二度目の転生は廃墟から……? 作:やっぱりイオは最高だよね俺っ娘最高っ!!
一日目・4
あの後、俺と少女は取り敢えずという感じで自己紹介から始めることになった。それで知ったのは少女の名前が藤丸立香だということ。そして俺が気絶させてしまった少女の名前がマシュ、未だに惚けている女性の名前がオルガマリーという名前だということだった。……心の中での呼び方は立香とマシュマロとビビりでいいかなぁ……。
……っというか、いい加減現実に帰還してこいよビビリぃ……。マシュマロに関しては俺が全面的に悪いけど、俺お前になにかした覚えないぞ……。
そりゃ、ダイナミックエントリーしたり骸骨を一瞬で殲滅したりはしたが、逆に言えばその程度しかしてない訳だし……。こうも長い間惚けられていると、なにか病気とか頭打ったとか、あるいは初めての世界でフォトンに指向性を持たせる過程が失敗して……とか最悪な方向にしか思考がいかないから本当に困る。……いやまさか本気でフォトンの制御が出来てなくてビビリも斬っちゃったとか……? ないか。だとしたら位置的に首と身体がサヨナラしてるだろうし。……流石に精神だけぶった切るなんて芸当出来るわけないし。……ないよな? 今まで試したことないけど……今度試してみようかなぁ……。
「んっ……あれ、ここは……?」
なんてバカなことを考えていたらマシュマロが起きたようだ。気絶から醒めたばかりだからだろうか、今の自分の状況が上手く飲み込めていないようである。頻りに目をぱちくりさせて、状況把握に勤しんでるようだ。……まぁ、当たり前だよなー。脳天強打で気絶したのに、起きた瞬間周りの状況を理解できるわけないもんなぁ。……本当にごめんなさい……。
まぁでも、起きてくれたようで良かった。いやマジで。かれこれ三十分くらい経ってるけど中々起きないから加減間違えて脳の一部殺しちゃったかとヒヤヒヤしてたんだもの。……その三十分の間に立香にジト目で見られてたからだとか、そんなことはない。うん、ない。
「おはよう、マシュ。身体は大丈夫……?」
立香は優しく、いたわるようにマシュマロに声をかける。マシュマロがその声に反応して立香の方に目を向た。少しの間立花を見つめて、周りを見渡し、最後に俺に目を向けて――――飛び起きた。
瞬時に何処から出したのかさっきまで跡形もなく消えていた盾を顕現させると立花を守るように構え、俺を殺意の篭った視線でもって睨みつける。
「……っ!! 先輩、すみません!! 敵は……っ!!」
あっ、うん。そうだよね、俺が気絶させちゃったんだもんね。マシュマロの中では確実に俺は敵認定されてるよね。当たり前か……。
いや、どうしよう、これ。立香がマシュマロを上手い具合になだめてくれることを祈るしか……。それか、やっぱりもう一度土下座するか……? なんか段々その方がイイ気がして来たゾ……?
「落ち着いて、マシュ。大丈夫だよ、私達の早とちりみたいで、あの人は敵じゃないから」
やっぱり女神や……っ!!
いや、違くて。いやいや違くはないんだが……これは当分立香に足を向けて眠れないかもしれない。まさか落ち着かせようとしただけでなく俺への誤解もただそうとしてくれるだなんて……! 強ち誤解だと言いづらいけども。攻撃しちゃったし、説得の手段を早々に手放しちゃったし。
とはいえここで口を挟んでそれを言っちゃうと折角和解の展開に向かいつつあるのにぶち壊しにしてしまうから勿論口は噤んでおく。
「え……? はや、とちり……?」
「うん、早とちり。さっき少し話してみたんだけど、別に所長を襲ってたわけじゃないらしいし……」
そういって、立花はビビリをちらりと見る。釣られて俺も見てみると、未だにビビリはアホ面……もとい、呆けた顔で虚空を見つめていた。……本当に大丈夫だろうかこの人……。そろそろ本当に心配になってきたんだが。……まぁ、多分衝撃与えれば治る……訳ないよなぁ前前世で言う一昔前のテレビじゃあるまいし。
とは言え、マシュマロもビビリの方を見て、大体察したのか冷ややかな目でビビリを見て――いや所長ってことはそいつ上司でしょう? そんな冷ややかな目で見て大丈夫なのか……?
