二度目の転生は廃墟から……?   作:やっぱりイオは最高だよね俺っ娘最高っ!!

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旧題
一日目・3


どうやらこの世界では安全な時間など無いようで……?

 土下座する俺。オロオロしている人間の少女。気絶している歪な少女。未だに現実に帰ってくることがない不気味な女性……中々にカオスな状況だと思わない?

 正直どうしてこうなったというかどうしてこういう状況を作ってしまう原因を作ったんだと少し前の自分に殴りかかりたかった。

 

「いや、ホント悪い。敵意を向けられて攻撃されると戦闘の合図だと思って切り替えちゃうんだ。客観的に見て確実に俺が悪いっていうのに……本当にごめん」

「あっ、いや、えっと……こっこちらの方こそ、早とちりしてしまったようですみません……」

 

 炎上した廃墟の中でお互いに謝り倒すという面白可笑しな空間が出来上がっていた。それが出来た理由は少しだけ前に遡る。

 

 

 

 歪な少女に思いっきりの攻撃を仕掛けた俺は、ぶっちゃけ困惑していたといっても過言じゃない。理由としては中々にイイ敵意を俺に向けていたことと、かなり腰の入った攻撃をしてきたこと。そしてかなり良い武器を持っていたことが原因だ。いや、言い訳になるんだけど本当にイイ敵意と攻撃を俺に向けてたんだよ、うん。

 だから不覚にもそのまま固まってしまったわけで……。武器や攻撃の割に反撃されるとは殆ど思っていないようなど素人丸出しで戦闘勘のズレてる感じが変だな、なんて固まりながら頭の片隅で考えて、ふと歪な少女に指示を出していた先輩と呼ばれた少女を見る。そしてその少女が俺を怯えた目で見ていたのに気がついて我に戻ったんだ。

 良い歳こいて――前前世と前世を合わせると80年は生きてるのに――なにやってんだ俺と。

 いや、ね。確かに敵意を向けられて攻撃されたとも。でもついさっき客観的に見て自分が確実に悪いって思ったばかりじゃん。だというのに、なんだ? 敵意を向けられ攻撃されたら反撃される覚悟は出来てるとかどんな世紀末だ。まあ周りの状況は十分世紀末ですけどねっ!!

 ってそうじゃなくて。

 

「……あぁー……つい、攻撃しちゃったわけなんだけど、話、聞いてもらってもいい、かな……?」

 

 我ながら中々に情けない声音で怯えている少女に声をかける。漫画的に言えば冷や汗をタラタラ流しまくってることだろう。……というか不気味な女性現実にカムバーック。いつまでも呆けてないでお願いだからこの空気を変えてくれ、切実に!

 

「あっ、え? えっと……?」

 

 突然、攻撃してきた人物がそんな声音で話しかけてきたからだろうか。怯えていた少女は次に困惑したような顔でまるで理解できないと言わんばかりにオドオドしていた。

 ……ぶっちゃけ、これが俺だったら攻撃してきた時点で敵とみなして攻撃し返すんだが、この少女はもしかしたら戦場というものを知らないのかもしれない。いや、まてまて。そんな思考回路だからダメなんだよ俺。身形(みなり)はどっかの戦闘衣装みたいな感じだが明らかに現代人っぽいしそんな野蛮人みたいなこと考える訳無いだろ常識的に考えて! そもそもここはPSO2の世界じゃなくて地球っぽいんだし! 敵意向けたなハイ殺し合い、なんて世紀末世界じゃないんだからっ!!

 とはいえ、現状それは俺にとっては好都合だった。……でも、うん。どうしよう。話をするにもまずは謝ったほうがいいのだろうか。いや謝ったほうがいいよなぁ。確実に悪いのは俺なんだし。

 ……でも本当にどうしよう。取り敢えずカタナを鞘に入れて腰に装着し、一応は武装解除したんだけど……この状況からどう謝ればいいのか皆目検討がつかないんだよなぁ。

 

 ……あっ、いや待てよそうだよ。前前世であったじゃん、便利な謝り方。見た感じは現代人みたいだし、これは通じるかも知れない。

 

「……」

「……」

 

 個人的に物凄く痛い沈黙が続く中、俺は不審に思われないようにゆっくり膝をつく。そして正座をするように座って、身体を前に倒し両手を地面に付け――――出来上がった見事な土下座。

 その時点でまた少女から困惑の声が聞こえたが無視して大きく息を吸う。そして――――

 

「本っ当に!! 申し訳ありませんでしたぁっ!!!」

 

 今自分が出せる全力で声を張り上げ、謝った。

 日本という国に古来から続いている謝り方。自分を下に下げ、首、背中を晒して直ぐには動けない正座までして謝るこれは、俺の記憶が正しければ最大級の謝罪の意を伝えるものだった。

 

「ふぇ? え、えぇぇっ!?」

 

 再度響く少女の困惑の声。それは俺の謝罪の言葉と同じくらいに大きな声だった。

 

 そして漸く、話は冒頭に戻る。

 

「えっと、取り敢えず、頭を上げてください。あの、えっと、こう……ずっと頭を下げられていると、話しづらいといいますか……」

「……わかった……」

 

 少女に促されて渋々俺は頭を上げる。とはいえ正座をやめることはない。頭を上げろ、とは言われたが立っていいとは言われてないのだ。……完全にこちらが悪い状態での攻撃、あまつさえ戦場に出たこともないか弱い少女を怯えさせてしまった罪はこの程度じゃ許してもらえないと思うんだ。……ぶっちゃけ殴られないと気がすまないといいますか……。

 

