司「幸平、どうやら君には少し痛い思いをしてもらわないとならないようだね」
創真「どういう意味っすか?」
司「君は、僕を本気で怒らせたってことだよ」
司の眼つきが一瞬にして変わった。いつものクールな表情が獲物を狙う悪魔のようなキリっと睨み付けるような眼つきに変わった。その醸し出す雰囲気を和希は、すぐに察した。
和希「彼の顔つきが変わった!」
葉山「なんだと?」
和希「いや、それだけじゃない醸し出すオーラがさっきまでの和やかなものとはまるっきり違う」
アリス「どうやら、あれが司先輩の本当の姿みたいね」
黒木場「くそ、なんだこのどす黒い威圧感は?」
和希「まるでこれじゃ支配者? いや、天帝の独裁者だ」
司は、さっきまでの華麗な動きから一変して豪快な手付きでメインである熊肉を調理し出した。彼は捌いた肉の表面にペースト状の何かを塗りだし、その肉を温めておいたフライパンにのせた。会場全体に香ばしい香りが充満し、観客を魅了する。
葉山「この匂いはホーリーバジル!」
黒木場「ホーリーバジルって選抜でお前が使ったアレか?
葉山「ああ、どうやら司先輩肉にホーリーバジルを何かとペーストにして塗りやがった」
アリス「この強い香ばしさは肉の油の甘さと火入れによるものね」
和希「いや、それだけじゃないみたいだ」
司は、手元にワインを持ちだした。
葉山「まさか!」
司は蓋を開けたワインを手元のフライパンの肉にかけフランベにした。
葉山「そんなバカな!」
アリス「何よ! いきなり大声出して」
和希「ありえないよ! あんなの」
黒木場「どういう意味だ?」
葉山「ホーリーバジルは香りを際立出せるのに有効なスパイスだがリスクもある。香りが強い分、そのまま癖や味の強いものにつければ確実に喧嘩する。しかも、あんなワインなんてかけるのは普通なら御法度だ」
和希「恐らくペーストの何かに鍵があるんだ」
会場全体がさっきよりも強い香りに支配される。その瞬間、匂いを嗅いだ創真がその場に崩れ落ちる。
(ドクン)
創真「・・・・なんだ今の!」
黒木場「どうした幸平・・・・」
(ドクン)
戦況を見守るみんなにもその異変が遅れてきた。
葉山「何だ! この刺激されマヒするような誘惑は?」
スタンドのみんなにも同じことが起きていた。
【スタンド】
吉野「何、いま心臓が破裂するような鼓動が?」
榊「まさか、司先輩の料理の香りが?」
アルディーニ「そんなことがあるのか?」
【メインステージ】
司「幸平、どうだ快感だろう?」
創真「何を仕込んだすか?」
司「何、お前の敗北への街道さ」
料理の知識はないのでこれらの作業はオリジナルというか創作です。