スノーホワイトと鉄塔の上で待ち合わせをしている私。
私が指定した期日は明日まで……
他の魔法少女は答えを出しているけど、スノーホワイトだけはまだ。
それに彼女とはあの日以来避けられている。
正直ここに来てくれるかどうかわからない。
「ふぅ、来ないか」
ため息をつきながらそう呟くと、鉄塔の上に誰かがやってきた。
振り向くとそこには白い衣装をまとった魔法少女スノーホワイトだった。
「こんばんわ。スノーホワイト」
「……ヴェリテ」
「悪いわね。呼び出して……」
「…………」
答えてくれない。
だけどこうして来てくれただけでもいいかもしれない。
「呼び出したのは他でもないわ。もう答えは決めたかしら?」
「………」
「皆、ちゃんと答えを決めたけど、貴方だけまだだけど……魔法少女辞める?」
「私は……続けたい。魔法少女続けたい。けど……」
「けど?」
「前にヴェリテが言った言葉を思い出したの。私はただ守られているだけだって……」
「そうね。貴方は守られ、全てが終わるまで震えているだけって言ったわね」
あの言葉をきっかけに私とスノーホワイトは一時決別することになった。
だけどあれは……
「スノーホワイト。あの時は貴方を戦いから遠ざけたかったからよ」
「解ってる。ずっと後悔してたもん。でも、もしかしたら……また同じような事が起きたら……今度こそラ・ピュセルが……皆が死んじゃったら……それも私を守るために……」
続けたい気持ちと辞めたい気持ちが混ざり合ってるのね。
「ヴェリテにすぐに相談したかった。だけど、誤解していたけどもいっぱい殴ちゃったし……」
「あれは自業自得だからいいの」
殴ったことに対しても後悔してるのか。
私はため息をつき、スノーホワイトに言った。
「いっぱい悩んだみたいだけど、答えは出ているわ。魔法少女を続けたらいい」
「で、でも……」
「同じようなこと?起こさせないわ。この私が………みんなが死んじゃうかもしれない?私が死なせない」
私があの時決意したことをスノーホワイトに伝えた。
皆が死ぬような試験は起こさせない。
皆を死なせない。
もう二度と見殺しにしないって………
「守られるのが嫌だったら強くなりなさい。強くなって皆を守れるようになりなさい。そのために私も協力する」
「ヴェリテ……」
「それが嫌だったら辞めてもいい」
「ううん、ありがとうね。ヴェリテ」
どうやら答えは決まったみたいだった。
さてさて、これから先の未来はどうなるか………楽しみだな
数ヶ月後
N市で活動している私、ヴェリテはリーエの会社の部屋で、ある問題に悩まされていた。
「…………はぁ」
「ヴェリテ、また何か言われたの?」
リーエの会社で仕事の手伝いをしながらため息をつく私。
そんな私を見たお手伝いに来たアリス。
「スノーホワイトが管轄区域から出て、活動してるみたい」
「もしかしてあの大統領の大量虐殺をやめさせたってこと?」
「そう、助けたいって気持ちは大切だし、その件だって私の方で手を打とうとしてたのに……また上から文句言われるじゃない」
「大変だね。ヴェリテも……」
数ヶ月前に魔法少女を続けると言った子達をまとめて、特命機関所属させた。
ねむりんやルーラはリーエの会社に就職し、リーエも助かってるみたいだった。
シスターナナとウィンタープリズンの二人は管轄区域でしっかり人助けしてるみたいだ。
たまに一緒に行動する時、いちゃつかれるのには困ったものだけど……
アリスとスイムの二人は私と一緒に行動することが多いけど、スイムはまだ小さいから活動時間以外は勉強を見てあげている。
「それで……ヴェリテ」
「何?」
「も、もし良かったら今度の休日だけど……」
アリスが何か言いかけた瞬間、スイムの元の姿である彩名ちゃんが私の部屋に入ってきた。
「……ただいま」
「おかえり。彩名ちゃん」
スイム……彩名ちゃんは特命機関に入ってからはまっすぐ家に帰らず、必ず会社の私の部屋を尋ねるようになった。
「無理してここにくることないわよ」
「無理してない。ヴェリテといるのが楽しいから……」
そう言って、彩名ちゃんは私の膝の上に座るのであった。
アリスはと言うと何故か怒った顔をしている
「あ、あの?何か……」
「別に……」
たまにだけどこの二人が何だから仲が悪い時があるのは気のせいかな?
するとリーエとミルの二人が部屋に入ってきた。
「ヴェリテ、スノーホワイトたちが戻ってきたわよ」
「いつ見ても仲がいいわね。ヴェリテとアリスとスイムは……」
「はいはい。出迎えてやるか」
正直この数ヶ月間色々とあった。
他の魔法少女に改めて魔法少女について教えていたけど、私一人じゃ手が足りないために、スノーホワイトとリップルの二人は知り合いである魔法少女に指導お願いしたけど、彼女自身かなりの悪事をやっていたみたいだった。
それを暴いたスノーホワイトとリップル。
二人が帰ってきてから再度二人のことを指導することになった。
あとはN市以外の場所で活動しているペチカっていう魔法少女と一緒にいた中々面白い魔法少女を鍛えたくらいだったか
思い返していると、会社の入口にスノーホワイト、ラ・ピュセル、リップルの3人が帰ってきていた。
「おかえり。三人とも、ニュースで見たわよ。おかげでまた上から文句言われたわ」
「ごめんね。ヴェリテ」
謝るスノーホワイト。
だけど仕方ないことだ。
彼女が困っている人を見過ごすことが出来ないって事を……
「ラ・ピュセルもリップルも行くときは連絡してくれないかな?」
「すまなかった」
「ちっ、だけど上の方には上手く騙したんだな」
「あら、騙したなんて人聞きの悪い。上手く誤魔化したのよ。書類申請を偽っただけだしね」
「よくやるよ。口でなんだかんだ言いながら、私達のやっていることを認めてるからな」
彼女たちの行動は正直上の方からよく思われてないけど、そんなの私には関係ない。
だけど文句を言われるのはいやだから、書類関係を私の魔法で少し偽造した。
これで騙されてくれればいいんだけど……
「それじゃ、土産話でも聞かせてくれないかしら?スノーホワイト」
「うん」
私達の魔法少女としての活動はまだ続くのであった。
というわけで最終回です