食戟のソーマ 創作伝   作:幸村 聖臥

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See you Again

創真「一緒に来てくれえりな」

 

創真の一言をえりなは泣きながら喜んだ。その顔には喜びを爆発させたいような明るさがあった。

 

えりな「私を好きになったら、よそ見は許さないわよ」

 

創真「ああ、分かってるよ」

 

アリス「えりな、留守の間の遠月と薙切家のことは任せなさい。神の舌は持ってない私だけど、海外で学んだことを生かすことはできる。薙切の家は不在の間任せなさい」

 

えりな「アリス」

 

アリス「今まで出来てしまった溝をゆっくり埋めていこう。えりな」

 

えりな「ありがとうアリス」

 

黒木場「おい幸平、えりなお嬢になんかあったらたたじゃすまないぞ」

 

創真「ああ? それ嫌味か?」

 

黒木場「アリス嬢のことだから時より顔を見せに行くだろう。そん時は俺に付き合え」

 

創真「ありがとよ黒木場」

 

仙左衛門「幸平創真よ。えりなが自分の意志で動いたのは今回が初めてじゃ。そして人を愛することを学んだえりなは次は友を信じ、大切にする人と手を取り合い続けること、それを教えてやってほしい」

 

創真「分かりました。薙切に俺があれこれ言われることの方が多いとは、思うっすけど」

 

えりな「お爺様、遠月のためにも幸平君と・・・いえ、創真とたくましくなって帰ってきます」

 

仙左衛門「うむ」

 

一ノ瀬「創真、えりなちゃんこれを」

 

一ノ瀬が創真とえりなにスマホらしきものを渡した。

 

一ノ瀬「俺からのささやかなプレゼントだ。これには十傑のことや学園のことがリアルタイムで入る。電話も国際使用と別で通信できるからいつでも連絡できる」

 

創真「お前、やっぱり図ってやがったな」

 

えりな「今回は、一ノ瀬君と緋沙子にやられたわね」

 

新戸「えりな様、私は・・・」

 

えりな「いいのよ緋沙子。しばらく私の傍から離れて自分を試してきなさい。よいパートナーもいるのですから」

 

新戸「は、はい」

 

創真「それじゃあ、行ってきます」

 

吉野「幸平、頑張るんだぞ」

 

タクミ「必ず帰ってこい」

 

田所「頑張ってね創真君」

 

仲間たちに背中を押され創真とえりなは旅立った。

 

榊「行っちゃったね」

 

一色「大丈夫だよ創真君なら」

 

伊武崎「ああ」

 

【飛行機の中】

 

飛行機の中では、創真とえりなが隣同士に座っていた。えりなは、アリスや和希に感謝した。

 

えりな(あの二人に見透かされていたのかもしれないわね)

 

創真「なあ、えりな」

 

えりな「ちょっと何馴れ馴れしく・・・」

 

創真「え、ダメか?」

 

えりな「ごめんなさい。つい癖で」

 

すると、そんなえりなの姿に創真優しく微笑み、スッと頬に口添えをした。

 

えりな「ちょっと・・・バカ(笑)」

 

えりなは、頭を創真に預け目を閉じた。でも寝てるわけではない。初めて男女としてのぬくもりを味わっていた。

 

【一年後】

 

【食戟会場】

 

司会「やはり、今年もこの者たちに死角はない・・・勝者・一ノ瀬和希」

 

生徒「おい、嘘だろ。これでこいつ何連勝だよ」

 

生徒「てか、今年の十傑って200戦全勝じゃないのか?」

 

その頃、創真、えりな不在の十傑は着実に頭角を現していた。

 

【十傑会議室】

 

田所「お疲れ、一ノ瀬君」

 

葉山「ちょっと時間喰い過ぎじゃねえのか?」

 

一ノ瀬「時間ギリギリまで思考して限界域を突破したいのが俺スタイル」

 

黒木場「しかし、今年の一年共は俺たちを舐め過ぎじゃないか?」

 

アリス「素材は良いんだろうけどね」

 

新二年のメンバーのいる部屋に新三年十傑が部屋に入ってきた。

 

久我「よお、後輩ちゃん今日も食劇を申し込まれたって?」

 

黒木場「そんなの受けるの一ノ瀬とお嬢くらいですよ」

 

アリス「何リョウ君、私が負けると言いたいの」

 

一色「まあまあ、それより今日は君たちに大事なお話があるんだ」

 

葉山「大事な話?」

 

一色「そう、今日を以て3年の十傑の役員としての任期は終わる。今後の運営は2年生を中心とした十傑の活動となる」

 

女木島「そこで俺たち3年を抜いた新十傑を仮で任命することになる」

 

田所「あの先輩、でも今の十傑は1席、2席不在ですが、その間の仕切りは誰が?」

 

一色「それなら心配いらないよ。もうじき揃うはずだから、十傑の真の姿に」

 

【空港】

 

空港では、二人の男女が凄まじいオーラを放ちながら客たちの脇を通っていく。

 

客A「おい、あの子超可愛くね」

 

客B「声かけてみようかな?」

 

しかし、その声が聞こえたのか。一緒にいた男が睨みを聞かせ彼らを威圧する。そう、誰のことかは想像の通り、創真とえりなが帰国した。

 

えりな「創真、あんなカスに構っていないで行きましょ」

 

創真「そうだな。遅れちまうよな新しい船出に」




今回で一年生編が終わり、留学の間を経た3年の創真たちの物語が幕を開けます。

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