは助け合いですから。ハグリッドによろしく。それよりさっさと談話室に戻ったほうがいいよ? マルフォイの二の舞になりたくなかったらね」

 

 二人は苦笑いをしながら階段を駆け下りていく。そして次の瞬間、階段の下から囁くような老人の声が聞こえていた。

 

「さてさてさて、これは困ったことになりましたねぇ」

 

 下からそんな声が聞こえてくる。どうやら教員に捕まったようである。南無。

 

「あれ? これ私のせいか?」

 

 いやいや、そんなことはあるはずがない。なーい、絶対ありえない。取りあえずここに長居するのは得策じゃないだろう。私はパチュリー様から預かった赤色の指輪を嵌めると、そこに妖力を流し込んだ。

 

 

 

 地に足が付き、私は周囲を見回す。パチュリー様の指輪がきちんと機能していたら、この部屋に賢者の石があるはずなのである。だが、この部屋には大きな鏡以外何も置かれてはいなかった。

 

「じゃあこの大きな鏡に何か秘密があるのか。えっと何々……『すつうをみぞののろここのたなあくなはでおかのたなあはしたわ』……えっと、復活の呪文?」

 

 まったく意味が分からない。不意に私は鏡に違和感を覚え、鏡に映っている光景をマジマジと見た。

 

「おお、凄い。これは凄いな」

 

 なんと私の両腕が血で染まっている。手には人間の生首を持ち、足元には無数の死体が転がっていた。子供が怯えている。鏡の中の私は怯える子供を殴りつける。その衝撃で子供のお腹には穴が開き、腸が飛び出した。正直笑える。

 

「そういえば最近派手に暴れてないなぁ。でも流石にホグワーツの生徒を手に掛けるわけには行かないし……またお嬢様に頼んで何処か要らないマフィアでも潰しにいくかな。でもやっぱり殺すなら子供なんだよなぁ。あ、いけないヨダレが」

 

 最近は咲夜ちゃんに付き合って食材を仕入れていたため、無駄な殺しというのをしていない。咲夜ちゃんは殺し方に無駄がないので、面白みに欠けるのだ。この任務が終わったら何処かの孤児院でも襲うか。でもあまり派手に暴れるとお嬢様に怒られそうだしなぁ。鏡の中の私は獰猛に笑うと先ほどあったハリーとハーマイオニーの四肢を千切り、貪り喰っている。なんだかお腹が空いてきた。

 

「結局よくわからん鏡以外には何もないか。まあパチュリー様にはありのままを報告しよう。さて、それじゃあホグズミード村に姿現しを……って、この格好で三本の箒には近づけないよね。今日はこのまま帰ろう」

 

 私は赤い指輪を外すと紅魔館地下の大図書館へと姿現しする。流石パチュリー様の魔法具とあって精度は抜群だった。

 

「パチュリー様、任務完了っすよ」

 

 私はパチュリー様に向かってピシッと手を上げる。パチュリー様は読んでいる本から視線を上げずに答えた。

 

「そう、お疲れ。どうだった?」

 

 私は変装を解くとホグワーツで見たことの一部始終を話した。もっとも、途中で手伝ったことは言ってないが。パチュリー様は私の話を聞くと、何か納得するように手を打った。

 

「なるほどね。美鈴、貴方が見た鏡は『みぞの鏡』よ。その鏡には鏡を覗いている本人の望みが映し出される。貴方がそんな殺戮衝動を持っていることに少しびっくりだけど、これでダンブルドアがどのように石を守ろうとしているかがはっきりしたわ。そして咲夜が石を戻せなくなったということもね。もう自分の仕事に戻っていいわよ」

 

 パチュリー様はそう説明し終わると何処かに話し始める。とにかくよくわからないので取りあえず礼をしておき、私は大図書館を後にした。




レミリアがフラメルを訪ねる

今後の展開を簡単に占う

美鈴が何故かヘドウィグを捕まえる。多分これも運命

まさかの美鈴視点(初)咲夜が関わらなかった事件に少し首を突っ込む

ダンブルドアが施した最後の守りが明らかになる←今ここ

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