「マシュは一度攻撃を受けてるし、こんなこと言われて信用できないかもしれないけど、少しだけ話してみよう……?」
「……わかり、ました。先輩がそこまでいうのなら、一度だけ信じてみます」
……話はまとまった、のだろうか。取り敢えずこれは声を出してもいいのかな……? 一応空気を読んでずっと黙っていたんだが……。
……いや、その前にビビリに少しだけ衝撃を与えようかな? ずっと無視されたままじゃ可愛そうだし、なにより所長なんて言われているのならここの少女達よりかは知識を持ってるはずだ。
んじゃあ、思い立ったが吉日ということで頭を叩こう。それでダメならその時はその時でいいかな。それにぶっちゃけ、なんか重いこの空間をカラッと変えたいんだ。その犠牲になってくれ、ビビリ。
俺が
で、次に気が付いた立香がジト目で見つめてくる中、俺は徐々にビビリに近づいて行く。近づくに連れて少しづつマシュマロの警戒が強まっていってるが、この際気にしないことにした。
そして、ビビリの目の前までゆっくり歩いて行き、これ以上警戒されるのは面倒だから怠慢な動きで右手を少し上げる。そして――
「――ドゥドゥ直伝、痛いように
ズドンッ、という音が響く。それと共に空気が振動するような衝撃波が起き、衝撃に遅れるようにして小さな風が吹いた。
いや……うん。かなり重い音して衝撃波まで出てるけどこれ本当に攻撃力皆無なんだよ? ここまでやっても攻撃力皆無なんだよ。たとえそれで空気が振動したとしても、ものっそい音が出ていたとしても。
原理は簡単で、万能エネルギーフォトンを使って緩衝材を敷いただけだ。たったそれだけでフォトン緩衝材は全ての衝撃を吸収してくれて、相手に振動が伝わらないようにしてくれるのだ。あっ、その前の腕を振り下ろした時に出来た振動だけは緩衝してくれないっていう変なところで不親切設計だけど、そこは問題ない。俺はそんなことも考えずに行動する男ではないのだ。……嘘ですごめんなさいこれでビビリが気絶しちゃったら土下座する準備は出来ている。因みにだが、ドゥドゥ直伝というのは割とガチで本当だったりする。アイツ、モニカとたった二人で武器の強化とかを受け持ってるせいか、かなりの数のアークスから恨まれていたりしているため護身術は最強クラスだったりするんだ。あの六芒均衡でさえ頭が上がらない存在なんだから相当。……裏ではドゥドゥとモニカが真のラスボスとか完全体DFとか言われているが……真実は定かではない。更にどうでも良い知識だがモニカはまだまだダメだとしても、ドゥドゥは俺と格闘技系でのみ競い合える化物だったりする。一度だけ興味本位でお願いして本気でやりあったら惑星ナベリウスで大規模な戦闘が発生しましたナベリウスにいるアークスは速やかに避難してくださいとか放送されたし。
……勿論その後シャオとウルク、マトイとクーナという大物達にこっ酷く叱られた。流石にこの時はドゥドゥも冷や汗を流していた。……女は怖い(戒め)。
マシュマロと立香は俺の唐突な暴挙に唖然として惚けていた。当然といえば当然の反応ではあるが……今度はお前らがビビリと同じようになるとかないよな……?
「ぴぃ……っ!?」
女性が出してはいけないようななんか変な悲鳴をあげながら、ビビリは現実へと帰還してきたようだ。
「よしっ、これで落ち着いて話ができるな!」
ビビリを現実に帰還させた、という変な達成感からか俺は満面の笑みで立香とマシュの方に向き直り――――と同時に、白い目にさらされるのであった。
☆彡
「こほん……。あぁー、取り敢えず、自己紹介でもしようか……」
結局あの後酷い目にあった。いや、俺ビビリを現実に帰還させただけじゃん。だというのになんで俺立香に叱られなければならんのだ。というか立香、キミ俺に遠慮なくなってきてない? 会ってからそんな時間経ってないんだよ? 幾らなんでも気を許すには早すぎるんじゃないかなぁ……。
まぁ、それは置いといて。
あの後立香に突然変なことするなとか、心臓に悪いだとかを耳にタコが出来るくらい言われ一応反省した俺は、気を取り直す為に一度咳払いをして、立香と話して決めた自己紹介を始める。
「えっと、まずは俺からさせてもらう。俺の名前は雪歌。雪に歌と書いて雪歌。こんなこと言っても信用してもらえないとは思うが、一応俺は君達の敵じゃない」
敵じゃない。うん、敵じゃないんだよ。だからマシュ、その警戒心より浮き彫りになってる敵意を隠そうか。ちょっと居心地が悪いというかウズウズして仕方ないというか……うん、取り敢えず止めようか?