「改めて、先程は本当に申し訳なかった。いくら敵意を向けられたとは言え、客観的に見ればこちらが悪いのは明白。だというのに、攻撃もして、剰え君を怖がらせてしまった。本当に、申し訳ない……」

「あっいやだから、それは私たちも早とちりしてしまったのにも原因があるので……その、お互い様、ということでどうでしょうか……?」

 

 天使がいた。いや、この場合女神といえばいいのだろうか。こんな暴挙に出た俺を責めもせず、逆にお互い様だという謙虚さ……。この娘いつか悪いやつに騙されそうで怖いわ……。

 まぁ、歪な少女の方は戦闘勘は置いといて警戒心は高いみたいだし、あの歪な少女の近くにいればある程度は大丈夫か。

 ……とはいえ、どうもこの状況は少女に緊張を敷いてしまうみたいだし、取り敢えずたって普通に話そうと思う

 

「所で、キミの名前はなんて言うんだ? 名前が色々あるからキミの名前次第でどの名前を名乗るのか決めるからさ」

 

 立ち上がり、目の前の少女の目を見ながら名前を聞いてみる。名前が複数あるというのは、不本意ながら事実だ。前前世での名前が一つ、前世での名前が四つ。前世では、何故か有名になり過ぎてしまったので変装したりしながら名前などを変えて色々と遊びに行っていたりしていたのだ。……クーナとかマトイとかには何故か一目でバレてしまうのが難なのだが。因みにだがアークス登録は一応上の方に申請して受理されているから合法だ。一度だけ申請せずに名前を変えて変装して遊びに行こうとしたら六芒均衡――アークス戦闘員の中で名実ともにトップにいる存在――が出張ってきて大変だったから諦めた。退けられるとは言え全員で一斉に来られると厄介なんだよなアイツ等。

 

「あ、えっと……私の名前は――――」

 

 そう、少女が自分の名前を言おうとした時だった。歪な少女よりも更に歪で、禍々しく、同時に吐き気を催すような存在(クソ)が高速でこちらに近付いてくるのに気付いたのは。

 反射的に、身体は動いていた。装着していたカタナを抜刀しながら今自己紹介しようとしていた少女の真後ろに移動し、位置的に少女の首を狙っていたナイフのような物を弾き返す。

 俺の突然の行動に小さく悲鳴を上げた少女を取り敢えず無視しながら、ナイフを投げた仕立て人を睨みつける。

 

「……ごめん、取り敢えず話は後にする。まずは敵を殲滅させてもらう」

 

 睨みつけた先に立っていたのは、黒いモヤみたいなものに全身を包まれた人外だった。気配だけでは分からない、見てから漸く感じたものは、歪な少女の霊的部分を前面に出したような、ひどく気持ちの悪いモノ。死んだものが生きているような、生きているものが死んでいるような――――そんな、生と死を冒涜しているような存在だった。

 

「随分と……気色の悪い気配を発するな、貴様。よもや私の前でそのような気配を出すとは……死にたいのか?」

 

 人の形をとっているからか、ダメ元で歪な少女の時と同じようにコミュニケーションを取れるかと思って出した言葉は、気持ち悪い人外の攻撃が返答になって帰ってきた。

 その攻撃は余りにもおざなりで、知性を感じさせない無機質な攻撃――――いや、骸骨どもと同じように唯只管(ただひたすら)に破壊衝動を固めて打ち出したような攻撃だった。黒いモヤがあるとは言え、骸骨とは違い人の形を保って居ると言うのに。

 あぁ……うん、ダメだ。殺そう。こいつの存在は酷く私の心を揺さぶる。正直に言って、不愉快だ。それにちょうど欲求不満だったんだし、憂さ晴らしもしたい。漸く話せるかも知れない状況に持ち込んだというのに、それを邪魔してきた憂さを。……これは完全に八つ当たりではあるが。

 

「……言葉の話せない化生如きが……万死に値すると知れ!」

 

 言うと同時に地面を蹴り気持ちの悪い人外の元へ移動する。数百メートルくらい一秒とかけず動くくらいは朝飯前なのだから、目に見える範囲にいる場所に移動することくらい容易いことだった。

 ――――だから、これも当然のこと。

 刹那のうちにカタナを抜刀し、目の前のキモチワルイ存在の身体を34つの肉片に分割する。それに人外が気付けなくても、本当に当たり前で、極自然なことだった。

 

 斬り付けた後、しっかりと残心してカタナを鞘に戻したあと、小さく溜息を吐く。

 ……意外と手応えがない……。人外を34分割にした後に思ったことはそれだけだった。というか、この程度(・・・・)のスピードに対応出来ないとかコイツ本当に人外なのだろうか。それとも俺が人外だと思っていただけ……? だとしたら正直拍子抜けというわけで……憂さが、晴らせない……。

 

「はぁ……取り敢えず、外敵は消えたようだ。落ち着いて、話でもしようか……?」

 

 もう一度だけ溜息を吐き、抑えきれない苛立ちを精一杯隠しながら笑みを浮かべて、俺は未だに惚けている女性と驚いたようにこちらを見つめている少女に改めて話しかけるのだった。

 

 

 ……ちなみに、少女が何故か俺のことをキラキラとした目で見ていることには見て見ぬ振りをした。……だって恥ずかしいじゃん?




まさかまた低評価を受けるとは……本当に解せぬ(´・ω・`)

まぁ、そんなことは置いといて。感想を書いてくれた方、ありがとうございます。
ぶっちゃけ見切り発車でいつまで続くか分からない何から何まで地雷なこの作品ですが、よければお付き合いいただけると幸いです。

2017/06/12 10:30
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