創真「ありがとなお前ら」
創真は、作業を再開する創真は作業中断前の時点でメインとなる食材を調理していなかった。
葉山「とは言っても、あいつさっきからなんかご飯と薬味やらスパイスやらの調理しかしてねえみたいだけど」
和希「いや、恐らくまだ出してないんだよ。メインの食材は」
すると、創真は冷蔵庫からある食材を取り出した。それは、豚ロースに木肌マグロ、カモ胸肉3つだ。
【スタンド】
吉野「あのカモ肉、私が幸平と用意した食材だわ」
水戸「そうなのか。実はあの豚の肩ロースも私が注文して幸平に」
伊武崎「でも、肉は同じだが特性としては異なるし、なぜ肉とマグロなんだ?」
汐見「いったい幸平君はなんの料理を作るのでしょう?」
シャペル「スペシャリテがテーマということは、あれらの品を一品として出すことは確かだが」
【メインステージ】
黒木場「おい、2種類の肉にマグロってあんな主張の強いもの使ったら・・・」
和希「あのマグロを取り寄せたのは僕だよ。それに創真の作ろうとしているもの何となくわかったよ」
えりな「和希君、幸平君は一体何を作るの?」
和希「それは、完成を楽しみしなよ」
創真は、まずカモ肉の処理から入った。先ほどの粉上のものをある液体に入れた。
アリス「どうやらカモ肉の臭み抜きは日本酒とスパイスをブレンドしたものね。そしてあの色からして、味噌も加えているみたいね」
葉山「だが、それだと王道すぎねえか」
新戸「葉山、王道ではないと思うぞ。幸平は恐らくスパイスの中に私が渡した薬膳の素材も調合している」
えりな「それは本当なの緋沙子?」
新戸「はい」
和希「てことは、創真はあの料理を主体としたスペシャリテをやはり作るつもりだ」
創真は、次に木肌マグロの調理にかかった。その時、創真はビンに入った黒っぽいものを取り出した。
【スタンド】
榊「あの入れ物、私が幸平君に渡した醤油麹」
アルディーニ「まるで幸平の奴、みんなの得意分野をパズルの如く一皿に組み入れようとしているのか?」
水戸「でも、あのメインになる3種の素材を一つにできるのか?」
シャペル「いや、一つだけある。それも水戸くん君が最も身近にしている形だ」
丸井「水戸さんの身近?」
【メインステージ】
作業をどんどん進める創真は、三種の材料の下処理を済ませると、3つのフライパンを同時にセットした。
葉山「フライパンを3つ同時に?」
田所「たぶん素材の質を落とさないようにするためだと思う」
アリス「肉や魚は常温だと傷みやすい。一つ一つやるとどれかが傷むは」
創真は、三つのフライパンを同時にさばく。それぞれ過程において多少の違いはあったがフィニッシュに向かう流れは同じだった。そして、幸平はご飯を丼に盛り付けた。
新戸「もしかして、幸平が作ってるのはかつ丼?」
和希「正解。ただ恐らくただのかつ丼じゃないと思うよ」
創真「お待ちどう。幸平特性三種のカツのフルコース丼だ」
完成したのはかつ丼! 大衆の料理を得意とする創真なら必然的といえば必然的か?
いよいよ勝負はクライマックスに