二度目の転生は廃墟から……?   作:やっぱりイオは最高だよね俺っ娘最高っ!!

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旧題
一日目


特異点F・炎上都市 冬木
人生二度目の始まり体験


 目が覚めたら見知らぬ廃墟……みたいな所に立っていた。な、何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何が起きたのかわからなかった。

 ただまあ、これまでの人生でこういう展開は何度もあったことだからなんとなく予想は付いている。重要なことだから何度でも言うけど、こういうことがあったのは初めてじゃない。うん、初めてじゃないんだ。

 だからここがどこかっていうのが分からないだけで、なんでこんな場所にいるのかっていうのは把握している。どうせまた転生したんだろうなーって。

 

 初めての時は何がなんだかわからなくて本当に焦ったよ。目が覚めたと思ったら何故か俺の周りに何人もの人がいて、なんか偉そうな人がなんか言ってる場面で。その時表情に出して喚かなかったことは今でも凄いって思う(自画自賛)。

 その後なんやかんやあって過去に戻って歴史を変えたり知り合いの少女を助けるために奔走したり俺の知ってる東京とは全く違う東京から来た少女と手を合わせてなんか神(笑)を片手で倒したりしたっけ。その後も色々やって、漸く仕事が無くなってこれで休める――――なんて思った直後にコレですよ。

 

 ……ってか二度目かよ……! まさかの二度目っ! 一回目はPSO2の世界で今回はどこだここっ!?

 あたり一面火が燃え盛ってる廃墟じゃねぇか判断材料どこいったっ!? 一回目にもましてわかりづらいなこんちくしょうっ!!

 前回の時も割と戸惑ったけど、本当にもっとこう、親切設計にしてくれませんかねぇ……っ!!

 

 ……よし、落ち着こう。落ち着け俺。大丈夫、二回目なんだ。慣れてる……わけねぇだろバカ野郎……ッ!! こんなこと何度あっても慣れるもんじゃないわ! ってか慣れたくないよぅ……。

 なんて言ってても埒があかない。流石にずっとここで棒立ちしてるわけにもいかないし、しょうがない。行くあてはないけど取り敢えずそこらへん徘徊でもするか……。そうすればなんか分かるでしょ、多分。

 

「とはいえ、ホントどこだここ。見覚えないし、まさかマジ物の紛争地帯とか言わないよな。……この壊れ具合なら無きにしも非ずってのが怖いぜ……」

 

 心臓がバックバク言ってんぞ。もうね、本当に勘弁して欲しい。神様、俺が何をしたって言うんだ。前前世から続いて前世でも少し、いやちょっとだけ人助けに精を出してただけじゃないか。それでなんで転生なんかさせられるんですかねぇ……。俺なんかよりも過去の文献に載ってる聖人とか、外国のお偉いさんを転生させるのでもいいはずなのにさぁ。

 ……まぁ、いいや。グチ言ってても仕方ないし、なによりこの状況の打開になるわけでもないし。本当はここで小一時間ほど愚痴りたい気分だけど、どうせそんなことしても意味がないし。

 それにしても本当に廃墟っていうか、燃え盛ってるなー。構造物的に都会より田舎っぽいが、妙に近代的な建物(倒壊)なんだけど、何がどうしてこうなったんだか。空爆されたにしては陥没も少ないし、というかほとんどないし。まさか集団放火……? なわけないか。流石にこんな状況になる前に治安部隊もしくは警察が出張ってくるだろ。そうなると……うーん。DFの仕業としか考えられないPSO2脳をどうにかしたい……。

 

 って、あれー? なんか目の前に骸骨が迫ってきてる? 嫌、なんで骸骨? 可笑しくない? ねぇ可笑しくない? 骸骨が動くの? ここってもしかしてそういうのが当たり前な頭のネジがどっかに飛んでいっちゃったみたいな世界なの? ……早くも生きていける自信なくしたんだが……。

 うん、ちょっとまて。ちょっと止まれ。俺は美味しい人類ではないですよー? そもそも人間じゃぁないですよー? ってか骸骨って人食べるのか……? いやこの際どうでもいいか。だから迫って来るな。止まれ。その手に持ってる剣みたいなの振り上げるな……ッ!!

 

「あぁっもうっ!! なんで()の人生には戦いが付きまとうのかなぁ……っ!!」

 

 心の底から切実に思います。なんで俺の人生には戦いが付きまとうのだ。前前世も然り、前世のPSO2世界でも然り。カミサマという巫山戯た存在がもし本当に居るんだとしたら、相当俺のことが嫌いのようだ。

 

 ――――なんて、グチったところで奴さんが止まってくれるわけでもなく。さて、戦闘ということなら思考を切り替えようじゃないか。一般常識を持った俺から、ただただ敵を殺す()へと。

 幸い戦闘は前世で嫌というほど体験したんだ。この程度退けるくらいどうってことはない。それに敵の動作はどうみても――――

 

