小林「司、もうやめろ。そんなことしても何にもならない」
葉山「あんたセントラルの人間だろ。なぜ幸平を守ろうとする?」
小林「一年の時に司は今と同じことをして生徒を自殺未遂に追い込んだんだ」
黒木場「自殺だと?」
アリス「嘘でしょ?」
和希「戦意喪失を招くこの料理は同時に相手のプライドや生きがい、はたまた料理人としての自信や誇りをも根こそぎ喪失させる。そんなところですか?」
小林「ああ、その通りだよ」
和希「もしやその人の名前って、紅 雪斗では?」
小林「お前どうしてその名前を?」
みんな名前を聞いたとたん不思議な顔する。どうやら知ってる人は、ごくごく少数のようだ。
葉山「お前、なんか知っているのか?」
和希「紅先輩は、僕の転入前にいた学校に転入してきた。僕の師匠さ」
小林「お前の師匠?」
【ステージ上】
するとむくっと幸平がふらつきながら立ち上がった。そして、作業に戻った。
司「まだ動けるのか幸平。感心するよ」
【ベンチ】
和希「師匠は、俺に料理のことを教えてくれる前は確かに身も心もボロボロだった。最初は、取り合ってもらえなかった。だが、どうしても料理を食べてほしくて」
小林「ちょっと待て、あいつ今も料理学校にいるのか?」
アリス「あれの前にいた学校もうちと同じ料理学校みたいだし、そうなんじゃない?」
和希「いや師匠は、料理人の道はもう諦めたよ」
小林「じゃあ、どうして」
和希「僕は師匠が寮の図書館で夜な夜な勉強しているところに夜食を持っていったです。師匠もさすがにお腹が空いていたみたいでちゃんと食べてくれました。その時、彼は言ってくれたんです」
【回想】
紅「お前の料理あったかいな」
和希「作り立てですかから」
紅「いや、そうじゃない心が安らぐということだ。料理って本当はこうであるべきなんだよな」
和希「何があったんですか先輩?」
紅「料理対決で初めて負けたんだ。そいつは芸術力に溢れる奴で俺の憧れでもあった。一回目の対決は俺が買ったが、差なんてほとんど無かった。
和希「そんなすごいんですか?」
紅「だが、あの戦いを境に奴の料理に芸術はあっても心はなくなってしまった」
和希「あの先輩、僕を先輩の手足にさせてください」
【現実へ】
和希「その時から経営者としてのコーディネートを自分が、それを形にするのが僕の役目だとね」
アリス「つまりは、料理人ではなく料理を伝える者として未来を掴んだと?」
和希「はい」
司「おしゃべりは終わりか。そんなこと今の僕には関係ないね」
小林「司、お前はそんな力に頼らなくても芸術を演出できる。紅の二の舞に幸平を潰したらお前は料理人としての心を光を失うんだぞ」
司「君は相変わらず甘いね。だから第2席に甘んじるんだよ」
創真「ふざけるな」
和希「創真!」
今回は、和希の正体を少し知ってもらう回にしました。設定は転校生ですが、創真くんとは幼少期に知り合いという設定なので遠月にて再開・共闘という形であり、このオリジナルストーリーでは司の同級生の弟子といった設定になっております。