あ、あとこの雪歌という名前は前世……PSO2の世界で一番有名で一番使っている名前だ。立香が日本名だし、ちょうどいいから俺もそれにしようと思って名乗った。まぁ……なんだかんだ言ってこの名前は長いあいだ付き合ってきた愛着があるから、この名前を名乗れることに少なからず嬉しく思ってるわけだが。
「……先輩のことは知っているようなので、次に私がさせてもらいます。
なぜ先輩の後輩、の部分を強調したし。意味がわからないよ。マシュマロの中で俺に対する何かが芽生えたのか……? 主に悪い方面で。
これ、なんか面倒くさいなぁまったく……。もっとこう、和気藹々とした会話をしたかったんだけど……そのキッカケを潰した最大級の戦犯は俺だからなぁ……。
「次は、私ね。私の名前はオルガマリー・アニムスフィアよ。さっきの醜態のことは全て忘れなさい」
うっわ上から目線……。なんだ、これ。キャラ濃すぎないかコイツら。
見てる分には楽しそうだけど、話してみると面倒くさい部類の人間だコイツら……。選択誤ったかなぁ……。これならまだ骸骨と遊んでたほうが良かったかもしれない。まぁ、楽しいからいいんだけれども。
さて、取り敢えず全員が自己紹介終わったし、そろそろこの世界についての話に移行しようか。
「さっきしたけど、流れに乗って私も自己紹介するね。私は藤丸立香。なんの因果かカルデアで最後のマスターっぽいポジションになっちゃった哀れな少女です」
ってオイっ!? 貴様……っ!! ってか流れに乗るって何!? そういう流れなのこれ!? んで自分で哀れな少女ってアカンやつやないか……! あと! 最初にあった敬語どこに行った!? 幾らなんでも本当に気を許すの早すぎませんかねぇ……っ!
……あぁいや、落ち着け俺。取り敢えずこの場所の確認をするのが先決だろう俺。だから気にするな、気にしちゃ負けなんだ。……よしっ、自己暗示終了!!
「じゃあ、お互いに自己紹介をした上でまず確認したいことがあるんだ」
「あっ、流された」
テメェまさか確信犯だったのか……っ! 女神って言ったの前言撤回!! コイツ女神に化けた小悪魔だっ!! いや天使から堕天した堕天使かっ!? どちらにしろタチ悪い……っ!!
あぁもうっ! 話が進まない!!
「……えぇっと、取り敢えず、ここがどこかわかる奴いるか? 若干一名わからないって即答してくれやがりました自称哀れな少女が居るわけだが」
ちょっと毒舌になっちゃったけど是非もないよネ☆ いやほんとこの状況で平常心とか無理、マジ無理。幾ら俺が穏やかな心の持ち主(自称)だとしてもこれは無理。圧倒的ギルティなんだもの。
……それは置いといて。
どうやら、全員の顔を見るに心当たりはなさそうだ。
どこかは分からないが予想は付いている、という感じだろうか。
「……いえ、ここが何処か、という質問には現状わからない、としか言えません」
君だよ君、マシュ・キリエライト君。如何にもこれかなーって予想付けてそうな顔してんじゃん。なに? 立香がわからないと答えたから自分もそれに便乗しておこう的な? うん、今まで流れが流れだったから中々謝る機会がなくて謝ってなかったけど、俺お前に謝んねぇわ。絶対謝んねぇわ。
「あっ、思い出した。そうだった、ロマンが言ってたんだった。確かここ冬木っていう場所らしいよ?」
知ってんのかよっ!? なんなのお前ホントマジでなんなのっ!? 俺のSAN値を削りたいのっ!? 直葬しちゃうぞ、このままだとSAN値直葬しちゃうぞっ!?
……ん? ってか、え? 冬木? え、いやいや、ちょっと待て。冬木って……まさか、そんなわけ無い、よな……?
でも、そう言われてここの光景見れば、うん。前前世の記憶に微かに残ってるソシャゲの風景がまさにこんな……あっ、うっそーん……。
聞き覚えがあるどころか前世で一回お世話になった場所なんだけど……まさかここ、Fateなの……? ……ふぅ。
――――これ、オワタ……。
所長の口調が分からないからセリフ数が少なくなってしまう。是非もないよネ。だって本編での登場率ダントツで低いし(´・ω・`)
おっそうだ(唐突)お気に入り登録してくれた方も高評価くれた方もありがとうございます。スゴい励みになる。
2017/06/12 11:25
加筆修正。
最後はやっぱりグダってあまり加筆修正、出来なかったよ……。