「知性の欠片も感じない、ただの木偶か。……走るのが遅いし、振り上げる動作も鈍い。なにより、貴様には思考というものが足りない。破壊衝動(本能)に任せて動く(ケダモノ)以下の存在(在り方)。そんな意思無き骸(木偶)の貴様に対するせめてもの手向けだ――――何も感じずに去ね。『グレンテッセン』」

 

 口調を変え、思考を切り替える。今まで培ってきた経験の中で自然と出来上がっていたスタイル。そうでもしなければ戦いなんてやってられないという元一般人の浅知恵だ。そんな浅知恵のお陰で今も五体満足生きていられるのだから大したものだと自画自賛したいものだ。

 言い慣れた技名を宣言すると同時に、いつの間にか左手に現れていた武器――レイカタナと呼ばれるメカメカしい刀――を使って腹に一閃を入れながら()の真後ろに移動する。一回の斬りつけで下半身と上半身は綺麗に両断(サヨナラ)した。が、それで敵が本当に消えるとも限らない。相手は骸骨であり、俺が知っている生命体でもない。一度斬って殺したと思っても次の瞬間には元通りになっていても不思議じゃないのだ。だから――――

 

「これでお終い。『アサギリレンダン』」

 

 グレンテッセンでの追撃(振り向きザマに高速の居合を放つ技)を破棄(キャンセル)し、連続で敵の身体を斬り刻む。ゲームと違い自由度の増したPA(フォトンアーツ)は自分が止めようとするまで止まることなく斬り続けることができ、そして自分の意思でどこを斬るのか、どう斬るのかを変えることができる。慣れるまで苦労はしたが、その分この技は他のどの技よりも手馴れている。その結果――最後の残骸に一閃を加える頃には骸骨だった物の欠片一つ残ることなく木端微塵になっていた。それを頭の片隅で確認しながらも骸骨が復活しないか警戒する。

 刀を青眼に構えた状態で警戒することおよそ十秒ほど経過して、敵が復活しないことを確認した。……どうやらある程度ダメージを与えると消滅していく仕様になっているようだ。

 それを確認できた俺は周囲に敵がいないことを確認して武器を鞘にしまい、腰にフォトンの力を使い装着する。……この腰に引っ付く原理は俺もわからないので考えないようにしていたりする。世の中には知ってはいけないモノがあるのだ。

 

「……それにしても、うーん……手応えないなぁ。これなら別にPA(フォトンアーツ)使わなくても良かったかもしれない。別にグレン使わなくたってあの程度の速度自力で出せるし……なんか損した気分だ」

 

 はぁ、とため息をついて俺は敵が居た場所に目もくれず歩き出す。なんというか、口でも出したが本当に拍子抜けだった。速度も、力も、何もかもが足りていないそれは正直ただの的でしかなく……本当に、損をした。こんなことでフォトンを消費してしまったことを後悔するくらいだ。

 まぁ、そのお陰で敵の程度が知れたことだし結果的には良かったのかもしれない。……いや、結局敵の程度が知れたくらいしか収集がないからマイナスの方が大きいか。

 

 ……とはいえ、こう、なんというのだろうか。今まで強敵と戦ってきて、それで勝ってきた身としては正直物足りないわけで……簡単に言ってしまうと、欲求不満だから適当に暴れたいのだ。

 いや俺の名誉のために否定しておくが別に戦闘狂じゃないぞ? ただ物足りないだけなんだ。もっと血湧き肉躍る戦闘がしたいとか、そんなわけでは決してない。ないったらない。

 

「……ボッチ歴が長くなると独り言が多くなる不思議。前前世の祖父ちゃん祖母ちゃんも独り言が多かったが、こんな理由なのかねぇ。……はぁ。あたり一面廃墟ばかりだし、敵もいる気配ないし、どうしようかな……って、んん? あれ、生命反応がある……? しかも三つ……あれ? その内二つはちょっと変な感じが……?」

 

 敵を探ろうと思ってみたら、何やら二つほど変な気配を感じた。一つはなんというか、半分人間、半分霊体のような歪な存在。もう一つは生きているようで死んでいるような不気味な存在。……これは、もしや事件の匂いが……?

 

 いやまあこの場所自体に事件の匂いが漂ってるけどね。炎上した廃墟ってそれも事件以外の何物でもないじゃん。

 うん、まぁそれはいいとして。……取り敢えず不気味な存在のほうに向かってみようかな。長年培った勘がこっちの方が面白そうって回答を下してるし、歪な存在の方は正直得体がしれなくてキモチワルイ。なら不気味な存在の方に行かないわけにはいかないな。

 そうと決まれば早速行動するか。行きながら動く骸骨殲滅して身体の熱を冷ましながら。

 

 ――――さて、鬼がでるか仏がでるか……楽しみだなぁ……。

 

 そんなことを考えながら、俺はその不気味な存在に向かって歩き始めた。




2017/06/12 03:20
加筆修正。並びに冒頭の部分を少し弄り入りやすいように修正。
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