この作品は東方projectの二次小説となります。主は東方projectをプレイしたことがなく、他の人の作品やアニメ、MMDなどを見て、独自解釈をして得た知識なので、原作の方と相違点が見つかるかと思います。見るに堪えないと思ったなら、バック推奨します。
他にも誤字脱字や改行の仕方、様々な点で読みにくさもあると思いますが、読んでいただけたら嬉しいです。
今回は序章ということで、登場人物もおらず、短くなっております。次回以降、登場人物が増えると、セリフや地の文も多くなると思いますので、優しい目で見てください。
日本の僻地に幻想郷と呼ばれる場所がある。そこは結界によって外界と閉ざされており、内と外、どちらからも干渉の出来ない、妖怪や人間など様々な種の生き物が集う。外の世界では存在することがありえないとされる生き物がいる、まさに幻想のような地である。
そして、その幻想郷と外の世界を隔離している結界、『博麗大結界』を維持する巫女がいるのが、博麗神社である。ただ神社といっても、豊穣の神や勉学の神などが祀られているわけでもない。珍しく何も祀られていない神社なのである。
故に、古くから博麗神社には参拝客というのは少なく、精々が祭事や年が明けた時に形だけ使われるのみだった。もしくは妖怪によって人間に危害が出た場合、博麗の巫女に依頼を出し、妖怪を対峙してもらうか。
兎も角、幻想郷において知っておけば良い知識といえば、『妖怪や人間など様々な生き物がいる』『外と内は博麗大結界によって隔離されており、互いに干渉はできない』『結界を維持するために神社があり、妖怪退治を行う巫女がいる』と言ったところだろうか。
ところで
博麗神社には神が祀られていないという話だが、確かにその通りではある。しかしながら博麗神社が建造される前、さらに遡って幻想郷がその名で呼ばれる前に、その地に神や神獣といったものはいなかったのだろうか? いやまあ、いたのであれば祀られているだろう。だからいなかったというのが答えになりそうなものだが、驚くべきことに、神は存在していた。しかし、居たのであればなぜ、祀られていないのだろうか。
例えば、その神が厄神であったとか。
厄神にも二通りあり、厄除けの神と災厄をもたらす悪神がいる。前者なら祀られているだろうし、もし後者であったなら、それは勿論、祀るなんてことはしないだろう。彼の地に居たのは後者の方であった。
当然祀ろうが祀りまいが、悪神ならばその厄を周囲に振りまくであろう。そんな場所で、何かが栄えるなんてことはまずない。しかし、幻想郷はある程度の繁栄はみせていた。
なぜか。
悪神が封印されているから、だ。
悪神が封印され、厄を振りまくことなどできなくなったからこそ、幻想郷は存在している。博麗神社を建てたのも、封印を継続するために、神聖なもので蓋をしたとすれば、案外納得のいくものだ。悪神を封印したものは、八雲という性らしいが、それはまた別の話である。
そして、その悪神が封印され、平穏な日常が過ぎていた幻想郷に、ある異変が起きた。
「暇だな。あぁ、暇だ。幾百幾千という年の間、じっとしているのも、そろそろ飽いてきた。なにせ封印されるなんて体験、そう訪れるものでもない。そう思って楽しんでいたはいいが、それもとうとう飽いてもうた。────どれ、何か刺激的な、面白いものでも探してみるか」
悪神の封印が、誰に気付かれることもなく、ひっそりと、しかしあっさりと解かれてしまった。
それと同時に、後に紅霧異変と呼ばれる所以の、空をも覆いつくすような真っ赤な霧が、幻想郷を覆いかぶさった。
異変が、始まった。