魔法少女育成計画YREGROF   作:水甲

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20話 選択④

私はアリスに呼び出された。

 

多分だけど答えが出たのかもしれない。

 

というか皆決めるのが早すぎな気がする。

 

一応期限までは2日あるのに……

 

そんなことを考えていると約束の場所にたどり着くとアリスが待っていた。

 

「こんばんわ。アリス」

 

「ヴェリテ……」

 

「呼び出したということは答えは決まったのかしら?」

 

「答え?答えだったらあの日、ヴェリテが私たちに言ってから決めてたよ。私は魔法少女を続ける」

 

「……そう」

 

答えはあの日から決まっていたのね。ラ・ピュセルやスイムと同じように……

 

でもどうして今日呼び出したのかしら?

 

「それで呼び出した理由は何かしら?」

 

「一緒に人助けの活動をしようかと思って……」

 

ただ誘いの呼び出しだったんだ……

 

まぁ別にいいけど……

 

でも少しだけアリスに聞きたいことがある。

 

「ねぇ、アリス」

 

「何?」

 

「聞きたい事があるの。貴方が前に私のことを人を殺すような人じゃないって言ったわね。それって……人殺しを見たことがあるからかしら?」

 

「…………」

 

「答えなくってもいい。ちょっと気になったから聞いてみただけよ」

 

黙り込むアリス。

 

やっぱり聞くべきじゃなかったか?

 

「………さんが」

 

「何?」

 

「私のお父さんは………お母さんを殺したの」

 

「……………」

 

まさかの事実だった。

 

アリスの父親が母親を殺していたなんて……

 

「お父さんは捕まって、今は刑務所にいる。私は親戚の家にいるけど……伯父さんや叔母さんに迷惑をかけないようにしてるの」

 

「………人殺しの目じゃないって言ったのは、貴方はその現場を見ていたのね」

 

「うん………」

 

色々と衝撃的だったんだろうか……

 

「辛い話をさせてごめんね」

 

「ううん、大丈夫」

 

「お詫びに私の事も話してあげる」

 

「ヴェリテのこと?」

 

アリスに最初に語ったのは、自分は男の子であることと本名を話した。

 

そして……

 

「私は人を殺したことはないけど、見殺しにしたことがある」

 

「見殺し?」

 

「………今回のクラムベリーのゲームはいうなれば試験みたいなもの。立派な魔法少女になるためのね。でも、私が体験した試験は…………」

 

それは真っ赤な炎しかない場所。

 

そこでは何人もの魔法少女が争っていた。

 

助けを求める人がいたというのに、彼女たちは試験合格のために争いに夢中になり、見殺しにしていた。

 

私はそんな彼女たちを説得していたけど、それでも彼女を止められない。

 

結果的には魔法少女たちは同士討ち、助けを求めていた人たちは炎で焼かれた。

 

私はただ血まみれになったその場所を見つめていた。

 

「私は人を殺してないけど、見殺しにした。いうなれば人殺しよ」

 

「………でもヴェリテは私達を助けてくれた。自分と同じような体験をさせないために……」

 

「………えぇ、もうあんなことが起きないようにね」

 

「ヴェリテ………私も貴方と同じ道を進みたい。助けを求める人も魔法少女も救いたい」

 

「……ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからアリスと活動して、少し休憩しているとそこにトップスピードとリップルが私達のところにやってきた。

 

「よっ、ヴェリテ、ハードゴアアリス」

 

「こんばんわ。トップスピード、リップル」

 

「……活動中か?」

 

「えぇ、そうよ。リップル。貴方達と同じようにね」

 

「そういえば他の魔法少女たちから聞いたけど、聞きに回ってるんだって?」

 

「えぇ、みんな答えを出すのが早いからね」

 

結構広まってるみたいね。私が聞きまわってるのって……

 

「折角ここで会ったから俺も答えを出していいか?」

 

「別にかまわないわ」

 

「俺は辞めるよ。というか元々辞めようって思ってたからな」

 

トップスピードが魔法少女を辞めるっていうのは予想できていた。

 

あの事件の時に彼女の秘密を聞いていたから……

 

「体のこともあるしね」

 

「体のこと?」

 

そういえばアリスは事情知らなかったっけ?

 

「アリス、トップスピードはね。妊娠してるの」

 

「そうなの!?おめでとうございます」

 

「あはは、ありがとうな。それで辞めるのはいいけど、記憶は残せないんだよな」

 

「一応決まりだからね……どうして?」

 

「魔法少女辞めても、皆のことを覚えておきたいっていうんじゃダメか?特に忍者の格好をした正義の魔法少女のこととかね」

 

「………トップスピード」

 

「リップル。お前は立派な魔法少女だからな。辞めても応援したいんだよ。お前のことを」

 

何とかしてあげたいけど……

 

正直どうにもできないことだし……

 

「ごめんなさい。どうしても出来ないの……でももしかしたら記憶の片隅でうっすらだけど、リップルのことを覚えているかもしれないから……」

 

「そっか、それだけでも満足かな……」

 

「ということはリップルは魔法少女を続けるってことかしら?」

 

「……ちっ、トップスピードがそうしたいって願ってるからな……」

 

トップスピードとリップルの答えを聞き終えた私。

 

でも、ここ何日かある魔法少女の姿を見ていない気がする。

 

というか明らかに私のことを避けている気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリスと別れた私はラ・ピュセルに連絡を取った。

 

『スノーホワイトか。私も最近会えていないんだ』

 

「そうなの?てっきり一緒かと思ったけど……」

 

『だけど少し前に一人で考えたいって言ってたから……』

 

一人で考えたい。

 

今回の選択で一番悩んでいるのはスノーホワイトなのかしら?

 

『ヴェリテから連絡を取ってみたら?』

 

「そうだけど、学校でも避けられているし……無視されそうでね」

 

『やれるだけやってみたらいい』

 

「そうね。声をかけてみるわ」

 

ラ・ピュセルとの連絡を切り、私はスノーホワイトに連絡を入れた。

 

『鉄塔の上で待つ』と………




次回最終回ですが、もしかしたら……
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